トラックマン

トラック専門サイト

タクシードライバーの事件簿

f:id:truck_sa:20200228144725j:plain
事件

「タクシー」で検索すると、事故の記事が出てくることもありますが、事件の記事も出てきます。タクシー運転手の仕事は、車の運転をずっとするので事故に遭ったり、事故を起こす可能性も、あまり車に乗らない人よりは当然高くなるのですが、加えて事件に遭遇することもあるわけです。
タクシー運転手が巻き込まれる事件と言えば、一番怖いのはやはり「タクシー強盗」です。
今さら説明するまでもないかもしれませんが、一応説明しておくと、タクシーを利用したいと言ってお客として乗って来た人が、後部座席から運転手に刃物などを突き付けて金品を要求するのが、タクシー強盗です。
タクシーは、タクシーという密室の中で運転手と1対1になり、しかも運転手が簡単に後ろ向きに体の向きを変えられず、つまり簡単に反撃できない位置関係で、また、タクシー車内には売上金として確実に現金があることも、タクシー強盗が起きてしまう原因になっています。


f:id:truckman:20190709135527p:plain

タクシー強盗の多い時間帯

タクシー強盗が多く起こる時間帯は、やはり深夜です。深夜であれば、外出している人が少なく、目撃者に出くわす可能性が低くなるからかもしれません。
それとも、人が「魔」に魅入られてしまうのでしょうか。
また、タクシー強盗犯は、最初はタクシーの利用客を装うので、タクシーを自分の言う通りの時間と場所に移動させることができます。
つまり、繁華街でお客さんとして乗った後、ひと気のない場所に移動させて襲うことができるわけです。強盗の都合の良い犯行場所、犯行時間を選びやすいと言えます。

f:id:truck_sa:20200228145135j:plain
事件は深夜に起こりがち

タクシー強盗の多い地域

やはり都会のほうが多いようです。他の犯罪と同じく、人が集まるので犯罪者も集まりやすいのかもしれません。ただ、地方でもゼロというわけではありません。
それでも、タクシー強盗などの犯罪への対策もさまざまな編み出されているので「ネットでタクシーのニュースを検索すると事件の記事が上がる」なんて書いておいて何ですが、実際にタクシー強盗に遭遇するなんて、滅多にあることではありません。

f:id:truck_sa:20200228145349j:plain
事件は都会で起こりがち

タクシー強盗以外の事件

タクシーで起こる事件はタクシー強盗だけではありません。
例えば暴行事件なんかもあります。タクシー運転手がお客から殴られたり、けられたりするわけです。強盗事件は、犯人が強盗しようと思って乗って来ることが多いと思われます。恐らく、タクシーに乗っていて突然「強盗しよう」と思う人は少ないでしょう。
しかし、暴行事件の場合、悪酔いしたような人が思わず手や足を出してしまうことがあります。
また「酔って思わず」の場合、タクシー運転手の被害が小さくて事件にならずに終わっていることもあるかもしれません。
タクシー運転手の仕事は接客業でもあり、ほとんどのタクシー運転手はお客さんにていねいに接します。これを良いことに、中にはタクシー運転手を見下し、その延長で暴言を吐いたり、さらには暴力を振るったりする人がいるようです。しかし、誰かを見下したり、暴言・暴力を浴びせたりしてはいけないのです。

f:id:truck_sa:20200120125900j:plain
暴力はいけません

タクシーの防犯対策

タクシーはお客さんとタクシー運転手が1対1、もしくはお客さん2人に対してタクシー運転手1人の密室空間になり、しかもどうしてもタクシー運転手がていねいな対応を見せることでお客さんが「自分のほうが上の立場」と勘違いしてしまいがちです。
そうしたことで、タクシー車内で犯罪が行われてしまう危険があるので、タクシー会社もそれぞれ防犯対策を考えています。

防犯対策 その1 ドライブレコーダー

あおり運転に対する対抗策としても注目されているドライブレコーダーですが、これが車内での事件に対しても効果を発揮しています。
タクシーの後ろなどに向けられたカメラは、もちろんあおり運転などに有効ですし、タクシー強盗などの事件があったとき、車内カメラが有力な証拠になり得ます。
それだけではなく、ステッカーなどで「防犯カメラ搭載」と車体や車内に貼っておれば、犯罪抑止にもなります。

f:id:truck_sa:20200228145656p:plain
ドライブレコーダー

防犯対策 その2 防犯パネル

運転席と後部座席を仕切る透明のパネルにも防犯効果があります。
とは言え、タクシーの防犯パネルは運転席と後部座席を完全に仕切るものではありません。隙間もあります。また、お客さんとの間に仕切りをつくりたくないという考えから、仕切りを全く設けていないタクシー会社もあったようです。
ただ、コロナ禍により、防犯ではなく、感染予防のための仕切りを設けるタクシー会社は増えています。
ですが、この防犯パネルがあったおかげで、犯罪から身を守ることができたという実例も多く報告されているそうです。

f:id:truck_sa:20200228150157p:plain
透明な仕切り

防犯対策 その3 無線・GPS

タクシー運転手が強盗などの標的にされてしまう要因は、前述しているように1対1の密室空間になりやすいからです。犯人がタクシー運転手を襲っても、タクシー運転手はすぐには外部に助けを呼びにくいのです。
逆に言うと、頻繁に外部とつながっていると示せば、それが犯罪抑止にもなります。
各タクシーはタクシー会社と無線でやり取りします。連絡を取るタイミングは会社ごとで違うかもしれませんが、お客さんを乗せて行き先が決まったとき、目的地に着いて精算したときなど、小まめに連絡するようにすれば、それで犯罪抑止にもなるかもしれません。
また、今はほとんどのタクシーにGPSが付いていて、会社ではタクシーの位置情報をつかんでいます。無線が使えて会社に連絡さえ取れれば、会社から警察に通報するなどの手段を講じることもできます。

f:id:truck_sa:20200228150513j:plain
無線を活用

防犯対策 その4 催涙スプレー・スタンガン

タクシー運転手が犯罪に巻き込まれたとき、一番危険な目に遭うのはもちろんタクシー運転手です。自己防衛の手段も何か用意しておいたほうが良いかもしれません。
ハリウッド映画にありがちな元特殊部隊とか元CIAでもなければ、通常、タクシー運転手の戦闘能力は一般人と同じように「普通」です。相手が刃物などの武器を持っている場合は特に、むやみに反撃に出ないほうが無難です。
とにかく、自分の命を守るために「逃げる」ことを優先させましょう。お金やタクシーを守るより、自分の命を守るのです。
その際、凶器などを持っている相手を一瞬ひるませるのに有効なのが、催涙スプレーやスタンガンです。入手したら、いざというときに素早く使えるようにしっかり使い方を知っておきましょう。
ただ、催涙スプレーは使用後に臭いが強く残り、その除去も大変らしいので気をつけてください。
また、タクシー会社によっては緊急時に後方に強いライトを当てることができる装備があるところもあるようです。これも相手を一瞬ひるませるのに効果的だと思われます。

f:id:truck_sa:20200228150854p:plain
スタンガン

防犯対策 その5 逃げる

くどいようですが、まずは自分の身、自分の命を守ってください。危険を感じたらとにかく逃げましょう。下手に相手と交渉したり、反撃するより、まずは逃げましょう。

f:id:truck_sa:20190613144949p:plain
逃げろ!

防犯対策 その6 SOS

タクシーには「空車」「送迎」などを表示する表示灯が付いています。
タクシーに乗りたいと思ってタクシーを探してて、近づいてくるタクシーをようやく見つけたと思ったら、よく見ると「空車」の表示がなく、しかも後部座席に人影があってガッカリした、なんて経験がある人も多いのではないでしょうか。あの表示灯です。
タクシーによっては、何かあったときにあの表示灯に「SOS」と表示させることができるものがあります。街で表示灯に「SOS」と表示させているタクシーを見掛けたら警察に通報しましょう。
また、タクシーの屋根には、タクシー会社のマークをかたどった社名表示灯が乗っています。通称「行灯」と呼ばれています。タクシー運転手は何かあったとき、この行灯を赤く点滅させることができます。これも滅多に見るものではないかもしれませんが、もし見掛けたら、やはり警察に通報しましょう。

f:id:truck_sa:20200118132915j:plain
タクシー行灯

最後に

とにかく人命最優先です。
f:id:truck_sa:20200228151949j:plain