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トラックドライバーの定着率を上げるには

釣った魚

このところトラックドライバーは人手不足に陥っているそうです。
この人手不足を解消するには、トラックドライバーの求人への応募者を増やす必要がありますが、せっかく新入社員を確保できても、すぐに辞められてしまっては元も子もありません。採用に費やした時間やお金がムダになり、むしろ会社としてはマイナスです。
昔は、出会った当初は優しかったのに、付き合い始めた途端に態度が雑になる(主に)男性のことを「釣った魚にエサはやらない」タイプなどと言ったものです。そんな男性はすぐ愛想を尽かされたようです。
新入社員の採用でも「釣った魚にエサはやらない」では、もちろんすぐに辞められてもおかしくはありません。




1. 新人育成のための教育法の確立

トラックドライバーの仕事は、トラックで荷を運ぶことが大半で、シンプルと言えばとてもシンプルです。しかし、その一方で、高度な技能を必要とする専門職でもあります。
トラックドライバーを採用する会社でも、人手不足の解消のためにこのところ「未経験者もOK」という求人を出すようになりました。未経験者であれば、しっかりていねいに仕事を教える必要があります。会社として教育マニュアルをしっかり作り、根気よく仕事を教えていきましょう。
ていねいに教育されれば、新入社員も「この会社は従業員を大事にする会社に違いない」と思い、そんな会社のためにも一所懸命働こうとするはずです。
もちろん、従業員がキャリア形成できるような教育が必要です。

教育

2. 入社前に体験入社を実施

求人の募集要項を読んだだけでは、なかなか分からないことがあります。
トラックドライバーの仕事は、作業はシンプルであることが多いので、もしかしたら会社側は「そんなに具体的に細かく説明する必要はないんじゃないか」と思ってしまうかもしれませんが、初めてトラックドライバーになる人、トラックドライバーの経験はあってもその会社のことはよく知らない人にとっては、やはり細かいことまで知りたいものです。入った後で「合わない会社だった」と気づいて後悔したくありませんから。
職場の雰囲気、同僚はどんな人たちかといったことを知ってもらうには、体験入社が有効かもしれません。

同僚の人たち

3. 面接ではありのままに話す

面接はお見合いです。面接は会社が求職者を見定める場であると同時に、求職者が会社を見定める場でもあります。
この大事な場ではお互いに素直にありのままの自分を伝えることが必要です。
会社としても、求職者が偽っていたら、採用後に後悔するかもしれません。会社が偽っていても、入社後、その新人が「面接のときに言っていたことと違う!」と憤り、すぐに辞めてしまうかもしれません。
そんな愚は避けましょう。お互いに。

話す

4. ハラスメント研修を行う

トラックドライバーが仕事をする物流・運送業界は古い歴史を持つ業界なので、それぞれの会社でも古いしきたり慣習がそのまま残っている可能性があります。
上司や先輩が、自分もかつて上司や先輩にそう育てられたからと、同じように新人に接すると、新人のほうは「パワハラされた」「セクハラされた」と受け取る可能性もあります。
しかし、上司や先輩には、新人を不快にさせた意識がなかったり、そもそも新人ならその不快な気持ちをバネにして奮闘してほしいと思いがちです。上司や先輩が新人に与える不快の程度もまちまちでしょうし、受け取るほうがどのくらい不快に感じるかもまちまちです。
それだけハラスメントは微妙な問題で、扱いにくくなっています。しかし、新人の中には「ハラスメントを受けた」ことを理由に辞めてしまう人もいます。
会社の経営者、管理職、ベテラン社員はぜひ「ハラスメントとは何か」を学び、「ハラスメントを受けた」ことを理由に辞めてしまう人を減らしましょう。

研修

5. 現場の声を聞く

従業員に定着してもらうには、やはりその従業員たちの声に耳を傾けることが必要です。従業員が声を上げているのにどこ吹く風で、無視ばかりしている一方、外では「私は従業員の話を聞く経営者だ」なんて言っても、従業員の気持ちはどんどん離れていくだけです。
簡単な理屈です。そろそろ気付きましょう。

耳を傾ける

6. 労働環境を見直す

従業員にとって労働環境は大事です。長年働くなら、やはり働きやすい職場のほうが良いに決まっています。
産休、育休、介休、有休などの制度はもちろん、更衣室、ロッカー、トイレなどの設備も清潔なものをそろえてこそ、働きやすい職場と言えます。近くに飲食店、コンビニなどがあるか、駐車場は余裕があるか、休憩場所はあるかなど、書き出したらキリがありませんが、重要です。
トラックドライバーの仕事は「長時間勤務で過酷」と言われがちです。そんな労働環境も、どうすれば過酷さが減り、効率的になるかを考え、検討してその改善に取り組みましょう。

育休

7. 給与体系を見直す

従業員にとって給与は大切です。いざというとき、踏ん張れるか踏ん張れないかは、実は給与が大きいかもしれません。
とは言え、経営者がいくら給与を上げたいからと言って、そうやすやすといかないのが現実です。会社の利益から燃料費など必要経費も計算し、その上で今の給与になっているはずですから。
しかし、それでも従業員に定着してほしいなら、その困難に挑まなければいけません。従業員の生活なんかどうでも良いと経営者が思っていたら、その会社はいずれ滅びます。
容易には上げられない給与を上げるためには、給与体系の見直しが必要ではないでしょうか。

給与

8. メンタルヘルスケアに取り組む

トラックドライバーにとって健康管理は重要です。トラックドライバーの体調が万全でないと、交通事故の危険性が爆上がりするからです。
そのため、会社としてトラックドライバーの健康チェックを毎日行います。しかし、ケアしなければいけないドライバーの健康は、体温や血圧などだけではありません。メンタル、すなわち精神面での健康も重要なのです。
大企業では、人間関係のストレスや将来への不安などから、従業員のメンタルヘルスケアに取り組むことが一般化しています。
トラックドライバーが働く零細・中小企業でも、ドライバーのメンタルヘルスを侮ってはいけないのです。会社の規模に関係なく、働く上で不安に思うことや仕事に関する悩みはあります。そういった不安悩みを解消することが、ドライバーの定着率につながります。

不安

9. 明るく居心地の良い職場にする

トラックドライバーはトラックで荷を運ぶことが仕事ですから、就業時間でも職場内にいることは少ないです。それでも、人間関係がギスギスして居心地の良くない会社なら、勤めていてもあまり楽しくはないのではないでしょうか。
もちろん、仕事はそもそも楽しくないものであり、職場の雰囲気なんて関係ないという、昭和な感覚の人もいるかもしれません。
しかし、気持ちがくじけそうになったとき、「職場が楽しいから」という理由で働き続けようと思う人もいるはずです。

明るい雰囲気の職場

10. 従業員を真っ当に評価する

人はほめられればうれしいものです。
もちろん、人が仕事をするのはほめられるためではありませんが、ほめられた経験は仕事のやりがいにもなります。
厚待遇で給料も良い職場で、さらに従業員が「自分は真っ当に評価されている」と感じることができれば、きっと「長く勤めよう」という気にもなるはずです。

ほめたたえる