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女性ドライバーが増えることでのデメリット

働く女性

2018年、つい数年前の厚生労働省による労働力調査では、道路貨物運送業、つまり職業ドライバー業における女性従業員の割合はわずか2.3%だったようです。どの業界でも人手不足が問題視されている中、女性ドライバーが増えれば、雇用する会社のほうにもいろいろなメリットがあるのにもったいない話です。
もったいない話ですが、世の常としてメリットがあるということはデメリットもあるのです。もしメリットしかなかったら「そんなバカな話があるものか」と大勢が考え、そのメリットを信用してくれないでしょう。
しかし、女性ドライバーが増えることにはちゃんとデメリットもあるのです。

1. 職場環境を整備しなきゃいけない

職業ドライバーの業界、すなわちトラック輸送、タクシー、バスなどのドライバーは従来「男の職業」で、ドライバーのほとんどが男性でした。
そこへ女性を増やそうというのですから、いろいろ変えなければいけません。これは結構大変です。それまで多少ブラックな職場環境で、そこで長い男性たちが「こんなもんか」と思って働いていたとしても、きちんとホワイトな職場環境に改善しなければいけません。
ブラックな企業ほど大変なわけです。

白と黒

2. 女性用の設備を設置しなきゃいけない

「男の職場」であった会社にも事務員の女性はいたかもしれないので、女性のためのトイレはあったでしょう。しかし、ドライバーとして雇用し、割合を増やしていくなら、女性用のトイレも増設する必要があります。
それだけではなく、女性用更衣室も必要ですし、化粧したり化粧を直したりできるスペースも必要になります。
それだけ設備を増やすのも、経営規模が小さい会社にはかなり大変です。お金をかけない工夫を考えなければいけませんが、工夫を考えるのも大変には違いありません。
工夫できない会社ほど大変かもしれません。

化粧

3. 正論を言われなきゃいけない

夫婦ゲンカで正論を言うのは、決まって女性です。「いや、そんなことはない! 俺のほうがいつも正しい」と言い張る男性もいるかもしれませんが、冷静に考えれば分かります。
女性はいつも正論を言います。それは職場でも同じでしょう。
男性同士の場合は相手の立場、自分の立場などをいろいろ考慮して「言わずもがな」で済ましたりもします。しかし、女性はそうはいかない、かもしれません。
そして男性は「慣例」を重視して「正論」を無視しがちです。女性が気づいた業務の改善点などを見逃さずに改善に取り組んでいけば、会社の業績が上がる可能性もあるでしょう。無視してしまえば、経営の改善も滞ってしまうことになります。
「慣例」「慣習」にこだわる、古い価値観の会社ほど大変です。

男は負かされる

4. 勤務体系を見直さなきゃいけない

昭和の昔は「寿退社」がもてはやされました。女性社員は結婚すると退職することが当たり前だったわけです。
もちろん、今も結婚を機に専業主婦となる女性はいます。人それぞれです。
しかし、結婚後も仕事を続ける女性が増えました。増えましたが、フレックス勤務を希望したり、転勤を嫌がったり、働き方を変える人はいます。
一般企業では当たり前にもなってきましたが、職業ドライバーの会社も、従業員が人生それぞれの節目に対して柔軟に勤務体系を変えられるような会社になっていく必要があります。
これも「慣例」「慣習」にこだわる、古い価値観の会社ほど大変に違いありません。

人生の節目

5. 発言に気を使わなきゃいけない

「男の職場」だった職業ドライバーの業界はいわば「男の世界」です。そこにいるのは男性だけです。
そこには男同士の軽いどつき合いやら軽い下ネタジョークが飛び交っていたかもしれません。しかし、女性従業員が増えた職場でそんなことがあると「セクハラ」と言われかねません。気軽に下ネタも言えなくなりますし、ちょっとしたスキンシップもできません。
なかなか厄介です。
ただ、「軽い下ネタ」「ちょっとしたスキンシップ」も、同性同士でも「セクハラ」となる可能性はなくはないですけどね。
どちらにしろ、昔ながらのイメージ通りの「荒くれ者集団」の会社ほど大変なのかもしれません。

どこからがセクハラ?

6. 男の世界ではなくなる

これまで自由に飛び交っていた「下ネタ」も、絆を深めたスキンシップも封じられ、会社は多様性のある場所になります。もはや「男だけの世界」ではありません。
男尊女卑を当たり前として育った世代の男性たちにとっては、とても居心地が悪くなる可能性もあります。具体的に不都合があるわけではなくても、気持ちは何だかモヤモヤするでしょう。
ただ「多様性」は職場だけの問題ではなく、あらゆるところで重要になっていくことです。若い人はどんどん「多様性」を当たり前として育っていくでしょう。
「慣習」にとらわれ、新しい価値観に対応できない男性にとってはとてもとても大変です。

多様性

7. 育児支援もしなきゃいけない

女性従業員が増えることで職場環境を整備するには、勤務体系を見直す必要もあります。その中には育児支援もあります。
日本ではいまだに「育児は女性が担うもの」というおかしな風潮が一般的になっていて、女性の社会的な活躍のためには会社に育児支援の制度を設ける必要があるとされています。
また、育児のために勤務時間が限られる女性のために、パート勤務の女性のシフトをやりくりする必要もあります。
何だかいろいろ大変です。
「男は育児を担っちゃいかんのか!」と怒り出す男性があまりいないのも不自然な気もしますが。

育児

8. いろいろ面倒くさい

女性ドライバーを増やすことでのデメリットをひと言で表現すると「面倒くさい」と言えるかもしれません。
しかし、面倒がっていて女性ドライバーを増やす努力をしなければ、業界を襲う人手不足問題はますます深刻化するばかりです。
面倒がっていては、人手不足問題だけではなく、事業展開で起こるさまざまな問題にもきちんと対応することはできません。
大変ですが、面倒がっている場合ではないのかもしれませんね。

奮闘努力が必要です