健康管理はタクシードライバーやトラック運転手など、あらゆるプロドライバーにとって必要です。運転手は体調不良によって交通事故を起こしかねないからです。風邪も禁物です。
多くのタクシードライバーは隔日勤務という特殊な勤務形態で働いています。隔日勤務では約20時間勤務し、その翌日の丸1日を休みます。約20時間の勤務には3時間の休憩を含みますし、また月に18日の休みを取ることができます。
それでも約20時間仕事に拘束され、しかもさまざまなお客さんを乗せるので、それなりにストレスもあるのが隔日勤務のタクシードライバーです。人間、長時間ストレスにさらされていると体調にも影響を受けます。
ガッツリ稼げる隔日勤務を続けるため、タクシードライバーにとって健康管理はとても重要なのです。
そこで今回はタクシードライバーが気をつけるべき病気、タクシードライバーがなりがちな病気を紹介します。気をつけましょうね。
腰痛
タクシードライバーだけではなく、トラック運転手やバス運転手といった、長時間運転席に座って仕事するすべての職業の人がなりやすいと言われているのが腰痛です。同じ姿勢で座り続けて腰の筋肉が緊張することが、腰痛の原因になるようです。
そのため、多くのタクシードライバーが腰への負担を減らすクッションを使っています。体型には個人差があり、他の人に合うクッションが必ずしも自分にも合うとは限らないので、いろいろ試して自分に合うクッションを見つけます。
また、休憩時など、時間を見つけてできるだけストレッチをすることで、腰の筋肉の緊張をほぐします。腰痛だけではなく、肩凝りなどの予防にもなるはずです。
運転姿勢にも気をつけましょう。猫背は腰に負担をかけてしまうので、背筋を伸ばしてハンドルを握ることが肝心です。
エコノミークラス症候群
エコノミークラス症候群は、食事や水分を十分に取らず、狭い座席に長時間座っていて足を動かさないと陥る病気です。飛行機のエコノミークラスで長時間のフライトを経験すると、この病気になったりするので、こういう名前が付けられました。
このエコノミークラス症候群が肺塞栓などを誘発する恐れがあります。
足を動かさないので血行不良になり、それによって血液が固まりやすくなります。最悪、血の固まり(血栓)が血管の中を流れ、肺に詰まってしまうわけです。
休憩時にはなるべく車外に出て足を動かすことで防ぎます。体内の水分が減ると血栓ができやすくなるので、水分もこまめに補給します。
心臓病・脳血管疾患
長時間、同じ姿勢でいることで人間の体は血行不良になりやすくなります。さらに隔日勤務のタクシードライバーは生活時間が不規則になり、食事を真夜中に取ることになったりします。
こうしたことが元で起こるのが心臓病や脳血管疾患です。
適度な運動と休憩、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠などを心掛けましょう。
睡眠時無呼吸症候群
これはタクシードライバーがなりやすいと言うより、なってしまうと大変という病気です。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っているときに呼吸が止まってしまう疾病のことです。一般的に肥満体型の人に多いと言われています。
起きているときに集中力が低下したり、強い睡魔に襲われたりするので、タクシードライバーが絶対に避けたい交通事故のリスクが高まります。イビキをかく人は睡眠時無呼吸症候群の傾向が強い可能性があるので、人から「君はよくイビキをかく」と言われたことのある人は、専門医の診察を受けたほうが良いでしょう。
尿路結石
勤務中に「行きたい」ときにもなかなかトイレに行けなかったりするタクシードライバーに多いのが、尿路結石です。自由にトイレに行けなかったり、そのために水分補給を我慢することでなってしまうと言われています。
尿道に石が詰まって激痛を起こします。
水分補給をきちんと行うこと、トイレを我慢しないこと、適度に運動することなどで防げるそうです。
糖尿病
これはタクシードライバーがなりやすいと言うより、なっていると「タクシードライバーになれない」という病気です。この他、心臓疾患、肝硬変、うつ病などの精神疾患だと、タクシードライバーとして採用されないそうです。これらの疾病はタクシードライバーの仕事を遂行するのに大きな支障を起こしかねないと言われています。
ただ、きちんと医療機関で医師に相談すれば、ちゃんと採用されることもあります。
高血圧
これもタクシードライバーがなりやすいと言うより、なっていると「タクシードライバーになれない」というものです。高血圧は心臓疾患、脳疾患、血管病などの原因になります。
タクシードライバーとして、と言うより人として健康で長生きするために、適度な運動と休憩、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠で高血圧を防ぎましょう。