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女性トラックドライバーの憂鬱な現実

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トラック運転手は人手不足が続いていて、女性や高齢者の積極雇用を進めています。
ただ、高齢者は「高齢ドライバーによる交通事故」が大きな社会問題にもなっていて、一概に積極雇用を進めるってどうよという議論も出てきています。若い男性諸君、トラックドライバーになって心意気を示してくれ、と言いたいところです。

そんなわけで期待がかかるのが女性トラックドライバーです。
とは言え、長年「男社会」だったトラックドライバー業界が急に変わるわけもなく、女性トラックドライバーはなかなか増えていないようです。
それでも女性トラックドライバーは存在するのも事実です。増える可能性も確実にあります。そして大きな視点に立てば、女性トラックドライバーは増えてしかるべしであって、増えないことのメリットなんてありゃしないのです。

あえて問題提起しますが、一体、男性と女性とは根本的な身体の構造以外、そんなに大きな違いはないのではないでしょうか。女性っぽい男性もいますし、男性っぽい女性もいます。
男性らしさ、女性らしさって何なのでしょう? それは単なる幻想です。単に身体の構造が違うだけで、それによって社会性、精神性にも差異があると、思い込んでしまっているだけなんです。

女性諸君、トラックドライバーになって心意気を示しましょう。
ただ、トラックドライバーになってみると、こんな現実に直面するかもしれません。男ってのは愚かな生き物ですから。

トイレが少ない

10年前、20年前からトラックドライバーとして仕事をしていた女性の「苦労話」に必ず登場するのがトイレ問題です。
「昔は」ってことで、近年では多少改善されてきているようです。
例えばコンビニ。トラックドライバーがコンビニでトイレを借りるというのは、掃いて捨てて焼却して海に捨てるほど「よくある話」ですが、昔よりコンビニの数が増えたわけです。
また、トラックドライバーを雇う会社でも、女性トラックドライバーの積極雇用を進めるためにトイレも含めて社内の労働環境を改善しているところも増えています。
反面、トラックで荷を運ぶ先、つまり取り引き先である倉庫、工場などはいまだに「男社会」で女性用トイレがなかったりします。携帯用トイレは持っていたほうが良いかもしれません。

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少ないのです

給料が少ない

トラックドライバーの年収を調べると、男性は平均年収約450万円で女性が約320万円だというデータが出てきます。実に100万円以上の差があります。女性の給与は少ないです。
一方、個々の意見では「男女差はない」なんて話も聞きます。
男性と女性では、トラックドライバーと言っても働き方が違うので平均の数値に差が出ているのかもしれません。つまり男性は収入の多い長距離ドライバーも多いが、女性は家事と両立できるルート配送などの仕事に従事しているとか。
中には、給料に男女差を設けているブラックな会社もあるかもしれませんが。会社選びはじっくりやりましょう。

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少ない、のでしょうか

セクハラ

トラックドライバーの業界は長年「男社会」だったため、運送会社にも荷の届け先の会社にも「セクハラ野郎」が実在します。
近年のセクハラ問題のクローズアップによって、比較的若い人があからさまにセクハラしてくることは少なくなりましたが、中高年以上の男性には悪気なくセクハラしてくる人はまだまだいます。そしてトラックドライバーの周辺には若い人は少なく、中高年以上の男性が圧倒的に多かったりします。
特に荷の届け先は運送会社にとっては「お客様」なので、取り引き先のセクハラな言動を問題にして契約をこじらせたくないと考えてしまいます。こうした環境ではセクハラがなくなることはありません。
とは言え、女性トラックドライバーの積極雇用を進める運送会社などでは労働環境の改善に心を砕き、新たな社員教育を始めている経営者もいます。

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ストップ! セクハラ

同性の仲間が少ない

女性トラックドライバーの数は男性トラックドライバーに比べて圧倒的に少ないのが現実です。よって、運送会社でも男性20人に女性1人なんてことはザラです。
そのため、女性トラックドライバーが社内の同僚同士で「女性トラックドライバー特有の悩みや愚痴」をぶちまけ合うなんてことはなかなかできやしません。
どうしても同性の同僚がほしい人は、女性トラックドライバーがすでに在籍している会社を探して就職しましょう。女性中心に従業員を集めて設立した会社もありますから、探せば見つかるはずです。
社内で女性トラックドライバーがいなくても、他の会社の女性トラックドライバーと交流するというのも良いかもしれません。SNSなんかを使えば見つかるでしょう。

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仲間を増やそう

力仕事がキツイ

トラックドライバーの仕事はなんだかんだ言って体力仕事です。
荷の積み下ろしを手作業で行うこともあります。長時間の運転も体力的に結構しんどく、疲れます。
よく「女性のほうが男性より痛みに強い」とは言われますが、体力はやはり女性より男性のほうが勝っていることが多いです。もちろん体力が弱い男性も、すごい体力の女性もいますけど。
ただ、荷の積み下ろしもフォークリフトを使うなど、必ずしも力のいらない仕事があります。フォークリフトの資格が必要ですが。
また、長時間の運転に必要な体力もやっているうちに備わってくるでしょう。

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ここまでしなくてもいいかもしれません

おしゃれできない

トラックドライバーは、特に服装の規定がないことはありますが、少なくとも安全運転の邪魔にならない服装であることが必要です。ハイヒールでの運転はNGです。
ただ、工場勤務の作業でも好き勝手におしゃれできるわけではありません。逆に、世の中に「好き勝手におしゃれできる」仕事そのものが少ないものです。
まあ「好き勝手なおしゃれ」の内容にもよりますが。
好きなブランドのブティックに勤めれば、その好きなブランドを着て仕事できますから、人生でおしゃれを最優先したい人にはブティック勤めをお勧めします。

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トラックドライバーには向かない格好

家族・知人の理解を得にくい

トラックドライバーの仕事は世間から悪いイメージを持たれています。中にはトラックドライバーを「底辺職」だなどと言う差別主義者も日本国内に実在します。日本という国は差別と偏見にまみれた国なんだと思えて悲しくなります。
女性トラックドライバーの中には「トラックドライバーの父親を見て自分もトラックドライバーになった」という人もいます。そうした環境なら家族の理解も得られやすいかもしれませんが、そうでもないとトラックドライバーになることを反対されたりします。
しかし、自分の人生は自分で決めましょう。

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父の背中を見て育つ

偏見

セクハラ問題もその1つですが、トラックドライバーの世界は長年「男社会」だったので、そこで活躍しようとする女性は偏見にさらされがちになります。
そして女性トラックドライバーが浴びせられるのが「女のくせに」とか「女には無理」とか「女には分からん」などの暴言です。
とかく長年「男社会」を生きてきた男たちには「女に男社会を冒されたくない」という恐怖心があります。人は恐怖心にさらされると凶悪になることがあります。あおり運転なんかがその例ですね。
恐怖心に支配された人に正論は通用しません。だがら偏見は恐ろしいのです。
自分も他者に偏見を向けていないか、振り返ってみましょう。

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偏見と戦おう

最後に

とにもかくにも日本の物流を支えるトラックドライバーに女性の力は必要です。
男性の皆さんは偏見を捨て、広い気持ちで女性トラックドライバーを迎えましょう。
女性の皆さんは覚悟を持ち、多少のことにはめげずに頑張りましょう。
そうすれば日本も平和になるかもしれません。
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