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トラックドライバーに7人の敵あり

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戦いのとき

昔は「男は敷居をまたげば7人の敵あり」なんてことを言いました。
つまり、男が社会に出ると、苦難がたくさん待ち構えているよといった意味のようです。これが「昔は」となったのは、何も苦難が消えたわけじゃなく、男だけじゃなくて女性にも言えるからってことです。もしかしたら、子どもにも当てはまるのかもしれません。

そんなわけで、基本的に1人で仕事する、気ままな職業と思われがちなトラックドライバーにも、もちろんがいます。「7人」というのは、1人、2人じゃなくて「多い」ということを表現するための決まり文句的な人数ですが、せっかくなので、ここではその数字になぞらえて書き出してみます。
一般的な「男の7人の敵」は、恐らく、会社でライバルとなる同僚や、売り上げなどのノルマ、社外の競争相手、契約を何としてでも結びたい取引先、交渉相手、下請け企業、上司、行政、法、株式相場などかもしれません。
要するに「乗り越えなければならない苦難」です。

さて、トラックドライバーにとっての7つの苦難を並べてみます。

1. 睡魔

トラックドライバーが仕事中に戦わなければいけない相手で、一番厄介なのが睡魔かもしれません。
もちろん、いつも必ず襲ってくるものではありませんが、襲ってくるとこれほどの強敵となる存在はありません。
下手に逆らわず、休憩を取って仮眠するのが一番効果的な撃退法ですが、時間厳守の仕事ではなかなか休憩できず、トラックドライバーを苦境に立たせます。
仮眠が一番の撃退法ではありますが、他にも刺激のある錠剤を口にする、大音量で音楽を聞く、大声で歌うなどの方法も、一時的ですが有効です。
日ごろからしっかり睡眠時間を取り、仕事中に眠くならないように努めることも必要です。
とにかく強敵ですし、負けると交通事故を起こしかねません。

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仮眠が一番

2. 尿意・便意

どんな人間にも必ず襲い掛かるのが尿意や便意です。自然な生理現象なので避けようがありません。
ただ、普通にオフィスなどで働いていれば、すぐにデスクを離れてトイレに行くことができますが、トラックドライバーにはそれができません。トラックを停めることができ、トイレがある場所を探さなくてはいけません。
しかし、そんな場所はどこにでもあるものでもありません。
そのため、トラックドライバーは、あらかじめある程度、トイレのある場所の見当をつけておいてトラックを走らせます。また、なるべく尿意に襲われる回数を減らすため、むやみな水分摂取も控えます。
ただ、脱水状態になっても困るので、こまめな水分摂取はどうしても必要で、その結果、尿意も必ず襲ってきます。
ですから、トラックドライバーはトイレに行ける機会があれば、こまめに行っておきます。
さらに、簡易トイレなどの装備も念のために用意しておきます。

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トイレ

3. 空腹

トラックドライバーが仕事中に思わずジタバタしてしまうのが、空腹に襲われたときです。
ただ、これはあらかじめいろいろと対策を講じることができます。何か食べ物を用意しておけばいいのですから。
とは言え、万一、そうした用意を怠った場合は結構厄介です。
長距離の仕事の場合、見知らぬ土地で昼食や夕食を確保することになります。大型トラックを駐車でき、おいしくて栄養があり、しかも安いものが食べられる店を探してさまよいます。そのうち、どんどん空腹感が増してきて、ひもじさから情けない気持ちにもなりかねません。
結局、トラックを停められそうな店が見つからず、お馴染みのファミレスか、コンビニ弁当になったりします。

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思い切り食べたい

4. 肥満

トラックドライバーの仕事は体力仕事です。長時間、トラックを運転していると疲れます。
それで、食事はどうしてもガッツリ系になります。
トラックドライバーの仕事は体力仕事ですが、筋力を使うのは荷の積み下ろしが手作業のときくらいで、トラックの運転ではあまりカロリーを消費しません。
その結果、トラックドライバーは油断すると太ってしまいます。そして肥満は脳疾患や心疾患の原因にもなったりします。
脳疾患、心疾患によって運転中に運転が困難になると、交通事故にもつながりかねません。危険です。
トラックドライバーは肥満を避けるため、日ごろから栄養バランスの取れた食事、適度な運動を心掛け、体を鍛えることが望ましいと言えます。

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体を鍛えよう

5. 腰痛

トラックドライバーをはじめとした職業ドライバーは、同じ姿勢で運転し続けることから血行不良になりやすく、そのため腰痛を抱えがちです。肩こりもあります。
腰痛、肩こりは厄介です。
その対策として、休憩するときはなるべく運転席から降り、足腰を伸ばしたり、軽くストレッチを行います。こうした軽い運動は睡魔撃退にもなります。
また、体に合ったクッションを運転席に置いたりもします。

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ストレッチ

6. 自転車

大きなトラックの敵が、か弱そうな自転車と言うと違和感もありますが、自転車はトラックドライバーが大いに恐れている存在と言ってもいいでしょう。
自転車は車道を走ったりもします。しかし、自動車と比べて細く、小さい分、大きくて死角の多いトラックの運転席から見えにくい存在でもあります。
知らないうちに自転車にトラックの車体を当ててしまうと大変です。トラックには大したキズも付かないかもしれませんが、自転車には大きな被害が出ます。しかも、どれだけ自転車側に非があっても、損害を賠償するなどの責任はトラック側が負う可能性が高いです。
雨降る夜の自転車なんてのは、恐怖以外の何物でもありません。
トラックドライバーにとっては「近寄らないようにする」しか手がありません。
自転車に乗る人も、できるだけ自動車、特にトラックには近寄らないでください。

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夜の自転車は恐ろしい

7. 自分自身

「俺のライバルは俺自身だぜ」なんてカッコつけて言いたいわけではありません。
トラックドライバーに一番大切なのは安全運転です。無事故無違反です。
しかし、事故や違反を起こしてしまうのは、トラックドライバーの油断だったり、誘惑に負けてのことであることも多いものです。
安全運転には冷静さが欠かせません。トラックは運転席の位置も高いですが、だからと言って気持ちまで「俺様」になってしまい、他の車の運転手が運転がうまくないからいって感情的になり、あおったりするのは言語道断で、許されるものではありません。
トラックドライバーは自制心を持って、常に安全運転に徹しなければいけないのです。そのためにも、感情に流されたり、油断してしまいがちな「弱い自分」と、常に戦い、これを打ち負かさなければいけないのです。

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敵は自分

最後に

他にもトラックドライバーは納品時間などの時間との戦い、とかくトラックドライバーを低く見がちな世間のイメージとの戦いも覚悟しなければいけません。こうした戦いに、必ずしも勝てるとは限りません。しかし、あきらめないことが肝心です。勝てなくても、必ず道は開けます。

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道は開ける