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トラックドライバーという新しい生き方

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手洗い

2020年は世界中で、これまでの生活を見つめ直し、新しい生活に取り組まざるを得ない年になりました。
人によって、その大小はあります。また、受け止め方も違います。考えは人それぞれであり、誰かに強制されるものでもありません。
経済は世界中で大きく混乱しています。経済の混乱は当然、生活にも影響を与えます。働き方、人間関係に大きな変化を体験した人も多くいます。

特に、多くの人を集めて成り立つ業界と、それに付随する業界は大きな打撃を受けました。
医療や福祉に関わる業界は仕事が過酷になり、疲弊が深刻化したところも多くあります。
生活必需品に関わる業界でも、精神的な疲弊が問題になりました。

経済的な打撃により、多くの失業者も生み出しました。
一方、生活必需品を運ぶ物流業界は、ここ数年人手不足が続いている中、普段よりも仕事量が激増し、現場では過酷さが増していると言います。
とは言え、仕事があるということで、失業者たちが転職先として考え「トラックドライバーにでもなろう」と、「でも」付きの転職希望者が出てきているようです。
ただ、今まで人手不足だったので、本来であればもろ手を挙げて歓迎したいところですが、過酷さが増している時期には新人教育に時間を割いている余裕もなく、「もろ手を挙げての歓迎」はできないようです。

トラックドライバーの人手不足が続いているのは「拘束時間が長く、仕事が過酷な割りに給与が低い」というイメージが広がっているからと考えられます。同時に、一部のトラックドライバーのマナーが悪く、トラックドライバーが「マナーを守らない荒くれ者」と思われがちだからでもあります。
しかし、新しい生活に取り組まざるを得なくなった今、仕事を続け、人々の生活を守り続けるトラックドライバーたちへの感謝の気持ちが芽生え、トラックドライバーを見る目にも変化が生じ始めています。

これまで「トラックドライバーは底辺職」だなどと言う輩もいたわけですから、そうしたトラックドライバーに対する見方が変わったことは、素直に良いことと思いたいものです。
今回は、トラックドライバーの仕事を今一度見直し、その在り方を書き並べます。
トラックドライバーの仕事は確かに過酷な面もあり「でも」付きで気軽にできるものではないかもしれません。ただ、「過酷さ」にも個人差はあります。転職先として、じっくり考える価値は十分あります。

1. 仕事は1人が基本

外出自粛、リモートワーク、在宅勤務によって、1か所に大勢が集まって仕事をするという、昔ながらの働き方に大きな変化が訪れました。
事態が落ち着けば、元の働き方に戻るところもあるでしょうが、「別に1か所で仕事しなくても良くね」と気づいた人は、リモートワークとやらの活用を続けるはずです。
その是非はともかく、外出自粛、リモートワーク、在宅勤務によって「上司や同僚がそばにいる」という日常がなくなり、それによって「孤立感」を抱く人も増えたそうです。今はスマホがあり、どこでもいつでも誰かとつながることができるのに、と思わなくもないのですが、そこはやはり個人差というものでしょうか。
しかし、トラックドライバーはもともと1人で仕事をするのが基本です。多くのトラックドライバーは「トラックの運転」が仕事の大半であり、その「トラックの運転」中は、運転席の横には上司も同僚もいません。「孤立感」が気になる人には、最初から向かない仕事です。
しかし、トラックドライバーも、もちろんスマホくらい持ちますから、いつでもどこでも誰かとつながることができます。それより何より「仕事は1人が基本」であるがゆえ「自由で気まま」だと言えます。

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一匹狼

2. 経済が止まってもトラックは走る

トラック輸送は生活必需品を運ぶ、人々の生活になくてはならない仕事です。
他の業界が停滞しているときも、止めるわけにはいきません。
トラックが運ぶのは生活必需品だけではありません。個人がネットでポチった通販の商品を運ぶのもトラックです。外出自粛が広まると、通販の需要も高くなりました。トラック運転手は大忙しです。
とは言え、トラックドライバーの業界にもさまざまな仕事があり、仕事が激減しているところもあります。例えば、飲食店に関わる運送をしているトラックドライバーは、仕事が激減しました。
他にも業務を休止した業界に関わる輸送業務はなくなり、それを担っていた運送会社も仕事が激減しました。

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走る

3. 移動が制限されてもトラックは動く

人と人の接触を減らすため、県を越えての移動が制限されたときも、トラックはもちろん生活必需品や通販でポチった商品を運ぶため、県を越えました。
トラックドライバーが仕事をするからこそ、スーパーやコンビニに商品が並ぶわけです。観光名所に観光旅行で出掛けることが難しくなったときでも、トラックドライバーがいろいろな地方からご当地グルメなどを運んでくれました。
長距離トラックのドライバーの大活躍です。
そんな長距離トラックのドライバーに不当な罵詈雑言を浴びせる輩や、ドライバーの家族を不当に差別する輩もいたそうです。言語道断です。

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越える

4. やればやっただけ稼げる

トラックドライバーの仕事は歩合制であることが多く、つまり、やらなければ収入が減り、やればやっただけ稼げる仕事になっています。
一方、日本の多くの会社では古くから年功序列による給与制度が一般的でした。ですが近年、欧米型の実力主義に転換する会社も出てきているようです。
実力主義によるキャリア形成は「皆一緒」という年功序列型ではなく、個人主義と言うこともでき、年齢や経験に関係なく、成果を出した者がその成果に応じた、適正な報酬を得ることができるという面から、労働者側に立った考え方でもあります。
欧米型と言えば、欧米では派遣社員のほうが正社員より給与が高いのが一般的です。
また、日本でもリモートワークが広まり、皆が1か所で同じような働き方をするのではなく、場所は別々でもそこで個人個人がそれぞれの実力を発揮して上げる成果が見直されてくるかもしれません。

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たくさん稼ぐ

5. 家族と数日会わないことも

在宅勤務が広まり、家族との時間が増えたことで、家族との絆を深めた人がいる一方、お互いの負の面が見えてしまった人もいるようです。
長距離のトラックドライバーは仕事で家を出ると2~3日、長いと1週間近く家に帰れないことがあります。家族と長い時間会うことができないことでストレスがたまるという人は、長距離のトラックドライバーには向きません。
たまにしか会えないことで、よりお互いを思いやるようになる人には、長距離のトラックドライバーの仕事はオススメです。

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距離感

6. 転職してキャリアアップ

トラックドライバーは一般的な企業と違い、一般的な昇進はありません。
もちろん、役職が付いたり、経験を重ねて後進に仕事を教えるようになったり、重ねた経験によって給与が増えることがある会社もあります。
ただ、トラックドライバーの世界で、一番の明確なキャリアアップは、持っている資格を増やし、より難しい仕事、より大変な仕事を引き受けて給与を増やしていくことです。
資格と言うと、例えばトレーラートラックを運転できるけん引免許や、タンクローリーでガソリンなどを運ぶことができる危険物取扱者資格があります。
それまで勤めていた会社でトレーラートラックの仕事やガソリン輸送の仕事がない場合、そうした仕事をしている会社に転職します。
人手不足が続き、他の業界より比較的求人が多いのもトラックドライバーの業界ですから、転職先も比較的見つけやすいです。

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タンクローリー

7. 仕事を楽しむ

トラックドライバーの仕事はトラックの運転だけではありませんが、トラックの運転が仕事の大半を占めています。そのため「車の運転が苦手」という人には向かない仕事です。
逆に「車の運転が好き」という人にはなかなかオススメできる仕事です。何しろ、仕事の大半が車の運転なのですから、野球好きな人がプロの野球選手になるようなものです。
実際、トラックドライバーの中には、その仕事を好きでたまらないという人が多いようです。自分で自分の仕事を好きだと自覚できる人は、割合幸運です。

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運転が好き

8. 過酷さにも慣れる

子どものころからプロ野球選手になりたいと思って頑張り、大人になってプロ野球選手になると、待っているのは過酷な訓練です。日々の練習です。天才と言われた名選手も、人知れず、他人の数倍の練習を重ね、それだけの成果を出していたと言います。
トラックドライバーの仕事にも過酷なことはあります。他の、どの職業にもあります。
トラックドライバーは特に「過酷な割りに収入が低い」と言われがちですが、世の中に「ちょっとの働きでたくさん稼げる仕事」なんて滅多にありません。
また、過酷さの受け取り方は人によって違います。「車の運転」が苦手な人がトラックドライバーの仕事に就くと、仕事の大半の時間を「苦手なこと」に費やさなければならず、とても過酷だと感じます。
「車の運転」が大好きという人がトラックドライバーになると、ルンルン気分(死語)で仕事できるかもしれません。
また、人は長くそのことに従事していると「慣れる」ということもあります。

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ルンルン気分(死語)

9. 儲けているのはお金だけじゃない

トラックドライバーの仕事は「拘束時間が長く過酷」と言われがちです。
トラックドライバーの拘束時間を長くしている要因の1つが「荷待ち時間」です。簡単に言うと、トラックドライバーは荷を届けた先で、なかなか荷を下ろすことができずに待たされることが多いのです。
昨今、トラックドライバーの人手不足解消のため、労働環境の改善が行政の旗振りで進められていて、この荷待ち時間もどうにかしなければいけないと言われています。
また、トラックドライバーもこの「荷待ち時間」で読書したり、英会話講座の動画を視聴したりと、有効に活用するようにもなっています。
トラック輸送によって給与をもらうだけではなく、そこで生まれた時間を活用して「楽しむ」「学ぶ」など、それを自分の資源、資産に変えていこうという意識変革、発想の転換が起きているわけです。

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学ぶ

10. 責任感!

2020年は多くの人がトラックドライバーという仕事が、いかに社会貢献度の高い仕事かということを実感した年でもあります。
もともとトラックドライバーの仕事は安全に荷を届けることなので、責任感を求められます。しっかりと荷を積んで荷崩れしないように固定し、輸送中に荷が破損したり傷んだりしないように、ていねいでおだやかな運転をしなければいけません。交通マナー、交通ルールを守らなければいけません。納品時間も厳守です。
責任感が強い人に、トラックドライバーの仕事はぜひオススメしたいです。

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重い責任