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タクシードライバーという仕事の新しいメリット

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改革のとき

営業自粛やら外出自粛で、大きな打撃を受けたタクシー会社が続出した、この2020年。
しかしタクシーは、運転できない高齢者や障がい者の足となり、終電を逃した人たちを自宅まで届け、重い荷物を持った人を目的地まで運んでくれる、社会貢献度の高い存在です。
タクシーを仕事にしている人たちにとっても、たやすく諦められるものではありません。
タクシーは、なくてはならないものなのです。

タクシー業界だけではなく、2020年は多くの業界、多くの人たちに変革が求められました。
危機を脱するため、多くの人たちが改革に挑み、進化していきました。と言うか、まだ変革の途中です。

全国のタクシー会社で新しいサービスが始まりました。
東京では、タクシー利用者に向けた「お願い」が示されました。
タクシーの在り方が変わってきているのです。

一方、いろいろな業界が経営で打撃を受けた中で、新しい採用を控える会社も増えています。
そんな中、タクシー業界はここのところ人手不足が続き、タクシードライバーとして就職するハードルは低いと言われてきました。しかし、今年はタクシー業界も業績が悪化し、採用のハードルが低いなんて安易には言っていられない状況です。
それでも、逆にタクシードライバーとしての就職を敬遠してきた若い人たちが、改めてタクシードライバーの仕事に注目し始めています。就職戦線にも構造の変化が起こってきているのです。

タクシードライバーの仕事は基本的に歩合制であることが多く「やればやっただけ稼げる仕事」と言われてきました。実際、月収35万円~月収50万円とも言われています。
また、約20時間勤務して翌日を丸1日休むという特殊な勤務形態「隔日勤務」があり、多くのタクシードライバーがこの「隔日勤務」で働いています。「隔日勤務」では月に12日間ほど勤務し、後の18日間くらいが休日になります。このたくさんの休日を利用し、趣味を楽しむ人もいれば、資格などを取ってさらに仕事の幅を増やす人もいるようです。
さらにタクシードライバーは、基本的に1人で仕事し、横に上司や同僚はいないので、職場の人間関係によるストレスもほとんどないと言われています。
それ以外にもいろいろなメリットがあるのがタクシードライバーという仕事です。
そして今の「変革」の時代、タクシードライバーの仕事にも「新しいメリット」が生まれてきているのです。


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1. グルメに詳しくなる

もともとタクシードライバーは「地元の情報に詳しい」と思われがちでした。
タクシーにはいろいろなお客さんが乗るので、飲食店にそのお客さんを連れて行くこともあり、次第に「お客さんが多く行く人気店」も分かってきます。また、お客さんから「おいしい店を知らない?」と聞かれることもあると、自分なりにそういう情報を集めようとも考えます。
加えて昨今は、タクシーによる飲食宅配サービスが始まり、当初は期間限定で認められていたのを恒久化する動きも出てきています。
このように飲食業界とタクシー業界のつながりが以前より増して強化され、タクシードライバーはますますグルメに詳しくなっていくに違いありません。
これはタクシードライバーにとっても大きな武器になるでしょう。

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グルメ

2. 会話が減る

感染防止で大切なのは他人との濃厚な接触を避けることです。会話は唾が飛ぶので、できるだけ避けたい接触です。
タクシードライバーはお客さんと目的地の確認や精算などについての会話をしなければいけませんが、それ以外でもときにはお客さんと雑談を交わすこともありました。
この「お客さんとのふれあい」もタクシードライバーのメリット、仕事の魅力の1つでもあったのですが、中には雑談が苦手なタクシードライバーもいます。
今はタクシー車内でも必要最低限の会話以外は、なるべく会話しないことが推奨されています。「お客さんと余計な会話をしなくて済む」ことは、雑談が苦手なタクシードライバーにとっては朗報なのではないでしょうか。

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沈黙

3. 力仕事が減る

タクシー車内での会話も減らすようになっていると同時に、やはり接触を減らす意味から、タクシードライバーがお客さんの荷物をトランクに入れるサービスも極力行わないことが推奨されています。お客さんから要望があれば、当然、ドライバーがトランクを開けますが、荷物を入れるのはお客さん自身が行うわけです。
そんなに毎回あることではありませんが、それでもほんの少し、タクシードライバーの力仕事が減り、になっています。

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トランクにはお客さんが自分で入れる

4. キャッシュレス決済が普及する

接触を減らす動きは他にもあります。現金のやり取りを無くそうということです。
タクシー関連のアプリがいろいろ登場していて、タクシー利用料の精算もスマホでできるようになっています。
スマホなどで決済できると、現金のやり取りよりもずっと短時間にでき、効率的です。
タクシードライバーの仕事では精算だけではなく、タクシー利用客を見つけたり、いろいろやるべき作業があります。それだけにその作業が少しでも効率的にできれば、より多くのお客さんを見つけ、売り上げを伸ばすこともできるかもしれません。

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スマホで決済

5. 社会貢献度がアップ

タクシー会社では以前から、普通のタクシー利用だけではなく、専門的な利用のためのサービスを始めていました。観光タクシー、キッズタクシー、陣痛タクシー、福祉タクシーなどです。
さらに2020年はなるべく外出を避ける人が増え、タクシー利用客が減った中で、タクシー会社ではまた違う、新しいサービスを始めています。買い物代行やお墓参り代行です。
買い物代行は高齢者などにはありがたいものですし、墓参り代行も多くの人に喜ばれました。
もともとタクシーの存在は社会貢献度の高いものですが、新しいサービスがさらに社会貢献度を高めていると言えます。

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お墓参り

6. タクシー移動が見直されている

外出自粛などでタクシーの利用は減りましたが、不特定多数が同じ車内に乗り込む電車やバスに比べたら、しっかり感染対策さえしていれば、タクシードライバーと2人きりのタクシーのほうが感染リスクは低いんじゃね、と気づいた多くの人が、むしろバスや電車よりタクシー移動を選択するようになっています。
確かにその通りです。

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ギュウギュウ詰めの電車

7. タクシードライバーのメリットが見直されている

もともとタクシードライバーの仕事は「やればやっただけ稼げる」「1人で仕事できる」「休みが多い」などのメリットがありました。いろいろな業界が業績悪化により、就職活動の先行きが不透明になってきた今の時代、改めてこのタクシードライバーのメリットが見直されてきています。
いろいろなメリットがあり、人手不足が続いているならタクシードライバーになるのも悪くないと、若い人も注目し始めています。

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若い人の注目

8. ますます進化するはず

以前から自動車の進化の1つとして国内外で取り組みが行われてきたのが自動運転システムの開発です。
遠い将来か、近い未来か、タクシーをAIが運転するようになるかもしれません。そのころには「空飛ぶタクシー」が現れ、人の移動手段が今とは大きく違っているということも起こり得ます。
進化や変革は徐々に進行していくこともありますが、必然性によって急激に起こることもあります。今年はその急激な変化のきっかけとなる年なのかもしれません。

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進化

最後に

新しく、マスクを着けていないお客さんの乗車をタクシードライバーが拒否できるということが、国によって認可されました。この認可に対して「そんなことまでお客に我慢を強いるのか!」拒否反応を起こす声も聞きます。しかし、よく読んでみましょう。「拒否できる」となっているだけで「マスクを着けていないお客さんは乗車できない」わけではありません。
もちろん、タクシー乗り場で「マスクしてください」「嫌だ」という面倒も起こるかもしれません。しかし、お互い大人なんですから冷静に対応しましょう。お客さんもタクシードライバーも、お互い様という気持ちで譲り合うことが肝心です。
もちろん、お客さんだって多少我慢したって良いはずです。
そしてタクシードライバーにも自分や自分の仕事を守る権利はあるはずです。お客さんは決して「神様」ではないのです。

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マスク