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トラックドライバーの名推理

職人

トラックドライバーはいわゆる専門職と言っていいでしょう。大型トラックのドライバーは特に大型自動車運転免許という、普通運転免許よりレベルの高い免許を持ち、高度な運転技術が必要な大型トラックを毎日のように運転しているのですから。
言ってみれば、伝統的な仕事をする職人さんのようなものです。そして他の職人さんと同様、長年仕事を続けてきたトラックドライバーは、熟練の技と冴えわたる勘を身に着けるのです。
その冴えわたる勘を身に着けたトラックドライバーは、素人が気づきもしなかった、ちょっとした異変を察知し、高度な技でトラブルを回避することもできるのです。

1. 渋滞を感知

トラックドライバーをはじめとした多くの職業ドライバーたちが嫌うのが渋滞です。
職業ドライバーでなくても、思うように先に進めない渋滞にはイライラします。ましてや厳しく納品時間を課せられているトラックドライバーは、何としてでも渋滞を避けようとします。そのためにアプリやらラジオやら、あらゆる手段を使って渋滞情報を得ようとします。もちろん、今は「いろいろな多くの情報」があります。
しかし、そうした情報を手に入れ、うまく出し抜いたつもりが、まんまとハマってしまうのが渋滞の恐ろしさです。
ベテランになると、カーナビなどの情報がなくても、この周辺を長年走ってきた経験と、車や人の流れから渋滞をあらかじめ感知し、回避してしまうらしいです。

渋滞

2. ボリューミーな飲食店を発掘

基本的に体力仕事のトラックドライバーの多くが食事に求めるのが、安くてボリューム満点の肉料理です。多くのトラックドライバーの好物が豚の生姜焼き定食鶏の唐揚げ定食スタミナ定食です。おまけに「大盛り無料」の文字には無条件で体が反応してしまいます。
長距離のトラックドライバーともなるといろいろな土地に出掛けますが、行く先々でご当地グルメを食べるかというと、実はそうでもありません。時間的に余裕がないのと、やはり好き嫌いがあるからです。大型トラックの駐車スペースがあるかどうかという問題もあります。
というわけで、多くのトラックドライバーが求めるのが、トラックドライバーが気兼ねなく「安くてボリューム満点の食事」を味わえる飲食店です。そして実際、長距離の仕事なら日本の各地に、中距離や近距離ならそのエリアごとに、いつの間にか「安くてボリューム満点の食事」ができる飲食店を見つけてしまっていたりします。特別な嗅覚でも持っているのではないかという気もします。

トンカツ!

3. 音でエンジン不調を察知

長年もトラックの仕事をしている者なら、音でエンジンの調子を聞き分けるぐらいのことはできます。
もちろん、トラックドライバーは仕事の前に必ずトラックの点検をしますし、そのときにエンジンも見ます。また、仕事の後にも手入れは怠りません。定期的に車両整備もします。
そのため、エンジン音からエンジンの不具合を察知する機会はそれほど多くはありません。

耳をすませば

4. 狭い路地にも勘で

大型トラックや中型トラックは普通自動車より車体が大きいので、普通自動車ならすり抜けることもできる狭い路地を通ることができません。
ここで厄介なのは、パッと見たところ「通り抜けれそうか、無理そうか」が微妙で、実際にやってみないと判断つきにくいくらいの路地です。
しかし、これもベテランドライバーともなると、かなり難しそうな狭さでも勘で「ここは抜けられる」と分かり、本当に抜けられるそうです。大したもんです。

細道

5. 荷主のクセを把握

1人で仕事をするのが基本のトラックドライバーは「人間関係のストレスが少ない」と言われています。
しかし、少ないだけで人間関係のストレスが皆無ではありません。そのストレスの元となるのが荷主、つまりトラックドライバーが荷を届ける先、トラックドライバーが勤務する会社のお得意様です。
トラックドライバーの労働環境の改善が進められている昨今、荷主にもトラックドライバーに無理強いしないように要請が出されていますが、どこまで浸透しているかは不明です。
ただ、ベテランドライバーになると、クセが強い荷主のその「クセ」を把握して柔軟に対応することでストレスをためないようにしているそうです。トラックドライバーにも人間に対する観察力が必要なのかもしれません。

観察

6. バック発進に第六感

大型トラックは車体が大きいだけに運転席からの死角が多く、それを補うためにミラーがたくさん付けられています。しかし、いくらミラーが付いていても補いきれない死角があります。
それもあって昨今はバックカメラとモニターなるものができて、ドライバーは運転席のモニターで車の後ろの様子を確認できるまでに文明は進化しました。トラックも同様です。
しかし、そうした文明の利器が発明される前から大型トラックを操ってきたベテランドライバーは、バックカメラが付いてなくても第六感でトラックの後ろの異変に気付くそうです。ほとんど、殺気を感じ取る武士のようです。

ミラー

7. 土地勘が冴える

トラックドライバーは時間通りに荷を届ける必要があります。そのため、渋滞を何としてでも避けなければいけないのですが、渋滞を察知すると抜け道を行くことになったりします。
つまり、トラックドライバーは近道や裏道、抜け道に精通していなくてはいけないのです。ベテランドライバーになると、トラックを走らせるエリアの地図を頭の中に叩き込んでいると言います。
近ごろはカーナビやらスマホのアプリといった便利なものが登場し、困ったときにはそれを頼れば良くなりました。昔ながらの「地図を頭に叩き込んでいるドライバー」もめっきり減ったかもしれません。

地図は頭の中

8. 先が読める

これはベテランドライバーでなくても、大型トラックのドライバーなら誰でもできることです。
つまり、大型トラックは運転席も普通自動車などに比べて高い位置にあるので、それだけ普通自動車のドライバーより遠くを見通せるわけです。
道路の先で事故や渋滞が起こっていたり、不審な車がいたり、赤信号があったりするのも、普通自動車のドライバーより早く見つけることができます。

遠くを見通す