政治家が何か不祥事を起こし、国民から一斉にブーイングされると、一旦は辞職したりします。
しかし、それで責任を感じて政治家を辞めてしまう潔い人はほとんどいません。大抵の人は「まだ国のために働きたいから」なんて言って、次の選挙で出馬したりします。たとえ大臣になれなくても、何かしら政治の世界にしがみついたりします。不祥事で「政治家としての資質がない」なんて言われても、です。
不思議ですね。世の中には「国のために働ける仕事」は他にいくらでもあるのに。
1. 社会貢献できるから
「国のために働ける仕事」と言えば、トラックドライバーなんかがそうです。まさに「国のために働ける仕事」の中の「国のために働ける仕事」です。
トラックドライバーが荷を運ぶことで人々の生活、企業の事業活動が無事にできるのです。トラックドライバーがいなければ、人々の生活も企業の事業活動もすぐに止まってしまいます。
政治家になるほどの志があれば、一昨日からでもトラックドライバーができそうです。
2. 少子高齢化が課題だから
現在の日本にはさまざまな課題がありますが、少子高齢化もその1つです。そしてとても大きな課題です。
政治家になる人で「少子高齢化には全く関心がない」なんて言っていたら、それこそ政治家にはなれないのではないでしょうか。
そして少子高齢化はトラックドライバーの業界でもとても大きな課題になっています。トラックドライバーは若いなり手が激減し(少子化)、現場では高齢化が進んでいます。
政治家として少子高齢化を考えたことがあるはずのその頭脳で、トラックドライバー業界の人手不足問題も解決してほしいものです。
3. 孤独な仕事だから
政治家は実は、とても孤独な仕事ではないかと思えます。何とか党に所属しているだけではなく、派閥なんかもつくって集まっているのだから、孤独なはずはないんじゃないかと思う人も多いかもしれません。しかし、そうやって大勢寄り集まっているのは表向きのことで、直近の人たちは政治家を「先生、先生」なんて盛り上げるばかりで、政治家が腹を割って本音を言える相手なんていないのじゃあないでしょうか。
それは悲しく孤独なマラソンランナーみたいなものかもしれません。
トラックドライバーは基本的に1人で仕事をします。運転席の隣には「先生」とおだててくれる秘書さえもいません。
もしかしたら、政治家こそ世の中で一番トラックドライバーに向いているのかもしれません。
4. 悪いイメージがつきまとうから
トラックドライバーは「荒くれ者」だの「マナーやルールを守らない」だの、悪く言われることが結構あります。トラックのような大きな車を操るので、周囲がその圧迫感に威圧され、つい悪く言いたくなるのかもしれません。
政治家も「金満政治」だの「国民より保身のほうが大切」「友人知人ばかりを優遇する」「少しぐらい法律を犯しても罪に問われない」「政治そのものより選挙に命を賭けている」だの、悪く言われることが結構あります。自分たちを守る法律を自分たちでつくり、大きな権力を好き勝手に操るので、周囲がその嘘や欺瞞に辟易し、つい悪く言いたくなるのでしょう。
どうせ悪いイメージで見られるのですから、政治家もこの際、トラックドライバーに転職してしまいましょう。
5. 高給取りだと思われがちだから
トラックドライバーの給料は歩合制になっていることが多く、「やればやっただけたくさん稼げるおいしい仕事」と思われることもあります。実際は、1990年の道路貨物運送業界の規制緩和によってそれほどたくさんは稼げなくなっているようですが。
政治家は国民誰もが知っている通り、高給取りで、一説によれば「やろうがやるまいがたくさん稼げるおいしい仕事」と思われたりもしているとか、いないとか。
実際は選挙に出費が多く、お金はいくらあっても足りないようですが。
どちらも高給取りと思われがちですが、トラックドライバーは政治家ほど出費が多くはないので、やはりトラックドライバーになると良いかもしれません。安心します、きっと。
6. 生活習慣が乱れがちだから
トラックドライバーの仕事の中には、早朝過ぎてほとんど夜中という時間帯に出勤して荷を運ぶ仕事があります。そればかりではなく、仕事によっては夕方に出勤して夜中ずっとトラックを運転するということもあります。
生活習慣が乱れがちです。
政治家も早朝だろうが夜遅くだろうが、何かあるとテレビで記者発表をしたりしていますし、とにかく忙しいというイメージです。恐らく9時から5時までだけ仕事している、なんてことはないのでしょう。昼夜は関係ない、大変な仕事です。
政治家になれる人はもれなくトラックドライバーになれるに違いありません。
7. 自然災害時に働くから
大きな地震があったり、台風によって大きな被害が出ると、たとえそれが真夜中であっても大臣の皆さんは官邸なんかに集まります。もちろん、パジャマ姿ではなく、きちんと背広姿で駆け付けます。つまり仕事モードです。休んでいても駆け付けます。
トラックドライバーも災害時に活躍します。
全国のトラック協会は、国や自治体と取り決めを交わし、地震や台風などの大きな自然災害時に緊急・救援輸送を優先かつ迅速に行っています。
どんな時間でも仕事モードで駆け付けることができる政治家の皆さんなら、被災地に物資を届けることもできるでしょう。
8. 責任重大な仕事だから
そもそもトラックドライバーは荷を運ぶことで人々の生活や企業の経済活動などを支える、社会貢献度がチョモランマ級に高い仕事だと言われています。
それだけに責任重大です。トラックドライバーが仕事しなかったら、生活や経済は止まってしまいます。
また、トラックドライバーには交通事故のリスクもあります。交通事故を起こした場合、トラックは車体が大きく、頑丈なだけに、相手側に大きな被害を与えがちです。そのことから、トラックドライバーは交通ルールと交通マナーを厳格に守り、事故を起こさないように努める責任も負います。
これまたその責任は重大です。人命も左右しかねないのが交通事故ですから。
同じように政治家も責任重大です。政治家の政策によって国家の行方が左右されるのですから。
「間違っちゃった」で済まされる職業ではありませんし、政治家が長く大金をもらい続けるためにある職業でもありません。必要なのは、たとえトラックドライバーと同じくらいの収入でも「国民のために命懸けで働きたい!」「自分がどうなろうと、日本を平和で豊かな国にしたい!」という覚悟と気構えです。政治家としての仕事や待遇は選挙で頑張ったご褒美ではありません。
覚悟と気構えがない政治家はトラックドライバーになって、自分の中の覚悟と気構えを育てながら社会を地道に支えてください。
最後に
トラックドライバーにも政治家になってほしいものです。トラックドライバーは政治家が持っていない、強い責任感、心意気、覚悟を持っていますから。