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大型トラック運転手が他のトラック運転手と違う点

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何も知らない世間の人たちは「トラック運転手」というと皆同じように考えてしまいがちですが、「営業マン」と言ってもさまざまなタイプがあるように、「ウルトラマンジード」にも「プリミティブ」やら「ソリッドバーニング」やら「アクロスマッシャー」やらさまざまな形態があるように、「トラック運転手」もさまざまなタイプがあります。
一番分かりやすいのが小型トラック、中型トラック、大型トラックといった違いではないでしょうか。これは運転手が運転するトラックのタイプの違いですが、これによって運転技術、仕事、収入にも違いが出てきます。
少なくとも小型、中型、大型の中では、大型が最も運転が難しく、仕事が大変であるがゆえに収入も良いとされています。
とは言え、もちろん感じ方は人ぞれぞれ。中には中型が一番運転が難しく、仕事もきついと思う人もいるかもしれません。

とりあえず今回はご参考までに、一般的な大型トラックの特徴をご紹介します。

1. 車体が大きい

一目瞭然で誰にも分かることではありますが、大型トラックは車体が大きいです。
規格では全長12メートル以内、全幅2.5メートル以内、全高3.8メートル以内となっています。これは一般的に10トントラックと呼ばれているもので、最大積載量が6.5トン以上、車両総重量が11トン以上です。
これだけ大きいと、当然運転席の高さも相当です。大体、普通自動車の倍近い高さの2.4メートルほどになっています。それだけ高いと、普通自動車より遠くまで見渡すことができます。道路では普通自動車を見下ろす感覚になり、ちょっと気分が良いと言われています。

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大きい

2. 運転技術が高度

車体が大きいので、運転するにも普通自動車と同じというわけにはいきません。
運転席の位置が高いので、見通しは良いのですが、逆に近くが見えにくくなっています。車体が長く、幅も広いので死角が多くできてしまいます。
車体が長いので、カーブを曲がるときも内側にいる歩行者や自転車、バイクなどを巻き込んでしまう危険が生じます。この内輪差には十分な注意が必要です。
また、大きい分、かなり重いので、急なハンドル操作や急ブレーキも普通自動車以上に効きません。普通自動車でも急なハンドル操作や急ブレーキは禁物ですが、それ以上に慎重な操作が求められます。

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内輪差

3. 専用の免許

大型トラックの運転には大型運転免許が必要です。普通運転免許や準中型運転免許、中型運転免許では運転できません。逆に大型運転免許があれば、普通自動車、中型自動車、小型特殊自動車、原動機付自転車を運転できます。
大型運転免許取得の受験には21歳以上であることと、普通免許、準中型免許、中型免許、大型特殊免許のいずれかの免許の経歴が通算して3年以上あることが条件になっています。
ちなみに特殊自動車とはショベルローダー、農耕トラクタなどのこと。また、原動機付自転車と言えば、例えば50ccのスクーターがあります。
大型運転免許の試験では、一般的な視力検査に加え、立体感を正しくとらえられるかどうかを図る深視力検査も受けます。
大型運転免許の取得方法としては、教習所に通う方法と、すぐに試験に挑戦する方法があります。
費用は、すでに持っている免許の種類、取得までの日数で変わってきますが、教習所を利用した場合、18万円~35万円くらいが目安です。

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大型運転免許が必要

4. 運ぶ荷物

大型トラックは大きいので、中型トラックには乗らない大きなもの、中型トラックに乗り切らないたくさんのものを運びます。
実際には「乗らない大きなもの」は、大型運転免許の他にけん引免許が必要となるトレーラーで運ぶことになります。ですから、よりたくさんのもの、または、より重いものを運ぶと考えるといいでしょう。

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たくさんの荷物

5. 長距離に重宝される

大型トラックは一度にたくさんの荷物を運ぶことができるので、長距離輸送に重宝されます。
ただ、建築資材などを運ぶことの多い平ボディの大型トラックは、「たくさん」ではなく「大きくて重い」から大型トラックなので、長距離の仕事より近距離の仕事のほうが多くなります。

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長距離を行く

6. 体力が必要

大型トラックは高度な運転技術が求められるので、他のトラックや普通自動車の運転以上に安全運転に対して神経を使います。
また、荷物をたくさん乗せると、積み下ろしが手作業の場合、体力も必要です。
それだけではなく、長距離輸送では運転時間も長くなり、その分、やはり体力を使います。
大型トラックを運転するからには、タフさが必要だということです。

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体力勝負!

7. 経験が優遇される

大型トラックは高度な運転技術が求められるので、他のトラック運転手より経験が重視されます。
今は物流業界全体が人手不足になっていて求人は多く、大型トラック運転手も大型運転免許さえ持っていれば、トラック運転手として初心者でも採用される可能性は高いと言えます。それでも、中型トラックの運転手としての経験があったり、大型トラック運転手そのものの経験があったりすると、採用される可能性はさらに高くなります。

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経験豊富

8. ならではのメリット

大型トラック運転手は長距離輸送の仕事に就くことが多くあります。
長距離の仕事は、数日間は家に帰れなかったり、それだけ拘束時間が長かったり、デメリットもありますが、メリットもあります。
すなわち、行く先が遠方なので、仕事とは言え旅行気分が味わえたり、うまく行けば、行った先でご当地グルメや観光名所を楽しむこともできます。そうでなくても、普段とは違う景色を見られることは、大いに楽しむべきです。
また、トラック運転手になるからには「運転が好き」という人が多いはずですが、長距離を走る分、それだけ「好きな運転」をできます。しかもその間は、口うるさい上司もうっとおしい同僚も横にはいません。安全運転と時間厳守だけに注意すれば、1人で気ままに過ごせます。

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気まま

9. 給与が良い

大型免許が必要ということもあり、小型、中型のトラックドライバーより大型トラックドライバーの給料は高く設定されています。大型トラックドライバーは月収35万円~50万円とも言われています。
歩合制になっているところも多く、その場合、荷を運ぶ距離が長いほど給料が上がります。
そのため、多くのトラック運転手が経験を積んで小型から中型、そして大型へとキャリアアップしていくことを目指します。

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たくさん稼げる

10. 気持ちが良い

大型トラックは運転席が高く、視野が広いので気持ちが良いです。
大型トラックの運転には高度な技術が必要なので、それをマスターすると自分のスキルアップを実感できて気持ち良いです。
大型トラックは大型機械でもあるので、それを自在に操るのは「大きな力」を持ったように思えて気持ち良く感じます。もちろん「大いなる力には大いなる責任が伴う」のですが。
しかも大型トラックの運転手は他のトラック運転手より給料が高いので、これはとても気持ち良いと言えます。

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気持ちイイ‥