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採用したトラックドライバーがすぐ辞めてしまう理由

手の打ちようを考える

少子化が進み、子ども1人にかける時間やお金が多くなってきていると言われています。少し前の世代から、親は子どもが失敗しないよう、イヤな体験をしないよう、先回りして子どもを安全・安心な環境で育てるようになり、そのため、若い人は失敗を極端に恐れると同時に、根拠のない自信にあふれ、我慢が苦手で、少しでも気に入らなければ仕事もすぐ辞めてしまう、なんて言う人もいます。人それぞれなので、若い人が皆そんなんだとは限らないはずですが。
もちろん、仕事に就いてみて、合わないと思ってすぐ辞めてしまうのも、合わないけどとりあえず続けてみようと思うのも個人の自由
しかし、採用する企業からしたら、せっかく採用した人がすぐに辞めてしまったら、たまったものではありません。せめて、その理由が分かれば、何とか手の打ちようもあるのではないでしょうか。




1. 会社が合わなかった

仕事が長続きするためには適性はとても大切です。
トラックドライバーとして就職する以上、トラックドライバーへの適性がある前提で求人に応募してほしいものですが、しかし、実際にやってみて初めて分かることもあります。
また、トラックドライバーの仕事への適性はあるものの、会社が合わなかったということもあり得ます。これも面接時に分かると手っ取り早いのですが、面接時には分からず、入社してみて分かるということもあります。
例えば、あまり同僚とは関わらずに勤務したかったのに、意外とアットホームな会社だったとか、逆にアットホームな職場が良かったのに社内の人間関係がドライクールだったとか。
面接時にはなるべく、社風や社内の雰囲気も包み隠さず説明したほうが良いでしょう。

「無理」

2. 人材育成がうまくいってなかった

トラックドライバーが働く会社では、最初の研修期間は先輩ドライバーが運転するトラックの助手席に座り、仕事を覚えることが多いようです。
このとき、その先輩ドライバーとの相性が悪いと、新人がすぐ辞めてしまうということもあります。もちろん、その先輩がパワハラモラハラセクハラ、何でもござれのモンスターであれば、誰でもイヤになってしまうかもしれませんが、そういう、あからさまに付き合いにくい人物ではなくても、ただ「性が合わない」ことからイヤになってしまうこともあり得ます。相性なので仕方ありません。

相性

3. 仕事をしっかり教えてくれなかった

そもそも新人に仕事を教え、人材として育てていくシステムが会社になかったり、そのシステムが雑だったりすると、新人もすぐ辞めてしまう可能性が高くなります。
もともとトラックドライバーの仕事は専門的な技能を必要とするため、採用する会社はできれば即戦力となる経験者を雇いたがります。しかし、近年はトラックドライバーが不足がちで、経験者向けだけに求人を出してもなかなか人が集まりません。そこで経験不問という求人も増えたのですが、運送会社は零細企業、中小企業が多く、そもそも人材育成に時間やお金、人員を割いている余裕があまりないのが現状です。
そこでしっかり新人教育ができない会社に入社してしまった新人は「仕事をしっかり教えてくれない」と不満を募らせて辞めてしまうわけです。
しっかり人材育成に力を入れないと、もったいないです。

教育は重要

4. パワハラと感じさせた

若い人は人生経験が豊富ではないため、相手の立場を推し量ることが不得意です。そのため、昔なら通用したような一方的な教育、物言い、𠮟り方はパワハラと取られかねません。
また、中には「自分が先輩からされた通りの接し方で新人に接しているだけで、特に高圧的な態度を取っているわけではない」と思っている先輩もいます。「昔ながら」の言動なので本人は無自覚なのですが、相手が「怖い」と受け取ってしまうのです。
先輩にも意識的に新人を見下し、偉そうな態度を取る人もいれば、本人は普通にフレンドリーに接しているつもりでも、相手を怖がらせてしまったり、不快にさせてしまう人もいるわけです。
そもそもいつの時代も、「若い人」「上の世代の人」からは「甘やされて育った」とか「温室育ち」などと思われがちですが、とにかく「若い人」は人生経験が薄い分、そういった「甘さ」も仕方ないことと割り切りましょう。
とにかく今は企業にもハラスメント対策は必要不可欠と言われていますから、経営者や人材育成担当者は、ハラスメントについて学んだほうが得策に違いありません。それは従業員に媚びるとか、そういうことではなく、イヤイヤながら仕事をするのは非常に効率が悪くなる恐れがあるので、会社の生産効率を上げるために必要だと考え、「不快」に感じながら仕事を行う従業員を減らす取り組みをしましょう。

パワハラ?

5. 面接時と職務内容などが違っていた

面接時に会社のことを包み隠さず話すべきだと前述しましたが、仕事の内容、待遇などはことさらしっかり具体的に、ありのまま話さなければいけません
面接時に説明された仕事内容や待遇などが、実際に入社して違っていると最悪です。「こんな仕事、条件だったら入社しなかったのに」ということもありますし、「だまされた」という悔しさもあります。
お互いに時間やお金の無駄をなくすためにも、面接時には事実を包み隠さず伝えましょう。

「ウソだったのかーっ!」

6. 仕事のキツさばかりの印象が強かった

トラックドライバーの仕事は、適性のない人にとっては決して楽な仕事ではありません。適性があれば楽しんで仕事できたかもしれませんが、適性がなければただ疲労するだけのものになってしまう可能性が高いです。
面接時に具体的な仕事内容や待遇などを説明され、理解したつもりで入社し、仕事に就いて何か違和感を覚えつつ、給料のためと割り切って仕事を続けたものの、ある日突然我に返って辞めてしまう、なんてこともあるかもしれません。
求職者に、トラックドライバーとしての適性があるかどうか、会社側も早めに見極める必要があるのではないでしょうか。

キツイ

7. 仕事が退屈だった

珍しく優秀な人材が求人に応募し、会社側も喜んで採用したものの、相当優秀だったのか、仕事をすぐ覚えてしまい、毎日を退屈に感じてしまい、辞めてしまう、なんてこともあるかもしれません。
また、自分が優秀だと勘違いしている人が、仕事をすぐ覚えたと勘違いし、毎日を退屈に感じるようになる、そんな可能性もあります。
トラックドライバーの仕事は、中には作業がシンプルなものもあるかもしれませんが、やはりものは考えようです。毎日道路の上でトラックを運転し、少しでも気を抜けば交通事故のリスクが爆上がりするトラックドライバーの仕事に、本来は退屈しているヒマなんてありません。
そんなトラックドライバーの仕事の奥深さを新人に理解させるのも、人材育成が重要な理由でしょう。

退屈

8. 交通事故を経験した

トラックドライバーの仕事の大半はトラックで荷を運ぶことなので、トラックドライバーは仕事中、交通事故のリスクにさらされることになります。交通事故のリスクは、かなりなストレスになり得ます。
中には、実際に交通事故を起こしてしまうトラックドライバーもいます。この事故で後遺症が残り、運転ができなくなったり、免許証停止免許失効の処分を受け、仕事を続けられなくなる人もいるでしょう。
健康面や免許は何ともなかった場合でも、このときの会社の対応が不実で、会社に愛想をつかすこともあり得ます。また、精神的にトラウマになって仕事を続けられなくなることもあるかもしれません。
とにかく、新人、ベテラン、誰でも交通事故を起こさないよう、社内の安全運転教育にしっかり力を入れる必要があります。

交通事故

9. 家庭の事情

仕事や会社に適性があり、仕事の技量も伸びているのに、そういうこととは全く関係なく、家庭の事情で仕事を続けられなくなってしまうことも起こり得ます。
代々続く家業を守ってきた父親が若くして心労で倒れ、急に家業を継がなくてはいけなくなった、とか。あり得ないことではありません。
がなかったと、あきらめるべきなのかもしれません。

家業

10. 健康上の理由

仕事や会社との適性など、すべてに問題はないにも関わらず、仕事を続けられなくなってしまうことは、家庭の事情以外にもあります。
例えば健康上の理由です。
もともと持病があり、入社に際しては主治医から診断書ももらい、仕事に支障はないとお墨付きをもらっていたものの、突然、病状が変化することもあり得ます。
また、仕事でのプレッシャーが引き金になり、潜在的に抱えて身体の不調が表面化する可能性もあります。
それに、腰痛など、トラックドライバーにありがちな職業病が発症し、仕事を続けることが難しくなることだってあります。
これまた何ともいかんともしがたいことなので、がなかったと、あきらめるしかないのかもしれません。

主治医

最後に

せっかく仕事に就いても辞めてしまう理由は、結局のところ「人間関係のこじれ」「入社前の想像とのギャップ」「その他」に大別されるようです。会社としては「人間関係がこじれないようなケア」「労働環境の整備」最善を尽くし、「その他」の状況が起こらないよう最悪を覚悟しつつ、後は祈るしかないのかもしれません。

祈る