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ルート配送ドライバーに転職する理由

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ルート

因果応報という言葉があります。
良い行いをすれば本人に良いことが、悪い行いをすれば悪いことが起こるといった意味です。自分に降りかかる良いことも悪いことも、何かしら自分に原因があるってことで「ものごとには必ず理由がある」なんて言葉もあります。
もちろん、何にも関係なく悪いことが起きたり、良いことが起きたりもします。これを「理不尽」と言います。

というわけで、ものごとには理不尽なことを除き、ほとんど理由があります。
人が職業を選ぶときにも、たいていは理由、すなわち志望動機があるものです。
トラックドライバーの仕事は「収入が低くて過酷な職業」などと言われがちで、人手不足が続いています。そのトラックドライバーの1つであるルート配送ドライバーも同様です。
ちなみにルート配送ドライバーの仕事は、毎日決められた場所にトラックで商品を配送することです。決められた順序で、スーパーやコンビ二、企業、個人などに商品を届けます。
つまり、ルート配送ドライバーがいなければ、スーパーやコンビニに商品が並ばないわけです。ビジネスマンがコンビニで弁当を買ったり、仕事帰りにスーパーで総菜やらトイレットペーパーを買えるのも、ルート配送ドライバーたちが真面目に仕事をしているからです。

「収入が低くて過酷な職業」といった悪いイメージがあり、人手不足が続くルート配送ドライバーの仕事ですが、人々の生活がきちんと回っているのは、きちんとルート配送ドライバーたちが仕事しているからこそです。少ないなりにルート配送ドライバーのなり手がいるからです。
今回は「収入が低くて過酷」と見られているルート配送ドライバーを志望する、その動機の謎に迫ってみたいと思います。


1. 楽そうだから

何を過酷で何を気楽だと思うかは相対的な感覚であり、人それぞれです。
お笑い芸人はテレビ番組でバカみたいなことを適当に言っているだけでお金がもらえ、一見気楽な稼業に見えますが、お笑い芸人として長い期間仕事を続け、収入を安定させ、できれば豊かな老後を送ろうとすると、これは並大抵なことではありません。
昭和の高度成長期には、タイムレコーダーさえガチャンと押せば、あとは何とかなるからと「サラリーマンは気楽な稼業」と言い張ったものです。実際は、人間関係のストレスやらノルマのストレスやらいろいろあって、気楽どころではないからこそ「気楽な稼業」と笑い飛ばしたのかもしれません。
工場勤務や工事現場、農業のような肉体労働に比べてサラリーマンが「気楽そう」に見えたのも事実ですが。
ルート配送ドライバーの仕事も「車を運転して荷物を届ける」だけで給料をもらえるのですから、そう思う人にとっては「世にも楽な仕事」に見えるでしょう。

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お気楽

2. 収入が安定しているから

ルート配送ドライバーの収入は、経営状態が良い運送会社で月収20万円~35万円と賞与1回~2回、経営状態があまり良くない会社で月収16万円~20万円と賞与なしとなっています。
仕事はほぼ毎日同じなので、収入にも変動はありません。
同じトラックドライバーの仕事でも、長距離のトラックドライバーなどは運ぶ荷物の量や運ぶ距離などで給料も違ってきます。いわば「やればやるだけ稼げる」仕事なので、ルート配送ドライバーよりたくさん稼げるかもしれません。逆にたくさん稼がない月もあるかもしれません。
とにかく、一度にできるだけたくさん稼ぎたい人は長距離の仕事のほうが向いているかもしれません。
しかし、毎月とにかく安定した収入を得たい人は、それがルート配送ドライバーとして働く大きな志望動機になります。

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安定!

3. ルーティンワークだから

ルート配送ドライバーの仕事は、毎日決められた場所にトラックで商品を配送するルーティンワークです。
ほぼ毎日、同じことの繰り返しなので、飽き性の人には向かないかもしれません。
しかし、毎日同じことの繰り返しで、突発的に新しくすることが起こりにくいルーティンワークのほうが安心できる人には、それが大きな志望動機になります。
日々、新しい刺激を欲しい人は、見知らぬ地域に行くこともあるトラックドライバーの仕事を選ぶでしょう。しかし、見慣れた風景、見慣れた道、やり慣れた作業のほうが良い、やりやすいと思う人もいるわけです。

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ルーティンワーク

4. 運転が好きだから

ルート配送ドライバーに限らず、多くの職業ドライバーに「運転が好き」という人がなっています。あまり「車の運転は苦手」「車を運転するくらいなら雨水に濡れた靴下を履いて2時間の立食パーティに出たほうがマシ」という人はほとんどいないでしょう。
ルート配送ドライバーの仕事は、トラックの運転の他にもいろいろな作業がありますが、トラックの運転が仕事の大半を占めると言っても良いはずです。運転が好きな人にとって、その「好き」を仕事にして給料を稼げるのですから、こんなにうれしいことはありません。

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運転が仕事

5. いろいろな人と接する仕事だから

トラックドライバーの仕事は、運転中は1人ですし、朝の点呼、荷の積み下ろしのとき以外はあまり誰かと接することはありません。長距離のトラック運転手であれば、荷を乗せてそれを目的地まで届ける間の数日、誰かと接するのは給油所やコンビニくらいかもしれません。
それに比べてルート配送ドライバーは、1日に何か所にも荷を届けます。例えば、届け先がコンビニの場合、コンビニの店員とは必然的に言葉を交わすことになります。それも、1つの店に行く時間は決まっていますから、店員とも顔なじみになっていくこともあります。
ルート配送ドライバーの仕事をしていると、荷の届け先のあちこちに顔なじみができることにもなります。そんな風に、いろいろな人と知り合うことを求めている人にとっては、とても楽しい仕事と言えるでしょう。

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いろいろな人々

6. 毎日家に帰れるから

またまた比較しますが、長距離のトラックドライバーは、一度仕事に出ると2~3日、多いと1週間以上は家に帰れません。もしかして夫婦仲はすっかり冷え切り、生まれたばかりの赤ちゃんは父親の顔を忘れ、いつの間にか家の中に自分の居場所が無くなったり、無くならなかったり、するとかしないとか。
もしくは、いつも家を空けることが多いので、たまに家にいると夫婦の愛がとてつもなく燃え上がったりする、なんて人もいるかもしれません。
それはともかく、ルート配送ドライバーは毎日同じルートを回るのが仕事ですから、毎日ほぼ同じ時間に仕事が終わります。もちろん、毎日家に帰れます。
そのため「トラックドライバーの仕事に興味はあるけど、ろくに家に帰れない長距離の仕事はイヤだな」と考える人がルート配送ドライバーの仕事に就いても、何の不思議もありません。

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家族の団らん

7. 学歴に関係なく正社員になれるから

ルート配送ドライバーは他のトラックドライバー同様、ここのところ人手不足が続いているので、正社員募集の求人広告も多く出ています。そうしたトラックドライバーの求人の多くが、学歴不問になっています。
ルート配送ドライバーは大学で学ぶような知識も要らず、社会人としての当然のマナー、一般常識、健康な体、2トン以上のトラックを運転できる運転免許を持っていればできる仕事ですから。
加えて安全運転に努め、仕事を全うする責任感があれば大丈夫です。

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責任感

8. 職業ドライバーの前歴を生かせるから

ルート配送ドライバーに学歴は必要ありませんが、運転歴は関係してきます。違反歴や事故歴などがあると、採用は難しいです。
逆に長距離のトラック運転手だのセールスドライバー、またはタクシードライバー、バス運転手など、職業ドライバーとして無事故無違反を続けてきたのであれば、その輝かしい経歴は大いに評価されます。大型トラックや大型バスの運転の経験があれば、ルート配送ドライバーとしても信頼されるかもしれません。

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大事なのは運転歴

9. 物流を学びたいから

ルート配送ドライバーはスーパーやコンビニなどに商品を運ぶ仕事であり、すなわち日本の物流を支えています。まさに物流の現場で働くのがルート配送ドライバーだと言えます。
ルート配送ドライバーとして働くと、日本の物流の課題なんかも見えてくるはずです。大学で物流を学ぶ人が、物流の現場を見たいと思って倉庫や運送会社でバイトしたりすることもあります。そんな人が、ルート配送ドライバーになり、物流の現場を学び、ゆくゆくは自ら物流業界で起業する、なんてこともあるかもしれません。

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学校で物流を学ぶ

10. 物流を支えたいから

ルート配送ドライバーの仕事こそが物流そのものです。物流は今の日本社会を支えるものであり、その物流業界を支えているのが、ルート配送ドライバーだということができます。
社会貢献意識の高い人で、物流を支えることで社会に貢献しようと考え、ルート配送ドライバーの仕事を選んだ人もいるのではないでしょうか。
好きな車の運転もでき、安定した収入も得られ、毎日ほぼ決まった時間に家に帰れて、孤独に陥ることもなく社会貢献できるのですから、こんなに素晴らしい仕事はないのではないでしょうか。

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物流の現場