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路線バス運転士の仕事が大変な理由

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路線バス運転士は、月収は約25万円から約30万円、年収は約300万円から約400万円と言われています。悪くない収入です。
そんな路線バス運転士もトラックやタクシーの運転手同様、人手不足が続いているそうです。一般社団法人 女性バス運転手協会が設立されて女性バス運転士の増加に努めているほどです。
トラック運転手がネット通販などの物流によって庶民の生活を支えている「尊い仕事」であるのと同じように、路線バスも鉄道が通っていない地域ではそこに生活する人たちのとなり、また都心でも、運転免許を持たない人、返納した人たちのになっています。庶民にとってなくてはならない社会的インフラと言っても良いっしょ。

そんな「立派な仕事」であるはずの路線バス運転士ですが、人手不足が続いています。
繰り返しますが、路線バス運転士の月収は約25万円から約30万円、年収は約300万円から約400万円で、決して悪くない収入だと言えます。それでも「お気楽ゴクラク」な仕事ではないわけです。そりゃそうでしょう、世の中に「お気楽ゴクラク」にしながら月収は約25万円から約30万円、年収は約300万円から約400万円を得られる仕事なんてありゃしません。

言ってみれば、世の中のあらゆる仕事は「大変だ」と思える要素があるわけです。しかし、その「大変だ」と思える要素も、人によっては受け取り方が違いますし、また、あらかじめ覚悟しておけば、ダメージが少なくて済むような対処もできるかもしれませんし、できないかもしれません。

今回は路線バス運転士の仕事が大変だと言われがちな理由を紹介します。本気にするもしないも、心して決めよ。

時間厳守が大変

路線バスは決められたスケジュール通りにルート上のバス停を回らなければいけません。道が渋滞していても、激しく空いていても、遅れ過ぎたり、早く着き過ぎてはいけません。
もちろん、スケジュールはいろいろな要素を吟味して決められていますが、ときには想定外の突発的なことが起こることもあり、スケジュール通りの運行が困難になることもあります。
それでもスケジュールに沿ってバスを運行させなければいけません。これはかなり大きなプレッシャーになります。

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時間通りに

接客が大変

大型トラック並みに大きなバスを運転するのが路線バスの運転士です。ま、中にはマイクロバスを利用したコミュニティバスもありますが、一般的には大型バスです。
大型トラックは荷物の積み下ろしをトラック運転手が行うことが多いです。しかし、バスの場合、バスが運ぶ「乗客」は、自分たちで乗り降りしてくれます。ここがトラック運転手とバス運転士の大きな違いでもあります。
バス運転士は「生きた乗客」を運びます。
バス運転士は乗車賃の精算業務も行い、乗客を快適に運ばなければいけません。問題行動を起こす乗客がいれば対処もしなければいけません。
乗客の中には行儀の悪い中高年もいるかもしれません。泣き止まない赤ん坊を煙たがる不埒な輩もいるかもしれません。運転士やバス会社にクレームを言ってくる人もいるかもしれません。これはなかなか厄介です。
バスが混んでいるときは、立って吊り革につかまっている乗客もいるでしょう。そんなときでも運転士は、座っている人にも立っている人にも安全な運転をしなければいけないのです。急ブレーキをかけたり、急にハンドルを切るようなことは慎まなければなりませぬ。
ただ、ていねいで親切な接客と運転を続けていると、ときには乗客から感謝されたりします。それが仕事のやりがいになったりもします。

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混んでいても安全運転

大型二種免許取得が大変

バス運転士として働くには大型二種運転免許が必要です。
大型二種運転免許の受験資格は「21歳以上で、普通自動車免許か大型一種運転免許、もしくは大型特殊自動車免許の取得後3年以上が経過していること」です。その合格率は10%ほどとも言われていて、寝そべっていてできるような簡単なものじゃありません。
しかし、そうやって得た資格だからこそ、それが必要なバス運転士は高度な専門職だと言えるのです。転職するにも、この免許があると有利です。

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免許は必須

ルーティンワークが大変

路線バスの運転士は、毎回同じルートを走ります。毎日毎日同じです。バスの窓から見える景色も同じです。
朝は通勤、通学のサラリーマンや学生、昼間は買い物客、夕方はまた学生、夜は仕事に疲れたサラリーマンと、乗客の顔ぶれも毎日ほぼ同じ感じです。突然、インドのマハーラージャが乗ってくることはまずないでしょう。
毎日同じことの繰り返しです。毎日同じことの繰り返しが苦痛な人には大変です。過酷な仕事だと言い切れます。
そんな人は、同じことの繰り返しの中に些細な変化を見出し、それを喜びに変えていく努力をしましょう。
逆に、毎日同じことの繰り返しは楽でいいや、と思える人には大変でも何でもありません。

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毎日ぐるぐる

残業・休日出勤が大変

路線バス運転士はここのところ人手不足状態が続いています。そのためバス会社のシフトはカツカツです。誰かが病欠なんてことになると、誰かがその穴を埋めるために残業や休日出勤もしなければいけません。
ただでさえカツカツに組まれているシフトに加え、業務を増やすのですから、これを大変と言わずして何を大変と言いましょう。
しかも、結構そんなことがひんぱんに起こったり起こらなかったりします。

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残業もアリ

過疎地では廃線になることもあって大変

地方では生活に欠かせない「足」となっている路線バスですが、人口減少で過疎化の進む地域では本数も少なく、しかも乗客が1人だったり、ゼロだったりしてもバスを走らせることがあります。さすがに労働意欲が減退します。
さらに利用者が激減し、廃線となってしまう路線も少なくありません。
せっかくルートを覚え、乗客とも顔なじみになっても、これはなかなか寂しいものです。

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寂しい‥

道を覚えなければならなくて大変

路線バス運転士であれば、ルートを覚えることは必須です。路線バス運転士として働くための大前提です。道を覚えるのが苦手な人には大変です。
でも、道を覚えることが得意な人にとっては屁でもないでしょう。

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道を覚えよう

ブラック企業もあって大変

法律上、バス運転士の1日の勤務は16時間までで、翌日勤務開始までは8時間以上空けることになっています。ですが、会社によってはこの法律ギリギリで運転士を勤務させているところもあり、バス運転士は16時間勤務から次の勤務まで8時間しかないという状態で勤務していたりします。この8時間の中で家に帰って風呂に入り、食事をして、また出勤しなければいけないので、睡眠時間は4時間とか5時間くらいになってしまいます。
4時間しか眠っていない状態で大勢の乗客を乗せたバスを運転し、公道を走るなんて、考えなくても無茶です。しかし、それでも法律を守っていることになるのです。これはもう「法律が間違っている」としか言えません。
もちろん、運転士の健康状態を考え、乗客の安全を優先的に考える会社もあります。
しかし、法律ギリギリで運転士に無茶な勤務を強いる会社もあるのです。
そんなブラックな会社を選んでしまわないように、バス運転士として仕事を探す人は、ドライバー専門の求人サイトを利用し、自分に合った会社を探しましょう。

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ブラック企業は避けよう

大勢の命を預かるのが大変

路線バスが運ぶのは大勢の乗客です。それで道路を走るのですから、交通事故のリスクを常に伴います。路線バスの運転士として安全運転は何が何でも守らなければならない責務です。
その運転には、乗客の命だけではなく、対向車など、同じ道路を行くすべての車に乗る人、さらには歩行者、自転車に乗る人の命も関わってきます。
これはかなりのプレッシャーになります。
しかし、そんなプレッシャーの下でも毎日しっかり安全運転を続けてこそ、本物の路線バス運転士と言えるのです。
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