トラックドライバーの仕事は過酷だと言われがちですが、その代表格となっているのが長距離トラックの仕事です。
最も、教師にしたって営業職、エンジニア、販売員、プログラマー、お笑い芸人も、どの仕事も過酷なように見えますが。できれば、座っているだけでチャリンチャリンとお金が降ってくるような仕事をしたいものです。
1. 拘束時間が長いから
トラックドライバーは何しろ長距離を運転して荷を運ぶので、相当時間がかかる距離を移動することになります。日帰りできるような距離ならわざわざ長距離とは言わないでしょう。
もちろん、朝の9時から夕方5時までずっと運転し続けるわけではありません。食事の時間や休憩時間が確保されています。
とは言え、食事や休憩を取るのに家に戻れるわけではありません。ずっとトラックと一緒です。ずっと拘束時間となります。長いです。
9時から5時までの勤務なら、5時以降は自由時間ですが、日帰りできないので、そのままトラックの中で過ごします。長距離トラックのドライバーは勤務が終わっても拘束時間であることに変わりはないわけです。休憩時間は好きに過ごしていいわけですが、自宅でくつろいだり、友人と会食するわけにはいかないのです。
なるほど過酷です。
2. 家になかなか帰れないから
長距離トラックの仕事では、日帰りできない距離を行くので、もちろん家で寝ることもできません。
長距離トラックのドライバーは一度会社を出発すると2~3日、長いと1週間くらいは家に帰れません。
月の半分しか家にいないとしても家賃は1か月分払わなければいけないので、なかなか過酷だと言えるでしょう。
3. 交通事故のリスクに長時間さらされるから
トラックドライバーだけではなく、あらゆるドライバーは交通事故のリスクにさらされていますが、休日くらいしか車を運転しない人より、トラックドライバーを含む職業ドライバーのほうが、運転する時間が多い分、交通事故のリスクも上がります。
中でも長距離トラックの仕事では、荷の積み下ろしをこまめに行うわけではないので、その分も運転している時間が多くなり、交通事故のリスクはさらに上がります。
人は通常、何かのリスクにされさると緊張します。長距離トラックのドライバーはかなりの長時間、緊張して過ごすことになります。
そりゃ過酷でしょう。
4. 大型トラックは運転が難しいから
トラックは普通自動車より車体が大きいので、普通自動車より死角が多く、道路などを曲がるときの車体の振れ幅も大きく、それゆえ普通自動車より運転が難しいと言われています。
長距離トラックの仕事には大型トラックやトレーラーが使われることが多いです。長距離を行くので、どうせならやはりたくさんの荷を運びたいですから。
大型トラックはトラックの中でも車体が大きいので、運転はさらに難しくなります。トレーラーはトラクタートラックでけん引します。そのため、けん引免許も必要です。運転はグーンと難しくなります。
運転が難しいトラックを運転しなければいけないので、緊張が増します。過酷としか言いようがありません。
5. 深夜に運転することも多いから
長距離の仕事では、その仕事の内容によっては深夜にトラックを運転することになります。
たとえば、朝早くに荷を届けなければならない場合、深夜のうちに届け先の近くまでトラックを走らせ、早朝に少し仮眠を取り、指定時間きっかりに現地に到着したりするようにします。
深夜は本来眠っている時間ですから、その時間に起きてハンドルを握るのはなかなかツラいものです。
特に毎日早寝早起きを習慣としていた人には過酷かもしれません。
6. 仕事は基本的に1人だから
トラックドライバーは基本的に仕事は1人で行います。長距離トラックの仕事に限ったことではありません。
ただし、長距離トラックの仕事以外のトラックドライバーは、その日の勤務が終われば家族にも友人にも会うことができます。
一方、長距離トラックのドライバーは、長距離を移動する間、ずっと1人です。荷の届け先にはその会社などの担当者もいますが、途中、人と接すると言えばコンビニの店員か飲食店の店員くらいです。
孤独です。
孤立感が苦手という人にとっては過酷に違いありません。
7. 駐車できる場所が少ないから
長距離トラックの仕事は長時間トラックを運転しなければいけないので過酷ですが、休憩や食事の時間を取ることはできます。できますが、もちろんトラックを停められなければ休憩も食事も取れません。
世の中にトラックを停められる場所は少ないです。トラックは普通自動車より大きくてたくさんの面積を必要とするので、少ないのかもしれません。
長距離仕事によく使われる大型トラックやトレーラーは、中でもたくさんの場所を取るので、停められる場所を見つけるのはさらに困難になります。
長距離の仕事でなければ、住んでいる地域の中なら、駐車できる場所も一度見つけてしまえば、次もまたあそこに停めれば良いということで、新しく探すこともありませんが、長距離仕事で行く先は、初めての土地もあったりして、駐車できる場所探しには難儀します。
食事したいのになかなかできない、休憩したいのになかなかできないとなると、イライラが募ります。思い出しても過酷感にさいなまされるのではないでしょうか。
8. 見知らぬ土地にも行くから
長距離トラックの仕事では、初めて訪れる土地に行くこともあります。そんな地域では、休憩や食事を取る場所、トイレを使える場所を改めて見つけなければいけません。
荷の届け先を目指していても道に迷ってしまう可能性があります。
いろいろなことで時間を余計に取られてしまうかもしれません。過酷に感じられることにもなるでしょう。
9. トイレになかなか行けないこともあるから
トラックドライバーがトラックの運転中、いろいろと遭遇する「大変なこと」「ツラいこと」の中でも「腹が減った」より「眠くなった」より、一番キツイのは「トイレに行くのを我慢しなきゃいけない」かもしれません。
腹が減れば、食べれ良いです。きちんとした食事が無理でも、軽食や菓子などをつまむことはどこでもできるはずです。たとえそれができなくても、数時間くらいは空腹を我慢することはできます。
「眠くなった」ら、トラックを停めて仮眠しましょう。トラックを停められる場所がなければできませんが、停めるだけなら、あまり褒められることではないですが路上駐車も仕方ないです。
しかし、「トイレに行くのを我慢しなきゃいけない」はかなりヤバイです。たとえトラックを停められる場所があっても、トイレがなければ万事休す。
こういうときのために携帯トイレの用意も大切ですが、ただ、携帯トイレを使うのは最後の手段に取っておきたいもの。運転席にいながら用を足すのは抵抗があります。
こんな大変な目にも、日帰りできるトラックドライバーなら遭わないかもしれません。可能性は、土地勘のない地域を走る長距離トラックのドライバーのほうが高いはずです。結構過酷なような気がします。
10. 腰痛持ちにはツラいから
トラックドライバーの職業病と言われているのが、腰痛と肩こりです。運転席で同じ姿勢を長時間続けるので、血行不良になり、腰痛や肩こりになると言われています。手作業による荷の積み下ろしで肩や腰に負担をかけたり、安全運転に集中しなければいけない緊張が肩や腰に負担をかけ、悪化するとも言われています。
長時間トラックを運転しなければいけない長距離トラックのドライバーは、運転する時間も長いだけに他のトラックドライバーに比べて腰痛や肩こりになりやすいでしょう。
運転中、腰に痛みを感じたらこれまた相当ツラいと思われます。特に長距離トラックのドライバーは運転時間も長いですから。
これを過酷と言わずして何を過酷と言うのでしょう?
最後に
拘束時間が長いのはトラックドライバーだけではありませんし、家になかなか帰れない仕事も同様です。交通事故のリスクはなくても、現代人は何らかのリスクにはいつもさらされまくりですし、技術的に難しい仕事は他にいっぱいありますし、深夜勤務の仕事も珍しくはありません。基本的で1人で行う仕事のほうが気楽だという人もいます。どんな職業にも何か職業病のようなものもあります。
もしかしたら長距離トラックのドライバーに限った、特有の過酷なことって「トイレに行けないことがある」くらいでしょうか。