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タクシードライバーが「人生捨てたもんじゃない」と思う瞬間(とき)

ヤレヤレ

人生には楽しいこともあれば苦しいこともあるっていうのは、終わっちゃったけどテレビ時代劇「水戸黄門」主題歌の歌詞にあった言葉です。
ただ、誰もが「楽しいこともあるけど、どちらかというと苦しいことのほうが多いんじゃね」なんて思っています。それでついつい「おしゃべりしているだけでお金がもらえ、美男美女と知り合えて毎日楽しく暮らしている」(ように見える)芸能人をやっかみ、少しでも何かあると悪口雑言を浴びせまくる人が増えるわけです。そんな悪口雑言を見掛けると、思わずアメリカのテレビドラマに出てくる搭乗人物のように肩をすぼめて「ヤレヤレ」ってゼスチャーでもしたくなりますよね。

話がそれましたが、人生楽あれば苦もあります。肝心なのは、どっちにもこだわらないことではないでしょうか。気にしないことです。良いことは思い切り楽しみ、嫌なことは思い切り苦しみ、それからどちらも忘れましょう。そんな風にしていれば「人生捨てたもんじゃないかも」なんて、余裕かませるはずです。

さて、理不尽にも、ときに「底辺職」なんて悪いイメージも持たれるタクシードライバー。ネットで検索してもタクシードライバーが巻き込まれた事件や事故のニュースに高確率でヒットします。
ですが、やはり良いこともあれば悪いこともあります。
タクシードライバーは、自分で運転できない高齢者や子どもなど、多くの人の生活を支えます。ビジネスマンの仕事にも貢献します。実は社会になくてはならない職業です。
そんな尊い職業に我が身を捧げるのに、もしくは捧げるからこそ苦労もあるのが、タクシードライバーという職業かもしれません。
そんな苦労の連続の中でも、立ち止まってふと「人生捨てたもんじゃない」と思える瞬間があるはずです。ちなみに「瞬間」と書いて「とき」と読みます。じゃあ最初から「時」と書けば良いのですが、少しカッコつけてみました。

売り上げが最低だった勤務より少しでも多く稼げた

タクシードライバーの給与は歩合制であることが多いです。お客さんを乗せればそれだけ給与も上がりますし、乗せられないとそれだけ給与も下がります。
多くのタクシードライバーが日々努力を重ね、少しでも多くのお客さんを乗せようとします。しかし、努力が空回りしてしまう日もあります。ツイていないこともあります。
そんな日が続くこともあります。
それでも、ほんの少しでも、前回の勤務より売り上げが良かったら「これから上向きになっていくかも」と思えてくるはずです。

これから上向きに

乗客の愚痴がすごかった

タクシードライバーはいろいろなお客さんを乗せます。
孫を訪ねる高齢者を乗せることもあれば、取引先を訪ねる中小企業の経営者を乗せることもあります。夜明けの繁華街なら、水商売のお姉さま、オネエさま、ホストなんかも乗せるかもしれません。
それぞれのお客さんにはそれぞれの人生があります。中にはタクシードライバーを相手に愚痴を聞かせる人もいます。「ウン千万の借金を抱えて首が回らない」なんて人は、少しでも出費を減らそうと考えてタクシーには乗らないかもしれませんが、それと同様の辛酸をなめている人を乗せることはあるでしょう。
そんな人生の浮き沈みを見聞きすると、タクシードライバーとしてそこそこ稼げている自分の人生を「捨てたもんじゃない」と思えてくるに違いありません。

辛くて酸っぱいトムヤムクン

交通事故を目撃した

タクシードライバーは他のプロドライバー同様、交通事故のリスクを背負って仕事しています。もちろん、安全運転は常に心掛けますが、リスクも常にあります。
そんなタクシードライバーですから、もちろん自分が事故に巻き込まれたらそんな余裕はありませんが、他の車の事故をたまたま目撃してしまったら、確実に「自分じゃなくて良かった」と思うでしょう。ホッとして神に感謝するかもしれません。

交通事故は避けたいものです

妊婦を無事に病院に送り届けた

マタニティ・タクシーというサービスがあります。
事前に登録しておくと、陣痛時に妊婦を病院まで送ってくれるサービスです。助産婦などから講習を受けているドライバーが担当します。
しかし、そういうサービスがあることを知らず、普通にタクシーを呼んで病院に行く妊婦もいます。命の誕生に関わることができたのですから、タクシードライバーもそれは「貴重な体験」として大事にすると良いでしょう。
妊婦でなくても、病院の送迎を行うタクシードライバーは多いはずです。単なる仕事の一環としてやっていることではありましょうが、たまには「生命を運んでいる」なんて実感してみるのもオツなもの。

赤ちゃんを運ぶコウノトリさん

忘れ物を届けたら持ち主が感謝に来た

タクシーでの忘れ物は、一時的ですがそのタクシーの会社で保管します。1週間ほどすると、管轄の警察に届けられます。
また、遺失物の情報は各都道府県のタクシーセンターへ一括して送られます。
タクシードライバーは自分のタクシーで忘れ物を発見しても、後は会社に任せることになるのですが、中には、よほど大事なものだったのか、わざわざドライバーにお礼を言ってくれるお客さんもいます。滅多にありませんけど。
忘れ物が見つかったお客さんも「人生捨てたもんじゃない」と思っていることでしょう。

忘れ物注意

会社に女性ドライバーが増えた

女性のタクシードライバーが増え始めています。
とは言え、やはり男性のタクシードライバーのほうが圧倒的に多いのが現状です。しかし、圧倒的なタクシードライバーの人材不足が続く以上、女性タクシードライバーを増やしていかなければタクシー業の生き残りは難しいでしょう。
女性が「タクシードライバーに、私はなる!」と決意したとき、やはり既に女性タクシードライバーが働いている会社のほうが安心できます。女性用トイレや女性用更衣室など、女性従業員が働きやすい労働環境がどうかが、会社を選ぶときに重要だからです。
逆に言えば、これから女性タクシードライバーを増やそうと考える、将来を見据えた経営者は女性が働きやすい労働環境を整えようとします。その経営者は「従業員の働きやすさ」を考える経営者だと言えます。
自分が勤めるタクシー会社に女性ドライバーが増えたということは、経営者が従業員のことを考えて労働環境を改善する、将来性のある会社である証拠になります。

女性の新入社員

20代の若手新入社員が入った

多くの業界が人手不足になり、タクシー業界も高齢化が進んでいます。
たまに新入社員が入っても40代や50代以上の中高年、さらには高齢者だったりします。いやがうえにも「少子高齢化」の文字が頭に浮かび、暗い気持ちにもなります。
そんな会社に20代の若者が飛び込んで来た日にゃ「日本の夜明けは近い」気分にもなろうってもんです。
思わず、同じように20代のころ、希望にあふれて働き始めた若き日の自分も甦るかもしれません。「まだまだ若いヤツには負けやせん」とまで思えたら言うことありません。

若い新入社員

自殺や犯罪を防いだ

タクシードライバーをネット検索すると、事故や事件に遭ったなんてニュースが出てきます。何だか嫌な気分にもなります。
でも、たまに「自殺を思いとどまらせたタクシードライバー」「詐欺を未然に防いだタクシードライバー」などのニュースにもお目にかかります。
自分がそんなことをやったなら鼻高々になるかもしれませんが、自分じゃなくて他のタクシードライバーがやったことにしろ、何か良い気分がします。誇らしく思ったりします。

表彰される

散々な1日だったけど、とりあえず終わった

明石家さんまさんの娘さんの名前「いまる」は「生きているだけで丸儲け」から来ていると、聞いたことがあります。
これはタクシードライバーに限らず、誰にでも当てはまる言葉です。
誰だってツイてない日はあります。
タクシーの乗客はこれまでで最低の少なさで、今日は売り上げも期待できません。しかも、ようやくお客さんを乗せたのに、慣れているはずの道を間違え、お客さんを怒らせる始末。さらに、深夜の繁華街で乗せた酔客が車内で吐き、その後始末に時間を取られて売り上げを巻き返すこともできません。苦い顔で会社に戻ると、難癖としか思えない自分宛のクレームが会社に来ていて営業所長に注意されます。せめて家に帰ったら熱いお風呂でさっぱりしようと思っていたのに、なぜか給湯装置が故障。もう散々です。
でも、とりあえず勤務は終わりました。それだけ散々なことがあったのに、です。これはもう逆に「ラッキーだった」と言えるのかもしれません。ものは考えようです。

ラッキー!