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トラック運転手にありがちな話

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トラック運転手にも会社によってさまざまな仕事があります。大型トラックで長距離を行くトラック運転手がいれば、毎日同じ地域の同じルートだけを回る2トントラックの運転手もいます。
とは言え、時間厳守で荷を運ぶプロドライバーとして、多くのトラック運転手が「似たような体験」をしているようです。人はそれを「あるあるネタ」だの「職業病」だのと言います。
特に大型トラックに乗っているようなトラック運転手を、世間の人は「荒くれ者」と思ってしまうかもしれませんが、トラック運転手もプロドライバーである前に「人間」です。失敗や欠点も含めた「あるあるネタ」は、人間誰しも経験しているものです。単なる「荒くれ者」ではないんです。
これからトラック運転手になろうという人は、なってみたら同じような体験をするかもしれません。
トラック運転手とは全然違う仕事に就いている人は「トラック運転手の生態ってそんな感じなのか」と思って、これからはトラック運転手に温かい目を向けてください。

1. 車内で仮眠していて居眠り運転してたと思って飛び起きる

特に長距離のトラック運転手に休憩は大切です。適度に休憩を取ることで、疲労や睡魔による事故を防ぐのです。
長距離の仕事では、深夜にトラックを走らせることもあります。眠くなることもあります。そのため、多くのトラック運転手は眠気覚ましにコーヒーや、刺激のあるタブレットを口にします。しかし、そうやって無理して運転を続けていると、ウトウトしてきて居眠り運転に突入してしまう危険もあります。
それを防ぐために、例えばPAなどでトラックを停め、仮眠を取ります。そこで眠りに落ちますが、何せ運転席なので「しっかり就寝」というわけにはいかず、何となく目が覚めるわけです。この「ふと眠りから覚めたときに運転席にいる」という状況から「しまったッア! 運転しなが寝オチした!」と、一瞬錯覚してしまいます。それで飛び起きるわけです。
落ち着いてあたりを見渡すと、トラックは停まっていて「そっか、仮眠していたんだ」と思い出し、ホッとします。

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仮眠

2. 知らず知らずトラックをカスタマイズする

トラック運転手の仕事はトラックの運転だけではありませんが、仕事の大半がトラックの運転ではあります。勤務時間のほとんどをトラックの運転席で過ごします。より快適に過ごせるようにしたくなるのが人情ってものじゃないでしょうか。ねえ、そうでしょう?
そんなわけで腰に優しいクッションを使ったり、自分好みのシフトカバーを付けたりします。中には電気ポット炊飯器なんかを置いたり、よほど大型トラックなら仮眠スペースを自己流アレンジしたり、頑張ってしまう人もいるようです。

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快適な空間

3. 荷積み荷下ろしで一度は失敗経験がある

荷積みに予想以上に時間がかかってしまい、出発が遅れ、かなり焦ってトラックを走らせるなんてことは、結構多くのトラック運転手が経験するようです。1日に何軒もの届け先を回る場合、荷下ろしの遅れも全体の進行に大きな影響が出るので厄介です。
また、手作業で荷積み荷下ろしをやっていて、うっかり荷を落としたり、どこかにぶつけてしまうと、もはや「悲劇」と言っても過言ではありません。破損などがあると、自腹で買い取りなんてこともあります。

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破損すると大変

4. 周囲から高度な運転技術を期待される

トラック運転手はプロドライバーなので「車の運転」に関しては過剰に期待されます。普通自動車運転免許より難度の高い大型自動車運転免許なんて持っているとなおさらです。
それで、例えば学生時代の友人が集まってドライブでもしようなんて話になると、たいていは運転を任されます。本当は仕事で毎日ハンドルを握っているので、オフのときくらいは運転したくない、という人もいます。

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オフの日くらい運転したくない

5. どんな難路もたいていは通れる

トラック運転手はプロドライバーなので「車の運転」に関しては過剰に期待されます。実際、難度の高い、恐ろしく狭い曲がり角を曲がるなんてこともあるため、トラック運転手の仕事を始めると運転技術は上がっていきます。
とは言え、決してF1ドライバーではないので、学生時代の友人が集まってドライブするとき、トラック運転手に運転を任せたとしても「前を走るスポーツカーを追い越しちゃえ」なんて無茶ぶりをしてはいけません。

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カーレーサー

6. 大盛り無料はテンションが上がる

トラック運転手の仕事は基本的に体力仕事です。そのため、食事はついつい「ガッツリ」を志向してしまいます。「大盛り無料」なんて表示を見るとむやみとテンションが上がり、もちろん大盛りを注文。「食べ放題」の店にも弱く、「食べ放題」の店に入ると理性のタガが吹き飛びます。
とは言え、「満腹は眠気の母」とも言います。食べ過ぎて睡魔に付け込まれると厄介なので、ほどほどにしたいものです。

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ガッツリ肉料理

7. 往路で見掛けた同業者のトラックを復路でも見掛けるとうれしい

往路で見掛けた同業者のトラックを復路でも見掛けると、仲間意識とでも言うのが芽生えます。もちろん、お互いに顔も知らない同士なんですが、「あんたも○○地方へ行った帰りか。俺もなんだよ」なんて心の中で呼び掛けてしまいます。何なら秘かに「気づいてアピール」します。
景気の先行きも見えにくく、国際情勢も楽観ができない昨今、気持ちをほのぼのさせるような仲間意識は大切にしたいですね。

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素晴らしき仲間意識

8. 雨の日が休日だとちょっと得した気分になる

休日は快晴のほうがうれしいと思いがちです。快晴のほうが気持ちよく遊びに出掛けられますから。
ただ、トラック運転手は少し事情が違います。
雨の日、トラック運転手は仕事をするのにかなり憂鬱だと言います。荷下ろしのときに荷を濡らしてしまう危険があるからです。
そのため、たまたま自分が休みの日に雨が降ったりすると、今ごろ雨の中で荷下ろしをしているだろう同僚のことを思い浮かべて「ごくろうさま」と思いながら、我が身の幸運にほくそ笑むのです。今日は出勤じゃなくてよかった、うふふふ、と。

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雨の日

9. トイレに行きたくなったときに限ってトイレが見つからない

トラック運転手にとって、尿意を催したときにトイレが見つからないことほど恐怖を覚える場面はなかなかありません。他には、車道を走る自転車を見つけたときなどですか。
時間が経つにつれて確実に強さを増す尿意と戦いながらトラックを走らせていると、次第に冷や汗でハンドルを握る手もベトベトになってきます。
しかも、そんなときに限ってトイレがあるような場所がありません。遠くにコンビニの看板が見えて緊張が少しゆるむのもつかの間、トラックを停められるほど大きい駐車スペースがなく、絶望の淵に立たされながら運転を続けることになります。

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手汗がベッタリ

10. 朝日を美しいと感じる

長距離のトラック運転手は夜通しトラックを走らせ、朝早くに荷を届けることもよくあります。遠くに続く山の稜線から朝日が差し始めると、「もうすぐ届け先に着くか」と、少しほっとします。時間通りに荷を届ける仕事も、もうじき無事に終わろうとしています。
そんなとき、ふと「なんてきれいな日の出なんだ」と感じます。トラック運転手の仕事をしていなければ、もしかしたら感じることがなかった「美しさ」かもしれません。
届け先が住宅街の真ん中なら、作業中のゴミ収集車に出くわすかもしれません。繁華街なら仕事終わりの水商売のお姉さんたちとすれ違うかもしれません。
どちらにしろ、トラック運転手の仕事をしていればこそ出会える、一般のサラリーマンはあまり見ることのない光景が、トラック運転手にほのかな達成感をもたらします。

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美しい朝日