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物流・運送業界のデジタル化に向けた課題と取り組み

アナログ

トラックドライバーが勤める物流・運送業界は、昔ながらの慣習による古いやり方がまだまだ残っていると言われています。何しろ物流・運送業界は仕事量が激増している割りに労働力が伸び悩んでいて、なかなか仕事の効率化、すなわちデジタル化が進まないそうですから。つまり、デジタル化している「余裕」がなかなかないわけでして。
とは言え、物流・運送業界も言われっぱなしではありません。デジタル化に取り組み、効率化を進めている物流・運送会社もあるのです。



1. 労務管理

トラックにはタコグラフの搭載が義務付けられているものがあります。タコグラフは、走行速度などを計測して記録する計器で、速度超過や無理な長時間運転の予防に役立てられます。
近年ではこのタコグラフがデジタル化され、デジタコなんて呼ばれています。
計測した数値をデジタルデータで記録でき、クラウド運行管理システムと連携させることで、動態管理運転日報の作成荷物・配送・車両本体の状況労務状態などあらゆる業務をクラウド上で一括管理できたりもするわけです。

走行速度を記録

2. 運行管理

デジタコの活用で事故防止や事故への迅速対応労働環境の改善運行管理者の負担削減などができますが、このデータはルートの最適化効率的な配車などにも役立ちます。
また、専用アプリを導入すれば、運転日報の作成も簡素化できたりします。
もちろん、トラックドライバーへの指示書などもすべて電子化します。使う紙を減らすことで経費削減になり、その分、従業員の給与アップも可能になるかもしれません。

最適ルートは?

3. 人材採用

従来の採用では、応募者からの履歴書やエントリーシートを1つ1つチェックしていました。これもITツールの導入で、まず自動的に応募書類を選別できるようにします。かなり効率的です。
とは言え、中小企業の物流・運送会社には、一次選別に多くの時間を取られるほど、大量の応募はないかもしれません。
一番有効だと考えられるデジタル化は、ChatGTPの導入です。
ChatGTPを使って求人原稿を作成すれば、必要としている人材に訴求する求人を出すことができます。さらに、ChatGTPを使って面接シナリオを作成すれば、応募者にソッポを向かれないで、会社に興味を持ってもらうことも可能です。

「君、採用だ」

4. 人材育成

ChatGTPで採用した人材の育成には、やはりChatGTPを使います。
採用での活用で人材のいろいろなデータを蓄積したChatGTPは、1人1人に適した人材育成プログラムを提案できるはずですから、そのプログラムに沿って育成していけば良いわけです。

育てる

5. 営業支援

採用人材育成は、物流・運送業界に限らず、あらゆる業界で事業を展開するのに必要な企業活動です。
営業もそうです。
物流・運送業界でも当然、営業は必要なわけで、ここでも当然デジタル化による効率化は大いに役に立ちます。
そもそも物流・運送業界は、日ごろの伝票、請求書などもいまだに紙を使っているところも多いと聞きます。デジタル化しましょう。従業員の負担が減ります。
営業そのものに関しても、ChatGTPで営業アプローチの仕方を構築してみたり、いろいろリリースされている営業支援ソフトを使うという手があります。

営業

6. デジタル人材の導入

労務管理運行管理など、物流・運送業界にありがちな業務だけではなく、採用人材育成営業事務など、デジタル化できることはいろいろあります。
いろいろありますが、デジタルコンテンツを使いこなせる人材が社内にいなければ、外部のIT企業やシステム開発会社を頼るしかありません。経費がかさむかもしれません。
ここはやはり、社内でデジタルコンテンツを使いこなせるデジタル人材を導入したいと思うのが人情というもの。
新入社員として採用するか、既に勤めている従業員にデジタル人材になってもらうか、どちらかです。
それともやはり、外部会社に依頼するか、です。

デジタル化

7. 倉庫管理

物流業界には、運送会社だけではなく、倉庫会社も含まれます。運送会社デジタル化しても、倉庫が昔ながらのアナログなシステムのままであれば、トラックドライバーの効率化も中途半端になるでしょう。
倉庫も出庫管理や在庫管理など、デジタル化できることはいろいろあります。ロボットも導入して作業の自動化も進めると、より効率化が進みます。

倉庫

8. 自動運転システム

物流・運送業界デジタル化にはAIの導入が欠かせません。今のところの究極のAIの活用はやはり、自動運転システムの導入かもしれません。
ただこれは物流・運送会社の課題と言うより、自動車メーカーの課題です。法整備などに関しては行政の課題です。
とは言え、安全で便利な自動運転システムの実用が実現できるよう、物流・運送会社が関係各所へ働きかけることは重要です。

自動運転システム搭載自動車

トラックドライバーのタイパ

時間の無駄は避けたい

タイパは大切です。
仕事、特に会社勤務は、アナログからデジタルに大きく変容を遂げた現代社会においても、先輩たちが長年積み上げてきた古い慣習がまかり通り、とにかくタイパが悪いのです。
新入社員の歓迎会だの新年会、忘年会、打ち上げなどがその典型です。一緒に飲んでも楽しくない人たちと同じ空間で時間を過ごすなんて、時間の無駄以外の何ものでもありません。「仕事」という、好きでもないことに時間を費やす職場には、1秒も長くいたくないのに、その職場の人たちと仕事が終わってまで付き合わなければいけないなんて、無駄を通り過ぎて拷問のようなものです。早く帰宅して自分の楽しみに時間を使いたいのです。
トラックドライバーは職業としての歴史も古く、まさに悪しき慣習がさまざまに残っています。とてもタイパが良さそうな仕事には見えませんが、どうなのでしょう。




1. 荷待ちは最悪

トラックドライバーの仕事の中でも、非効率の典型が「荷待ち」かもしれません。
「荷待ち」というのは、トラックドライバーが荷を運び、その届け先に着いたのにも関わらず、荷を下ろしたり積んだりしている前のトラックの作業が終わるのをただボーッと待っていることです。
他に何の作業もせずに待っているだけなんて、これ以上に非効率なことはありません。トラックを駐車スペースにでも停めて、順番が回ってくるまでどこかに遊びにでも行ければまだマシかもしれませんが、トラックを離れてはいけないのですから最悪です。

待つ

2. 荷の積み下ろしは無駄

そもそも荷の積み下ろしに時間を掛けすぎではないでしょうか。
荷の積み下ろしをしている間、トラックは停まっているのですから無駄です。
とにかくトラックが着いたら、そこの担当者が素早く荷を下ろし始めれば良いわけです。1人でやるのではなく複数でやれば短時間で終わるじゃないですか。
もちろん、荷はあらかじめまとめてパレットに乗せておきましょう。数台のフォークリフトなどで順番に降ろしていけば、あっと言う間に終わる気がしてなりません。

荷の積み下ろし

3. 赤信号は邪魔

荷の積み下ろし場所だけではなく、道路上でもトラックドライバーは無駄を強いられます。
何と言っても信号が邪魔です。信号で止められなければ、もっと短時間で届け先に着きます。多分「トラックドライバーは長時間勤務」なんて言われなくて済みます。
もちろん信号は、交通安全のために重要です。ですが、トラックドライバーのためにトラックだけが通行する専用道路を造ってしまえば、信号もいらないのではないでしょうか。
交差点は一切なしです。
もちろん、一方通行です。
復路は復路用の専門道路を造ります。

信号

4. 渋滞はストレス

道路での通行を最も非効率にしているのが渋滞です。イライラもするので、健康にも良くありません。
渋滞をなくすためにも、やはりトラック専用道路が必要です。

渋滞

5. 遠回りは笑止千万

トラックドライバーの仕事にもいろいろな種類があります。毎日同じルートを走るルート配送の仕事もありますし、毎日違う道を走る仕事もあります。
中には、見知らぬ土地、地理に詳しくない土地に行く仕事もあります。そんなときも、前もってルートを念入りに確認するのがトラックドライバーです。トラックを運転しながら目的地を探すのはタイパが悪いですし、迷ったりしたら遠回りになって時間が余計にかかってしまいます。
これだけは改善策がありません。

迷子

6. 点呼は余計

一般の会社は事務所や生産現場が従業員の主な職場になることが多いです。コロナ禍でリモートワーク、自宅勤務を試す会社が多くありましたが、今はまた職場に皆が集まって仕事をするスタイルに戻ったところも多いようです。
一方、トラックドライバーの職場はトラックの運転席です。しかし、トラックは会社に駐車していますし、どこに何を運ぶかという作業の指示書を受け取るためにも会社に集まらなければいけません。
逆に言えば、トラックを停める場所さえ自宅近くにあれば、通勤する必要はないわけです。荷を積む場所や下ろす場所に直行、直帰で構わないはずです。作業の指示はパソコン、スマホで受け取るようにできますから。
ただ、それに加えてトラックドライバーは出勤して点呼を受けなければいけません。アルコールチェックや健康診断も受けます。
この点呼が自己申告でOKになれば、わざわざ出勤する無駄がなくなるのに、もったいない話です。それとも、スマホでアルコールチェックや健康診断できるシステムが開発されると良いのですが。

整列して点呼

7. 休憩時間は不要

トラックドライバーは勤務中に休憩を取らなければいけないと法で決められています。考えてみれば、これって無駄です。
休憩時間休憩しなければいけないので、トラックは1ミリも進みません。もし、この休憩がなければ仕事ももっと早く終わり、早く帰れるかもしれません。
しかし現実は、休憩時間と言えばトラックの運転席で昼寝をするか、スマホをいじるくらいです。それより早く帰って、自分の時間を自分なりに楽しんだほうが、どれだけ良いか分かりません。

休憩

8. 物流こそ諸悪の根源

トラックドライバーの仕事はいろいろタイパが悪いようです。
そもそも、時間をかけて荷を運ぶというトラックドライバーの仕事は、タイパを考えると無駄しかないようにも思えます。
例えば、5キロ離れた場所に荷を運ぶのも、10キロ離れた場所に運ぶのも、荷を運ぶという作業そのものに違いはありません。1メートル荷を運ぶ作業があったとしても「荷を運ぶ」という事実には何の違いもありません。
それなのに、10キロ荷を運ぶ場合は1メートル運ぶのに比べると、とてもたくさんの時間がかかるのです。その間、トラックドライバーはトラックを運転しているだけです。最初の1時間は運転だけど、次の1時間はパソコン操作、また次の1時間は誰かと打ち合わせといった変化はありません。
トラックの運転をひたすら何時間も続けるのです。1時間運転すれば、日本中どこへでも行けるようにはならないものでしょうか。
トラックで地道に1ミリずつ前進し、その積み重ねでようやく10キロ進むなんて、効率が悪すぎます。

物流の現場

9. つまり

そもそもトラックドライバーはタイパがとても悪い仕事のようです。
タイパは重要です。
ですから、タイパの悪いトラックドライバーの仕事は人手不足にもなっていて、このところ大急ぎで労働環境改善の取り組みが進められています。同時に効率化も進められているようですが、効果のほどはいかがなものなのでしょうか。

トラックドライバーの仕事

10. しかし

タイパは重要です。
「仕事」という、好きでもないことに時間を費やす職場には、1秒も長くいたくはありません。
好きでもない仕事
「仕事」が、好きな場合はどうでしょう? 何時間でも楽しめるかもしれません。休憩時間に、好きなトラックの運転席でボーッと過ごすのも全く苦にならないかもしれません。
赤信号や渋滞などの課題を乗り越え、迅速に荷を運び終える技量が身に付くと、何だかうれしくなったりする可能性も捨てきれません。
経験を積み、技能を高め、非効率にしかできなかった作業を効率的にできるようになれば、自分の成長を実感できて、思わず1人でほほ笑んでしまうのではないでしょうか。
それとも、そんなことは単なる世迷言なのでしょうか。

時間

最後に

伝票や勤務の報告書など、デジタル化できるところは自分から会社に働きかけてデジタル化しましょう。仕事が早く終わり、早く帰れるようになるかも、です。

デジタル

トラックドライバーの不合理な真実

正しい者は必ず勝つ


世の中は決して平等ではありませんし、公平でもありません。
正しい者が必ず勝つとも限りません。
しかし、「正しい者が必ず勝つ」と信じることは大切です。そういう信念があれば、苦しいときにもあきらめずに続けることができ、結果として「勝つ」ことができるかもしれません。
それはともかく、仕事にもそんな不条理不合理なことはたくさんあります。


1. 荷主に頭が上がらない

運送会社は得意先である荷主には頭が上がりません。運送会社の従業員であるトラックドライバーも、荷主には低姿勢になります。
荷主は、荷を送り出すもともとの荷の持ち主の会社や、荷を受け取る、次の荷の持ち主の会社だったりします。
荷主の担当者の中には、トラックドライバーにぶしつけな態度を取る人もいます。不合理な荷待ちをさせる人もいます。
荷待ちは、指定された時間に荷を届けたのに、すぐに荷下ろしをしないで、荷主の会社の敷地の外でトラックを待機させたりすることです。
また、荷積み、荷下ろしは本来はトラックドライバーの仕事ではないのですが、荷主へのサービスとしてトラックドライバーが荷積み、荷下ろしをやるようになり、それを当たり前と考える荷主も多いようです。

頭が上がらない

2. 過酷な割りに低給料

仕事に対する報酬は、その仕事がきつければきついほど高くあるべきです。そしてトラックドライバーの仕事には「過酷」と呼べるものがあるのですが、そういう仕事も「過酷な割りに給料が低い」と言われています。
そうなってしまう理由の1つには、運送会社に下請け、孫請けが多く、報酬を削られがちで、零細企業は安い報酬でこき使われがちという実態もあるようです。
もう1つは、運送会社にブラック企業が多いからとも言われています。
また、昭和の昔はトラックドライバーの中には年収1千万円を稼いでいた者もいて、そんな昔を知る人からすると「今は昔ほど稼げない」ということのようです。
トラックドライバーの報酬が削られている背景には、かつて行政が業界への新規参入の規定をゆるくしたため、価格競争が起こって運送会社が運送料を安くせざるを得なくなった、行政の失策があるうようです。
まあ、今の日本はどの業界も給料が伸びず、日本全体で貧困化が進んでいるので、「過酷な割りに低給料」トラックドライバーに限ったことではないかもしれませんが。

貧困

3. 社会貢献度が高いのに悪く言われる

トラックドライバーは荷を運ぶことで人々の生活企業の経済活動を支えています。まさに、社会になくてはならない、社会貢献度がチョモランマ級に高い職業と言っても過言ではないでしょう。
それなのに、一部では「荒くれ者」「怖そう」と、悪く言われることがあります。
トラックドライバーは基本的に1人で仕事をするので、人付き合いが苦手だからという理由でトラックドライバーになる人もいて、そういう人は一見無愛想に見えたりします。
しかし、ほとんどのトラックドライバーは社会人としての常識を持ち、なおかつ物腰が柔らかく、しっかりあいさつをできる人です。
マイナスなイメージを与えるのは、トラックが大きく、周囲に威圧感を与えるからかもしれません。
また、未確認情報では、日本人は「社会貢献度の高い人」を見下したがる傾向があるとも言われています。どういうことでしょうね。

山より高く

4. メリット多いのに人気が低い

トラックドライバーの給料は歩合制になっていることが多く「やればやっただけ稼げる」ようになっていて、基本的に1人で仕事をするので人間関係にわずらわされることが少なく、また自由度も高いので、メリットが多い「おいしい仕事」だとする見方もあります。
しかし、このところトラックドライバーは人手不足が続いています。特に若い人から敬遠されがちな仕事になっていて、業界では少子高齢化が進んでいます。
これを不合理と言わずして何としましょう。

「おいしい」

5. アナログな会社が多い

物流の歴史は古く、当然、物流に関わる運送会社も昔からあります。
そんな業界なので「昔からの慣習」が多く根付いていて、同時に資本的に力の弱い零細企業が多く、そのため、デジタル技術の導入による効率化があまり効果的に進んでいるとは言えません。
長時間勤務が多くて過酷と言われている業界なので、効率化を進められるところは進めれば、過酷さもかなり低減されるはずなのですが。

アナログ

6. 男女雇用機会は均等なのに女性が少ない

業界が古いので、物流業界は長く「男社会」でした。
しかし、トラックドライバーの人手不足が長引いているので、業界として女性の積極的採用を掲げています。行政も「トラガール」などという呼称をひねくり出して、女性の積極的採用を後押ししています。
しかし、そうした取り組みはなかなか効果を上げることができず、女性のトラックドライバーはあまり増えていません。

男ばかり

7. 40代でも「若い」と言われる

このところトラックドライバーは人手不足が続いています。特に若い人から敬遠されがちになっていて、少子高齢化が進んでいます。
運送会社では人手不足を解消しようと、定年延長定年後再雇用を行い、60代、70代のトラックドライバーも珍しくなくなっています。
一方、コロナ禍では、今までの仕事を辞めざるを得なくなり、トラックドライバーに転職するという人も出てきました。運送会社など、トラックドライバーが働く職場は「年齢不問」という求人が多いので、トラックドライバーに転職する中高年もいます。
そのため、40代、50代で初めてトラックドライバーになったという人もいるわけです。
そんな職場では、40代では「まだまだ若い」と思われたりもします。

若手?

8. 会社によって違い過ぎ

トラックドライバーの仕事にはいろいろな種類があり、また同じ仕事でも会社によって勤務時間や給料に違いが出てきてしまいます。
「トラックドライバーに、俺はなる!」と思っても、会社によって満足したり、後悔したり、大きく隔たりがあるわけです。
後悔しないためには、ドライバー専門の求人サイトを活用し、求人内容などもじっくりチェックして、自分に合う会社、自分が求めるものがある会社を選びましょう。

しっかり確認を

最後に

トラックドライバーが働く職場は、会社によっては長時間勤務なのに給料が低かったり、労働環境が悪かったり、作業が非効率だったり、古い慣習が残っていたり、まだまだ「男社会」だったり、理不尽なことが多かったりします。
ただ、トラックドライバーが働く物流・運送会社以外の世の中の会社は、すべて理不尽なことはないかというと、決してそんなことはありません。
どの業界にも労働者を搾取する経営者がいたり、得意先から低く見られて不当に扱われたり、古い価値観が根強く残っている会社はまだまだあります。
困ったことです

古い

トラックドライバーが恐怖すること

「怖い!」

その日、あるトラックドライバーがいつものように深夜勤務に出ていました。
その時間帯のその道には慣れていたはずですが、なぜかその日に限って腹の底に鉛が沈むような、嫌なものを感じていたそうです。
それでも何とかトラックを走らせていた、そのときです。目の前に急に人影が現れたので、びっくりして反射的にブレーキを踏みました。トラックは停まったものの、確実にその人影にぶつけた距離感でした。
「ひいたかも!」と冷や汗がどっとあふれ、トラックを降りて周囲を見回しましたが、何もありません。何だか安心して運転席に戻ったトラックドライバーは、しかし、またまた冷や汗があふれ出したのです。
トラックドライバーの視線の先、フロントガラスには、手の跡のような汚れがうっすらと付いていた、かどうかは皆さんの想像にお任せします。


1. おあられる

トラックは普通自動車より大きいので「あおられにくい」と思いがちですが、自動車をあおったりする自転車がいる世の中なので、結構多くのトラックドライバーが「あおられた」経験を持つようです。
あおられる行為を恐れるのは「ぶつかったらどうしよう」という心理によります。トラックの場合、「ぶつけられたら荷を破損するかも」とか「ぶつけられたら遅刻するかも」とか、いろいろ考えます。もちろん、間違えばいくら大きなトラックでも、大きな被害を受けるかもしれません。
ただ、その一方で「大きなトラックにあおられた」という経験をした人も結構います。
運転するのがトラックだろうが普通自動車だろうが、または自転車に乗っていようが、とにかく冷静でいることが重要です。あおると、そのときはスッキリ感じるように勘違いしてしまうかもしれませんが、残りの人生に大きな後悔を残す可能性がかなり高いということを忘れずに。

クールに

2. ブレーキが利かない

映画やドラマでよく、突然ブレーキが利かなくなって焦る、なんてシーンがあります。アクション映画かサスペンスドラマで見掛けます。
実際にあんなことになったら、トラックドライバーではなくても怖いです。もちろん、この場合、悪の組織の手下や事件の真犯人の工作によってブレーキが利かなくなるわけではなく、ブレーキの不具合が原因になります。
また、坂道を下るときなどにブレーキペダルを踏み過ぎると、ブレーキが利かなくなるときがあります。坂道を下るときなどはエンジンブレーキを活用するなどして、これを防ぐこともできます。
このときもとにかく、冷静に行動することが大事です。

ブレーキは大事

3. トラックの陰から子どもが現れる

トラックは車体が大きいので死角が多くなっています。
ですから、運転席に座る前にもくどいくらいに周囲の確認が必要です。犬や猫などがトラックの下に入り込んでいないか、近くに子どもがいないかなど、よく注意しましょう。
しっかり確認して運転席に座った後も、ミラーも活用して念入りに周囲を確認する必要があります。バックモニターが付いていれば、それも使って確認です。
そうして確認したはずなのに、もしくはうっかり確認しなかったため、まさにトラックを走らせようとした瞬間、トラックの後ろから子どもが出てきたりする、なんてことも起こり得ます。恐怖のあまり運転席で叫び声を上げてしまうかもしれません。

物陰から子ども

4. 荷台の扉を閉め忘れる

高速道路を走っていて、後ろから来た同業者が何やらパッシングを繰り返してきました。何かを知らせたがっているようです。
幸い、すぐにサービスエリアがあったので、駐車場に停めると、その同業者のトラックも付いてきました。横に並んだそのトラックドライバーのひと言は、恐怖に震え上がらせるには十分でした。その言葉とは「後ろの扉、開いていたよ」というものです。
つまり、荷を積んだあと、扉をしっかり閉めるのを忘れ、「閉めたつもり」でトラックを走らせていたら、走っているうちに扉がブラブラ状態になっていたわけです。
何かの拍子で扉がどこかにぶつかったり、または中の荷がこぼれ落ちたりしたら一大事です。

扉はしっかり閉めよう

5. 踏切を渡り切る前にエンジンが止まる

これもトラックドライバーに限った話ではありませんが、鉄道の踏切を渡り切る前にエンジンが止まり、踏切内に立ち往生しているところに「カンカン」と音が鳴り出し、遮断機が閉まったりしたら、もう青ざめるしかありません。
とにかく、冷静になり、踏切には必ずある、踏切内の非常事態を列車に知らせる装置を探しましょう。

踏切は注意して渡ろう

6. 前方の車の急停止

目の前を走っていた車がいきなり急ブレーキを踏むと、血液が逆流したかと思ってしまうほど驚きます。この場合、肝をつぶすと言うより、肝を冷やすと言ったほうが良いでしょう。
驚かされたからといって、ここでカッカしてはいけません。あくまでも冷静に。
また、もし車間距離がせまかったら、こちらも慌てて急ブレーキを踏むことになります。その場合、荷崩れを起こす危険が出てきます。もしかしたら、ブレーキが間に合わなくて前の車にぶつけてしまうかもしれません。
そうならないため、あらかじめ車間距離は十分取っておきましょう。

車間距離は十分に

7. 運転中に意識不明になる

運転中に意識不明に陥ると、交通事故を起こしかねません。これはかなり怖いです。
もし寝不足のまま運転していたら、睡魔に襲われ、しかもこいつに負けてしまうと意識が飛びます。恐ろしいです。睡眠は十分に取って運転しましょう。または、もし運転中に睡魔に襲われたらトラックを停め、仮眠を取りましょう。
トラックドライバーのような職業ドライバーは、運転席で同じ姿勢でいる時間が長いので、血行不良になって脳疾患になりやすいとも言われています。突然、脳梗塞などを起こして意識不明になるのもものすごく怖いです。日ごろから栄養バランスの取れた食事、適度な運動、規則正しい生活を心掛け、健康管理に努めましょう。

急なめまいにも気をつけて

8. 寝落ちする

運転中、睡魔に負けて意識が飛ぶのはとても怖いですが、駐車場で休憩していて、知らない間に寝落ちするのも、ちょっとビクッとします。
もちろん、停車中に寝てしまっても実害はないでしょう。ただ、寝落ちした次の瞬間に起きると、「運転席で眠ってしまったのか」ということで勝手に「運転中」と勘違いしてビクッとしてしまったりします。

寝落ち

9. 雨降る夜に無灯火の自転車を見る

トラックドライバーにとって何よりも怖い存在が自転車です。
自転車は車道も走りますし、小さいので運転席が高い位置にあるトラックドライバーから見えにくく、しかも体をむき出してにして無防備な上、車輪が細いからかドライバーから見るとえらく不安定に走行しているので、とても怖いです。
これに雨が降っていると、道路が滑りやすくなり、視界も悪くなります。さらに夜であればなおさら周囲の確認が難しくなり、さらに自転車が無灯火だと、発見もしにくくなります。そんな自転車が近づいてきたら、全身の毛が逆立つほどに怖いでしょうね。

夜の自転車

10. 恐怖を予告される

その日、あるトラックドライバーがいつものように深夜勤務に出ていました。
目の前に急に人影が現れたのでトラックを停め、確認したが何もありませんでした。安心して運転席に戻ったトラックドライバーですが、フロントガラスに手の跡のような汚れがうっすらと付いているのを見つけ、息をのみます。
しかし、よく見ると、その手の跡のような汚れは、フロントガラスの外に張り付いていたゴミでした。さらに目を凝らすと、それが破れた新聞紙だったと分かります。
運転席の窓を開け、手を伸ばしてその新聞紙をはがし、何気なく、新聞に目をやると、書かれていた記事が、トラックドライバーを恐怖の底に叩き落しました。
そこに書かれたいたのは、ちょうどこの日のこの時間、一台のトラックが道を踏み外し、崖から転落したという記事だった、かどうかは皆さんの想像にお任せします。

恐怖の底

トラックドライバーのための労働環境改善

環境活動

多くの業界で「労働環境の改善」が大きなテーマになっています。
昭和の昔には「24時間戦う」企業戦士なるものが、社会に出て働く者のあるべき姿だなんて言われていました。しかし、その後、ワーク・ライフ・バランスという言葉が広まり、「人生ってのは仕事だけじゃなく、仕事以外の時間も充実したものにしよう」という、ごく当たり前の感情が一般化していきました。
人生、仕事だけじゃありません。
ワーク・ライフ・バランスという言葉が広まり始めた当初は、まだ昭和な働き方が多くはびこっていたわけです。
それで過労死なんてことが社会問題にもなり、政府も重い腰を上げて「働き方改革」なんてことを始めました。「働き方改革」は、どうも結果を考えず制定された感も強く、新しい問題も起こしがちではあるようですが。
それはそれとして、生きるためのお金を稼ぐ手段の「仕事」によって命を落としていたら、まさに本末転倒です。
かくしてトラックドライバーの業界でも労働環境の改善が高らかに謳われるようになりました。


1. ノーモア荷待ち

トラックドライバーが働く物流・運送業界は歴史が古い業界だけに、昔ながらの慣習が残っていたりします。例えば、申請なんかにまだ紙を使うといった、アナログな作業も多いようです。
荷主、つまりお客の立場が強く、業者であるトラックドライバーの立場が弱いなんてこともいまだにあるようです。実際「お客様は神様」ではないのですが
とにかくそんなわけで、トラックドライバーも非効率な、ムダな動きをさせられることがあります。
その代表例が「荷待ち」だと言われています。
荷待ちは、荷を下ろす場所に到着したのに、前に着いたトラックの荷下ろしがまだ終わっていなかったりして待たされることです。
これも、荷を下ろす会社などの敷地内にトラックを停められる場所があり、ドライバーは自分の順番が来るまでそこで休憩しながら待てれば良いのですが、たいていそんな場所はなく、「近くで待機していて」となります。周囲が住宅街だったりすると、そこでトラックを停めて待機しなければならず、ドライバーはかなり肩身の狭いを思いをしますし、そもそもこの時間は無駄です。
要するに荷を届ける時間をずらせばいいだけの話です。いち早くIT化を進め、荷を届ける時間を分散させて無駄な荷待ちを無くしましょう

運転席で休憩しながら待つ

2. ノーモア渋滞

トラックドライバーの勤務から荷待ちがなくなると、勤務時間がかなり短縮されるはずです。
トラックドライバーの勤務時間を長くしてしまう、もう1つの要因が「渋滞」です。渋滞は、トラックドライバーだけではなく、あらゆるドライバーの時間を奪ってしまいます。
渋滞は、ある意味避けようがありません。狭い日本に多くの車が走っているのですから、渋滞が起こらないほうが不自然なくらいです。
要は、道路を通行可能な数以上の車が走るので、渋滞するわけです。どの車もそれぞれ用事があって走っているので、これはどうにもできません。
ということは、トラック以外の車には申し訳ありませんが、「トラックだけの道路」があれば、少なくともトラックドライバーは渋滞に遭わずに済み、勤務時間の短縮にもなるはずです。
トラック専用道路をつくりましょう。都市と都市をつなぐ道路はもちろん、街中にも「路線バス専用レーン」みたいに「トラック専用レーン」を設けます。
専用道路以外の一般道が渋滞しようがどうしようが、トラックには優先的に目的地へ行っていただきましょう。

道路の建設

3. デジタル化

運送会社は零細企業、中小企業がほとんどで、思い切ったデジタル化を図れず、伝票などもいまだに紙を使う、アナログなやり方が多いそうです。
ただ、効率化できるところを効率化せず、従来のやり方を続けるのも資金的にやむなしという会社は多いでしょう。だとしても、考え方まで「従来のままでいいやん」としていては、いつまでもトラックドライバーの労働環境は改善できません。
どんな仕事にも大変なこと、キツイ部分はありますが、効率化して楽チンにできるところはどんどん楽チンにしていきましょう。
自動車の自動運転システムの開発も進められています。これが実現されたら、すぐにでも導入し、トラックドライバーの労力を減らすことが肝心です。

デジタル化

4. ノーモア荷役作業

トラックドライバーの仕事は「トラックで荷を運ぶこと」です。
ところが荷を積んだり、下ろしたりする、いわゆる荷役作業まで行う仕事もあります。宅配便のドライバーのように、個別に荷を配達することも最初から仕事に含まれている場合もありますが、基本的には荷役作業はトラックドライバーの仕事ではありません。トラックドライバーが荷主への「サービス」として始め、「慣習」によってそれが続いているだけです。
トラックドライバーが荷役作業をしないで済むようにすることが、トラックドライバーの尊厳を尊重することになり、それが労働環境の改善にもつながるのではないでしょうか。

大変な荷の積み下ろし

5. 複数でリレー

トラックドライバーの仕事の中でも長距離輸送の仕事は特に過酷です。日帰りできない長距離のところに荷を運び、1度出発すると、2~3日、長いと1週間くらいは家に帰れません。遠い場所まで行くのですから、物理的にそれだけの時間がかかるのは仕方ありません。
そこでぜひ実現してほしいのが、トラックドライバーのリレーです。
つまり、1番手のドライバーが会社を出発すると、数時間トラックを走らせ、それからA地点で2番手のドライバーと交代するわけです。1番手のドライバーはそこから会社に引き返せば、その日も普通の退社時間に帰宅できます。2番手のドライバーはさらにB地点で3番手のドライバーと交代します。
こうして複数のドライバーで荷を引き継いで運べば、1人のドライバーの負担が大幅に減るわけです。

「ここで交代だ。後は任せろ}

6. 駐車場の増加

トラックドライバーは、勤務時間の大半をトラックの運転席で過ごします。もちろん、勤務時間の中で、法的に休憩を取れるようになっています。
ただ、法的に休憩を取れても、物理的に休憩できなければ仕方ありません。
物理的には、と言うのは、トラックドライバーがトラックを停め、運転という作業から離れ、心身を休められるかどうかということです。
前提として、トラックを停められなければ休憩もできません。まさかトラックを走らせたまま休憩なんてできないですから。
トラックを停めるには、大きな車両を駐車できるような、広いスペースが必要です。ですが、それがなかなかないので困りものです。
しかも、トラックドライバーは好きなときに休憩を取ることが難しい場合があります。トラックドライバーは道路の状況によって臨機応変に行動しなければいけないので、お腹が空いたからと言ってすぐに食事を取ることも難しいわけです。
トラックドライバーがいつでも、好きなときに休憩できるよう、トラックを停められる駐車場をめったやたらと増やしましょう。いつでも好きなときに休憩できるようになれば、トラックドライバーも随分と気楽になるのではないでしょうか。

トラックを駐車


7. ドライバーの都合を優先

トラックドライバーは荷を運ぶことで人々の生活や企業の事業活動を支えています。トラックドライバーがいなければ人々の生活も企業の事業活動も成り立ちません「お客様は神様」なんかではなく、まさに「トラックドライバー様こそ神様」です。
そんなトラックドライバー様には、気持ち良く日々の仕事をやり遂げていただくため、一般国民も上級国民もいろいろな不都合は我慢しなければいけません。
通販はまとめ買いを基本にして、細々としたトラックドライバー様の仕事は減らしましょう。もちろん、今日ネットショップでポチった商品が明日すぐ届くなんてことはありません。隣の県からの配送でも1週間くらいかかるのも当然のことと思いましょう。
トラックドライバー様に再配達させるなんてもってのほかなので、郵便局や営業所に自分で取りに行くか、宅配専用の大きな郵便受けを自宅に設置しましょう。

郵便局へ取りに行く

8. 給料倍増

トラックドライバーはこのところ人手不足が続ているそうです。他にも多くの業種で人手不足が起こっていますから、仕方ありません。
そんなわけでトラックドライバーの労働環境を抜群に良いものにして、「こんな素晴らしい労働環境なのだから皆さん、どんどんトラックドライバーになりましょ」という状況に持っていきたいわけです。
しかし、人手を集めるために一番有効なのは、何と言っても給料を上げることです。トラックドライバーの給料も、一律で倍増しましょう。多少労働環境が悪くても人手が集まるに違いありません。

給料

9. 子どもが憧れるくらいに

社会を支える存在であるトラックドライバーは、現代のヒーローでもあります。多くの子どもが憧れても良いのではないでしょうか。
そんな子どもたちが、ヒーローを見るように憧れるだけはなく、「トラックドライバーになりたい!」と憧れるくらいになったら、トラックドライバーの労働環境も文句のつけようがないと認めても良いのではないでしょうか。

憧れる

10. 人気職業になるほどに

トラックドライバーの労働環境は、他の多くの職業同様、なかなか改善が進んでいないようですが、きちんと労働環境が整備されれば、トラックドライバーの仕事のメリットに胸をときめかせる、多くの人たちがトラックドライバーの求人に殺到するでしょう。
そこまで行けば、もう労働環境の改善を進める必要がないくらい、労働環境が改善されたということです。めでたし、めでたし、です。

大人気

最後に

すべての職業でこれくらい真剣な労働環境の改善ができれば、国民が幸福を実感できる度合いも随分と上がることでしょう。

幸福な国民

もしも、こんな風に思うならトラックドライバーになろう

「今日の晩に何を食べようか?」

人生は選択の連続です。
今日の晩ご飯に何を食べるのかを決めるのも重要な選択です。
職業の選択も大切です。中には、あまり深く考えずに仕事を決め、イキイキと仕事をして充実した日々を送る人もいます。熟考に熟考を重ね、ある会社に就職したものの納得いかず、転職を繰り返す人もいるでしょう。
もしかしたら、選択基準を見つけられず、悶々とした日々を過ごしている人もいるかもしれません。


1. 歩合制で稼ぎたい

職業の選択基準を「給料」としている人は多いでしょう。
日本でやたらと収入が多いのは政治家ですが、政治家としてたくさん稼ぐには人脈やら資金やらが必要です。
また、医師や弁護士も高給取りのイメージがありますが、医師や弁護士になるには学校で相当優秀な成績をおさめないと無理です。
働き始めた途端に高収入を得たいと思うなら、歩合制の仕事を選ぶと良いでしょう。何しろ働けば働くほど給料がグングン上がっていきます。年齢や経験より、どれだけハードに働いたかが重要です。
そんな、給料が歩合制の仕事と言えば、いろいろありますが、そう、例えばトラックドライバーもその1つです。

給料

2. 人間関係のストレスが少ない仕事をしたい

小さいころから親に「一流大学を卒業して一流企業に就職すること」を人生の目標のように言われて何も疑わず、青春の楽しさを一切捨てて勉強に明け暮れ、一流企業に就職してみると、「人生の目標」を達成したはずなのに達成感満足感はなく、話の通じない昭和な上司やら、他人を出し抜こうと必死な同僚に囲まれて疲れ果て、1年は何とか過ごすものの、空気を読まない後輩の面倒も見なければいけなくなり、エレベーターで1人になると、思わず「しば漬け食べたい」とつぶやいたりします。
人間関係に疲れているのです。
そんな人間関係のストレスが少ない仕事だって、世の中にはあるはずです。そう、例えばトラックドライバーもその1つです。
トラックドライバーは基本的に1人で仕事をします。運転するトラックの運転席の横には上司も同僚も後輩もいません。

ストレスでブチ切れた人

3. 車の運転で稼ぎたい

親から「一流大学を卒業して一流企業に就職すること」を人生の目標のように叩き込まれて何も疑わず、青春の楽しさを一切捨てて勉強に明け暮れ、一流企業に就職して毎日好きでもないことをしなければいけない人も多いのではなでしょうか。
そんな人はあるとき、ふと「そう言えば、子どものころはダンサーに憧れたっけ」なんて黄昏ます。
現在、プロ野球選手やプロサッカー選手として活躍している人は、子どものころから野球やサッカーが好きで、それに打ち込み、その「好きなこと」を仕事にできた人なのかもしれません。中には、好き嫌いは関係なく、少年時代に動物園の虎の檻の前で「虎か。虎みたいに強くなりたい。強くなって、ズルい大人、悪い大人をやっつけたいんだ! 俺はきっと虎になる」と誓ってプロレスラーになった人もいるかもしれませんが。
それはともかく、もし「車が好き」「車の運転が好き」という人なら、「車の運転」が仕事になる職業を選ぶと良いでしょう。そう、例えばトラックドライバーもその1つです。
「好きこそ物の上手なれ」という言葉もありますから、運転技能も思うように上達するのではないでしょうか。

運転

4. 仕事中も好きな音楽を聞きたい

音楽は人生を豊かにします。
また、漁をしながら歌うソーラン節のように、音楽によって仕事の意気を上げることもあります。
今はオフィスで有線などの音楽を流している企業もありますが、自分1人が好きな曲を流すわけにはいきません。中には、1人で勝手にイヤホンを付けて音楽を聞ける職場もありますが、それほど多くはないでしょう。多くの職場では、イヤホンで音楽を聞くような人は「仕事に集中せずになまけている」誤解されます。
仕事中に好きな音楽を聞きたいと考える人は、仕事中に好きな音楽を聞ける職場を選ぶ必要があります。
そう、例えばトラックドライバーもその1つです。
トラックドライバーなら、仕事中でもイヤホンを付けることもなく、スピーカーで音楽を聞くことができます。

好きな音楽

5. 1人で仕事したい

コロナ禍でリモートワークが普及しかけましたが、また元のオフィスへの出勤に戻りつつあります。皆で大きな荷物を持ち、「一斉の」でそれを持ち上げる作業をするわけではないのに。それぞれ別の作業をするのに、なぜ皆が同じ場所で作業しなければいけないのでしょう?
そんな疑問にかられた人はエレベーターで1人になると、思わず「転職したい」とつぶやいたりします。
世の中にはもちろん、基本的に1人で仕事を進める職業はいろいろあります。
そう、例えばトラックドライバーもその1つです。
トラックドライバーは基本的に1人で行動するので、休憩や食事の時間も自分のタイミングで取ることができますし、仕事中に鼻をほじろうが自由です。トラックは普通自動車より運転席の位置が高いので、滅多に覗かれることはありませんし、第一、わざわざ他の車の運転席を覗く人なんて滅多にいません。よほど運転がうまかったり、逆に下手だったりするときくらいです。

1人

6. 社会貢献したい

親から一流大学を卒業して一流企業に就職するように言われて育ち、青春の楽しさを一切捨てて勉強に明け暮れ、一流企業に就職して毎日好きでもないことを続けていると、ふと「こんな社会の役にも立たないような仕事をしていて良いのだろうか」なんて疑問が浮かんでは消え、また浮かんでは消えていきます。
その疑問が浮かんだままの人がエレベーターで1人になると、思わず「転職したい」とつぶやいたりします。
世の中にはもちろん、大いに社会の役に立つ職業はいろいろあります。そう、例えばトラックドライバーもその1つです。
トラックドライバーが荷を運ばなければ、人々の生活も企業の事業活動も立ちどころに停滞してしまいます。トラックドライバーが生活や企業を支えていると言えます。

社会貢献度の高い仕事の1つ

7. 中高年でも初心者OKの仕事をしたい

昭和の昔は、人生は一流企業に就職しさえすれば安泰だと信じられてきました。
しかし、現代では、何が起こるか分からないのが社会というものだと、人々は気づき始めています。コロナ禍はその分かりやすい例だったと言えます。
40代、50代でも、ある日突然仕事を失うことがあるのです。
同じ業界内で新しい就職先を探せる場合は、それまでのキャリアが役立ちます。しかし、その業界自体が危なくなることもあります。すると、違う業界で仕事を探さなければいけません。若ければまだ、求人の間口も広いでしょうが、40代、50代となるとどうでしょう。
ですが、世の中にはもちろん、年齢不問経験不問で求職者を受け入れる職業がいろいろあります。そう、例えばトラックドライバーもその1つです。
それに、トラックドライバーは物流の仕事なので、どこでもドアでも発明されて実用化されない限り、なくなりません。
ただ、経験不問でも最低限、普通自動車運転免許は取得しておきましょう。

高齢ドライバー

8. 学歴不問な仕事をしたい

世の中、親から一流大学を卒業して一流企業に就職するように言われて育ち、青春の楽しさを一切捨てて勉強に明け暮れ、一流企業に就職して毎日好きでもないことを続けている人ばかりではありません。高校を卒業して一流企業に就職した人もいます。
ただ、そんな人はいくら仕事をしても、同時期に入社して大した仕事もしていない大学卒業者に出世競争では勝てません。大学を卒業したという、その学歴だけで自分を追い越して出世していく同期入社の人を眺めていなくてはいけません。
他人の出世を気にしない人は別ですが、どうしても気になる人はエレベーターで1人になると、思わず「理不尽」とつぶやいたりします。
世の中にはもちろん、学歴は関係なく、実力だけで認められる職業もいろいろあります。そう、例えばトラックドライバーもその1つです。
ちなみに、世の中とはそもそも「理不尽」なものです。

大学卒業者

9. 将来性のある仕事に就きたい

職業選択の基準はいろいろあります。若いと、つい「人気職業」に憧れてしまいます。しかし、「人気」というのは移ろいやすいものです。今年は大人気で、いろいろなところでもてはやされたとしても、来年にはすっかり忘れ去られているということもあります。
人気は不安定なものです。
というわけで、中には「将来性のある仕事に就きたい」と考える人も多くいるでしょう。
そして世の中には、将来もなくなることはないだろうと考えられる職業はいろいろあります。そう、例えばトラックドライバーもその1つです。
トラックドライバーは物流業界の仕事です。物流関係の仕事は将来も安定して存続する仕事だと考えられがちです。どこでもドアでも実用化されない限り、商品などを生産地から各家庭に届ける必要がなくなるとは、まず考えられません。

未来の物流

10. 楽しく仕事したい

職業選択の基準はいろいろあります。
中には、地位名誉高収入も望まず、充実した1日1日を送れる仕事であれば良いと考える人もいます。
そんな仕事ならいろいろあります。
そう、例えばトラックドライバーもその1つです。
仕事をハードにすればするだけ高収入になってしまいますが、ほどほどの仕事振りなら収入もほどほどなので安心してください。

「仕事は楽しくなくちゃ」

最後に

同じ条件に当てはまる職業はトラックドライバー以外にもいろいろあります。肝心なのは、自分で考えて選ぶことです。

考える

なぜ、大卒でトラックドライバーになる人が増えているのか?

大学を卒業

トラックドライバーを採用するとき「年齢不問」「学歴不問」「職歴不問」としている会社が増えていると言います。
本音を言えば、年齢は若いほうが良いでしょうし、車を運転する職歴があってせめて中型運転免許くらい持っていたほうが、会社としてもありがたいかもしれません。
ただ、学歴をとやかく言う会社は少ないのではないでしょうか。実際、トラックを運転して荷を届けるというトラックドライバーの仕事に、数学の高度な問題を解く能力、日本の歴史の詳しい知識はあまり必要ありません。ま、そういう学問の知識や経験は、人生を豊かで楽しくはしてくれますが、社会の多くの仕事ではあまり役立ちませんけど。
しかし、実際にはトラックドライバーを志す、大学の卒業者が増えているとか、いないとか。


1. 正社員は安定収入だから

大企業に就職して一生安泰という、ひと昔前の「夢のサラリーマン人生」の幻想は、現代社会では潰えました。
若いうちは「人生は挑戦だ」とばかりにベンチャー企業に就職する人もいますが、ベンチャー企業は早ければ1~5年で倒産してしまう可能性もあるとか、ないとか。
しかし、トラックドライバーも正社員となると、安定収入が実現します。大学は出たけれど、なかなか安定収入を実現できそうにないという若者がトラックドライバーになりたがるのも無理はありません。

収入

2. 就職がそれほど難しくないから

ひと昔前までは、トラックドライバーとして就職するにも中型運転免許が必要でした。トラックドライバーとしての経験者が優遇されていました。
しかし、今は普通自動車運転免許やる気責任感があれば、中型運転免許大型運転免許は入社後、会社の支援を受けながら取得できるという会社が増えています。
塾に通い、毎日深夜まで勉強し、苦労して大学に入学した人たちは、会社に入るのにそういう苦労なんかもうしたくないと思ってしまいます。そのため、就職のハードルが低いトラックドライバーになろうとするのかもしれません。

免許

3. トラックの運転が好きだから

もともとトラックドライバーには「車の運転が好きだから」「トラックが好きだから」「カッコいいトラックドライバーに憧れていた」という理由で、トラックドライバーになった人もいます。
そんな人が、たまたま大学に入り、卒業して就職先を探す段階で、やはりもともと好きだったことを動機にトラックドライバーになることを選択することもあるでしょう。

運転

4. 月給30万円以上を得たいから

大学を出たからと言って、誰もが月給30万円以上の有名会社に就職できるわけではありません。しかし、大学を出たからには、やはりせめて月給30万円以上を確保したいと思う人は多いでしょう。
そんな人が月給30万円以上をキーワードに仕事を探すと、トラックドライバーが見つかったりして、そのまま就職するわけです。

月給

5. 貯金を増やしたいから

月給30万円以上を確保したい人が、月給30万円の会社に就職しても、毎月30万円くらい使ってしまって、貯金するのはなかなか難しいかもしれません。
しかし、トラックドライバーの給料は歩合制になっていることが多く、頑張れば月給50万円も夢ではありません。そうなれば貯金もできるでしょう。

貯金

6. コミュニケーションが苦手だから

数学の難しい問題を解いたり、歴史上のできごとを暗記したり、英語の文法を学ぶのに、必ずしも誰かとコミュニケーションを取る必要はありません。自分で参考書を開き、問題集に挑めば良いわけです。
つまり、大学に入学するのに、あまり誰かとコミュニケーションを取る必要がないわけです。当然、コミュニケーションが苦手な大学生もいます。
そんなコミュニケーションが苦手な大学生が、今度は就職しようとすると、会社は当然コミュニケーションをうまく取れるかどうかを採用の基準の1つにします。多くの仕事でコミュニケーションは必要だからです。
しかし、基本的に1人で仕事をするトラックドライバーは、誰かと接することが少なく、一部には「人間関係のストレスが少ない仕事」などともてはやされています。
コミュニケーションが苦手な大学生の多くが、トラックドライバーになりたがる可能性は高いと言えます。

コミュニケーション

7. 一度はやってみたい職業だから

トラックドライバーは荷を運ぶことで人々の生活や企業の経済活動を支えています。トラックドライバーがいなければ国は止まります。
そんなトラックドライバーは今日もトラックを運転し、どこかに荷を運んでいます。トラックドライバーが運転するトラックを見ない日はないと言っても良いでしょう。
毎日走るトラックを見て、トラックドライバーの仕事に興味を持つ若者もいるはずです。そして、一度はあんな大きなトラックを運転したいなんて思ったりします。
そんな若者がトラックドライバーの仕事に就いたりすることがあるわけです。

「やってみたい!」

8. 就活に時間をかけたくないから

就職活動に多くの時間をかける人もいれば、短時間でさっさと済ませたいと考える人もいます。
トラックドライバーの求人は多く、いろいろな会社、いろいろな種類の仕事があります。勤務地や勤務形態、待遇、仕事の内容など、気になることを検索すれば、すぐに「こんな会社に入りたい」と思えるような会社が見つかるでしょう。
さっさと就職先を決めてしまいたいと思う人は、きっとドライバー専門の求人サイトを活用してトラックドライバーの求人を探すに違いありません。

短時間で済ます

9. 年間休日100日が魅力だから

働いてしっかり稼いでも、そのお金を使えないのなら意味はありません。せめて年間休日は100日以上は欲しいものです。休日にしっかり楽しみ、気分をリフレッシュしてこそ、仕事でも頑張ることができるのです。
そんなわけで、年間休日が100日は欲しいという人は、年間休日100日以上が保障されているトラックドライバーの仕事に就きます。もはや大卒かどうかは関係ないかもしれません。

休み

10. 会社が積極的に採用してくれるから

学歴不問で求人を出すことが多いのが、トラックドライバーを採用したい運送会社です。
ただ、会社は何も「大卒は来なくて結構」と思っているわけではありません。大卒だろうが、高卒だろうが、中卒だろうが、運転免許やる気責任感がある人を採用したいと思っているはずです。
中でも若い人はノド手です。
若い人は仕事の覚えも早く、しかも若いのでこれから長く勤めてもらえるからです。
そんなわけで、トラックドライバーを採用したい運送会社は大卒の若者も積極的に採用したいのです。

ノド手

最後に

そんなわけですから皆さん、大学を卒業したらトラックドライバーになりましょう! え? 何ですって? せっかく苦労して大学に入ったのに、その苦労の甲斐がなくなる? トラックドライバーになって苦労を生かせるか、無駄にするかは自分次第ですよ。

「あなた次第です!」