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女性タクシードライバーの苦労10選

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タクシードライバーの平均年収は300万円台で、決して高額とは言えませんが、中には年収1000万円以上を得ている人もいるそうです。たくさんの乗客を獲得できれば、月収50万円~月収70万円も夢ではありません。
とは言え、タクシードライバーの人手不足が続いています。それを打開するため、女性タクシードライバーを増やすための取り組みも始まっています。例えば数年前から国土交通省が「女性ドライバー応援企業」認定制度を創設しています。「女性ドライバーの採用に向けた取り組みや、子育て中の女性が働き続けることのできる環境整備を行っている事業者を支援・PRすることを通じて、タクシー事業における労働力不足の解消に向けた女性の新規就労・定着を図る」のだそうです。
しかし、もともとタクシー業界は「男の世界」ウ~ン、マンダムだったわけで、そこに飛び込む女性ドライバーにはそれなりの苦労もあったりします。
ただ、女性タクシードライバーは、タクシードライバーの仕事に重要な「接客」や、運転そのものが細やかでていねいなので、多くのタクシー利用客に歓迎されています。世の中からは女性タクシードライバーの増加が望まれています。
そんな世間の要求に応える意味からも、タクシードライバーの人手不足解消という意味からも、タクシードライバーという仕事に興味のある女性には、ぜひ思い切ってタクシー業界に飛び込んでほしいものです。

そこで今回は、女性がタクシードライバーになったときに経験するかもしれない苦労をピックアップしてみました。あらかじめこんなことがあるかも、と分かっていれば、覚悟もしやすいでしょう、という親心です。参考にしてみて。


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1. 軽く見られがち

これは女性に限ったことではありませんが、世の中には「タクシードライバーは、他にできる仕事のないヤツが就く、底辺の仕事」だなんて言いふらす不埒な輩が実在します。これに「男尊女卑」というカビの生えた古臭い価値観が加わると、もはやチャック・ノリスにだって手に負えません。
そういうアホは平気でタクシードライバーに横柄な態度を取ったり、無茶を言ったり、難癖をつけたりします。
いつの世にもアホはいるものです。気にしないのが賢明です。
ただ、実際は女性タクシードライバーはまだ全体の2%くらいしかいないので、ほとんどの乗客が珍しさもあってていねいに接してくれます。女性客は同性ということで安心し、男性客は「女性には優しく接すること」を基本としています。

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偏見を持っている人もいる

2. セクハラ問題

タクシードライバーを軽く見るついでに、女性ということで図に乗ってセクハラしてくる男性客も実在します。
セクハラ発言してきたり、口説いてきたり、中には体に触ってくるようなセクハラ野郎もいるようです。
もちろん、口説いてきた相手が好みのタイプで、口説き方も真摯なものであれば、それに応えるのは自由です。ですが、そんなことは滅多にないのが現実。
セクハラしてくる乗客は酔っている確率が高いので、それを避けるには夜の繁華街に近づかないのも1つの手段です。ただ、夜の繁華街は終電を逃した人がタクシーを利用しがちなので、タクシードライバーにとって一番の稼ぎどき、稼ぎ場所でもあるので、これを避けると大きな収入を逃すことにもなるかもしれません。なかなか難しい問題です。
また、今はタクシーにもドライブレコーダー完備が当たり前になってきているので、女性ドライバーにセクハラしてくる乗客も減ってきていると言います。

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酔って絡むおじさん

3. 職場環境が整っていない

タクシー業界はもともと「男の世界」ウ~ン、マンダムだったので、営業所の女性用トイレが少なかったり、女性用更衣室や女性用シャワーがなかったりする会社がまだまだあります。
ただ、女性も採用するような会社であれば、そうした職場環境も改善されるだろうと期待できます。
それに国土交通省の「女性ドライバー応援企業」に認定されている企業であれば、女性が働きやすい職場環境が整えられているでしょう。
また、職場環境は求人でもチェックできます。就職先を選ぶときは、ドライバー専門の求人サイトでそういった細かいチェックをすることをおススメします。

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風通しが良く、働きやすい職場

4. トイレ問題

タクシードライバーは仕事中、トイレに行きたくなったらタクシーを停めて利用できるトイレを探さなければいけません。これは男性ドライバーも同じなのですが、多くのタクシードライバーはコンビニのトイレを利用します。
多くの日本人が「コンビニでトイレを利用したら、何か買い物しなければいけない」などという強迫観念にとらわれていて、欲しくもない缶ジュースを買ったりします。
まあ、それはまだマシなほうです。
男性のタクシードライバーは、コンビニがないときは公園の公衆トイレなんかも利用します。しかし、公園の公衆トイレは利用するのに大いなる勇気が必要になるレベルに汚かったりします。女性には耐えられないレベルだったりします。

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ハードルの高い公衆トイレ

5. 仕事と家庭の両立

これはタクシードライバーに限ったことではなく、すべての「働く人」の問題かも、です。もちろん女性だけの問題じゃありませんよ。
タクシードライバーにはさまざまな勤務形態があります。中でも「隔日勤務」という特殊な勤務形態は、タクシードライバーとして最も収入アップを見込めることで、多くのタクシードライバーがこれを選択しています。
それは朝から翌日の深夜までほぼ1日近く勤務し、そこから丸1日休むという勤務です。これを月に12日間くらいこなし、後の18日間くらいが休みになります。この隔日勤務をこなしながら、家事もすべてやろうとするのは、物理的に無理だったりします。
隔日勤務ではなく、毎日昼間だけ勤務することもできます。ただ、収入は隔日勤務ほどには上げられないかもしれません。
もし、家事も育児もこなしがら、多少家計の足しになればと、あまり高収入を望まないのであれば、タクシードライバーの仕事はまさに最適です。タクシードライバーの仕事はワーキングマザー向きの仕事と言えるでしょう。

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家事も大変

6. エアコン問題

女性は男性より冷え性である人が多かったりします。しかし、多くの男性客は、特に夏はタクシーに乗ったとたんにキンキンに冷えた車内でリラックスしたいと考えています。そのため、特に夏はタクシー車内をなるべく冷やしておく必要があります。これが女性タクシードライバーにとってはキツイ状況になっています。
とは言え、タクシーを利用する女性客の中には「キンキンに冷えたタクシーは苦手」という人もいます。なかなか難しい問題です。

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エアコンの効き過ぎは結構ツライ

7. 仲間が少ない

女性タクシードライバーは、タクシードライバー全体ではまだ2%くらいだと言われています。女性タクシードライバーは増えたとは言え、やはり圧倒的に少ないのが現状です。
そのため、女性タクシードライバーはなかなか女性タクシードライバー同士の横のつながりを持つことができません。勤務先に女性ドライバーがいない場合もあります。
しかし、女性タクシードライバーが増えつつあるのも事実です。数人の女性タクシードライバーを抱えている会社もありますし、女性タクシードライバー中心に雇用している会社もあります。また、タクシードライバーは自由度の高い職業なので、他社の女性タクシードライバー同士で交流しようと思えば、それも難しくはありません。

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紅一点になることも

8. 男性ほど稼げない

タクシードライバーの平均年収は300万円台と言われていますが、男女別のデータでは男性が年収300万円台となっているのに女性は年収300万円弱となっています。
ですが、タクシードライバーの給与は歩合制になっていることが多く、お客さんを乗せれば乗せただけ稼げる仕事になっていて、そこに男女差はありません。
それでもデータとして男女差があるのは、ほとんどの男性ドライバーは最も稼げる隔日勤務を選択していて、女性は育児とも両立できる勤務を選択し、勤務時間そのものに違いがあるからです。
女性でも男性と同様の勤務であれば、年収1000万円以上も可能なはずです。

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頑張れば男女格差はないはず

9. 自分なりのおしゃれができない

多くのタクシー会社では、タクシー運転手の服装が決められています。中には制服の着用を義務付けているところもあります。
タクシー運転手の制服と言えば、帽子、ネクタイ、ベスト、白手袋、革靴といったスタイルです。これをおしゃれと思うかどうかは、個人個人のセンスによるでしょう。
少なくとも「こういうかわいいファッションがしたい」といった個人的な思いはかなわないかもしれません。
もちろん、ファッションに何のこだわりのない人には問題ありません。それに、一般企業にもいかにもOL風な古臭い制服をいまだに採用している会社もありますから、あまり大きな問題ではないかもしれません。

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こんなファッションは無理

10. 運転が不得意な人もいる

「女性は車の運転が下手」という偏見を持った人がいます。運転の上手下手に男女差があるという科学的根拠はありません。ただ、「運転は好きだけどうまくはない」という女性もいます。もちろん、そういう男性もいますけど。
ただ、タクシードライバーとして仕事をするには第二種運転免許が必要になります。曲がりなりにもその免許を取得してタクシードライバーになったのであれば、それなりの自信を持って仕事しましょう。
また、自分は運転は好きだけどあまりうまくないという自覚があれば、慎重な安全運転を心掛ける優良ドライバーになれるはずです。

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運転が得意な人もいる