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高齢者のトラックドライバーが増えることのデメリット

高齢者

人々の生活や経済活動を支える、社会に無くてはならない仕事であるトラックドライバーは人手不足が続いています。このままでは人々の生活や経済活動が停滞する危険もあるほどの状況だそうです。

ということで「高齢者のトラックドライバーが増えることのメリット」に続く「デメリット」編です。
トラックドライバーが働く物流・運送業界以外でも建設業界、飲食業界、福祉業界など、いろいろな業界でも人手不足が続いています。人手不足は多くの場合、若い新入社員がなかなか入ってこないことで深刻化しますが、少子高齢化で若者の数が減ってきているので、むべなるかなという感じです。
若者が増えないなら高齢者をどんどん雇おうという逆転の発想で、物流・運送業界でも高齢者の積極的採用が進められています。
少子高齢化で高齢者はどんどん増えているのですが、トラックドライバー不足の解消はできていないようです。ここは社会全体が意識して、高齢者がトラックドライバーとして活躍できる環境整備に取り組まないと、問題解決にはならないのかもしれません。
ただ、高齢者のトラックドライバーが増えることでのデメリットも覚悟する必要がありそうです。


事故が増えるかもしれない

人は高齢になると、身体機能が衰えていきます。
アスリートなど、一部の人は何歳になっても身体の鍛錬を続け、高齢者になっても驚くほどの身体機能を発揮したりもしますが、やはり一部の人です。
身体機能が衰えるということは、トラックの運転中でも何かのときにとっさの判断ができなかったり、とっさの判断に体の動きが追いつかなかったりします。
この少しの動きの「遅さ」で、交通事故を起こしてしまう危険も高まります。
それだけではありません。
高齢者になると、中には急に体調が激変するような人もいます。朝、健康チェックを受けて何の異常もなかったのに、お昼ごろ、トラックの運転中に突然、意識が飛ぶなんてことも起こり得ます。普通は事前に何らかの前兆があっての体調急変が多いかもしれませんが、まれに前兆がなくて体調急変が起こることもあります。
どちらにしろ、高齢者のドライバーが増えれば、交通事故も増えてしまうかもしれません。
ただ、実際は運転歴が浅い若年層のほうが、交通事故を起こす人の割合は圧倒的に多いようです。気をつけましょう。

事故は避けたい

業界の改革が滞るかもしれない

物流・運送業界では、人手不足解消のために高齢者の積極採用とともに進めているのが女性の積極採用です。
ただ、女性トラックドライバーもそれほど大きく増えたりしていないので、取り組みとしてはなかなかうまくいっていないようです。もともとトラックドライバーは「男の仕事」だったので、そこに女性を増やすとなると職場環境の改善や整備、職場や関係会社の従業員らの意識改革が必要ということも、なかなかこの取り組みが進まない一因のようです。
圧倒的に男性が多い職場環境なので、ときにはセクハラもあったりするようです。中には女性トラックドライバーを邪険に扱ったり、軽んじたりする男性ドライバーもいるとかいないとか言います。長らく男尊女卑の価値観で生きてきた男たちの中には、優秀な女性を認めたくない、女性の社会進出が怖いという小心者がいるわけです。
高齢者の中には、それまで培ってきた価値観を変えることは難しいという人がいます。女性の社会進出だけではなく、物流・運送業界には、いろいろ改善すべき点がありますし、今後、設備の進化に合わせてシステムも進化していくはずです。
昔からのシステム、技術には伝承していくべきものもありますが、中には進化させて変えていかなければいけないものもあります。しかし、やはり高齢者には進化や変化に難色を示すだろう人もいます。そうした高齢者が増えると、業界としての進化も滞る可能性があります。
もしかしたら、女性の高齢者トラックドライバーが増えると良いかもしれません。

女性の活躍

生活習慣病が広がるかもしれない

トラックドライバーに限らず、高齢者は高血圧や糖尿病などの生活習慣病リスクが高まる傾向にあります。
そしてトラックドライバーは外食が多いために栄養バランスが偏りやすく、また、トラックの運転は疲労がたまるもののカロリー消費量が少なく、ゆえにトラックドライバーは体力仕事でありながら運動不足に陥りやすくなっています。これは生活習慣病の要因になります。
生活習慣病リスクが高い高齢者が、生活習慣病が職業病となっているトラックドライバーになると、生活習慣病が広がるかもしれません。

血圧測定

理想的な老後ではないかもしれない

本来、すべての国民が60歳を過ぎたら年金だけで悠々自適な生活を送れるような社会にするのが政治家の責任です。
もちろん、60歳を過ぎても仕事をしたい人はするべきです。それは人それぞれです。自由です。一番避けなければいけないのは「本当は悠々自適に暮らしたいのにお金がないから働くしかない」という選択です。
高齢者がトラックドライバーとしてイキイキと仕事をするのは良いことです。トラックドライバーの仕事は健康であれば、高齢者にとっても働きやすい仕事です。
だからと言って、高齢者のトラックドライバーが増えても、それが「やらないと生活できない」という理由なら、それは寂しいのではないでしょうか。

悠々自適

健康チェックが大変

高齢者は若いころに比べると身体機能が落ち、体調が悪いほうに変化することが多くなります。
中には、朝の健康チェックでは異常がなかったのに午後になって急に体調が悪化し、最悪、トラックの運転中に意識が飛ぶ、なんてこともあるかもしれません。
あってはならないことです。
些細な異常もこまめに見つけなければいけないので、健康チェックも念入りに、細かくしなければいけません。大変です。
大変ですが必要です。

健康診断

最後に

高齢者は若いモンと違って無理が利きません。若いころと比べて身体機能が衰えているからです。
ただ、今は元気な高齢者も増えています。高齢者が社会でイキイキと活躍することは良いことです。イキイキと活躍することで、さらに健康を維持することをできます。

元気な高齢者