このところいろいろな原因が組み合わさって、いろいろな業界で人手不足が巻き起こっています。
物流・運送業界も同様で、人々の生活や企業の活動を支え、社会になくてはならない重要な職業であるトラックドライバーも不足がちとなっています。
そこで政府も「トラガール促進プロジェクト」なるものに予算を割き、これまでごく少数だった女性トラックドライバーの増加に力を入れ、人手不足を少しでも解消しようとしているようです。
このプロジェクトはもう何年も前から進められているのですが、なかなかドーンとは効果を上げていません。
しかし、もしドーンと効果を上げ、女性トラックドライバーがドーンと増えたら、どうなることでしょう。
1. ワクワクする
もともとトラックドライバーは「男の仕事」であり、トラックドライバーの職場は「男の世界」でした。
いえ、ほとんどの職業は男性のもので、「男性は外で働き、女性は家の仕事をする」のが常識でした。そこに「男女平等」「女性の社会進出」が登場し、今は夫婦がともに外で働くことがかなり普及しています。
それにしては「トラガール促進プロジェクト」によって女性トラックドライバーがドーンと増えてこなかったのは、やはり「男の世界」というイメージがあまりに強烈だからでしょうか。
そんな女性トラックドライバーがドーンと増えれば、何だかよく分かりませんが、ワクワクドキドキします。
2. 送料が減る、かも
トラックドライバーが減少している今は、送料が高騰する危険をはらんでいます。つまり、少ないトラックドライバーで大量の仕事をしなければいけないので、人件費が高騰するわけです。サンマが不漁だとサンマの小売価格は高くなり、キャベツが不作だとキャベツの小売価格も高くなります。人件費が高騰すれば、送料も上げなければいけなくなるのです。もう「送料無料!」なんて無邪気に言ってられません。
ですから逆に、女性トラックドライバーがドーンと増え、そのおかげでトラックドライバー全体の数が増えれば、人件費を抑え、送料も抑えることができるようになるわけです。
3. 就業のハードルが上がる
もともとトラックドライバーは「学歴不要」ではあったものの経験者が優遇され、未経験者には就業のハードルが高い職業でした。
それがトラックドライバー不足の中、就業のハードルを下げて多くの人にトラックドライバーになってもらおうと、「年齢不問」「経験不問」を謳うようになったのです。
しかし、女性トラックドライバーがドーンと増え、そのおかげでトラックドライバー全体の数が増えれば、もはや「年齢不問」「経験不問」と謳う必要がないわけです。
もともとトラックドライバーは高い技能を必要とする専門職で、誰でも簡単にできる仕事ではなかったのです。就業のハードルも再び上がるでしょう。
4. 評価が上がる
女性トラックドライバーには繊細な仕事、すなわちていねいな運転、きめ細やかな心配りが期待されています。
女性トラックドライバーがドーンと増え、その期待通りの活躍をすれば、トラックドライバーに対する評価が爆上がりするでしょう。
「男の世界」だった職業に就いた女性たちの心意気に対する評価も爆上がりです。女性トラックドライバーは善男全女の憧れの存在になり、モテモテです。
女性トラックドライバーがますます増えるかもしれません。
5. 皆が免許を取る
このところ、昭和の昔に比べ、運転免許を取得しようという若い人が減っているそうです。車を運転する楽しさへの関心が薄れているのかもしれません。それもあってトラックドライバーのなり手が減っているということもあるのではないでしょうか。
しかし、女性トラックドライバーがドーンと増え、その仕事振り、心意気がエベレストよりも高く評価されれば、女性トラックドライバーは善男全女の憧れの存在になり、大勢が我先にと運転免許取得に殺到するかもしれません。
6. 男性トラックドライバーも増える
女性トラックドライバーがドーンと増え、その仕事振り、心意気がエベレストよりも高く評価されて女性トラックドライバーが善男全女の憧れの存在になれば、性別に関係なくトラックドライバーになろうという人が増えるのではないでしょうか。
「女性トラックドライバーばかりにモテさせておくものか」という熱い人々が多く決起してくれることを期待して止みません。
7. 高齢ドライバーが減る
トラックドライバーは若いなり手が減ると同時に、高齢ドライバーが増えています。
若いなり手が減り、トラックドライバーが少なくなっていっても、ネットショップの普及などによって仕事量は激増しているので、運送会社も定年延長、定年後再雇用などで高齢ドライバーの活躍に期待するしかないわけです。
物流・運送業界が高齢ドライバーと同時に期待しているのが女性トラックドライバーの増加ですが、「もしも」の世界ではない現実世界では、残念ながらあまり増加していないので、高齢ドライバーへの期待もそのままです。
しかし、もしも女性トラックドライバーがドーンと増えれば高齢ドライバーに期待しなくても良いわけです。
もちろん、高齢者にも健康なうちはできるだけ活躍してほしいのですが、本来は高齢になれば誰でも、働かなくても悠々自適な生活ができるようになるのが政治家の責任。
女性トラックドライバーがドーンと増えれば、きちんと政治家に責任を果たしてもらいましょ。
8. トラガール促進プロジェクト終結
政府が旗を振って進めているトラガール促進プロジェクトは、女性トラックドライバーを増やすための取り組みですから、女性トラックドライバーがドーンと増えれば続ける必要はなくなります。
必要のないことに予算をかけるのは、やめましょう。
9. 社会が変わる
「男の世界」感が強かったトラックドライバーに女性がドーンと増えれば、他の業界でも同様のことが起こるかもしれません。
一番望まれるのは女性政治家がドーンと増えることですが、あらゆる職業で多くの女性が活躍し、多くの男性が家事をこなし、何かの作業を行うのに男性も女性も関係ないという価値観が普及することもあり得ます。
社会は変わります。良いほうに。
10. 日本は平和になる
あらゆる職業で女性が思い切り活躍し、性別に関係なく、本当の意味で誰もが平等になれば、もしかすると日本も平和な国になるかもしれません。
最後に
日本が平和になる第1歩は、1人でも多くの女性がトラックドライバーになることなのかもしれません。