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ホワイト物流推進運動について

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ホワイト

トラック運転手は長らく「低収入で過酷な仕事」というイメージが広まり、人手不足が続いています。
トラック運転手が激減しているわけです。運転手がいなければトラックは1ミリも動きません。いや、力持ちが何人かで押せば数センチくらいは動くかもしれませんが、そういうコトではないのです。
中国地方や九州地方では雑誌・書籍の発売日が1日遅れることになりました。
また、食料品などの値上げも始まっています。食料品などが全国に届くのはトラックで運ばれるからであり、これまたトラック運転手が減れば、物流費用も高くならざるを得ないわけです。もちろん、原材料費の価格上昇などもあり、原因は運転手不足だけではないのですが、運転手不足が原因の1つになっていることは事実のようです。
「引っ越し難民」という言葉も登場しました。サラリーマンの転勤は3月に集中します。異動になった場合、新しい配属先での仕事が4月から始まるので、それまでに引っ越すからです。地方の高校を卒業して4月から都会の大学に通い始める学生たちも、同じ時期に引っ越します。合わせると、3月に膨大な引っ越しが行われることになります。
この引っ越しにもトラックが使われるので、当然運転手不足が影響します。運転手は少ないのに利用者が集中していつもより増加するので、引っ越し会社も対応できず、引っ越し先が決まっているのにも関わらず、引っ越しできないわけです。この「引っ越しできない」人々「引っ越し難民」です。
こうした「運転者不足による国民生活への影響」が実際に現れている現状に、国土交通省、経済産業省、農林水産省の3省が連携して始めたのが「ホワイト物流推進運動」です。

トラック運転手不足の背景

1. 若者の減少

トラック運転手の減少によって、トラックを使った物流サービスが縮小されたり、物流費の上昇が起こり、国民にとって不便になってきているので、それを解消するには「トラック運転手の増加」が効果的な手段となります。
というわけで、行政としても必死に「なぜトラック運転手は減少しているのでしょうか?」を考えたのでしょう。原因が分かれば対処法が見つかるのですから。
トラック運転手のなり手が減っているのは、まず、とりあえず職業に就こうと考える若者自体が減っていることが挙げられます。これが少子化です。つまり、人手不足はトラック運転手だけではなく、いろいろな業界で起きています。そしてトラック運転手も「例外ではない」のです。
ただ、少なくなった若者があえてトラック運転手になろうとしない理由もあります。

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若者たち

2. 魅力の減少

少なくなったとはいえ、トラック運転手はまだ絶滅危惧種になったわけではありません。ただ、妊婦を邪険に扱うような言動が横行したり、職場にマタハラやセクハラが存在したりすると、確実に日本人は絶滅危惧種になりますよ。
それはそれとして、とにかく、若者がトラック運転手になろうとしないのはそれだけトラック運転手の仕事に魅力を感じていないからです。冒頭に書いたように、トラック運転手は「低収入で過酷な仕事」というイメージが広まっているので、そんなイメージを鵜呑みにすればトラック運転手になろうとする若者も減ります。
現代はYouTuberなんて職業が人気を得て、多くの子どもたちが「楽そう」だと言って憧れたりします。現代社会はいろいろなことが便利になり、いろいろ楽できるように発達したので、子どもたちも「このまま楽して一生過ごせるかも」と考えてしまうのかもしれません。

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人気職業「YouTuber」

3. トラック運転手の実態

ただ、実際のトラック運転手は年収の平均が400万円台、月収の平均は30万円台です。昭和のように年収1千万円も稼げたころとは違うようですし、豪勢な贅沢暮らしはできないかもしれませんが、一般的なサラリーマンと比べて大げさに安いわけでもないのです。
大学院まで行って博士号まで取得したのに、大学の非常勤講師を兼任して年収200万円台なんて高学歴者もいると言いますから、トラック運転手はきちんと働けば決して「低所得者」ではないと言えます。

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やればやっただけ稼げる

4. 労働環境

それでも「低収入で過酷」と言われるのがトラック運転手です。つまり、過酷な労働環境に収入が見合っていない職場が存在するわけです。
もちろんすべての職場がそうなのではありません。しかし、人は一部を見て全体を「そうだ」と判断してしまいがちなので、トラック運転手すべてが「過酷過ぎる」と思われています。
この「過酷さ」に収入が見合っているかは別として「過酷」なことには違いがありません。
その要因としては「荷の積み下ろしが手作業」「荷の届け先での待ち時間が長い」「荷の届け先で契約以外の作業をさせられる」などがあります。

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過酷

5. ブラックな労働環境による弊害

トラック運転手の仕事には確かに過酷な面があります。まあ、あらゆる職業に過酷な面というものはあるものですが、過酷さゆえに人手不足以外の弊害も起こっています。
仕事が過酷なのでトラック運転手の疲労がたまり、それによって運転時の判断ミス、ときには精神的な不安定からあおり運転、睡眠不足からの居眠り運転などで交通事故が起きたりしています。
さらに、こうした事故のニュースが「やはりトラック運転手の仕事は過酷なんだ」というイメージをさらに広めてしまっています。

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ブラック

運動の2本の大きな柱

そんなわけで、トラック運転手の労働環境の改善が、トラック運転手の人手不足を解消するのに有効な手段だということになりました。人手不足の改善だけではなく、交通事故の防止にも役立ちますしね。
それで「ホワイト物流推進運動」では「トラック輸送の生産性向上と物流の効率化」「女性や60代以上も働きやすいホワイトな労働環境の実現」を2本柱として打ち出しました。
「トラック輸送の生産性向上と物流の効率化」はトラック運転手という仕事の魅力をアピールすることになるかもしれないって発想ですね。
もう1つの「女性や60代以上も働きやすいホワイトな労働環境の実現」は、若い男性だけを当てにしていてもなんなんで、ということでしょう。

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2本の柱

1. トラック輸送の生産性向上と物流の効率化

具体的には、こんな取り組みが求められています。
納品先で荷の積み下ろし作業が集中し、そのためトラック運転手の待機時間が長くなってしまう問題があります。それで、効率的に荷の積み下ろしができ、待ち時間を減らせるよう、荷の予約受付システムを導入するという取り組みです。部外者からすると「え? 導入してなかったの」ということが驚きです。
また、1200個ほどの段ボール箱をトラック運転手が手作業で荷積み・荷下ろしを行っていたところがあるようです。これもフォークリフトなどの機械化で、ずいぶんと効率化できます。
こうしたアナログな作業をずっと続けてきた背景には、物流業界が大きな資本を持たない中小・零細企業によって成り立ってきたという問題があるかもしれません。これはどの業界も同じで、日本経済、日本社会は中小・零細企業が支えています。そして中小・零細企業は人手不足や資金不足で、なかなか作業を進化させている余裕がなかったりします。
「ホワイト物流推進運動」も、せっかく3つ省が連携しているのですから、中小・零細企業の効率化にも行政によるゆるぎない支援を期待したいものです。

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ITによる効率化

2. 女性や60代以上も働きやすいホワイトな労働環境の実現

女性にとって

若い男性にトラック運転手のなり手がいないなら、男性以外の女性、若くない高齢者からなり手を募ろうということです。
もともと社会は「外で働くのは男性」というように役割が決められていました。そうではなく、誰でもどんな職業にも就く自由や権利があるんで、職場のほうも「どんな人にも働きやすい環境にしよう」というのがダイバーシティ、多様性の推進です。これは近年、あらゆる職場、企業で取り組まれています。
女性の社会進出が話題になり始めたのは、恐らく1970年代です。それからもう50年近く経っているのですが、世の中にはまだ古い価値観に固執した男性たちもいるようで「女性が働きやすい職場」の実現には意識改革も必要とされています。
加えて、男性と女性には身体的な違いもやはりあります。今まで男性しかいなかった職場で女性が働くとなると、更衣室やトイレも女性用に新設しなければいけません。
しかし、こうした「女性が働きやすい職場の実現」への取り組みは、企業が「きちんと従業員のことを考えている」アピールにもなり、結果、男性従業員の増加にもつながります。
ただ、これも力の弱い中小・零細企業には難しいかもしれないので、行政の支援が期待されます。

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女性ドライバー


高齢者問題

少子高齢化で高齢者が増えているなら、その高齢者にもどんどん働いてもらおうという動きは、いろいろな企業で見られます。
昭和30年代は55歳が定年でしたが、今は60歳が定年で、これを65歳まで引き上げた企業もあります。実際、60代にはまだまだ元気な人が多く、働きたい意欲にもあふれています。また、この世知辛い世の中、年金だけでは生活していけないので働かざるをえないという切実な問題もあります。70歳定年なんてものもそのうち登場する勢いです。
こうしたわけで、トラック運転手も60歳で定年になった後も再雇用で働き続けてもらおうということになりました。
ただ、高齢者がトラック運転手として仕事を続けるに当たり、高齢者による交通事故が目立つようになってきた「高齢者問題」があります。高齢者は判断力や筋力などが低下してくるので、これが交通事故を起こす原因になるのです。これはこれでまた議論が必要です。
本来は、どんな職業でも、誰でも60代になれば、引退したい人は引退して悠々自適に暮らせる社会の実現が、政治家の果たすべき最低限の責任なんですけどね。

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シニアドライバー


私たちにできること

「ホワイト物流推進運動」はトラック業界だけに向けてのものではありません。物流の恩恵に浴するすべての人々に「できること」があります。
例えば「引っ越し難民」の問題では、企業が人材の異動を4月だけに行うのではなく、分散させればいいのです。そうすれば「3月は引っ越しトラックの仕事がとても過酷」という状況は改善されます。
個人にも「できること」はあります。個人がモロにトラック輸送の恩恵を受けるのは、宅配便の荷物を受け取るときですが、時間指定した荷物なら、ちゃんとその時間に受け取るようにするのです。トラック運転手の再配達の手間が少なくなり、かなり過酷さが改善されます。
コンビニ受け取りや運送会社の営業所受け取りを利用するのも手です。通販ではなるべくまとめ買いをするのが良いです。
それにSA、PA、道の駅、コンビニなどで大型車の駐車スペースに普通自動車や軽自動車を停めるのは止めましょう。大型車の駐車スペースがないと、トラック運転手がきちんと休憩できなくなり、余計な過酷さを被り、それで交通事故を起こす危険も増えます。

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荷物はきちんと受け取ろう

最後に

「ホワイト物流推進運動」はトラック運転手不足を解消する一助にはなるはずです。それどころか、日本社会の平和にもつながるはずです。明るい未来のため、理解と協力が求められています。

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ホワイトreprise

女性タクシードライバーに増えてほしい理由

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女性ドライバー

タクシードライバーのなり手が激減しています。
多くの人が、たまに乗ってみたタクシーの運転手が、そこそこ高齢だった、なんてことを経験したことがあるはずです。むしろ、高齢のタクシードライバーは決して珍しくないというのが現状です。
一方、世間では高齢ドライバーの運転が問題視されたりもしています。高齢ドライバーによる交通事故のニュースが多く見られるようになったからです。
そんなわけで、運転免許を返納する高齢者も増えました。
運転免許を返納して、車に乗りたいものの自分では運転できない高齢者が増えたわけです。しかし、そんな高齢者が利用しようにも、タクシーを運転するドライバーが減っているという現実。
公共の交通機関が地域の隅々まで行き届いていない地方では「運転できない」は重大問題です。
タクシードライバー不足は社会的に大きな問題になっていますが、そこに現れた救世主女性タクシードライバーです。女性はやはり「国の宝」です。
この際なので、多くの女性にタクシードライバーになってもらい、日本の危機を救っていただきたいものです。

1. 男性のタクシードライバーのなり手がいないから

男性が軟弱になり、タクシードライバーになって仕事を楽しみながらバリバリ稼ぎたいという、若くて威勢の良い男性が激減しました。情けない話です。情無用のジャンゴです。
まだまだ元気で運転にも自信がある高齢者にもタクシードライバーとして頑張ってはほしいのですが、ここはやはり女性陣の出番です。タクシードライバーの仕事は歩合制であることが多く、やればやっただけ稼げる仕事ですから、多くの女性たちにとことんやってもらって、とことん稼いでもらいましょう。
女性の中には「高収入の男性と結婚したい」なんて考えている人も多いと思いますが、男性を当てにするのはもうやめましょう。オトコなんて当てにはできません!

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稼ぐのは女性

2. 女性客が安心して利用できるから

タクシーはドライバーと乗客だけの密室空間になります。乗客が女性の場合、ドライバー、すなわち見知らぬ男性と2人きりになるので、ほんの少しドキドキします。本来は「迅速に、安全に、快適に」目的地まで過ごしたいのに、ほんの少しですが緊張しながら過ごすのです。
これが、ドライバーも同性の女性だったりすると、それだけで安心感が違ってきます。リラックスできます。

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女性同士だと安心

3. 運転がていねいだから

女性のタクシードライバーはたいてい神経がこまやかで、ていねいな運転をします。そうじゃない女性もいますが、多くの女性ドライバーが安全運転ですし、環境にも優しいエコな運転です。そのため、タクシー会社も安心して運転を任せることができます。
一般的に女性ドライバーは「運転が危なっかしい」というイメージもありますが、特別に高度な運転技術が必要なカーレーサーにも女性がいるほど、車を運転する職業に就く女性が増えています。
もちろん、タクシードライバーにカーレーサー並みの高度な運転技術は必要ありません。必要なのは、安全運転に対する細かい注意力や気遣いです。
そして女性のタクシードライバーは業界でも「運転がていねい」という評価を得ています。

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女性の運転

4. 優しい雰囲気を醸し出せるから

乗客が女性の場合、ドライバーと2人きりになるタクシーで、ドライバーが女性だったりすると乗客も安心して過ごせるものです。そして男性も、やはり女性タクシードライバーだと安心してしまいます。
女性タクシードライバーは、たいてい運転もおだやかですし、接客もおだやかだからです。
タクシードライバーの仕事は接客業でもあるので、やはり女性ならではの「優しい雰囲気」は誰にとってもありがたいものです。
そもそも接客力は本質的に男性より女性のほうが高い傾向があり、だからこそタクシードライバーの仕事には女性のほうが向いているとも言えます。きめ細やかな接客ができる女性タクシードライバーは、まさにタクシー業界から歓迎されているわけです。

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羽毛のような優しさ

5. 国土交通省も女性ドライバー増加に取り組んでいるから

国土交通省がタクシー業界での人材不足解消に向け、女性ドライバーの数を2013年度から2020年度にかけて倍増するために「女性ドライバー応援企業」認定制度を創設しました。ちなみに2013年度には約6,700人だったので、約14,000人にしたかったそうです。
この制度は、女性ドライバーの採用に向けた取り組みや、子育て中の女性が働き続けることのできる環境整備を行っている事業者を、国をあげて支援・PRしていくというものです。
国が税金を使って女性タクシードライバーを増やそうとしているのですから、そりゃ増えてくれないと、税金の無駄使いで終わってしまいます。何としてでも女性タクシードライバーに増えてほしいものです。

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税金の無駄使いはいけません

6. キッズタクシーなどの新サービスに向いているから

タクシー業界ではキッズタクシー、福祉タクシー、介護タクシーといった、幅広い接客サービスを取り入れた事業を始めています。
キッズタクシーは学校・塾・自宅間をドアtoドアで送迎する、固定の担当乗務員によるサービスです。キッズタクシーに乗車する子どもには、子育て経験のある女性タクシードライバーが好まれる傾向があるようです。
身体障がい者を送迎する福祉タクシー、介護の資格を持ち、身体障がい者を介助して送迎する介護タクシーでも、女性タクシードライバーの、ていねいできめ細かい対応が喜ばれています。
こうした、より接客業としての面が強調されるタクシー業務では、やはり接客力の高い女性タクシードライバーに活躍してほしいものです。

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子どもを見る女性

7. あらゆる業界で多様化が進むべきだから

遠い昔、はるか彼方の時代には、外で働くのは男性で、女性は主に家の中の仕事を任されていました。
しかし、時代は変わりました。いわゆる女性の社会進出が当たり前になりました。女性の選択肢が増えたわけです。
さらに、あらゆる業界で人材不足が深刻化し、多くの企業が高齢者、女性、外国人、障がい者に労働力を求めるようになりました。人材の多様化です。そういう時代になったのです。

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はるか彼方‥

8. ひいては少子化を食い止めることになるから

タクシードライバーの仕事は柔軟な労働時間の設定が可能で、子育て中でも子どもの登校時間、下校時間などの生活スケジュールに合わせて出勤を決めることができます。
そんなわけで、まだまだ子育てを理由に仕事から離れる女性が多い日本社会でも、タクシードライバーの仕事は女性が働きやすい職場の1つになっています。
タクシードライバーとなって仕事をしながら子育てして、充実した生活を送る女性が増えれば、「タクシー会社は女性が子育てしながら働きやすい職場」という認識が広がるでしょう。この認識がもっともっと広がれば、多くの女性が安心して子どもを産み、育てようという気持ちになるかもしれません。
そうすれば、もしかして、ひょっとして少子化も止められるかもしれないような気がしてきます。

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母と子

9. 古い価値観を変えることになるから

遠い昔、はるか彼方の時代には、外で働くのは男性で、女性は主に家の中の仕事を任されていました。あらゆる仕事が「男社会」だったわけです。
女性の、いわゆる社会進出が一般的に話題になっていったのは1970年代でしょうか。それから50年近く立ちましたが、いまだに女性蔑視的な発言をするアナクロおやじ、それを受け継いでしまった若い勘違い男も後を絶ちません。どんな仕事だって、男性でも女性でも誰が就いたって良いはずです。
もうそろそろ、本当にもうそろそろ、古臭い価値観は根絶しましょう。

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遠い昔の古代文明

10. 理由なき願い

タクシーは多くの人たちにとって、生活になくてはならない「必要不可欠な足」です。乗った場所から、指定する場所までドアtoドアで運んでくれる、とても便利な交通手段です。
いろいろな人が利用します。タクシーが無ければ、多くの人が困ってしまいます。
男だろうが女だろうが、新人だろうがベテランだろうが、老いも若きもとにかくタクシードライバーには増えてもらわないといけません。女性のタクシードライバー「だけ」に増えてほしいのではなく、女性のタクシードライバー「にも」増えてほしいのです。

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トラック運転手の遵守事項

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守らなければいけないルールがあります

トラック運転手は日本の物流を支える重要な仕事を担っています。
それとともに道路で車両を運転するわけですから、当然交通事故のリスクが常にあり、安全運転を厳守しなければいけません。荷を届けて物流を支える重要な仕事を遂行しながら、常に安全運転に注意しなければならないのです。これは仕事だろうが仕事と関係なかろうが、公道で車を運転するすべての者にとっての責務です。
トラック運転手は仕事は基本的に1人で行い、運転席の隣にはうるさい上司もわずらわしい同僚もいません。トラック運転手は比較的自由度の高い職業ですが、責任も重いのです。
重要な仕事だからこそ、無事にやり遂げなければいけません。そして無事にやり遂げるために、守らなければいけないルールがあります。ルールを逸脱すると、無事では済まなくなるリスクが高くなります。いろいろな危険が増します。


1. 安全運転

もちろん安全運転を強く意識することは、あらゆる運転手にとってとても重要です。特にトラック運転手のような職業ドライバーは、運転する回数も時間も多く、長いので重要度も増します。
この「トラック運転手の遵守事項」は、結局は職業人として守らなければいけない職業的ルールと、運転手として守らなければいけない、安全運転のためのルールに大別されます。
ですがやはり「安全運転」は、くどいようですが、1つの項目として特別に目立たせるべき、重要なものです。もちろん職業的ルールも大切ですが、安全運転を守らなければ、仕事を続けることもできなくなるかもしれないのです。
安全運転のために大切なのは、大まかに言うと運転マナー、健康管理、車両点検です。その徹底です。

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安全に注意を

2. エコドライブ

トラックの排気ガスは環境に大きな負荷を与えます。これを少しでも減らそうということで推奨されているのがエコドライブです。
無用なアイドリング、急発進、急加速、急ブレーキをしないなどのエコドライブは、燃料費の節減、排出ガスの減少、自動車部品の長持ちにつながります。環境に優しいということは経済的でもあるということです。
急発進をしない、優しい発進や、急加速と急ブレーキを避けるためのゆとりある車間距離は、安全運転にもつながります。

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環境汚染をなくそう

3. 運転マナー

安全運転を目指すときにまず必要なのが、きちんとした運転マナーで運転することです。
常に思いやりの気持ちでハンドルを握り、できるだけ「相手」にゆずることを優先させます。ただでさえトラックは車高が高いので威圧感があり、トラック運転手は普通車を見下ろす位置になるので、自身が「偉い」と勘違いもしてしまいます。そんな「おごり」の意識は捨てなければいけません。
トラックは車体も大きく、ぶつかったときの破壊力もすさまじいものになります。それだけに周囲に優しくならなければいけないのです。
また、トラックは死角も多いので、周囲の確認は十分にしなければいけません。「慣れ」による油断は禁物ですし、スマホを操作しながらとか、車内で何かを探しながらといった「ながら運転」「わき見運転」は絶対にしてはいけません。
考えごとをしてボーっとしてしまうのも危険です。気持ち的な「わき見」もせず、運転に集中しましょう。
常に冷静であることも求められます。自分の運転に対して自信過剰にならず、急いでいても焦らず、道路状況が悪くてもイライラしたり、怒ったりせず、冷静に運転しなければいけません。

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スマホのながら運転は危険

4. 接遇マナー

トラック運転手は運転中は1人です。ですが、仕事中はずっと誰とも接しないわけではありません。
荷を積む取引先、荷を届ける相手といった、社外の人と接します。そのときには運送会社など、自分が所属する会社の「顔」として接しなければいけません。社会人として基本的なマナーを持って、相手に好印象を与える必要があります。
そこで一番大切なのは「あいさつ」です。声の大きさは場所によって考慮しなければいけませんが「明るくハッキリと」が基本です。
また、話し方も同様に「明るくハッキリと」を心掛けましょう。テレビのアナウンサーのように「上手に」しゃべろうとする必要はありませんが、ぶっきらぼうだったり、偉そうな態度はダメです。
態度だけではなく、服装や髪型も清潔感を大事にしましょう。

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きちんとしたあいさつを

5. 時間厳守

トラック運転手の仕事には、荷を取りに行く時間、届けに行く時間をきちんと守らなければいけないものがあります。
この時間を守るためには、交通状況などの情報を事前にチェックし、いろいろなルートを調べ、渋滞を避ける工夫もしなければいけません。時間を守る努力を惜しんではいけません。
ただ、努力を尽くした上で、時間厳守と安全運転では安全運転を優先しなければいけません。配達時間を守るために制限速度をオーバーしたり、危険な運転をすることは許されません。イライラも禁物です。
時間に遅刻するような場合は届け先に連絡し、謝罪することになっても、安全運転を遵守しましょう。遅刻によるデメリットを「覚悟」さえすれば、危険運転の回避ができるはずです。

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時間は大事ですが

6. 乗務前後の点呼

運送会社などで安全運転のために必ず行っているのが、運行管理者による乗務前後の点呼です。
乗務前の点呼で運転手の疾病や疲労の有無、車両点検の実施などを確認します。運行管理者が安全運転ができないと判断すると、業務に就くことはできません。
乗務後の点呼では、その日の業務報告をします。
こうした点呼は規則によって定められています。

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いろいろ確認

7. 乗務記録

トラック運転手は乗務ごとに自身の氏名、トラックのナンバー、乗務開始・終了の日時・場所、休憩した日時・場所、積載状況などを記録します。運行記録計の取り付けが義務付けられている場合もあります。
この記録によって業務が適正だったかの確認に役立ち、トラック運転手の労働環境の改善にもつながります。

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記録も肝心

8. 車両点検

トラックに異常があれば、安全運転もできなくなります。たとえば、ブレーキが利かなくなれば大きな事故も起こしかねません。排気ガス濃度が上昇すれば、環境汚染も進みます。
そのため、乗務前の日常点検は欠かせません。これを怠り、トラックが故障でもすれば、事故を起こさないまでも燃費が低下したり、想定外の整備費、修理費などの出費が増えて不経済です。

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点検も的確に

9. 健康管理

トラック運転手の健康状態は安全運転にとってとても大きな要素です。
トラック運転手は腰痛になりがちですが、そのために運転に集中しにくくなるかもしれません。たとえば、風邪を引いても集中力は低下し、疲れやすくなります。
具体的な疾病ではなくても、疲労、睡眠不足でも集中力が低下し、周囲の確認を怠ったり、わき見運転をしてしまうかもしれません。睡魔に襲われて危険な運転をしてしまうこともあります。
トラック運転手は通常、長い時間運転席に座っているので運動不足になりがちですが、仕事によって体力も確実に消耗します。日ごろから適度な運動と栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠を心掛け、万全な体調で仕事できるよう、健康管理に努めなければいけません。

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ここまでしなくても良いですが

10. 飲酒について

飲酒運転はとても危険であり悪質な行為として道路交通法で禁止されています。昔から「絶対にダメ」だと広く、強く言われています。
飲酒運転に対する罰則も厳しく、運転免許の取り消しや懲役などの重い処分を受けることもあります。会社も信用が落ちるだけでは済まず、事業の継続ができなくなる可能性もあります。
それだけ重い処分を防ぐため、トラック運転手は勤務開始の8時間前以降の飲酒はしないことと決められています。

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お酒に注意

最後に

他にも、トラック運転手として交通事故を避けるため、過積載をしないといった、荷積みに関する遵守事項もあります。荷崩れが事故につながる可能性もあるので、荷崩れしないような正しい積み方で荷を積まなければいけません。

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積み方に気をつけて

タクシードライバーと聞いてイメージすることって

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人はイメージを重視します。イメージ、つまり見栄えです。「映え~!」なんて言ってはしゃぐくらいですから、日本人は特にその傾向が強いのでしょうか。
コミュニケーションでも「第1印象は大事」と言われます。人は第1印象に強く支配され、その後、長く第1印象が心に残るらしいです。
けど、そういうことが分かっているのですから、そろそろイメージ優先、第1印象に支配される、から脱却しましょう。イメージやら第1印象にばかり惑わされないで、本質を見ましょう。
そんなわけで、今回は世間一般のタクシードライバーに対する勝手なイメージを集めてみました。皆さんも「確かにタクシードライバーをこんな風に思ってた」と、思い当たるかもしれませんが、あくまでもイメージですので、実態からは離れている場合もございます。今日から、タクシードライバーの本質を見ようと心掛けてください。好奇心って、大事ですよ、ふふふ。


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1. 低収入

「中高年で転職してタクシードライバーになる」と思われがちなタクシードライバーは、勤続年数を重ねて昇給するサラリーマンと違って、中高年でいきなりタクシードライバーになるのですから、一概に低収入と見られています。
しかし、タクシードライバーの収入は歩合制となっていることが多く、やればやっただけ稼げます。実際、タクシードライバーは年収250~300万円、月収23~25万円と言われ、特に稼いでいる人は年収400万円以上とも言われています。
つまり、中高年でいきなり商社のサラリーマンからタクシードライバーになっても、それまでと同じくらい、もしくはそれまで以上の収入を得られたりするのです。もちろん、やらなければやらないだけ収入も減りますけど。それでも、それまでより自由は得られます。

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やればやるだけ稼げる

2. 過酷で辛い

多くのタクシードライバーは勤務時間が長く、その長い勤務時間中はずっとタクシーを運転します。
運ぶのは「人」であり、もちろん世の中にはいろいろな「人」がいて、中にはタクシードライバーに暴言を吐いたり、酔って吐いたりするお客さんもいます。
そんなわけで多くの人が「タクシードライバーは過酷で辛い仕事」だと思っています。これはある意味、事実です。
いろいろなお客さんがいて大変なこともありますが、いろいろなお客さんがいて感謝されたり、チップをもらったり、うれしいこともあります。これも事実です。まあ、運不運と言いますか。

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過酷!

3. 低学歴

「タクシードライバーは学歴がなくて、他に仕事がないヤツが就く底辺職」などと偉そうにのたまう輩が実在します。そんなタクシードライバーもいるかもしれませんが、そんなタクシードライバーばかりではありません。
ただ、タクシードライバーになるのに、特に高い学歴は必要ありません。それで「タクシードライバーは低学歴」というイメージができたのかもしれません。
でも、高学歴のタクシードライバーもいます。高学歴で会社を経営していたが、事業に失敗してタクシードライバーになった人もいます。偏差値高めの大学を出て、起業するための資金稼ぎにとりあえずタクシードライバーをやっている人もいます。学術的興味で有名大学で学んだけど、その仕事が好きでタクシードライバーになった人もいます。人それぞれです。

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大学を卒業して

4. 高齢者ばかり

「たまにタクシーに乗ると、たいていおじいちゃんが運転している」という人が多いです。
タクシー業界に限らず、多くのドライバー業界、いえ、あらゆる業界で人材の高齢化が進んでいます。日本は若い労働力が減少するばかりで、その分、高齢化が進む一方です。
そんなわけで、政府は企業に「女性をもっと活躍させろ」とか「高齢者を雇え」とか「障がい者を雇え」と言います。外国人の雇用も広めようとしています。
そのうち、外国人のタクシードライバーももっと増えるかもしれません。

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高齢ドライバー

5. 休めない

多くのタクシードライバーは勤務時間が長く、その長い勤務時間中はずっとタクシーを運転します。それで「タクシードライバーは休みも少ない」と思う人がいます。
ただ、長くない勤務時間を選択することもできます。また、長い勤務時間での勤務形態を選択すると、休みも多いです。これまた事実です。
タクシードライバーには隔日勤務という特殊な勤務形態があり、これだと約20時間勤務した翌日は丸1日休みで、この約20時間勤務を月に12日間くらいやり、後の18日間くらいは休みになります。もちろん、20時間勤務中にも休憩時間はあります。

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休暇中

6. おしゃべり

タクシードライバーの仕事は接客業でもあり、そのためよくしゃべると思う人がいます。
多くのタクシードライバーは勤務時間が長く、しかもお客さんを乗せていないときはずっと1人きりです。孤独です。それでひさしぶりにお客さんを乗せると、つい過剰に話しかけてしまう、というタクシードライバーもいることはいます。
しかし、それも人によりけりです。おしゃべりが好きなタクシードライバーもいれば、無口なタクシードライバーもいるし、必要なおしゃべりを的確に話してくれる「ちょうどいい」タクシードライバーもいます。
タクシーに乗るたびに、たまたま無口なタクシードライバーに遭遇すると「タクシードライバーは無愛想なんだ」と思ってしまいます。

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無愛想な人

7. 誰でもできる

漫然とタクシードライバーの働きを見ていると「タクシーを運転するだけで給与をもらえるんだから、あんな仕事なら誰でもできる」と思ってしまいます。
確かに医者や弁護士になるよりは、広く誰にでもできる仕事です。
ただ、タクシードライバーになるには第二種運転免許が必要です。車を運転できれば誰でもなれるというわけではありません。とは言え、入社後に第二種運転免許の取得を支援してくれるタクシー会社もあります。
また、タクシードライバーの仕事は、ただ運転していればいいわけではなく、お客さんを見つけて安全に乗せ、メーター操作を行い、お客さんを迅速に、快適に、安全に目的地まで運び、精算を行い、安全に降車してもらうという動作を、スムーズに行わなければいけません。違う動作を同時に行わなければいけません。慣れれば何でもないことですが、慣れるまでは大変です。

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タクシードライバーは実はマルチプレーヤー

8. 紳士か無礼かどちらか

タクシードライバーの仕事は接客業でもあります。タクシードライバーとしてタクシー会社に入社すると、この接客についても研修でとことん学びます。タクシードライバーになる人も、自分の接客術を向上させたいという意欲を持っていることが多いです。
そんなわけで、多くのお客さんはタクシーに心地良く乗れるわけです。
とは言え、中にはそれができていない人、向上心のないタクシードライバーもいます。悲しいことです。
ですから、あるタクシーに乗ると、とても心地良く過ごすことができたのに、他のタクシーではとても不快な思いをした、と言う人もいるのです。業界としてタクシードライバーのマナー向上を徹底してほしいところです。

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紳士かも

9. おいしい店に詳しい

テレビ番組やネット記事でたまに「タクシードライバーが紹介する地元グルメ」なんてのは目にします。それで「タクシードライバーはグルメな店に詳しいんだな」と多くの人が思います。さらに「地元のいろいろなことに詳しい」とも思ってしまいます。
確かにタクシードライバーはいろいろなお客さんを乗せるので、いろいろな情報を耳にする機会もたくさんあります。お客さんを乗せていろいろな場所に行くので、地理や店舗情報も知らず知らずのうちに頭に入っているかもしれません。
また、タクシー会社の中には、観光タクシーと言って、特に観光スポットなどに詳しいタクシードライバーを売りにしていたりします。
ただ、実際はすべてのタクシードライバーが地元情報に詳しいわけではありません。たまたま、今日タクシードライバーになったばかりの新人は、地理にも詳しくない可能性があります。

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ご当地グルメに詳しい人も

10. 制服がダサい

ファッションは感じ方も人それぞれですから、何とも言えません。けど、ネクタイして白手袋していると、何かていねいに運転してくれそうで安心できます。

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ファッションも人それぞれ

事実に反してタクシードライバーが「底辺職」と言われてしまう理由

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イメージ
タクシードライバーは、ホワイトカラー系の仕事に就けない人が就く「底辺職」と言われています。ちゃんちゃらおかしい話です。ホワイトカラー系にはブルーカラー系という対義語がありますが、そもそも仕事の種類に頂点やら底辺やらという概念があるのが変な話なのです。
なんてことを言うと「そんなのはキレイごとさ」と、知ったようなことを言う人もいますが、もちろん「仕事」にも「頂点」やら「底辺」はあります。ただ、それは個人の価値観の中だけの話で、誰かが他人の職業をぶしつけに「高い」「低い」だの言うべきではありません。

とは言え、タクシードライバーが「底辺職」だなんて言われがちなのは、それなりの理由があります。物事には何でも理由があるものです。
そこで今回は、あなたの目はあなたの体を離れ、タクシードライバーが世間から「底辺職」と言われがちな理由を探る、この不思議な時間の中に入っていくのです。

1. 不埒なタクシードライバーのせい

多くのタクシードライバーが日々真面目に仕事をしています。安全運転を厳守し、乗客を快適に目的地まで運ぶことに尽力しています。
ですが、中には、ごく一部ですが、運転が乱暴で、無愛想で、おまけに道にも詳しくない、不埒なタクシードライバーがいます。ほとんどの人は、普通に真面目に仕事をしているタクシードライバーを「当たり前」と思っていますから、たまにそんな不埒なタクシードライバーと遭遇すると、強烈な印象となってその存在を心に刻み込みます。
あまりにも強烈なので「タクシードライバーなんて皆不埒な連中だ」と思い込んでしまいます。人の記憶なんてそんな無責任なものです。
せっかく多くのタクシードライバーが真面目に仕事に取り組んでいるのに、ほんの一部の不埒なタクシードライバーのせいでタクシードライバー全体が「底辺職」と思われるわけです。
政治家は皆ワイロをもらっていると思っているし、芸能人は皆ヤクをやっているか、反社と付き合っていると思っているし、教師は皆パワハラしていると思っています。
実際は「タクシードライバーが不埒」なのではなく「その人が不埒」なのですけどね。

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政治家のイメージ

2. 接客業だから

タクシードライバーの仕事は接客業でもあります。
乗客を安全に、迅速に、快適に目的地まで運ぶのが仕事です。
乗客には常にへりくだって接します。そして多くの人が、へりくだって接してくる相手は見下していいという勘違いをしています。
それで、へりくだって接してくるタクシードライバーのことを見下していいと勘違いしてしまうのです。ここでも相手を「人」ではなく「職業」としてしか見てないわけですね。そしてタクシードライバーという「職業」を見下すわけです。
飲食店の店員、コンビニの店員、スーパーの店員も見下されやすい職業ですが、相手がていねいだからって傲慢な態度で接していい理由にはなりません。下請け業者に威張り散らしていいわけでもないのです。

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花屋の店員も接客業

3. 特殊な勤務形態のせい

タクシードライバーには、20時間近く勤務して翌丸1日を休み、月間で12日間勤務して18日間くらいを休む隔日勤務という、特殊な働き方があります。タクシードライバーの給料は歩合制であることが多いため、多くのタクシードライバーがこの隔日勤務で働き、ガッツリ稼いでいます。
実際は、勤務の翌日は丸1日休めるし、月に18日間くらいの休みになるのですが、この「約20時間勤務する」ばかりが強く印象に残るので、多くの人が「タクシードライバーは勤務時間が長くて過酷な仕事」と思ってしまいます。
そして、そんな「過酷な働き方」をしなきゃならない「底辺職」だと考えてしまうわけです。

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過酷な働き方

4. 学歴不問でなれるから

タクシー業界は今、未曽有の人手不足状態が続いています。そのため、いつでも求人広告が出ています。タクシードライバーになるハードルはとても低いとも言えます。
タクシードライバーとして働くには第二種運転免許が必要ですが、取得を入社後に支援してくれるという会社もあります。学歴も不問という会社が多いです。
世の中にはまだまだ低学歴の人を見下す因習が残っていて、そんな因習にとらわれた人は「タクシードライバーは学歴不問でなれるから、きっとどのタクシードライバーも低学歴に違いない。そして我々高学歴者は低学歴者を見下してもいいのだ」なんて思い込んでいるようです。

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大学卒業してタクシードライバーになる人もいます

5. 中高年でもなれるから

タクシー業界は今、未曽有の人手不足状態が続いています。そのため、いつでも求人広告が出ています。タクシードライバーになるハードルはとても低いとも言えます。以上「4」のコピペ。
タクシードライバーの求人に「年齢不問。シニア世代も元気に働いています!」なんて載せているタクシー会社も多くなっています。
そんなわけで50代、60代でタクシードライバーとして再就職する人も珍しくはありません。
すると、多くの人があまり深く考えることもなく「50代でタクシードライバーに転職するってことは、きっと前職で何かやらかしたか、その歳になるまで何をやってもうまくいかなかったような、できない人に違いない」なんて思い込みます。思い込みって怖いですね。

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高齢者ドライバー

6. 未経験者でもなれるから

タクシー業界は今、未曽有の人手不足状態が続いています。そのため‥(以下同文)。
タクシードライバーの求人では「未経験者OK」と謳うことが多くなっています。もちろん、タクシードライバーは第二種運転免許が必要だったり、安全運転や接客に対する高い意識が必要な専門職なので、積極的に経験者を採用したいのですが、くどくどと表現しているように、タクシー業界は未曽有の人手不足状態が続いています。
それで未経験者でも「やる気」「熱意」「ガッツ」のある人を積極的に採用し、第二種運転免許の取得も支援し、一人前のタクシードライバーに育てていこうというタクシー会社が増えています。
皆さん、タクシードライバーになるなら今ですよ。「いつなるの? 今でしょ」です(あえての古さ)。
学歴不問でも中高年でも未経験でもなれるってことは「誰でもなれる」ということです。そんなハードルの低さから、多くの人がタクシードライバーをついつい見下してしまうんですな。人間ってのは弱いものです。
しかし、タクシードライバーは、安全運転や接客に対する高い意識がないと務まらないことを忘れないでください。

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若葉

7. ドライバーだから

多くの人が車を運転します。つまり、誰もが「車の運転」を「俺にもできること」と思っています。
そして多くの人が「車の運転」以外のことを仕事としています。そのため、多くの人が「車の運転は誰でもできるけど、俺はさらに車の運転ではない特別な仕事をしている。そんな俺って偉い」と思い込んでいます。
しかし、賢い人なら「タクシードライバーの仕事はタクシーの運転だけではない」ことに気付いています。タクシードライバーとして収入をアップさせたいときは、さらに創意工夫、努力を重ねなければならないことも知っているはずです。
タクシードライバーは、ただ漫然とタクシーを運転しているだけではないのです。
しかし、それも深く考えずに決めつけてしまう人には分かりません。そういう人は「誰でもできる車の運転を仕事にしている人たち」をひとくくりに見下してしまいます。

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漫然として過ごしている人

8. 自由度が高いから

一般的なサラリーマンは、職場に行くと上司や同僚がいます。
一方、タクシードライバーは基本的に1人で仕事をします。タクシーの運転席の横にも後ろにも、上司や同僚はいません。そのため、比較的に自由度の高い仕事になっています。
日ごろ、上司や同僚に囲まれ、組織の歯車として働くことになれている多くの人たちは、あらゆる自由度の高い職業の人たちを野蛮人を見るように見ています。人間関係に縛られることを文明化された生活だと勘違いしているわけです。

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歯車

9. 差別意識が蔓延しているから

差別意識は誰の心の中にもあります。それを理性でコントロールするのが人間ですが、やはり難しいものです。
人はむやみやたらと職業、性別、人種、外見、趣味嗜好などから他人を差別しがちです。悪意と言うか、差別しているという意識がない場合も多く、かなり厄介です。
とにかく、そんなわけで人は職業も差別の対象にします。もはやそこに明確な理由はなく、ただ単に「自分以外」の者を差別しているに過ぎないのです。

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人を色眼鏡で見てしまう

10. やっかみ

ここのところ人手不足が続いているタクシードライバーですが、月に12日間しか勤務日のない隔日勤務という働き方があったり、それにも関わらず平均年収は300万円台で、中には年収1000万円以上を得ている人もいる「やればやっただけ稼げる仕事」です。
「底辺職」などと言われがちで、世間のイメージは低いタクシードライバーですが、実は世にも「おいしい仕事」なのです。
休みがなく、朝早くから夜遅くまで働き、しかも残業手当を削られ、休みの日だって仕事の電話がかかり、人間関係によるストレスをためまくっている人たちからすると、タクシードライバーはとても「楽で素敵な仕事」です。ですから、難癖つけて悪口を言いたくなるのが人情というもの。
要するに「やっかみ」からタクシードライバーの仕事を「底辺職」だなんて言っているわけです。

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やればやっただけ稼げる

最後に

「タクシードライバーなんて底辺職」という説には科学的に明確な根拠はありません。

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科学的根拠

トラック運転手に転職したいと思う瞬間(とき)

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考えてみよう

トラック運転手の仕事はときに「底辺職」だの「他の仕事をまともにできない、人間のクズが就く仕事」だの言われたりします。一体、何サマ?と思ってしまうのですが、まあ、人間とは他人の悪口を言わずにはいられない、悲しい生き物なのかもしれません。たぶん、やっかみです。
ただ、トラック運転手のなり手が激減しているのも事実です。と言いますか、いろいろな業界で人手不足が大きな問題となっていて、せっかく仕事の依頼があるのに人手が足りないがゆえにそれを受けられないといった悲劇も生んでいます。
少子高齢化で“働き盛り”の若者の数が減っているので、いろいろな業界にまんべんなく人材が行きわたるのは不可能なんですね。でも、なるべく若い、多くの人がトラック運転手の仕事に就いてほしいと思います。新卒でなくても構いません。トラック運転手がいなければ、ネットショップでポチったHなDVDが手元に届かないばかりか、スーパーにカップ麺やポテチも並びません。それは悲しすぎます。
そんなわけで、今回は「ふと転職したい」と思うようなタイミングを並べ立てます。こんなときは迷わず、ドライバー専門の求人サイトで「トラック運転手」を探してみて。きっと何か良いことあるかもしれませんよ。

1. 職場の人間関係に疲れた

会社が大きくなればなるほど、関わるプロジェクトが大きくなればなるほど、多くの人間とやり取りすることになります。上司は偉そうでうっとうしく、同僚は頭はキレるけど嫌味なヤツで、後輩は言わなきゃ何もしない“指示待ち男”で頼りにならない、なんてこともあります。
隣の部署に気になる女性がいるものの、周りの目が気になって近寄れない、なんてこともあるかもしれません。
何をするにもいちいち人の目が気になって、全く気が抜けません。
そんな職場で人間関係がストレスにもなった人は「1人が基本」のトラック運転手への転職を考えましょう。仕事の大半は「1人でトラックを運転すること」なので、人間関係をわずらわしく感じることは滅多にありません。

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疲れた‥

2. 取引先からの電話に疲れた

一般的なサラリーマンはおおまかに午前9時から午後5時までが就業時間です。昨今は「働き方改革」というやつで残業がままならなくなりました。
とは言え、仕事の量や中身が変わったわけではありません。そのため、会社で残業できない分、家に仕事を持ち帰って「ただ働き」させられることが増えました。就業時間外でも取引先や顧客からは情け容赦なく電話がかかってきます。気が休まるときは全くありません。思わず携帯電話を開発した人間を呪いたくなります。
しかし、トラック運転手は仕事関係で電話がかかってくることは滅多にありません。電話にビクビクしていた営業職からすると、まさに天国、極楽、お気楽な仕事だと言えます。

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電話にウンザリ

3. 運転好きを自覚した

「好き」が高じて、それを仕事にしてしまう人は多くいます。スポーツ選手なんかはたいていそうなのではないでしょうか。
車の運転を楽しいと感じる人も多いはずです。車の運転で得られる疾走感、機械を操る醍醐味、そのスピードによる非日常的体験はなかなか得がたい快感です。
そんな「車の運転」を仕事にできるトラック運転手は「運転好き」にとって、まさに天職ではないでしょうか。

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「運転は楽しいぜ」

4. 普通自動車の運転に物足りなさを感じた

「運転が好きなら運転代行のドライバーでも霊柩車のドライバーでもいいじゃん」と思われるかもしれません。それはそれでアリです。ただ、トラック、特に大型トラックの運転には、普通自動車では味わえない醍醐味があります。
車体が大きいので運転席の位置も高く、その分、より遠くまで見渡せます。結構気持ちが良いです。とにかく車体が大きいので、気持ちも大きくなります。
車体が大きい分、死角が多いこともあって、運転は普通自動車より難しいです。しかし、それだけに「運転が難しい車を自在に操っている」という高揚感も味わえます。
ですから、普通自動車の運転に何やら物足りなさを感じたら、大型トラックを運転してみるといいかもしれません。普通自動車とは違った魅力がいっぱいあります。
そして大型トラックの運転に病みつきになったら、トラックの運転を仕事にするしかないでしょう。

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物足りない

5. 社会貢献したくなった

人が仕事をする理由は人それぞれです。
それが「好き」だからという人もいます。とにかく「金儲け」がしたいという人もいます。「生活のため」という人もいるでしょう。その仕事が「性に合っている」と思える人もいるはずです。
実際には、それらの理由がいろいろ混ざっている人が、結構多いかもしれません。
誰かの役に立ちたい、社会に貢献したいという人もいるに違いありません。積極的に社会貢献したいのではなく、「どうせやるなら社会貢献も」という「どうせ」付きの人も含めると、かなりの人数になるのではないでしょうか。
そして「社会貢献したい」と言う人に真っ先に勧めたいのがトラック運転手の仕事です。トラック運転手の仕事は物流を支えることでかなり社会に貢献する仕事ですから。

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人々に感謝される仕事

6. 成果主義で働きたくなった

一般的なサラリーマンは、昇給はあるものの、大体毎月決まった額の給与をもらって仕事をしています。今月は仕事がきつかったからと言って収入は増えませんし、楽だったからと言って収入が減ることもありません。そのため、仕事へのモチベーションをどこへ持っていったらいいのか、なかなか絞りにくかったりします。
一方、完全歩合制、つまりフルコミッションの営業職として働く人は、仕事ぶりが収入に直結しています。自分の能力、技量がそのまま評価され、収入となるのです。給与が一定の仕事をしていると、能力があればある人ほど「きちんと評価されていない」と不満に感じたりしますが、フルコミッションの営業職のような仕事ではそんな不満はありません。
そしてフルコミッション営業職同様「やればやっただけ稼げる仕事」と言われているのがトラック運転手です。「俺の優秀さがまっとうに評価されてないんじゃ」と毎月給料日に不満を感じている人は、トラック運転手に転職すると良いかもしれません。
ちなみにトラック運転手の平均年収は400万円台で、年収約700万円を稼いでいる人もいるそうです。

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フルコミッションの営業

7. 自由になりたくなった

「自由になりたい」というのは人間の根源的な思いです。大企業で多くの人間に囲まれ、何をするにも申請書やらりんぎ書が必要で、そんな息の詰まる生活を続けていると、自由への渇望が強まります。
少しでも「自由になれた気がする」職業と言えばフリーランスのデザイナーやディレクター、ライターなどです。フリーランスの運転手もその1つです。
しかし、トラック運転手は会社員でありながら自由度の高い仕事なのです。仕事の大半は「1人でトラックを運転すること」なので、行き先は決まっていますが、そこへ行くルートの選択は運転手の裁量に任されています。運転しながら好きな音楽を聞いたり、その音楽に合わせて歌うこともできます。
息の詰まるような職場環境から逃れ、少しでも自由な空気を満喫したくなったという人は、いつしか「トラック運転手に、俺はなる!」と叫ぶのではないでしょうか。

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これはフリーフォール(自由落下)

8. たくましくなりたくなった

近ごろは女性みたいに線が細く、可愛い男性アイドルがもてはやされたりもしますが、動物の本能的にやはり女性は男性に「頼りがい」を求めます。もちろん中には、可愛らしい男性に頼られることに喜びを見出す女性もいますが。
男女同権の今の世の中、女性が本当に男性に頼ろうと思っていなくても「頼りがい」がある男性のほうがモテます。多くの男性は、やはり本能的にそれを分かっていて、頼られるべき存在になろうと、心のどこかで思っています。
古くはレイモンド・チャンドラーという作家が小説の中で「男はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」という名ゼリフを書きましたが、多くの男性が「タフになりたい」「たくましくなりたい」と常々思っています。と言うか、多くの男たちは何の根拠もなく「俺はタフ」と思い込み、いろいろな場面で「ヘタレ」である部分を露呈し、女性を失望させたり、自己嫌悪に陥ったりします。
男だからと言って、必ずしもタフである必要はありません。ただ、人間としてはタフであるほうが、タフでないよりは良いかもしれませんけどね。
男性も女性も、それぞれの性的役割から自由になったほうが良いのです。
ですが、それはそれとして、前述したように「人間としてはタフであるほうが、タフでないよりは良い」のです。そしてタフになりたい人は、トラック運転手になるとそれが実現しますよ。
トラック運転手は体力仕事なので、自然とたくましくなります。「底辺職」など、悪く言う人もいますから、そんな悪口をスルーできるくらい、精神的にも鍛えられます。

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タフそう

9. 遠くに行きたくなった

旅行好きな人は多いはずです。身近な日常を離れ、ふだんは見ることのできない異国の風景に胸を躍らせ、ご当地の美味に舌鼓を打つのが旅行の醍醐味です。
「曲がったことのない街角を曲がると、それはもう旅」と言った人がいますが、やはりどうせ旅に出るなら遠くへ行きたいものです。ただ、仕事が忙しいと、たまの休みも家でゴロゴロしているか「たまに子どもを遊園地にでも連れて行って」なんて妻に言われて子どもに引っ張りまわされたりします。それはそれで楽しいのですが、旅への思いは断ち切れません。
なんて思う人は、長距離のトラック運転手になるといいでしょう。仕事で遠方に行けます。ちょっとした旅行気分を味わいながらお金ももらえるわけです。
もちろん、休日の旅行と同じというわけにはいきません。観光スポットに寄っている時間も、ご当地グルメを味わう時間もないかもしれません。それでもふだんとは違う景色を見ながらトラックを走らせていると、気分は違ってくるはずです。

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遠くへ行きたい

10. 特に理由がなくても

人は「なんとなく」で重大な決断をしてしまうことがあります。この記事を読んで「なんとなく」トラック運転手に転職してしまうのもアリなのではないでしょうか。人生にはときとして、何か大きな宇宙の力が働いてしまうことがあります。今がそのときかもしれません。

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宇宙、それは最後の開拓地

トラック運転手は1人で仕事が基本

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1人でいるのは悪いことじゃない

トラック運転手は基本的に1人で仕事を行います。中には、荷の積み下ろし要員や運転の交代要員として助手席にもう1人乗せていたり、または研修のために新人を乗せていたりすることもありますが、基本的には1人です。
そのため、同僚がたくさんいる職場で働く職業に比べ、人間関係によるストレスが少ないなんて言われています。
そもそも、サッカーや野球をやるわけでもないのに、仕事を進めるのにどうしても同僚たちと一緒に同じ空間にいなければいけない理由は薄いんですけどね。もちろん、打ち合わせや相談ごとが多かったり、1つの製品を組み立てるのにどうしても数人の手が必要な職場は別です。
不必要に人員がだぶつかないトラック運転手の職場は、いわばとても効率的です。
それに、1人であることにはいろいろなメリットがあるのです。

1. 仲間に合わせて残業しない

チームワークで仕事を進める職場では、たとえ自分が担当する仕事が終わっても「定時で帰るのは気まずいムード」が漂います。あからさまに渋い顔をする上司もいます。
もちろん、今や「働き方改革」とやらもあり、残業しないで定時で帰ることが、一見推奨されています。その一方、「若い人は上司や先輩が残業していても平気で帰る」と、何やら批判的に言う意見もあります。
正解は、チームワークの仕事であれば、他の担当者の作業が終わらないと仕事全体が先に進まないので、後輩が自分の担当を終えて定時になり、終わっていない先輩が残業するムードだったら、先輩に「手伝うことありますか?」と声を掛ける、だそうです。
つまり、他人の仕事を手伝えるときに手伝っておけば、自分が助けてほしいときには他人が手伝ってくれるようになるわけです。
なかなか面倒くさいです。
しかし、トラック運転手ならそんな面倒はありません。残業するしないは、自分のやり方1つです。同僚に合わせて残業するなんてことはほぼありません。
とは言え、「他人の仕事を手伝えばいずれ自分も助けてくれる」はトラック運転手も同じなので「自分さえ良ければ」という考えは改めましょう。

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残業

2. 隣に上司がいない

トラック運転手は、運転席の横に口うるさい上司はいません。何をするにも上司に報告しなければいけなかったり、上司がアレコレと細かく指示してくることは、トラック運転手の仕事にはありません。
もちろん、仕事でミスしたり、どこかからクレームが来れば、上司から注意されたりはします。1つの仕事が終われば、報告もしなければいけません。しかし、そういう厄介な面も持つ上司という存在は、常にそばにいるわけではないのです。これはやはり気が楽です。
その代わり、仕事中は常に自分が現場の責任者です。自分で判断したことは自分で責任を取らなければいけません

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うるさい上司

3. 同僚もいない

トラック運転手は、運転席の横には口うるさい上司はいませんし、同輩や後輩もいません
大企業であれば、同じ職場に何人も人がいて、気にしなければ気にしないでもいいんですが、気になる人がいるとやはり気になってしまいます。
「気になる」のが「あの人、魅力的だなあ」であれば、ドラマのような恋の始まりかもしれませんが、「あの人の電話での話し方が気になる」とか「打ち合わせのときの態度が高飛車に見える」とか、マイナスな「気になる」もあります。そうなるとイライラが募ります。
相性が悪い人が職場にいると、かなり厄介です。これが俗に言う「人間関係によるストレス」です。

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うっとうしい同僚

4. ビロウなことも平気

トラック運転手は、運転席の横には誰もいませんから「他人の目」を気にする必要がありません。
そのため、仕事中の真昼間でも鼻をほじろうが、オナラやゲップをしようが、股間をかこうが自由です。
もちろん、他の車も行きかう道路を走っている場合、鼻をほじっているところを他の車の運転手に目撃される可能性はあります。可能性はありますが、そもそも他の車の運転手の顔を改めて見る人って、そんなにいません。よほど荒っぽい運転でもしたら「どんなヤツが運転しているんだ」と思って見るくらいです。
それに大型トラックであれば、運転席の位置が高いので普通自動車からは簡単には運転手の顔までは見えません。
第一、たとえ鼻をほじっているところを見られたからと言って、相手は同僚でも何でもない赤の他人ですし、見られたとしても一瞬のことなので、それほど気にする必要はないのです。
とは言え、公道を走っているからにはハレンチ過ぎることまではやってはいけませんよ。見つかって警察に通報されるかもしれませんから。

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ビロウな話で恐縮ですが

5. 孤立感は関係ない

コロナ禍によって在宅勤務となる企業が多くなりました。それまで大勢が働く職場で仕事していた人が、自宅で1人で仕事をするようになったわけです。
これによって「孤立感を感じるようになった」なんてことを言い出す人まで出てきました。それまでとは環境が変化したので、確かに慣れないとそれがストレスになるのも仕方ないかもしれません。
ただ、トラック運転手であれば「孤立感? なんだそりゃ?」ってな感じでしょう。「1人で仕事」はトラック運転手にとって「当たり前の日常」に過ぎないのですから。

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リモートワーク

6. 孤独に慣れる

トラック運転手になろうと考える人には、人間関係によるストレスを抱えたくない、前職で人間関係に悩まされたという人もいます。そうした人にとって、トラック運転手の仕事はまさに天職になるでしょう。
それでも、トラック運転手の仕事を続けているうち、やはり「孤立感」とやら感じるようになるかもしれません。だからと言って、トラック運転手にはやらなければいけない作業があります。トラックの運転です。とにかくトラックを走らせ、荷を運ばなければトラック運転手の1日は終わりません。
一方、在宅勤務で「孤立感」に襲われる場合、「何も手につかない状態」になるかもしれません。逆に言うと、何も作業をしていない隙間に「孤立感」に襲われるのかもしれません。
トラック運転手はたとえ「孤立感」に襲われるときがあっても、目の前に「やるべき作業」があるので、それに「孤立感」もまぎれていくでしょう。
まぎれない人は、トラック運転手の仕事に合ってないのかも。

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とにかく運転

7. 好きな音楽聞き放題

トラック運転手の仕事は「荷を安全に、確実に、時間通りに届けること」です。それさえできれば、トラックを運転しながら何をしても構いません。
安全運転が大前提なので、安全運転の妨げにならないことなら何でもできるわけです。
安全運転を邪魔しないことで一番有効なのが「音楽を聞くこと」でしょう。周囲の状況の異変に気がつかないくらいの大音量でない限り、聞くのがヘビメタでも演歌でも何でも構いません。アニソンでも都々逸でもいいわけです。
もちろん、「見ることで楽しむ」動画はいけません。

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音楽を聞くのは楽しい

8. 歌いたい放題

トラック運転手は安全運転の邪魔にならなければ、運転しながら何をしても構いません。
もちろん、手を使わなければいけないゲームなどに興じるのはいけません。
その代わり、歌を歌うことなら問題ありません。音を外しまくろうが、ハレンチな替え歌だろうが、好きに歌ってください。
歌じゃなくて浄瑠璃を語っても良いです。
ただ、外に漏れると迷惑に感じる人もいるかもしれませんから、窓を開けっぱなしにして歌うのは避けましょう。

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歌うのも楽しい

9. 服装もある程度自由

トラック運転手は安全運転の邪魔にならなければ、運転しながら何をしても構いません。ファッションも安全運転の邪魔にならなければ自由だという会社もあります。
ただ、大企業のセールスドライバーなど、制服が決められているところもあります。
また、運転中の格好は安全運転の妨げにならないなら自由ですが、荷の届け先では「会社の顔」として担当者と応対しなければいけないので、清潔感のある身なりでなくてはいけません。荷の積み下ろしの作業をするなら、それに適した作業服や安全靴も必要です。
しかし、長距離のトラック運転手であれば、届け先の担当者に会わない日は、安全運転の妨げにならず、他の運転手が目撃して警察に通報されず、誰からも眉をひそめられないレベルであれば、格好は自由です。

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運転に向かない格好

10. タバコは止めておきましょう

トラック運転手は他の職業に比べて喫煙率が高いと言います。トラックに限らず、車の運転には渋滞などもあってストレスはつきものですから、そのイライラ解消のためにどうして喫煙本数が増えてしまうという見方もあります。
トラック運転手が運転席でどれだけタバコを吸っても、受動喫煙にならないので、誰にもどうこう言われる筋合いは、本来はありません。
ただ、宅配トラックの運転手が届けた荷物に「タバコの臭いが付いていて不快だった」などのクレームもあるようです。それに受動喫煙ではなく、能動喫煙にしても「吸い過ぎは健康に良くない」と言っています。トラック運転手が安全運転を続けるために健康は大切ですから、それを考えると喫煙は止めたほうが良いでしょう。

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禁煙しましょう