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タクシー運転手という仕事が過酷な理由10選

タクシー運転手の人手不足が続いています。確かにタクシー運転手の平均年収は300万円台で、決して高額とは言えません。ただし、タクシー運転手の給料は歩合制が基本になっていて、稼いでいる人は年収1000万円以上を得ていると言います。たくさんのお客様を獲得できるようになれば、月収50万円~月収70万円の給与を得ることもでき、しかも勤務形態によっては毎月の休日も18日くらいになります。
「世にもおいしい仕事」と思える要素も多く、人手不足と言いながら、人気職業にもなりつつあります。特に東京近郊では、来年の東京オリンピックで見物客が東京に押し寄せ、タクシー需要が高まり、タクシー運転手はガッポガッポと儲かるに違いないだの、東京オリンピック招致を成功させた日本の「おもてなし精神」を体現するタクシー運転手は素敵な仕事に違いないだのといった、タクシー運転手という仕事へのポジティブな評価も高まっているようです。
だからこそあえて、タクシー運転手という仕事の過酷な面を紹介します。「物事にはすべて2面性がある」というのが世のならい。タクシー運転手には「おいしい要素」もたくさんありますが、過酷な要素もそれなりにあります。いざタクシー運転手になって「こんなはずじゃなかった」なんて後悔しないために、あらかじめタクシー運転手という仕事の過酷な面を知っておくのも、結構良いことではないでしょうか。

1. 世間から「タクシー運転手は底辺の仕事」と思われている
タクシー運転手は近年、人気職業にもなりつつありますが、その一方でなかなかイメージが良くない仕事でもあります。中には「タクシー運転手は、他にできる仕事のないヤツが就く、底辺の仕事」だなんて言いふらす不埒な輩も実在します。タクシー運転手は自動車が運転できれば、基本的には誰でもできる仕事であり、底知れない財力と学力が必要な医師だの、ほとばしるほどの勉強への意欲が試される弁護士だの、類まれなる美貌が必要なモデルだのとは違います。また、タクシーに乗って、割りと近くの行き先を告げると舌打ちするような、不埒なタクシー運転手もいますし、道に迷ったり、高速道路で出口を通り過ぎたり、イライラさせてくれるタクシー運転手がたまにはいます。人間は認識能力の低い生き物なので、1部の例から全体を判断します。警官は全員容疑者を脅して自白を強要すると思われていますし、すべての芸能人はヤクをやって暴力団と付き合いがあると思われていますし、政治家と言ったらイコール汚職も不倫も当たり前と思われています。教師は1人残らず組織を守るためにいじめの実態を隠蔽すると思われています。タクシー運転手も例外ではなく、誰でもなれるし、ろくでもないヤツばかりと思われています。人間の認識なんてそんなものです。しかし、あなただけは、多くの警官が真剣に治安を守ろうと努め、多くの芸能人が真面目に芸事の精進に努め、多くの政治家が寝る間も惜しんで国家の発展に取り組み、多くの教師が熱心に教育に取り組んでいることを知っているはずです。タクシー運転手の悪いイメージも、気にしないに限ります。

2. 20時間労働が当たり前
タクシー運転手には隔日勤務という、なかなか他にはない、特殊な勤務形態があります。隔日勤務とは、朝から翌日の深夜までほぼ1日近く勤務し、そこから丸1日休むという勤務です。これを月に12日間くらいこなし、後の18日間くらいが休みになります。朝から翌日の深夜までの勤務時間は20時間以上になります。そのため「タクシー運転手という仕事はやたらと勤務時間が長い」と言われています。事実です。ただし、それだけではありません。長時間勤務がイヤなら、隔日勤務という勤務形態を選ばなければいいのです。普通の昼勤務を選択すればいいのです。しかし、タクシー運転手としてガッツリ稼ぎたいのであれば、やはりこの隔日勤務のほうが確実です。タクシーの利用が増えるのは、終電後の深夜帯ですから、タクシー運転手にとって一番の稼ぎどきを得るには、深夜勤務は欠かせません。ちなみに、この深夜勤務のみを選択することもできます。また、20時間以上の勤務と言っても、休憩することもできます。勤務時間の中で3時間は休憩を自由にとって良い会社が多いようです。また、上記のように、月で考えると18日くらいが休日になるので、プライベートをかなり充実させることができます。20時間以上勤務は過酷かもしれませんが、休憩も休日もちゃんと取れるので、慣れれば何でもない、というタクシー運転手が多いそうです。

3. 歩合制
タクシー運転手の給料は歩合制が多いです。その内容は、乗客が支払う乗車賃の5割から6割がタクシー運転手の取り分というものです。当然、乗客の支払う乗車賃が多ければ多いほど、タクシー運転手の給料は多くなります。つまり、なるべくお客を乗せたくない、なるべくなまけたいと思っている人にとっては、1日タクシーを運転しているのに、恐ろしく低い給料しかもらえないので、過酷だ、という結論に達してしまいます。「タクシー運転手は誰でもたくさん稼げる、気楽な仕事じゃないじゃん」と、不満を言うことになります。タクシー運転手は確かに誰でもなれますが、たくさん稼ぐには相当の努力が必要です。勘違いしてはいけません。スーパーのレジ打ちは、なまけ者も真剣に努力する人も時給計算で同じ給料になるかもしれませんが、歩合制の営業職やタクシー運転手はそういうわけにはいきません。バラエティ番組で愚にもつかないコメントをしゃべっているだけで大金を稼いでいると思われがちな芸能人も、裏では芸能界で生き残るための涙ぐましい努力をしています。タクシー運転手も似たようなものです。そして、タクシー運転手が地道な努力の積み重ねと工夫で、たくさん稼げる仕事だというのも事実です。年収1000万円以上を得ている人もいると言います。歩合制はタクシー運転手という仕事を過酷にしている要因かもしれませんが、同時に「おいしい仕事」にしている要因でもあるのです。

4. 不確定要素が多い
タクシー運転手は、乗客をなるべく迅速に、かつ安全に、かつ快適に目的地まで運ぶのが仕事です。しかし、乗客のタイプ、天気、道路状況などによって、その仕事を遂行する難易度が違ってきます。そのときそのときの状況に応じて、臨機応変に対応しなければなりません。そういう対応をするためのアドリブ力、機知というものを駆使する必要があります。それができない人にとっては、タクシー運転手の仕事は過酷と思えるでしょう。しかし、そうした対応には「慣れ」もあります。経験値を増やしていけば、いろいろな状況に対応できるタクシー運転手になれるはずです。

5. 接客が大変
乗客にはいろいろな人がいます。大企業の重役、田舎から出てきた高齢者、酔っぱらったサラリーマン、自国の製品を売り込みにきた外国人、観光客、水商売のお姉様、身体障がい者、芸能人と、あらゆる人たちが乗客になる可能性があります。こうした、さまざまな層の乗客を「快適に」目的地まで運ぶのがタクシー運転手です。それが「タクシー運転手は接客業」と言われるゆえんです。若い美女だけ快適に運び、高齢者や外国人はぞんざいに扱う、なんてことは許されません。どんな人でも、差別も偏見もなしに「快適に」運ばなければいけません。これがなかなか難しいのです。タクシー運転手とたくさんしゃべりたい人もいれば、なるべく会話したくない、「放っておいて」という人もいるでしょう。静かに過ごしたい人にタクシー運転手がベラベラ話しかけ続けると、乗客は快適に過ごすことができません。タクシー運転手は、そういうことに細かく神経を使わなければいけないので、それが面倒だと思う人にとっては過酷な仕事となります。しかし、この接客こそタクシー運転手という仕事の肝でもあります。乗客を快適に目的地まで届け、しかも「この運転手さんは運転もていねいだし、雰囲気も良くて、目的地までとても心地良く過ごすことができたなあ。次にタクシーを利用するときも、できればこの運転手さんにお願いしたい」と乗客に思われれば、その人は常連さん、お得意様になってくれるかもしれません。そんなお得意様がたくさんできれば、かなりな給料を得ることができます。また、乗客がタクシー運転手の仕事振りに感銘を受ければ、チップをくれるかもしれません。接客業に大きなやりがいを感じる人にとって、タクシー運転手は天職になるでしょう。

6. 乗客から見下される
世間の中には「タクシー運転手は底辺の仕事」と思っている人もいます。そんな人はタクシー運転手を明らかに見下しています。明らかに見下した態度で接してきます。スナックのママさんもいろいろなお客を相手にします。お客の中には、見るからに偉そうな態度の人もいます。スナックのママさんは、そんな偉そうな態度のお客にも機嫌よくお酒を飲んでもらうように努めます。タクシー運転手も同じようなものです。上記のように、タクシー運転手の仕事は接客業ですから。乗客が偉そうな態度でも、決して不快感をあらわにしてはいけません。そりゃ初めて会った他人にいきなり偉そうにされれば、理不尽に思うのが人情というもの。しかし、そんな気持ちをぐっと堪えなければいけません。もちろん、相手が暴力を行使してきたら法的対応も考慮すべきですが、それでなければ我慢しましょう。むしろ、そんな相手もうまくおだてて気分よくすれば、チップでもくれるかもしれません。

7. 酔客にからまれる
タクシー運転手を見下してくる乗客も、タクシー運転手にとっては厄介ですが、酔ってからんでくる乗客も相当厄介です。酔った勢いでワケの分からないことをのべつまくなししゃべりかけてくるだけなら、まだマシです。目的地まで正しいルートを走っているのに「道が違うぞ、コラ」なんて言いがかりをつけてきたり、ただ運転しているだけなのに「タクシー運転手のくせに偉そうなんだよ」と難くせをつけてきたり、「タクシー運転手のくせに生意気だぞ」とジャイアンみたいな文句を言ったりする酔客だと、へきえきとしますが、まだマシです。他にも、酔って女性とイチャイチャしたはずみで運転席を蹴っ飛ばしてきたり、運転手を口説いてきたりするとなかなか最悪ですが、まだマシです。しかし、車内で吐いたり、車内で眠ってしまって目的地に着いても起きてくれない酔客。これは始末に負えません。こんな酔客の相手をするタクシー運転手という仕事は、なるほど過酷です。しかし、これを避けることもできます。こうした酔客に遭遇しないためには、酔客が多い夜の繁華街を避ければ良いのです。酔客が乗ってくる可能性は低くなります。ただ、すべての酔客がからんでくるわけではありません。また、夜の繁華街は飲んで終電を逃した人が多いので、タクシー運転手としては稼ぎ場所の稼ぎどきです。それに、酔って気分の良くなった乗客は、チップを弾んでくれるかもしれません。

8. 出世がない
タクシー運転手はすべてが平社員です。何年勤めても基本的には課長、部長といった昇進はありません。仕事のやりがいを出世に求めている人には向かない仕事です。しかし「俺には肩書は要らない。肩書なんて窮屈なだけさっ、ふふふ」なんてうそぶく、ハードボイルドなアウトローには最適な仕事です。

9. おしゃれできない
多くのタクシー会社では、タクシー運転手の服装が決められています。中には制服の着用を義務付けているところもあります。タクシー運転手の制服と言えば、帽子、ネクタイ、ベスト、白手袋、革靴といったスタイルです。「あんなダザイ格好はゴメンだ」という人には向かない仕事です。しかし、毎日決まった服装なので、あれこれ悩まなくて楽と考える人や、タクシー運転手の制服をカッコ良いと思うファッション上級者、または「俺は見た目なんて気にしないさっ、ふふふ」とうそぶくフィルムノワール風味のミステリアスな人には最適な仕事です。

10. 仕事内容は毎日同じことの繰り返し
タクシー運転手は乗客をなるべく迅速に、かつ安全に、かつ快適に目的地まで運ぶのが仕事です。言ってみれば、この繰り返しによって給料を稼ぎます。乗せる、運ぶ、降ろす、乗せる、運ぶ、降ろす、乗せる、運ぶ、降ろすの繰り返しを毎日繰り返します。今日は乗せる、運ぶ、降ろすの繰り返しですが、次の勤務では開かずの金庫を30年振りに開けてみせる、なんてことはありません。もちろん、乗客は1人1人、皆違う人たちですし、目的地もそれに応じて違う場所です。とはいえ、大まかには、乗せるのは皆人間ですし、目的地も「南極まで」なんてことはまずないです。これが例えば、大きなプロジェクトを動かす商社マンなら、何か月もかけてプロジェクトを進める場合、今日は事務所で企画を書き、次の日は現場に調査に行き、また別の日は取り引き先で打ち合わせをすると、日によってやることは違ってきます。毎日毎日同じことの繰り返しに耐えられない人にとっては、タクシー運転手の仕事は過酷なものとなります。しかし、毎日毎日同じことをするにも、それを繰り返しと思わず、積み重ねと思う、職人気質の人にとっては、タクシー運転手ほどやりがいある仕事はそうなかなかないかもしれません。

終わりに
タクシー運転手の仕事には過酷な面もあります。しかし「しかし」と言える面もあります。物事を一方からだけで見ないで、いろいろな面から見ると、人生に対する視野も広がっていくはずです。