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増えつつあるのに一気には増えない女性トラックドライバー

トラ

トラックドライバーはこのところ人手不足が続いています。
日本中、多くの業界で人手不足が深刻化していて、そのため、多くの企業が女性の活躍推進だの高齢者雇用、障がい者雇用、外国人雇用に取り組み始めています。
トラックドライバー業界でも、国土交通省が2014年から「トラガール促進プロジェクト」をスタートさせ、女性のトラックドライバーを増やす取り組みを始めています。実際、女性にも働きやすい職場環境を整え、女性ドライバーを積極的に採用している企業もあります。
しかし、それでも劇的に女性トラックドライバーが増えたかというと、実はそうでもありません。

1. 「男の仕事」というイメージ

トラックドライバーの仕事は長年「男の世界」でした。
というか、世の中の職業のほとんどが「男の世界」だったわけです。長年、外で働くのは男性の役割と決められていました。
男女雇用機会均等法もあって、法整備の面ではそういった役割分担はなくなったはずですが、人の気持ちの中に長年培われた男女の役割分担は、そう簡単に消えるものではありません。
そんな古臭い役割分担を消し去るためにも、多くの女性にトラックドライバーという仕事に就いていただきたいものです。

昔ながらの「男の世界」

2. 女性歓迎の会社が少ない

長年「男の仕事」だった業界なので、会社として女性社員を多く迎え入れる設備が整っていないところもまだまだあります。女性用トイレや女性用更衣室などが少ないわけです。
しかし、運送会社などでも長年の人手不足から女性ドライバーを増やそうという試みを始めるところが増え始めていて、女性が働きやすい職場環境を整えています。そうしなければ生き残れない時代でもあります。
また、女性トラックドライバーばかりを採用する会社も出始めています。

女性の活躍を推進する職場

3. おしゃれができない

これは偏見ですが、多くの女性が強く関心を持つのは「美容とおしゃれ」です。そして「美容とおしゃれ」に強く関心を持つ女性は、できれば「おしゃれな会社」「おしゃれな仕事」に就きたいと願っているのではないかと思われます。
一方、トラックドライバーは基本的には「おしゃれ」「美容」とはほとんど関係ありません。トラックドライバーは作業服、安全靴などの格好で働くことが多いですから。
しかし、トラックドライバーの仕事は基本的に1人で行います。パーティドレスやハイヒールでトラックを運転するのは安全運転の妨げになるので避けなければいけませんが、アクセサリー類は身に着けることもできます。それは他人が見ていないからこその利点です。
もしかしたら、一般的な企業の事務職よりおしゃれはできるかもしれません。企業によっては、なかなかダサい制服を着なければいけないところもありますから、そこよりはマシです。

トラックドライバーに向かない格好

4. おしゃれなイメージがない

くどいようですが、あえて偏見まみれで言うと、多くの女性が強く関心を持つのは「美容とおしゃれ」です。そして「美容とおしゃれ」に強く関心を持つ女性は、仕事中におしゃれができないとしても、せめて同窓生に仕事のことを話すとき「おしゃれ」と思ってもらえるような職業に就きたいと考えます。たとえば「デザイナー」とか「カウンセラー」とか「アドバイザー」とか「コーディネーター」とか「ディレクター」とか、カタカタ職業が多いです。
カメラマンはもともとカタカナ職業ですが、「フォトグラファー」なんていうと「オサレ感」が増します。
トラックドライバーもカタカナ職業には違いありませんが、聞いたほうは決して「おっしゃれー」とは思いません。

フォトグラファー

5. 運転に興味が薄い

まだまだ偏見まみれで繰り返しますが、多くの女性が強く関心を持つのは「美容とおしゃれ」です。
女性の関心ごとのランキングにおいて、そもそも「車の運転」は決して上位にきません。第一、若者の興味ランキングでも下位に脱落していて、近年、若者の車離れが進み、運転免許を取得しない若者も増えているそうです。
そんな中、運転免許の取得が不可欠なトラックドライバーのなり手が多いはずもありません。悲しいことです。

車の運転

6. 運転が難しそう

そもそも運転免許の取得に興味の薄いのが今の若者たちです。
いろいろな車の中でも運転が難しいと言われる大型トラックの運転に手を出す若者はさらに少なくなるのも仕方のないことかもしれません。
しかし、最近は自動車メーカーも新しい機能の開発に躍起になっています。「運転が難しい」と言われた大型トラックも、やってみれば案外簡単に運転できるかもしれませんよ。

案外簡単

7. 仕事が激増

インターネットのショッピングサイトで商品を購入する人が増えていくにつれて、商品発送を担う運送会社の仕事量も多くなっていきました。加えて、フリマアプリの利用者も増え、商品発送を担う運送会社の仕事量はさらに増大していきました。
その結果、既存のトラックドライバーの数だけでは仕事量を裁けなくなりました。増えた仕事量の分、人手も増えれば問題はなかったのですが、増えなかったので、仕事量に比べてトラックドライバーの少なさが際立ってしまったわけです。
実際、女性トラックドライバーは「一気には増えてない」わけですが、その「増えていないこと」が増大した仕事量によって目立ってしまったのです。

大量の荷物(イメージ)

8. 体力仕事

トラックドライバーの仕事は体力仕事と言われています。荷の積み下ろしが手作業の場合は腕力も必要になりますし、長時間、運転しているだけでも結構疲れます。
しかし、女性とは昔から「か弱い存在」と思われてきましたし、それで体力仕事であるトラックドライバーに女性は向かないと考えられてきました。
でもそれは単なるイメージです。体の構造上、男性ほどの腕力のない女性も多いですが、それでも女性はたくましいものです。
また、トラックドライバーの仕事にも腕力をあまり使わない仕事もあります。

たくましい

9. おしゃべりできない

これまた偏見ですが、多くの女性は「おしゃべり」が好きです。しかし、トラックドライバーの仕事は1人が基本であり、運転するときは通常1人きりです。おしゃべりの相手は周囲にいません。
とは言え、他の職場もそれほど雑談ができるわけではなく、トラックドライバーだけが特別「おしゃべりできない」職場というわけではありません。
また、今やスマホが普及していて、トラックドライバ―でも休憩時間には友人知人と話すことはできますし、LINEのやりとりも可能です。
それにセールスドライバーなど、トラックドライバーの中にも人と接することが業務に含まれている仕事もあります。

スマホでいつでも誰とでもつながる

10. 古い価値観

女性たちがトラックドライバーという仕事にあまりチャレンジしようとしないのは、古い価値観に縛られているからかもしれません。
「男の仕事」「おしゃれじゃない」「運転が難しそう」もすべて古い価値観によるイメージかもしれません。その古い価値観を変えるのは、もしかしたら「あなた」かもしれないのです。

古い壁を壊す

最後に

結局、男性のトラックドライバーも一気にグンと増えたりしていないので、女性ドライバーだけが増えていないわけではないのです。やはり、男性でも女性でも、どちらも増えてもらわないといけないのですが。

男性も女性も