トラック運転手にとって何よりも大切なのは「安全運転」です。
そして「安全運転」のために必要なのが健康管理です。健康管理はトラック運転手に限らず、タクシー運転手やバス運転手など、あらゆるプロドライバーにとっても必要です。
運転手は体調不良によって交通事故を起こしかねないからです。風邪も禁物です。
トラック運転手には「タフな荒くれ男」というイメージがありがちですが、病気もすればケガもします。体力仕事なので疲労もたまりがちで、しかも「常に安全運転を」という精神的な緊張感がストレスともなります。
だからこそ、健康管理がトラック運転手として仕事を続けていくためにはとても重要になります。しかし、トラック運転手ならではの「なりやすい」職業病とも言える病気があります。トラック運転手がことさら気をつけたい病気もあります。
今回はそんなトラック運転手が要注意な病気を紹介します。
腰痛
長時間、運転席に同じ姿勢で座り続けるトラック運転手がなりやすいと言われている筆頭が腰痛です。
同じ姿勢で座り続けることで腰の筋肉が緊張し、それが腰痛の原因になります。また、荷の積み下ろしを手作業で行うことが、腰の負担にもなります。
トラック運転手の腰痛対策としては、運転中の姿勢の改善、腰への負担を減らすクッションの使用、休憩時のストレッチなどが挙げられます。
運転姿勢が猫背になっていたりすると腰に負担をかけてしまうので、背筋を伸ばし、いわゆる「正しい姿勢」を心掛けましょう。
また、荷を持つときも、古武術などで「腰に負担をかけずに重い荷を持つ」技があるので、それを身に着けるのもいいかもしれません。
エコノミークラス症候群
エコノミークラス症候群は、食事や水分を十分に取らずに、車などの狭い座席に長時間座っていて足を動かさないと陥る病気です。足を動かさないので血行不良になり、それによって血液が固まりやすくなるのです。すると最悪、血の固まり(血栓)が血管の中を流れ、肺に詰まって肺塞栓などを誘発する恐れがあります。
「足を動かさない」ために起こる病気なので、こまめに足を動かして予防に努めましょう。具体的にはこまめに休憩を取り、休憩時にはトラックを降りて少し歩くことを心掛けると良いでしょう。
また、体内の水分が減って血液がドロドロになると血栓ができやすくなるので、水分補給もこまめに行うほうが良いです。
仕事中はトイレに自由に行けないからと「水分をなるべく取らないようする」トラック運転手も多いかもしれませんが、エコノミークラス症候群を避けるためには水分補給が大切です。
痔
びろうな話でナンですが、コレもトラック運転手がなりがちだと言われています。
やはり同じ姿勢で長時間座り続けることが原因です。つまり血液の循環が悪くなることでできてしまいます。
血液の循環を良くするために、こまめに体を動かしましょう。
肩こり
これまた長時間、運転席に同じ姿勢で座り続けることで起こりやすくなります。
同じ姿勢を続けること、精神的なプレッシャー、前方注意を続けることでの目の疲労などによって筋肉が緊張して引き起こされると言われています。
腰痛と同じで、体型に合ったクッションの使用、こまめなストレッチ、正しい姿勢などで予防します。
心疾患
トラック運転手は上記にもあるように血行不良になりがちです。そのために引き起こされる可能性が高まるのが心疾患です。
実際にトラックに限らず「運転手には心疾患が多い」というデータがあるそうです。
偏った食生活、ストレスも心疾患の要因となります。
こまめな休息とストレッチとともに、栄養バランスを考えた食事を心掛けましょう。
睡眠時無呼吸症候群
これはトラック運転手がなりやすいと言うより、なってしまうととっても危険なので要注意という病気です。
とは言え、「なりやすい」という説もあるようです。
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っているときに呼吸が止まってしまう疾病のことで、肥満体型の人に多いと言われています。特にイビキをかく人はその傾向が強いので、誰かから「イビキをかくよ」と言われた人は、一度専門医の診察を受けてみるといいかもしれません。
いろいろな症状が引き起こされますが、起きているときに集中力が低下したり、強い睡魔に襲われたりします。そのために交通事故を起こしてしまう危険が高まるため、トラック運転手が特に警戒すべき病気なのです。
脳疾患
これも血行不良で起こりやすくなる病気です。
血管に血栓ができ、それが血流の妨げになり、脳梗塞やくも膜下出血などを引き起こします。
適度な運動と休憩、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠など、一般的な「健康的な生活」によってできるだけ回避しましょう。
最後に
トラック運転手に限らず、すべての職業に言えるのが「体が資本」ということです。日ごろから健康管理を心掛け、病気のときには無理せず、快復に専念しましょう。