タクシードライバーはプロドライバーとして安全運転を遵守しなければいけません。何よりもそれに尽きます。
タクシードライバーの仕事は「お客さんを安全に、快適に、迅速に目的地に運ぶこと」です。それに反するいかなる行為もNGです。
しかし、ネットで検索すると、タクシードライバーへの不満の何と多いこと。本当はほとんどのタクシードライバーが真面目で堅実なはずなのですが、一部の不埒なドライバーのためにタクシードライバーを「底辺職」だなどと見下す輩も出てくる始末です。
タクシードライバーは、公共の交通機関が行き届いていない地域の高齢化社会を支え、また、運転免許を持っていない人たちの生活を便利にする、社会貢献度の高い、本来なら人々の尊敬の念を集めるような仕事です。それだけに、ちょっとした不届き者のNG行為で評価を下げてしまうのは、いかにももったいないことです。
今回は今さらながら、タクシードライバーが「やっちゃいけない」NGな行為の代表例を列挙します。
1. 事故・違反
プロドライバーに限らず、車を運転するすべての人が守らなければならないのが無事故・無違反です。しっかり安全対策をした上で事故を再現したりするスタントマンは例外ですが。
居眠り運転、飲酒運転、スマホ操作しながら運転などは絶対禁止です。駐車違反、スピード違反など、あらゆる違反をやってしまわないように。
人身事故はもちろんのこと物損事故にも気をつけましょう。
2. 遠回り
タクシードライバーは「お客さんを安全に、快適に、迅速に目的地に運ぶこと」が仕事です。
その一方、お客さんを多く、長く乗せれば乗せるだけ収入がアップするのもタクシードライバーです。とは言え、いくら「儲かる」からと、目的地に遠回りしたりしては絶対にダメです。それはいわゆるぼったくりです。
ま、さすがにそんな「ぼったくりドライバー」は最近いなくなったと言います。
けど、くれぐれもやらないように。「迅速に」が鉄則です。
3. よけいなおしゃべり
タクシードライバーは接客業でもあります。乗客を快適に運ばなければいけません。
乗客には目的地まで、できるだけ心地良く過ごしてもらうことを考えます。とは言え、心地良さの感じ方は人それぞれです。楽しくおしゃべりしたい人もいれば、じっと静かに過ごしたい人もいます。タクシードライバーは、乗客がどんな過ごし方を求めているかを察しなければいけません。
話したい乗客は、ドライバーが黙っていても話しかけてくるので分かりやすいです。
とは言え、話題にするのを避けたほうがいいNG話題もあります。野球やサッカーなどのスポーツの話題はタクシーでの定番ネタとも思われていますが、好きなチームが乗客とドライバーとで違っていた場合、簡単に口ゲンカにも発展しかねないので地雷でもあります。
政治家や政党の話題も同じく地雷です。
天気や地域の名物、名店などの話題が比較的安心かもしれません。
もちろん「話しかけないでオーラ」を出している乗客には、むやみに話しかけないことです。
4. タバコ
車内に臭いが残るようなことはすべてNGです。
もちろん、お客さんが乗車しているときの喫煙は完全にNGですが、いないときも、乗ったときに車内にタバコの臭いが残っていると、ほとんどのお客さんが不快に感じます。もし、お客さんが乗っていないときに思わずタバコを吸ってしまっても、その後で臭いを完全に消しておきましょう。
その他、休憩時にカレー、ギョーザなど、臭いが残るものを食べたときも、きちんと口臭対策しなければいけません。
5. 乗車拒否
タクシードライバーとして、もってのほかの行為が乗車拒否です。たとえ、荷物が多くても、乗車距離が近くても、衣服が汚れていても、どんなお客さんでも乗車拒否してはいけません。それがプロというものです。
少し前に車いす利用者の乗車を嫌がったタクシー用トールワゴン型ハイブリッド商用車のドライバーがいましたが、もってのほかです。
もちろん、銃器や刃物を持っているなど、あからさまに危険だと分かる人は別ですよ。そんな人を見掛けたら警察に通報しなきゃ。
6. 危険運転
違反行為なので当然、プロドライバーでなくてもあらゆるドライバーがしてはいけない行為ですが、あえて書いておきます。
スピード違反や急ブレーキ、急ハンドル、無用なアイドリングなどは絶対ダメです。お客さんが乗っていようがいまいが、いつでもダメ。
ていねいで安心できる運転を常に心掛けるのがプロドライバーです。
危険運転を避けることは環境を守る「エコドライブ」につながります。エコドライブの取り組みは、コスト削減になりますし、タクシードライバーのイメージ向上にもつながります。
7. あおり運転
危険運転を、他の車に対して行うと、あおり運転になってしまいます。
近年、あおり運転は社会的関心も特に高くなっていますので、あえて別項目としておきます。
あおり運転を「あおられたからやり返しただけ。俺は悪くない」なんて正当化するおバカさんもいますが「やられたからやり返して良い」なんて法律は存在しません。
いかなる状況でも、あおり運転はしてはいけません。
8. 乗客のプライバシーを侵害する
タクシードライバーは接客業でもあり、乗客には快適に過ごしてもらうよう心掛けなければいけません。静かに過ごしたい乗客にはむやみに話しかけないようにしましょう。
乗客にやたらと質問するのもダメですよ。
それらは一般常識とも言えますね。ここで問題にしたいのは、乗客のプライバシーを他の乗客に話してしまうことです。乗客の住所とか、その乗客が誰と一緒だったかといったことは絶対口外してはいけません。
ありがちなのが、芸能人など有名人の住所などをうっかりしゃべってしまうことです。しゃべりたくなる気持ちも分からなくはないですが、やはりはしたないのでやめましょう。
9. 迷う
タクシードライバーとしてなるべく避けたいのが「道に迷うこと」です。
タクシードライバーも人間なのでミス、失敗は仕方ありません。「道に迷うこと」もその1つで、特に新人のころは仕方ありません。
しかし、乗客は高確率でかなり怒ります。道に迷ったり、道を間違えたり、道を知らなかったりすることのないよう、日々精進しましょう。