ここのところ、若い人の車離れが進んでいると聞きます。運転免許の取得も減ってきているそうです。
アメリカ大陸のような広いところだと、長距離バスがあるものの、それでも「自由に好きなところに行く」には、やはり自分で車を運転できなきゃどうしようもなく、運転免許を取って車を持つことは、イコール「自由を手にする」ことの象徴だったわけです。つまり、車がなければ、生まれた小さな町で一生を過ごすことになるので、夢を持つ若者はまずは運転免許を取得するしかないのです。
日本は狭いからなのか、夢なんて持てないからなのか、運転免許の取得率は下がってきました。単なる価値観の多様化のせいかもしれませんが。
運転免許を取らないので、当然、車の運転を仕事とする職業に就く人も減ってきました。
その一方で「車の運転は楽しい」という人、「車の運転が好きだから職業ドライバーになった」という人もいます。
トラックの運転って、きっと楽しいに違いありません。
大きな機械を自在に操作すること
トラックは大きいです。その大きな機械を操作することの快感があるのではないでしょうか。
ハンドル、アクセル、ブレーキをそれぞれ、手足のコンビネーションによって操作することで、大きなトラックを自在に操り、思うようにスピードを上げ、行きたい場所に行く。ハンドル、アクセル、ブレーキを連携させて操作することは、結構複雑な操作ですから、そんな「手足の複雑な動作」を、すべて自分の意志で行っていることの快感も、やはり大きいでしょう。
まさに巨大ロボットを動かしているよう、と言ってしまうのは少し言い過ぎかもしれませんが、昔、ロボットアニメを楽しんだ人なら、そんな思いにも多少は浸るはずです。
当たり前のことですが、ハンドルを左に切ると、車体も左に進みます。それだけで「自在に操作している」感を楽しむことができます。
運転席の位置が高いこと
トラックは普通自動車よりも運転席が高い位置にあります。そのため、普通自動車の運転席から見えないような遠くも、トラックの運転席からなら見えたりします。
観光地なんかに行くと、展望台なんてものがあって、場所によっては人はお金を払って展望台に上り、遠くを見ます。高いところに上って遠くを見ることは、それだけ心地良いわけです。
心地良いスピード感
車を運転する快感は、このスピード感に負うところが多いと言えるでしょう。
バイクみたいに風を感じるわけではないですが「エンジンの振動、タイヤから伝わる道路の感触による疾走感が、たまらない」という声も聞きます。
この乗り心地が、車窓から見える「流れる景色」と一緒になって、まさにスピード感となります。
とは言え、もちろん好きにスピードを上げて走っていいわけではありません。トラックの場合、荷を積んでいるなら、その荷の安全も守らなければいけません。
それに、風を感じるバイク、低い位置からの視点で道路上の疾走感を味わえるレースカーの生々しいスピード感とは違います。それでも、高い位置にある運転席から味わうスピード感は、また味わい深いものです。
自由に遠くに行けること
これはトラックに限らず、どの車でも言えることです。
上にも書きましたが、車は「自由に好きなところに行ける」象徴です。
とは言え、国土が狭く、公共交通機関が発達している日本では、車を「自由の象徴」と感じている人も少ないかもしれません。単に遠い場所に行きたいだけなら、何も車を運転する必要はありません。列車でもバスでも、どこでもドアでも使えばいいのです。
しかし、自分の意志通りに機械を操縦し、道を選択し、時間を調節し、景色を愛で、目的地まで到達する過程に喜びを感じるのが、車の運転です。それはとても楽しいものです。
自家用車があれば、バスや列車のような公共交通機関が動いていない深夜も、自分の都合でどこへでも行けます。これも魅力です。
高性能を満喫できること
トラックは普通自動車に比べて運転の難度が高いと言われています。普通自動車より車体が大きいので、車体感覚に慣れるのに時間がかかり、死角が多いので、周囲の確認も大変ですから。
しかし、それらをカバーする装備も整ってきています。
今やトラックにバックモニターは欠かせませんし、自動ブレーキなどの安全機能は高度化しています。
ま、安全機能の高度化はどの車でも言えることですが。
乗り心地が楽なこと
トラックは車体が大きく、運転席も広いので、ゆったりした乗り心地になっています。
また、トラックより車内がせまい軽自動車でも、今は乗り心地が重視されているくらいなので、最新のトラックももちろん、運転席に快適な乗り心地が追求されています。
また、車体が大きいので、ハンドル操作やギア操作も大変そうですが、これもとても軽やかになっています。昔は、トラックのハンドルは重くて当たり前だったそうですが、今ではパワーステアリングが装備されています。
運転技術の向上を実感できること
トラックは普通自動車より運転が難しいものです。
しかし、続けていれば慣れます。
慣れれば、今まで一度ハンドルを切るだけでは曲がり切れなかった曲がり角も、一度のハンドル操作で曲がれるようになります。慣れると、このように運転技術は向上します。
運転技術の向上を「今までできなかったことができるようになる」という形で実感できるようになります。
技術の向上の実感は、自分自身の成長の実感と同じで、やはりうれしいものです。
好きな車種に乗れたとき
車の運転が好きな人は、車も好きなことが多いです。運転は好きなんだけど、車そのものにはあまり興味がないという人も、いないことはないでしょうけど。
ちなみに、車は好きなんだけど、車の運転には興味がないという人はいるでしょうね。
それはともかく、車が好きであれば、そこには恐らく「好み」があるはずです。もしかしたら、好きだからこそのこだわりもあるかもしれません。
トラックの運転が好きで、トラックが好きだという人も「運転したいトラック」に関しては好みがあるでしょう。ファッションに興味が強い人が、着たかった服を手に入れ、実際に着てみて喜びを感じるように「このトラックに乗りたい」と思っていた人が、乗りたかったトラックに乗れたときの喜びもとても大きいに違いありません。
なんとなく
「好き」に理由なんてない!と言う人がいます。「理屈抜きに好き」というヤツです。
同じように、「楽しい」に理由や理屈なんてないと主張する人もいるかもしれません。何だか分からないけど、トラックを運転すると無性に楽しいというわけです。
最後に
トラックの運転は、トラックの運転を楽しいと思う人にとっては無性に楽しいものです。
とは言え、仕事でトラックを運転する場合も、仕事以外でトラックを運転する場合も、道路を走るなら交通マナーと交通ルールを守って運転しなければなりません。決して「楽しさ」を優先させて安全運転をおろそかにしてはいけないのです。