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タクシードライバーが「人生捨てたもんじゃない」と思う瞬間(とき)

ヤレヤレ

人生には楽しいこともあれば苦しいこともあるっていうのは、終わっちゃったけどテレビ時代劇「水戸黄門」主題歌の歌詞にあった言葉です。
ただ、誰もが「楽しいこともあるけど、どちらかというと苦しいことのほうが多いんじゃね」なんて思っています。それでついつい「おしゃべりしているだけでお金がもらえ、美男美女と知り合えて毎日楽しく暮らしている」(ように見える)芸能人をやっかみ、少しでも何かあると悪口雑言を浴びせまくる人が増えるわけです。そんな悪口雑言を見掛けると、思わずアメリカのテレビドラマに出てくる搭乗人物のように肩をすぼめて「ヤレヤレ」ってゼスチャーでもしたくなりますよね。

話がそれましたが、人生楽あれば苦もあります。肝心なのは、どっちにもこだわらないことではないでしょうか。気にしないことです。良いことは思い切り楽しみ、嫌なことは思い切り苦しみ、それからどちらも忘れましょう。そんな風にしていれば「人生捨てたもんじゃないかも」なんて、余裕かませるはずです。

さて、理不尽にも、ときに「底辺職」なんて悪いイメージも持たれるタクシードライバー。ネットで検索してもタクシードライバーが巻き込まれた事件や事故のニュースに高確率でヒットします。
ですが、やはり良いこともあれば悪いこともあります。
タクシードライバーは、自分で運転できない高齢者や子どもなど、多くの人の生活を支えます。ビジネスマンの仕事にも貢献します。実は社会になくてはならない職業です。
そんな尊い職業に我が身を捧げるのに、もしくは捧げるからこそ苦労もあるのが、タクシードライバーという職業かもしれません。
そんな苦労の連続の中でも、立ち止まってふと「人生捨てたもんじゃない」と思える瞬間があるはずです。ちなみに「瞬間」と書いて「とき」と読みます。じゃあ最初から「時」と書けば良いのですが、少しカッコつけてみました。

売り上げが最低だった勤務より少しでも多く稼げた

タクシードライバーの給与は歩合制であることが多いです。お客さんを乗せればそれだけ給与も上がりますし、乗せられないとそれだけ給与も下がります。
多くのタクシードライバーが日々努力を重ね、少しでも多くのお客さんを乗せようとします。しかし、努力が空回りしてしまう日もあります。ツイていないこともあります。
そんな日が続くこともあります。
それでも、ほんの少しでも、前回の勤務より売り上げが良かったら「これから上向きになっていくかも」と思えてくるはずです。

これから上向きに

乗客の愚痴がすごかった

タクシードライバーはいろいろなお客さんを乗せます。
孫を訪ねる高齢者を乗せることもあれば、取引先を訪ねる中小企業の経営者を乗せることもあります。夜明けの繁華街なら、水商売のお姉さま、オネエさま、ホストなんかも乗せるかもしれません。
それぞれのお客さんにはそれぞれの人生があります。中にはタクシードライバーを相手に愚痴を聞かせる人もいます。「ウン千万の借金を抱えて首が回らない」なんて人は、少しでも出費を減らそうと考えてタクシーには乗らないかもしれませんが、それと同様の辛酸をなめている人を乗せることはあるでしょう。
そんな人生の浮き沈みを見聞きすると、タクシードライバーとしてそこそこ稼げている自分の人生を「捨てたもんじゃない」と思えてくるに違いありません。

辛くて酸っぱいトムヤムクン

交通事故を目撃した

タクシードライバーは他のプロドライバー同様、交通事故のリスクを背負って仕事しています。もちろん、安全運転は常に心掛けますが、リスクも常にあります。
そんなタクシードライバーですから、もちろん自分が事故に巻き込まれたらそんな余裕はありませんが、他の車の事故をたまたま目撃してしまったら、確実に「自分じゃなくて良かった」と思うでしょう。ホッとして神に感謝するかもしれません。

交通事故は避けたいものです

妊婦を無事に病院に送り届けた

マタニティ・タクシーというサービスがあります。
事前に登録しておくと、陣痛時に妊婦を病院まで送ってくれるサービスです。助産婦などから講習を受けているドライバーが担当します。
しかし、そういうサービスがあることを知らず、普通にタクシーを呼んで病院に行く妊婦もいます。命の誕生に関わることができたのですから、タクシードライバーもそれは「貴重な体験」として大事にすると良いでしょう。
妊婦でなくても、病院の送迎を行うタクシードライバーは多いはずです。単なる仕事の一環としてやっていることではありましょうが、たまには「生命を運んでいる」なんて実感してみるのもオツなもの。

赤ちゃんを運ぶコウノトリさん

忘れ物を届けたら持ち主が感謝に来た

タクシーでの忘れ物は、一時的ですがそのタクシーの会社で保管します。1週間ほどすると、管轄の警察に届けられます。
また、遺失物の情報は各都道府県のタクシーセンターへ一括して送られます。
タクシードライバーは自分のタクシーで忘れ物を発見しても、後は会社に任せることになるのですが、中には、よほど大事なものだったのか、わざわざドライバーにお礼を言ってくれるお客さんもいます。滅多にありませんけど。
忘れ物が見つかったお客さんも「人生捨てたもんじゃない」と思っていることでしょう。

忘れ物注意

会社に女性ドライバーが増えた

女性のタクシードライバーが増え始めています。
とは言え、やはり男性のタクシードライバーのほうが圧倒的に多いのが現状です。しかし、圧倒的なタクシードライバーの人材不足が続く以上、女性タクシードライバーを増やしていかなければタクシー業の生き残りは難しいでしょう。
女性が「タクシードライバーに、私はなる!」と決意したとき、やはり既に女性タクシードライバーが働いている会社のほうが安心できます。女性用トイレや女性用更衣室など、女性従業員が働きやすい労働環境がどうかが、会社を選ぶときに重要だからです。
逆に言えば、これから女性タクシードライバーを増やそうと考える、将来を見据えた経営者は女性が働きやすい労働環境を整えようとします。その経営者は「従業員の働きやすさ」を考える経営者だと言えます。
自分が勤めるタクシー会社に女性ドライバーが増えたということは、経営者が従業員のことを考えて労働環境を改善する、将来性のある会社である証拠になります。

女性の新入社員

20代の若手新入社員が入った

多くの業界が人手不足になり、タクシー業界も高齢化が進んでいます。
たまに新入社員が入っても40代や50代以上の中高年、さらには高齢者だったりします。いやがうえにも「少子高齢化」の文字が頭に浮かび、暗い気持ちにもなります。
そんな会社に20代の若者が飛び込んで来た日にゃ「日本の夜明けは近い」気分にもなろうってもんです。
思わず、同じように20代のころ、希望にあふれて働き始めた若き日の自分も甦るかもしれません。「まだまだ若いヤツには負けやせん」とまで思えたら言うことありません。

若い新入社員

自殺や犯罪を防いだ

タクシードライバーをネット検索すると、事故や事件に遭ったなんてニュースが出てきます。何だか嫌な気分にもなります。
でも、たまに「自殺を思いとどまらせたタクシードライバー」「詐欺を未然に防いだタクシードライバー」などのニュースにもお目にかかります。
自分がそんなことをやったなら鼻高々になるかもしれませんが、自分じゃなくて他のタクシードライバーがやったことにしろ、何か良い気分がします。誇らしく思ったりします。

表彰される

散々な1日だったけど、とりあえず終わった

明石家さんまさんの娘さんの名前「いまる」は「生きているだけで丸儲け」から来ていると、聞いたことがあります。
これはタクシードライバーに限らず、誰にでも当てはまる言葉です。
誰だってツイてない日はあります。
タクシーの乗客はこれまでで最低の少なさで、今日は売り上げも期待できません。しかも、ようやくお客さんを乗せたのに、慣れているはずの道を間違え、お客さんを怒らせる始末。さらに、深夜の繁華街で乗せた酔客が車内で吐き、その後始末に時間を取られて売り上げを巻き返すこともできません。苦い顔で会社に戻ると、難癖としか思えない自分宛のクレームが会社に来ていて営業所長に注意されます。せめて家に帰ったら熱いお風呂でさっぱりしようと思っていたのに、なぜか給湯装置が故障。もう散々です。
でも、とりあえず勤務は終わりました。それだけ散々なことがあったのに、です。これはもう逆に「ラッキーだった」と言えるのかもしれません。ものは考えようです。

ラッキー!

トラックドライバーの名推理

職人

トラックドライバーはいわゆる専門職と言っていいでしょう。大型トラックのドライバーは特に大型自動車運転免許という、普通運転免許よりレベルの高い免許を持ち、高度な運転技術が必要な大型トラックを毎日のように運転しているのですから。
言ってみれば、伝統的な仕事をする職人さんのようなものです。そして他の職人さんと同様、長年仕事を続けてきたトラックドライバーは、熟練の技と冴えわたる勘を身に着けるのです。
その冴えわたる勘を身に着けたトラックドライバーは、素人が気づきもしなかった、ちょっとした異変を察知し、高度な技でトラブルを回避することもできるのです。

1. 渋滞を感知

トラックドライバーをはじめとした多くの職業ドライバーたちが嫌うのが渋滞です。
職業ドライバーでなくても、思うように先に進めない渋滞にはイライラします。ましてや厳しく納品時間を課せられているトラックドライバーは、何としてでも渋滞を避けようとします。そのためにアプリやらラジオやら、あらゆる手段を使って渋滞情報を得ようとします。もちろん、今は「いろいろな多くの情報」があります。
しかし、そうした情報を手に入れ、うまく出し抜いたつもりが、まんまとハマってしまうのが渋滞の恐ろしさです。
ベテランになると、カーナビなどの情報がなくても、この周辺を長年走ってきた経験と、車や人の流れから渋滞をあらかじめ感知し、回避してしまうらしいです。

渋滞

2. ボリューミーな飲食店を発掘

基本的に体力仕事のトラックドライバーの多くが食事に求めるのが、安くてボリューム満点の肉料理です。多くのトラックドライバーの好物が豚の生姜焼き定食鶏の唐揚げ定食スタミナ定食です。おまけに「大盛り無料」の文字には無条件で体が反応してしまいます。
長距離のトラックドライバーともなるといろいろな土地に出掛けますが、行く先々でご当地グルメを食べるかというと、実はそうでもありません。時間的に余裕がないのと、やはり好き嫌いがあるからです。大型トラックの駐車スペースがあるかどうかという問題もあります。
というわけで、多くのトラックドライバーが求めるのが、トラックドライバーが気兼ねなく「安くてボリューム満点の食事」を味わえる飲食店です。そして実際、長距離の仕事なら日本の各地に、中距離や近距離ならそのエリアごとに、いつの間にか「安くてボリューム満点の食事」ができる飲食店を見つけてしまっていたりします。特別な嗅覚でも持っているのではないかという気もします。

トンカツ!

3. 音でエンジン不調を察知

長年もトラックの仕事をしている者なら、音でエンジンの調子を聞き分けるぐらいのことはできます。
もちろん、トラックドライバーは仕事の前に必ずトラックの点検をしますし、そのときにエンジンも見ます。また、仕事の後にも手入れは怠りません。定期的に車両整備もします。
そのため、エンジン音からエンジンの不具合を察知する機会はそれほど多くはありません。

耳をすませば

4. 狭い路地にも勘で

大型トラックや中型トラックは普通自動車より車体が大きいので、普通自動車ならすり抜けることもできる狭い路地を通ることができません。
ここで厄介なのは、パッと見たところ「通り抜けれそうか、無理そうか」が微妙で、実際にやってみないと判断つきにくいくらいの路地です。
しかし、これもベテランドライバーともなると、かなり難しそうな狭さでも勘で「ここは抜けられる」と分かり、本当に抜けられるそうです。大したもんです。

細道

5. 荷主のクセを把握

1人で仕事をするのが基本のトラックドライバーは「人間関係のストレスが少ない」と言われています。
しかし、少ないだけで人間関係のストレスが皆無ではありません。そのストレスの元となるのが荷主、つまりトラックドライバーが荷を届ける先、トラックドライバーが勤務する会社のお得意様です。
トラックドライバーの労働環境の改善が進められている昨今、荷主にもトラックドライバーに無理強いしないように要請が出されていますが、どこまで浸透しているかは不明です。
ただ、ベテランドライバーになると、クセが強い荷主のその「クセ」を把握して柔軟に対応することでストレスをためないようにしているそうです。トラックドライバーにも人間に対する観察力が必要なのかもしれません。

観察

6. バック発進に第六感

大型トラックは車体が大きいだけに運転席からの死角が多く、それを補うためにミラーがたくさん付けられています。しかし、いくらミラーが付いていても補いきれない死角があります。
それもあって昨今はバックカメラとモニターなるものができて、ドライバーは運転席のモニターで車の後ろの様子を確認できるまでに文明は進化しました。トラックも同様です。
しかし、そうした文明の利器が発明される前から大型トラックを操ってきたベテランドライバーは、バックカメラが付いてなくても第六感でトラックの後ろの異変に気付くそうです。ほとんど、殺気を感じ取る武士のようです。

ミラー

7. 土地勘が冴える

トラックドライバーは時間通りに荷を届ける必要があります。そのため、渋滞を何としてでも避けなければいけないのですが、渋滞を察知すると抜け道を行くことになったりします。
つまり、トラックドライバーは近道や裏道、抜け道に精通していなくてはいけないのです。ベテランドライバーになると、トラックを走らせるエリアの地図を頭の中に叩き込んでいると言います。
近ごろはカーナビやらスマホのアプリといった便利なものが登場し、困ったときにはそれを頼れば良くなりました。昔ながらの「地図を頭に叩き込んでいるドライバー」もめっきり減ったかもしれません。

地図は頭の中

8. 先が読める

これはベテランドライバーでなくても、大型トラックのドライバーなら誰でもできることです。
つまり、大型トラックは運転席も普通自動車などに比べて高い位置にあるので、それだけ普通自動車のドライバーより遠くを見通せるわけです。
道路の先で事故や渋滞が起こっていたり、不審な車がいたり、赤信号があったりするのも、普通自動車のドライバーより早く見つけることができます。

遠くを見通す

トラック運転手の秘かな楽しみ

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「どんな盾も突き通す矛」と「どんな矛も防ぐ盾」

大富豪の叔父さんが死んで、ものすごい遺産が手に入ったとか、ものすごいヒット曲を作曲して莫大な印税が入ることになったとか、大臣を辞めることになって使いきれないくらいの退職金が入ることになったという人は別ですが、人は生きていくためには仕事をしてお金を得なければいけません。
昔の人は「働かざる者食うべからず」なんてことを言いました。

その一方で、文明は次々と人の手間を省くような発明を続けています。
自動車も自動運転システムという、人が運転しなくても済むようなものの開発を続けています。
製造現場でもどこでも自動化、ロボット化が進んでいます。
こうした動きから「将来、次々と失業者を生んでしまうのでは」と危惧する声も上がっています。
しかし、「必要は発明の母」と言う通り、自動化、ロボット化も何も開発者がヒマつぶしに取り組んでいるわけではありません。必要があるからやっているのです。
つまり、産業界における人手不足です。仕事をする人が激減しているので、じゃあ、人手無しでできるようにしなきゃ、という発想です。
人手が不足しているから人手無しでできるようにしようとして、それで失業者が増えるとしたら、何のための文明、技術、システムなのか分かりません。本来、人を幸せにするための文明、技術、システムでなければいけないはずです。

仕事をしなければ生きていけない世の中の一方で、人から仕事を奪うような開発を進めるのが人間でもあるわけです。人間とはそんな「アンビバレントな存在」なわけです。

話がだいぶそれていってしまいましたが、とにかく、どうせ人は働かなければいけないのですから、その仕事を楽しいと思わないともったいないです。
もちろん、仕事には責任やら義務やらもくっついていて、そういうものがくっついているとプレッシャーも生まれ、プレッシャーによってストレスも生まれます。ストレスは苦しいものです。
このストレスがあまりにも過剰だと、人は壊れてしまいます。体も壊れ、身体機能が損傷したり、病気になります。気持ちも壊れます。
仕事にはそのようにストレスもありますが、これが過剰にならないようにするには、やはり仕事に「楽しみ」を見つけることです。

ここからようやく本題。
トラック運転手の仕事は、何かと「過酷」と言われがちです。そんなイメージがまとわりついています。
しかし、実際は「楽しい」と言ってトラック運転手の仕事に従事している人もいます。もちろん、トラック運転手の仕事にも「過酷」な面はあります。とは言え、それだけではないのです。
トラック運転手の仕事に限らず、どんな仕事にも「楽しい面」「苦しい面」はあるはずです。人はどういうわけか「楽しいこと」より「苦しいこと」を強く記憶に刻み込んでしまいがちです。
しかし、トラック運転手が仕事の中に見出せる「楽しいポイント」があるのも事実です。意識的に仕事の中に「楽しいポイント」を見つけてみましょう。
トラック運転手じゃない仕事の人も、試してみましょう。

1. 休憩時間を快適に過ごす

トラック運転手は「拘束時間が長くて大変」だとイメージされています。確かに長距離のトラック運転手は、一度仕事に出ると2~3日、長いと1週間以上家に帰れないこともあります。
とは言え、休日、休憩時間もきちんと決められています。
具体的には4時間ごとに30分は休憩しないといけないことになっています。そして休憩のタイミングは、トラック運転手自身が決めることができます。工場勤務などとはそこが違います。
そしてトラック運転手の仕事は基本的に1人で行うので、休憩時間も上司や同僚の目を気にせず、ある程度のびのびと過ごすことができます。スマホなどで動画、SNS、読書を楽しむのも良いでしょう。
ネットショッピングも楽しめます。心の中で「俺が注文した商品も、どこかの同業者が運ぶんだろうな。フフ」なんて思いながら、いろいろなネットショップを覗いてみましょう。
とにかく、工夫次第でとても有意義に休憩時間を過ごすことができるはずです。また、仮眠を取るのも大切です。

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睡眠は大事

2. 入浴

長距離のトラック運転手は一度仕事に出ると2~3日、長いと1週間以上、家に帰れないこともあります。その間は、車中泊が基本です。
お風呂にもなかなか入れないかもしれません。夏場は特に辛いです。
だからこそ、ようやくお風呂に入れたりすると、その爽快感は筆舌に尽くしがたいものがあります。
もしかすると、湯船にザブーン!は無理かもしれません。シャワーだけかもしれませんが、ここは「シャワーを浴びるしかできなかった」と考えるより「シャワーを浴びれた」と、イイように解釈するほうが得策です。

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シャワーだけでも

3. 愛妻弁当とか

トラック運転手の食事はファミリーレストランやファーストフード、もしくはコンビニ弁当になりがちです。栄養士が考えに考えたメニューが並ぶ、大企業の食堂で食事というわけには、なかなかいきません。
そんなトラック運転手でも、奥さんの意識が高ければ、そして時間に余裕があるなら、栄養バランスと愛情の行き届いたお弁当を作ってくれるかもしれません。そんなお弁当なら、毎日食べるのがとても楽しみになります。
そんなお弁当を毎日作ってもらえるようになるには、奥さんに常に愛情と敬意を持って接しましょうね。
もちろん、愛する奥さんのために、自分の分と奥さんの分の2つ、自分でお弁当を作るのもアリです。

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うれしい弁当

4. 音楽

トラック運転手の仕事は1人で行うのが基本で、トラックを運転しているときは、安全運転さえきちんと守れば、音楽を聞いたりすることもできます。
いくら好きな音楽でも、長時間聞いていれば耳も疲れてくるかもしれません。そんなときは、もちろん音楽を消してしまえばいいのです。
繰り返しますが、運転席には基本的に1人きりなので、誰かの都合や好みに合わせる必要はありません。世の中には多くの仕事がありますが、仕事中は好きな音楽も聞くのを我慢している人もいます。そんな人からすると、音楽を聞きながらでも仕事できるトラック運転手は憧れの存在でしょう。
聞くだけではなく、カラオケでも聞きながら思い切り歌うこともできます。車内なので、誰か他人に聞かれることはほぼありません。
トラックは運転席の位置が高いので、対向車の運転席からもまず見られません。運転席が同じ高さのトラックの運転手からは見られますが、向こうも同じように歌っていて、「お互いサマ」な状況になるかもしれません。

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思い切りシャウト!

5. トラックのカスタマイズ

自分が乗るトラックが決まっている場合、もしくは自分が所有するトラックで仕事をする場合、ある程度トラックの装備のカスタマイズもできます。
そこまで行かなくても、他のトラック運転手も使う、自分だけのトラックではない場合も、自分の好みのクッションやハンドルカバーを持ち込んだり、自分好みにすることはできます。それだけでも、気分的にはとても違います。少しかもしれませんが、気が休まります。
さらに長距離のトラック運転手は、長い間、トラック車内で過ごすので、オーディオ機器、電気ポットや炊飯器などの調理器具、布団まで持ち込み、“自宅化”したりもします。

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リラックスできるクッションを選ぼう

6. 妄想

トラック車内を快適空間にするのは、多少の手間や、モノによってはお金もかかります。そうしたものを一切使わずに、すぐに手軽にできるのが妄想です。
ほんの少し、空想を広げるだけでいいのです。そしてこれは、とても楽しいです。
空想ですから、内容は自由です。自分が楽しいと思う世界を頭の中に描けばいいだけです。
空想が苦手だという人は、これまでで一番楽しかった記憶、面白かった記憶を呼び起こし、それを頭の中でループさせてみましょう。自分の体験でも、他人から聞いた体験談でも、テレビで見た番組でも何でもイイのです。
それも空想と同様に楽しいです。

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空想の世界

7. 大型トラックに乗れる

トラック運転手の仕事に就く人は、車の運転が好きだというのも、その仕事に就く動機になっていることが多いものです。少なくとも車の運転が嫌いで嫌いで仕方ないという人は、トラック運転手にはならないでしょう。
そんな好きなことを仕事にしているのですから、これは楽しいことに違いありません。読書が好きな人が、本を読んでいればお金をもらえるとなれば、そりゃうれしいでしょう。それと同じことです。
トラックの運転は楽しいです。運転席が高く、周囲の普通自動車を見下ろせるので、ちょっと偉くなった気分にもなります。
大型トラックなら車体も大きいので、そんな大きな機械を自在に動かしている自分が、ちょっと大物になったような気分にもなります。

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運転は楽しい

8. 運転技術の向上を実感できる

車の運転には楽しいポイントがあります。エンジンの振動から得られるスピード感機械操作の楽しさ、流れる景色を見る爽快感などです。
加えて、トラックは普通自動車に比べて高度な運転技術を必要とします。普通自動車なら難なく曲がれた細いカーブで苦戦したり、後ろ向き駐車がなかなかできなかったりします。
しかし、仕事で連日トラックを運転していると、少しずつ運転技術が向上していきます。
何度も切り返して駐車していた駐車スペースに、2回くらいの切り替えしで駐車できたりすると、心の中で思わずガッツポーズをしてしまうかもしれません。
1回で駐車できた日にゃ、実際にガッツポーズをしてしまうでしょう。
昨日までできなかったことができるようになった!という、技術の向上を実感できる瞬間がいくつもあります。これはやはり楽しいものです。

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乗りこなせ

9. やりがい

トラック運転手の仕事は、世の中になくてはならない仕事です。社会貢献度はチョモランマよりも高いのです。
これはトラック運転手という仕事のやりがいになります。仕事でこうしたやりがいを実感できると、気持ちは高揚します。
仕事で嫌なこと、辛いことがあっても、自分の仕事で助かっている人、自分の仕事をありがたく思っている人がいるということを思い出しましょう。
誰かの役に立つということは、こっそり満足げに微笑んでもいいことなのです。

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微笑み

トラックドライバーの人間関係

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良好な関係

トラックドライバーの仕事の大半はトラックを運転することです。それも通常は1人で行います。
そんなわけで、トラックドライバーの仕事のメリットとして「わずらわしい人間関係がないこと」が挙げられます。
これは事実です。大企業のビジネスマンなら、何かのプロジェクトを進めるのもチームで当たりますし、作業を進めるにも1つ1つ上司の決裁を仰がなければいけません。同僚ともうまく協調しなければいけません。
政治家がよく、他の政党の議員などに対して「筋を通していない」なんて怒って、その提案を拒否することがあります。提案の中身ではなく、進め方に「怒っている」ために拒否するわけです。つまり、仕事を進めるに当たり、感情に流されて合理的に判断していないわけです。とても文明人とは思えませんが、そういうことって、あらゆる業界、あらゆる企業でも同じようなものではないでしょうか。その根幹にあるのが、人間関係です。

一方、トラックドライバーは、目的地に行くのに、左折するか右折するかでイチイチ上司にお伺いは立てません。ドライバーの判断に任されています。ハンドルに置いた手が10時10分の位置じゃなかったからと言って、誰にもとやかく言われません。
大企業では、仕事のストレスではやはり「人間関係によるストレス」がかなり大きな比重を占めます。トラックドライバーにも仕事上のストレスはありますが、それは交通事故のリスクだったり、長時間勤務だったり、腰痛がひどいことだったりで、人間関係によるストレスは少ないと言えます。

トラックドライバーは「人間関係によるストレスは少ない」? そう、ゼロではありません。
もちろん、トラックドライバーにも仕事上の人間関係があるわけです。経済活動の中で仕事をする以上、どんな人間ともつながっていないということはありません。そこに人間関係が構築されます。
そして人間関係があれば、人によってはそこにストレスを感じることもあります。ぶっちゃけ、どんな些細な人間関係にもストレスを感じる人だっているかもしれないのですから。
逆に、上司の圧がすごく、同僚の足の引っ張りも絶え間がなく、後輩の面倒を見るのも大変で、クライアントはすべて気難しいというビジネスマンだって、その本人の神経がムチャクチャ太く、一切ストレスに感じていないこともある、かもしれません。
何をストレスに感じるかは、やはり人それぞれです。

それはともなく、トラックドライバーにも人間関係があります。そこにストレスが生まれるかどうかは、やはり「合う」「合わない」があるでしょう。ただ、避けられるストレスなら、できるだけ避けたり、減らしたほうが仕事もスムーズにいきます。
ストレスを避けるには、例えば、あまり気にしないことです。存在してしまっている人間関係なので、それを無いことにするのは難しいものです。せめて「合わない人」とは極力距離を置くなどしましょう。
もし、どうしても強くストレスを感じるなら、会社を辞めて他の会社を探すほうが良いかもしれません。運が良ければ、次の会社では「合わない人」と出会わないかもしれません。
もしくは「自分」を変えてみるのも1つの手段です。「自分」が変わると、案外相手も変わり、「合う」と思えるかも。

同僚ドライバー

同じ会社には他にもトラックドライバーがいるはずです。
会社の規模が大きければ大勢のトラックドライバーを抱えています。大勢のトラックドライバーがいると、かえって他のトラックドライバーとはそれほど深い付き合いにはならないかもしれません。
逆に、規模の小さい会社は人間関係も濃密になります。中にはアットホームな会社もあって、それをうっとうしく感じてしまうとストレスにもなるでしょう。
とは言え、通常は他のトラックドライバーとそれほど接することはありません。
ただ、入社して最初のころは先輩ドライバーのトラックで先輩の横に乗り、仕事を教えてもらうことが多いです。うまく付き合えば、仕事のコツも教えてくれたり、日ごろからいろいろな情報も教えてくれるので、とてもありがたい存在になります。
逆に、自分が経験を積むと、後輩に仕事を教えることもあるかもしれません。責任を持ってしっかり教えれば、相手も熱心に学んで、これまたその先、心強い味方になってくれるでしょう。
そういった関係のない同僚ドライバーとも、良い関係を構築しておけば、渋滞情報とか取引先の担当者とうまく付き合う方法とか教えてくれたり教えたり、いろいろ助け合える存在になります。

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アットホーム

経営者

規模が大きな会社であれば、経営者、つまり社長とはあまり接することもないでしょう。しかし、大きな会社であれば、部署の長は大きな存在です。
これが小さな会社なら、もちろん経営者と接する機会も出てきます。
経営者や部署の長は、見ていないようで従業員のことをしっかり見ています。経営者や部署の長に気に入られなければ給与が上がらないかも、なんてこともあるかもしれません。しかし、人間的に気に入られるかどうかより、やはり自分の仕事をきちんと遂行することが肝心です。
ただ、経営者や部署の長とは、トラックドライバーの仕事の責任者です。普段は、給料日や休暇申請のOKをもらうときくらいしかありがたみも感じないかもしれませんが、仕事上で何か大きなトラブルがあったとき、責任を取ったり、ドライバーを助けてくれるのは、やはり経営者や部署の長です。普段は「ウチの社長はしょうがないなあ」なんてボヤいていても、いざとなったら感謝する、そんな関係だと良いですね。

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大事な決裁をするのも社長の仕事

社内の事務

小さい会社でも、普通は会社に事務職がいます。経理、総務などのスタッフです。
特に経理の人は、経費の精算なんかもしれくれるのでとても重要です。ひと昔前なら、ちょっと経費として通りにくいものでも、仲良くなっておけば「仕方ないわねえ」なんて言って通してくれたとかくれないとか。
また、営業職がいる会社であれば、その営業職との関係は大切です。営業は得意先と現場、つまりトラックドライバーとの橋渡しをする存在です。得意先からの要望をドライバーに伝えてくれるので、ドライバーはそれをきちんと受け取らないと、仕事がやりにくくなるかもしれません。
逆に、ドライバーからの要望も営業が取引先に伝えてくれて、仕事がやりやすくなるかもしれません。

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経費の精算は期日までに

配車担当

運送会社の中で、トラックドライバーの仕事を左右する重要なポジションにいるのが配車担当です。トラックドライバーに仕事を割り振るのですから。
配車担当が、それぞれのトラックドライバーの得手不得手や好み、人柄などを把握していて、効率的に仕事を割り振ると、会社全体として仕事がとてもうまく進みます。

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仕事は効率的に

他社のドライバー

トラックドライバーは、同じ会社のトラックドライバーと接する機会もそれほど多くはないので、ましてや他社のドライバーと接することもあまりありません。
しかし、ゼロではありません。例えば、県ごとのトラック協会主催のイベントで出会うかもしれません。それより身近なところでは、仕事の合間に休憩する場所には、他社のトラックドライバーも集まるので、そこでも知り合う機会が生まれます。
また、いくつかの運送会社を渡り歩いて、いろいろなトラックドライバーの知り合いができた先輩ドライバーが、ドライバー仲間を集めた飲み会にでも呼んでくれたら、そこで一気に交流の輪は広がります。
他社のドライバーは、自社ドライバーが知らないような有意義な情報をもたらしてくれるかもしれません。

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交流は大切

荷主

荷主は、トラックドライバーが運ぶ荷の持ち主です。会社にとっては得意先、顧客になります。
とは言え、トラックドライバーが付き合うのは、その得意先である会社の中の担当者という、1人の人間です。
そして荷主の中には、たまに運送会社に無茶を強いてくるところもあります。この無茶を実行するのはトラックドライバーです。
それでも荷主は、会社にとっては「お得意様」なので、トラックドライバーも逆らうことが難しいものです。こうしてトラックドライバーの仕事は「過酷」と言われるようになりました。
それで近年、行政の旗振りでトラックドライバーの労働環境の改善が進められ、それは荷主にも及ぶようになってきました。

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過酷

荷の届け先

例えば、食品メーカーの商品を工場から倉庫に運ぶ場合、食品メーカーが荷主になったりします。
一方、宅配便の荷物を運ぶトラックドライバーが荷を届けるのは個人宅や会社などになりますが、この場合、その届け先はいわば荷主で、やはり何かしらのやり取りがあります。
企業や店舗の荷主のように、トラックドライバーにとって仕事上の人間関係として重くストレスをかけてくることはないかもしれませんが、例えば、不在がちな個人宅などは別のストレスを生みます。
その一方、個人宅でも会社でも、通販などで「欲しかったもの」を届けてくれるのがドライバーなので、中には荷を受け取って「ごくろうさま」「ありがとう」なんて声を掛けてくれることもあります。
暑い盛りの真夏なら、親切な人が冷たいお茶でも出してくれるかもしれません。「よし、仕事を頑張ろう!」という気にもなります。

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冷たいお茶

最後に

トラックドライバーの仕事の大半はトラックを運転することです。
それでも、全く誰とも接しないわけではありません。長距離の仕事であれば、長時間、誰とも会わないでひたすら運転を続けることもありますが、荷の届け先では誰かが待っています。
まして、ルート配送ドライバーやセールスドライバーは、毎日のように多くの人と接することになります。
いずれにしても、社会人としてのマナーを守り、どんな人にも明るく、ハキハキとあいさつしましょう。あいさつが人間関係の出発点です。それができれば、多くの人間関係はうまくいきます。
あいさつが苦手という人もいるでしょう。アナウンサーのような明るい発声のあいさつができれば、それに越したことはありませんが、できないからと言って苦手意識を持つことはありません。相手に敬意を持ってあいさつをすれば、必ずきちんと伝わります。

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あいさつはきちんと

「トラック運転手なんて誰でもできる」はウソ

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ハードル

世の中には「トラック運転手なんて誰でもできる」なんて、見下して言う人もいます。
弁護士や医師のように、その職業に就くのにものすごい勉強をして、そのためにものすごいお金をかけなければ就けない仕事もあります。トラック運転手は弁護士や医師に比べたら、就職のハードルは低いでしょう。
でも、だからと言って果たして「誰でもできる」仕事なのでしょうか。
人には向き不向きがあります。たまたま、いろいろな仕事で失敗を重ねてきた人が「トラック運転手」という、自分に向いている仕事と巡り合ったとしたら、それはとてつもない幸運です。世の中には「自分には向いていないかも」と思いながら、渋々仕事を続けている「可哀そうな人」もいるかもしれませんから。

1. 運転免許がないとできない

当然ですが、トラックを運転する仕事は運転免許がないとできません。
さらに、中型トラックなら中型運転免許、大型トラックなら大型運転免許が必要で、しかもその取得は運転する車が大きくなるにつれて難しくなっています。
最近は運転免許を取得する若者が減ってきていると言いますが、車の運転なんて、どんなに大金積まれても嫌だという人もいるのではいでしょうか。
そんな人にはもちろん、トラック運転手の仕事はできません。

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免許が必要

2. 長時間の運転が苦になる人はできない

運転免許を持っていて車の運転はできたとしても、それで仕事になるかというと、そうでもありません。
通勤と、休日のレジャーやら買い物だけに車を使う人と違い、車の運転を仕事とするトラック運転手は、1日の大半をトラックの運転に費やします。かなりの長時間、ハンドルを握ることになります。
そのため、運転が三度のメシより好きだというくらいの運転好きにはピッタリの仕事です。長時間の運転も別に苦にはならないとか、仕事と割り切ってやれば大丈夫という人にもできるでしょう。
しかし、長時間トラックを運転するくらいならゴキブリを生で食べるほうがマシといった、長時間の運転が嫌で嫌でたまらない人にはできない仕事です。ちなみに、ゴキブリを食べるのも平気な人も世の中にはいるかもしれませんが。

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ハンドルを握る

3. 長時間、1人で仕事するのが苦になる人はできない

トラック運転手は長時間トラックを運転します。基本的には、仕事中は1人です。横には上司も同僚もいません。
もちろん、昔なら無線、今ならスマホもありますので、1人きりで運転席に座っていたとしても、いつでも誰かと話すことはできます。
それでも、やはり周囲には誰もいません。1人です。在宅でのリモートワークでさえ孤立感がストレスになるという人には、とてもトラック運転手の仕事は務まらないでしょう。

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1人きり

4. 体力仕事が嫌な人はできない

トラック運転手には学歴は不要ですが、体力は必要です。
車の運転という行為ではそれほどカロリーは消費しませんが、長時間続けているとかなり疲れます。
また、荷の積み下ろしに体力を使う仕事もあります。
どんなことがあっても体力仕事は無理という人や、ペンより重たいものは持てないという人にはできない仕事です。

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ペンは持てるけど

5. 責任感がない人はできない

トラック運転手の仕事は荷を安全に、確実に運ぶことです。
「安全に」なので、荷崩れなどで荷を傷めないよう、ていねいでおだやかな運転をしなければなりません。当然、交通ルールを守って安全運転に徹しなければいけません。
荷を届ける時間も決められているので、その時間を守ろうとする強い意志も求められます。
そうしてトラック運転手は荷を運ぶことで物流を担い、人々の生活や経済を支えます。
そのために自らの責任を果たし、仕事をやり遂げることができる人間でなければできないのが、トラック運転手の仕事なのです。

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時間厳守

6. 怒りの沸点が低い人にはできない

トラック運転手は仕事の大半がトラックを運転することです。ですから、交通安全を徹底的に守り抜かなければいけません。
そのためには、どんな状況でも冷静な判断をしなければいけません。間違っても、あおり運転や危険運転はしてはならないのです。
ちょっとしたことでキレて、あおり運転や危険運転をしてしまう人には務まりません。

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怒りの沸点の低い人

7. タフでないとできない

トラック運転手の仕事は体力仕事です。タフでなければできません。
孤立感、不十分な法整備、交通事故リスクへの恐怖、荷主からの不当な扱い、世間の冷たい視線や差別意識に耐えることも、体力を消費するより過酷だったりします。
精神的なタフさも必要になるのです。

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タフそう

8. 自己管理ができないとできない

トラック運転手は基本的に仕事は1人で行います。一方、トラック運転手にはやってはいけないNG行為がいろいろあります。
荷を届ける時間は厳守ですし、当然、居眠り運転やスマホのながら運転、飲酒運転、あおり運転などの危険運転は厳禁です。こうしたNG行為をしてしまわないよう、きちんと自己管理しなければいけません。
今は運行状況などを自動的に記録するデジタコの搭載も普及していて、1人で運転席にいるとしてもその行動は会社によって管理されていると言えなくもないです。ですが、それでもやはり、すぐそばに上司や同僚がいるわけではないので、自己管理能力が求められます。
安全運転のためには、職場外での食事、睡眠などの健康管理も必要です。
私生活も含めて自己管理できない人に、安全が強く求められるトラック運転手の仕事は難しいでしょう。

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栄養バランスの取れた食事が大切

最後に

人には向き不向きがあります。トラック運転手の仕事が向いている人には、トラック運転手の仕事はまさに天職だと言えるでしょう。
でも、向いていない人も「好きこそものの上手なれ」の言葉があるように、理屈抜きにトラック運転手の仕事が好きで、どうしてもトラック運転手の仕事がしたいという強い意志があれば、性格や性質的には不向きでも、続けているうちにだんだん慣れていくかもしれません。

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「好き!」

トラックドライバーの謎

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UFO


残念ながら、世の中にはまだ解明されていないが溢れています。
UFOやUMAの正体、バミューダ魔の三角地帯、切り裂きジャック事件やケネディ大統領暗殺事件の真相など、今もハッキリした答えは出ていません。それに、なぜ海水は塩水なのでしょうか、なぜ郵便ポストは赤いのでしょうか…。


1. ノロノロ運転

せっかく高速道路を走っているのに、目の前のトラックがやけにノロノロ走っていてイライラしたことがあるなんて人もいるのではないでしょうか。
多くの人が「やはり車体が大きくて重いからスピードが出ないんだ」とか「載せている荷が重くてスピードが出ないんだ」と思ってしまいますが、実はトラックは法律で制限速度が時速80kmと決まっている上、速度抑制装置も付けられていて、実際に時速90km以上出せないようになっているのです。「じゃあ、高速なんか走るなよ」と思う人もいるかもしれませんが、時速80kmでも十分速く、一般道ではなかなか出せない速度なので、1分を争う仕事をしているトラックドライバーにとっては高速道路を使えるものなら使いたいわけです。
それにトラックドライバーは荷を安全に運ばなければいけないので、むやみに加速もできず、どうしてもノロノロ運転しているように見えてしまうのです。
ですから、トラックが少しくらいノロノロ運転しているように見えても「かまへん、かまへん」度量の広いところを見せましょう。

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ゆっくり進む

2. 車間距離を空け過ぎ

トラックは前方を走る車との間の距離を、かなり大きく空けていることがあります。もっと詰めてくれれば、こちらももっと先へ進めるのに、と考えてしまうとイライラしてきます。
だからと言って、その空いているところに急に割り込むのはやめましょう。危険が危ないです。また、多少車間距離を空け過ぎていても「かまへん、かまへん」と、それを許容できる度量の広さを見せつけちゃってください。
トラックには荷を積んでいるので、荷を積んでいないときより重くなります。すると、ブレーキをかけてからしっかり停まるまでの距離が長くなります。つまり、トラックの前の車が急ブレーキをかけた場合、トラックドライバーが慌ててブレーキを踏んだとしても、しっかり停まるまでの距離が長いため、前方の車にぶつけてしまう可能性が高くなるわけです。
そもそもトラックは急ブレーキを嫌います。荷崩れを起こさないためです。ですから、前方の車が急ブレーキをかけても慌てずに対応できるよう、あらかじめ車間距離を空けておくのです。

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車間距離には注意を

3. 車間距離を詰め過ぎ

その一方、後方のトラックがやけに車間距離を詰めてくるなあ、と感じることもあります。トラックは車体が大きいだけに威圧感があり、そんなトラックが後方から迫ってくると焦ってしまいます。
日本のトラックはキャブオーバーと言って、エンジンの上に運転席があるタイプが多く、運転席から前方の視界を遮るものがありません。そのため、前方の車にもつい近づき過ぎてしまうのです。つまり、近づいてしまっても、目の前にはある程度、距離が空いているように見えるので、安心して近づいてしまうわけです。
ただ、今は後方から普通に接近しても相手に威圧感を与えてしまうと「あおられている」誤解されてしまう危険もあるので、むやみに車間距離を詰めるトラックドライバーも激減しているはずです。

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キャブオーバー

4. どこで寝るのか

トラックドライバーの仕事の中でも長距離の仕事では、2~3日、長いと1週間くらいは家に帰れません。それではその間、トラックドライバーはどこで寝ているのでしょう?
多くのトラックドライバーが運転席の後ろにある寝台で寝ています。長距離の仕事に使われるのは大型トラックが多く、その大型トラックの多くには寝台が付いているわけです。
トラックドライバーのなり手が減ってきている現状を考えると、トラックドライバーが仕事先で睡眠を取るとき、高級ホテルに宿泊できるくらい、労働環境を改善すると、なり手が激増するのではないかと妄想しますが。

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ホテルに宿泊

5. 腰が痛くなる

トラックドライバーの職業病として挙げられるのが腰痛です。長時間、運転席で同じ姿勢で座り続けることが原因の1つになっています。また、荷の積み下ろしをトラックドライバーが手作業で行う場合も、荷を持つと腰に負担がかかるため、腰痛になりやすくなるとも言われています。
長時間、同じ姿勢で座りっ放しでいると、筋肉が緊張しっ放しになって血流も悪くなり、腰が痛くなるようです。同じように肩こりにもなりがちです。
対策としては、体型に合ったクッションを使ったり、休憩時になるべくストレッチを行って血流をよくすることが推奨されています。

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ストレッチ

6. 力仕事じゃないのに疲れる

トラックドライバーの仕事は体力仕事だと言われています。
しかし、実際には「車の運転」ではあまりカロリーを消費しないとも言われています。つまり、ハンドル操作、アクセル操作などではあまり筋力を使わないわけです。
それでも、トラックドライバーの仕事は疲労の原因になります。それは、何も筋力を使うからではないのです。
車の運転という行為では、常に安全運転に気持ちを集中させます。周囲の状況を確認し、交通標識も確認し、信号も確認し、車の流れも注意します。しかもトラックドライバーの場合、荷の安全も考え、急ブレーキや急なハンドル操作もしないように注意します。
そりゃ疲れます。

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安全運転に集中

7. エンジンつけっぱで休憩

コンビニなどの駐車場で、エンジンをつけたまま運転席で仮眠を取っているトラックドライバーを見掛けることがあります。エンジンをつけたままだと、エンジン音もありますし、排気ガスを出し続けるので「迷惑」「邪魔」と、つい思ってしまいます。
ただ、真夏や真冬の場合、エアコンを使うためにやむなくエンジンをつけっぱにしてあるという事情も、トラックドライバー側にはあります。
また、要冷蔵や要冷凍の品を運ぶ冷蔵冷凍車の中には、庫内の温度調節のためにエンジンを切ることができないものもあります。エンジンを切ってしまうと、それに連動している冷却装置が止まってしまうわけです。
これも「かまへん、かまへん」度量の広いところを見せましょう。「なんで俺だけが度量の広いところを見せなきゃならんのだ」と怒る、度量の狭い人もいるかもしれません。しかし、そもそも世の中は不公平なものですし、ここで度量の広さを見せていると、きっと来世で良いことが待っている、はずです。

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エンジン

8. 過酷なのに続ける

トラックドライバーは腰痛肩こりに悩まされたり、何日もゆっくり布団で眠ることができない日が続いたり、過酷なことがいろいろあります。それでも、多くのトラックドライバーが今日もいろいろな多くの荷を載せてトラックを走らせています。
理由は人それぞれでしょう。「稼げるから」「自分に合っているから」「やりがい」「何となく」「好きだから」といったことかもしれません。
今日も、運ぶ荷がある限り、トラックドライバーは荷を運びます。

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たくさん稼げる

トラックドライバーの不思議

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芝生

「他人の芝生は青く見える」なんて言うことわざがあります。「自分にはないけど、他人が持っているものはよく見えてしまう」といった意味です。
「うらやましい」というねたむ気持ちでしょうか。ただ、そうやってうらやんでも、実際に手に入れてみると、それほど自分にとって良いものでもなかったりします。
やはり厄介なのは「ねたみ」「やっかみ」です。
本当に自分が欲しかったものなのか分からないのは、想像力が足りないからかもしれません。人はなかなか「他人の立場」を察することができません。
違う職業、例えばトラックドライバーの人たちがなぜ、あういう行動を取るのかも「不思議」だと感じてしまいます。

1. なぜ路上駐車するのか

まだ薄暗い明け方近くから、比較的工場などに近い産業道路で、トラックが長い行列をつくって路上駐車していることがあります。住宅街でも同様の光景が見られることがあります。
そんな光景を見て「やはりトラックドライバーなんてのはマナーを守らない荒くれ者ばかりなのだ」と思ってしまう人は多いでしょう。
決して路上駐車を擁護するつもりはありませんが、ただ、トラックドライバーにも路上駐車したくないのにせざるを得ない、やむにやまれぬ事情があるのです。
トラックドライバーは荷の届け先に遅く到着することが許されないだけではなく、早く着くこともできません。また、例え時間ピッタリに着いても、自分のトラックより前に着いたトラックが荷を下ろし終わらなければ、待機していないといけないのです。しかも、届け先の会社などの敷地内には待機場所がなく「敷地外の近くで待っていて」と言われてしまいます。
そのため、仕方なく路上駐車するしかないのです。
「あんなところで路上駐車して邪魔だ」と怒る気持ちも分かります。しかし、その怒りはトラックドライバーではなく、トラックドライバーに路上駐車を強いる企業や、そうした環境を改善しようとしない行政に向けましょう。

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路駐

2. なぜ荒くれ者と思われるのか

トラックドライバーは「ルールやマナーを守らない荒くれ者」というマイナスイメージで見られがちです。
路上駐車しているトラックを見ると、どうしても「ルールやマナーを無視する」と思ってしまうのかもしれません。
もしかしたら昭和の名作映画「トラック野郎」シリーズのイメージがいまだに残っているとも考えられます。主人公はダボシャツ、腹巻の典型的なチンピラスタイルでしたから。
また、ほとんどのトラックドライバーが真面目で紳士的なのですが、ごくごく一部、どんな職業の中にも一定数存在する、ルールやマナーを無視する荒くれ者を見てしまった人が、その印象を広めてしまっているのかもしれません。

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荒くれ者?

3. なぜ深夜に走るのか

深夜の国道を走るトラックは多いです。
国道のような主要道路は、昼間は渋滞になりがちですから、荷を届ける時間を厳守しなければならないトラックドライバーは、渋滞を避けるために深夜、トラックを走らせることが多くなります。
また、早朝に届けてほしい、例えばスーパーに並べる生鮮食品などは、早朝に間に合うように深夜、荷を運ぶことになります。

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夜のトラック

4. なぜ国道に多いのか

国道など、主要道路ではトラックをよく見ます。
主要道路沿いには大型店舗や商業施設が多いので、そこに荷を運ぶトラックも多くなります。
また、主要道路は各市、各県をつないでいるので、そうしたところに荷を運ぶ中距離、長距離のトラックも多くなります。工業団地を結ぶ主要道路も、工場に荷を運ぶトラックが多く利用します。

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幹線道路

5. なぜ人手不足なのか

トラックドライバーはこのところ人手不足になっています。
原因の1つには少子高齢化があります。少子高齢化によって若い人が少なくなっているので、人手不足はあらゆる業界で起こっているわけです。
さらに、少なくなった若い人は「なるべく楽してたくさん稼げる仕事」を目指すので、イメージとして「キツイ仕事」と思われがちなトラックドライバー、タクシードライバー、建設業界、製造業界、小売業界などは、内情をよく知りもしない若者たちがなかなか集まりにくくなっているのです。

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建築業界

6. なぜ仕事がキツイのか

トラックドライバーの仕事は「長時間労働で過酷」と言われがちです。
実際は、何を過酷と思うかどうか、個人差もあるので一概に「過酷」「キツイ」と決めつけることはできないのが現実です。
ただ、確かに「キツイ」と思われる要素もあります。例えば長距離の仕事では、一旦会社を出ると2~3日、長いと1週間は戻れないこともあります。その間はトラック車内で寝泊まりすることになります。
毎日家に帰って眠りたいと考える人にとっては、かなり「キツイ」と言えるでしょう。
また、長距離の仕事ではなくても、運転席に座ってトラックを運転している時間が長いことに変わりはありません。トラックに限らず車の運転を苦痛に感じる人には…、いえ、そもそもそういう人はトラックドライバーにはならないでしょうね。
車の運転が好きだという人でも、長時間運転席で同じ姿勢で過ごすことで、腰痛肩こりになりやすくなってしまいます。これまた「キツイ」です。

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運転

7. なぜエンジンを切らないのか

トラックの路上駐車を見掛けた人が「路上駐車はまだ良いとして、せめてエンジンくらいは切ってほしい」なんて思うことがあります。
しかし、夏なら冷房、冬なら暖房をかけないと、トラックドライバーも健康を損ねるばかりか、最悪に関わります。多くの車のエアコンはエンジンと連動しているので、エンジンを切るわけにはいかないわけです。
また、冷凍車冷蔵車の場合もエンジンと冷凍機能、冷蔵機能が連動しているものがあり、荷を守るためにはエンジンを切ることができません。

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冷凍食品

8. なぜ昔より収入が減ったのか

トラックドライバーの平均年収は約450万円だそうです。日本人全体の平均年収とほぼ同じくらいのようです。
しかし、昭和の昔を知るトラックドライバーはたいてい「昔はもっと良かった」と言うそうです。年収1000万円も珍しくなかったとか。
日本全体で貧困化が進んでいるという人もいますし、トラックドライバーの収入が減ったことにも諸説あります。
例えば、昔はコンプライアンス無視でトラックドライバーも無理な仕事をこなし、収入を増やしていたが、今は労働環境の改善が進み、ホワイトな企業が増えたため、法令内で仕事をすることになって収入が伸びなくなった、なんて言う人もいます。
また、1990年に法改正があり、トラック輸送の業界への参入が容易になって業者が増えたため、価格競争が起こって輸送費が激減し、トラックドライバーの人件費も減ることになったという説もあります。もしそうなら、これは明らかに政治家の失策だと言えるでしょう。

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以前は今よりたくさん稼げた

9. なぜ転職するのか

仕事が「キツイ」と思われがちで、収入も「減って昔ほど稼げなくなった」と言われるトラックドライバーですが、そのトラックドライバーに転職する人はまだまだいます。
トラックドライバーが人手不足に陥っていることで就職のハードルが下がり、年齢や職歴、それにもちろん学歴にも関係なく、トラックドライバーになりやすくなったため、とも言われています。
また、「仕事は基本的に1人で気楽」「昔ほどではないにしろ、やればやっただけ稼げる歩合制」といったメリットに気付いた人が、トラックドライバーへの転職を考えるからかもしれません。

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「気付いたぜ」