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トラック運転手無頼帖

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ガンマン無頼?

トラック運転手は世間から「荒くれ者」とイメージされがちです。ただ、それは映画やドラマからのイメージで、現実はそんな1つのイメージで言い尽くせるものではありません。
そりゃ、トラック運転手にも「荒くれ者」風な人はいるかもしれませんが、ほとんどのトラック運転手は真面目に仕事をする、常識的な人たちです。
とは言え、基本的に「1人で仕事する」のがトラック運転手なので、チームワークが基本の一般企業のサラリーマンと違って「自由人」ではあります。もちろん、一般的なサラリーマン同様、守らなければいけないルールはたくさんあります。いえ、安全運転厳守なので、むしろルールは多いかもしれません。
それでも、ハンドルを握ってどこまでも続く道を行くトラック運転手の心意気は、どこまでも「自由人」かもしれません。トラック運転手を「荒くれ者」と、ちょっと見下したように言うのは、そんなトラック運転手に対するやっかみかもしれません。
それに、トラック運転手は迫力ある大型トラックを運転するので、確かに豪放らいらくというイメージで見られるのもうなずけます。

今回のお題は「トラック運転手無頼帖」。とは言え、トラック運転手が無頼漢だという話ではありません。
トラック運転手の無茶な一面意外な一面が垣間見えたというエピソードを紹介します。いかにも豪放らいらくってエピソードや豪放らいらくな失敗談、豪放らいらくに思ってたけど意外と違うかも、と言ったエピソードです。寛容な気持ちでお読みくだい。

1. 積載超過

これはまさに昭和50年代の話です。私が直接会ったのではなく、先輩から聞きました。その先輩も、さらに先輩から聞いたそうです。
1980年代くらいまでは、取り締まりも結構ゆるかったとか。
当時は、会社から無茶な仕事を振られることもあり、それを受けると高い報酬をもらえたので、積載量の制限を超えて荷を運ぶ運転手もいたとかいないとか。(40代 男性)

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積み過ぎはダメ

2. 長時間運転

トラック運転手には法的に取らなければいけない休憩時間が決められています。さらに今はデジタコという監視装置をトラックに搭載する会社が増えているので、運転手も法定通りに休憩時間を取るように半ば強制されています。
なので、これはひと昔前の話ですが、トラック運転手は仲間同士で「いかに長時間仕事したか」を自慢し合っていたそうです。考えてみれば子どもじみています。(40代 男性)

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深夜も仕事

3. 犬待ち

ゴールデンウィークで観光地にドライブしたときのことです。
周りを畑に囲まれた田舎道を走っていたのですが、前を走る中型トラックが徐々にスピードを落とし始めました。「何だろう?」と思ったのですが、トラックの前までは見えないので、なぜそのトラックがスピードを落としたのかよく分かりません。
トラックはやがて完全に停まりました。もちろん私も自分が運転していた車のスピードを落とし、トラックが停まると、同じように車を停めるしかありません。
そうして見ていると、トラックが停まった理由が分かりました。トラックの前を左から右にが横切って行ったのです。
トラック運転手は道の左側に、何か動くものを見つけてスピードを落とし、それが道を横切ろうとしているのを察知してトラックを停め、横切るのを待ったのでした。
そのはなぜか急ぎもせず、ゆうゆうと道を渡って行ったのです。
トラック運転手って「荒くれ者」ってイメージだったので、犬に対する心遣いをちょっと意外に感じました。(30代 女性)

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4. 浜辺でたそがれる

に海へ行ったときのことです。
そこは海水浴場ではなかったので、観光客がたくさん訪れるような海岸ではありません。でも、砂浜が、あまり広くないもののきれいで、僕は気が向くと潮風に当たりに行ったりしていました。
その砂浜に沿った道路に、ちょっとした空き地があって、僕はそこに車を停めさせてもらっていたのですが、その日はそこにダンプカーが停まっていました。荷台は空だったので、どこかに砂利でも運んだ帰りだったかもしれません。
はっきり確認したわけではないのですが、僕は「運転手は運転席で仮眠を取っているのかな」と思い、いつものように浜に降りて行きました。
すると、大きな体の男性が砂浜に腰を下ろしていのが見えました。どうやらダンプの運転手さんのようです。その人は大きな体に似合わない雰囲気で、砂に「の」の字を書くように指を動かしていました。仕事でミスをしてしまったのか、失恋でもしたのか、という感じでした。(20代 男性)

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浜辺は思わずたそがれたくなる

5. トラックの下でおびえる猫を救助

俺の同僚のトラック運転手の話だ。
そいつがドライブインで食事をして、さあ、トラックに乗ろうとしたときのこと。しばらくの間、荷を積んだトラックから離れたので、一応トラックの周りを歩いて異変がないかどうか確認した。それでトラックの後ろに回ったとき、何やら鳴き声みたいのが聞こえた。不思議に思って身をかがめてトラックの下を見てみると、そこにがいた。
まあ、はしなやかだし、そのままトラックを発進させてもがケガをすることはないだろう。だが、同僚がよく見ると、は怯えた様子で縮こまっていたとか。そのドライブインは産業道路沿いにあって、大きなトラックが常に行き来しているようなところだったので、もビビっていたのかもしれない。
それで同僚はトラックの下に潜り込み、猫を救助。運転席に乗せて通行量の少ないところまで寄り道し、そのを放したそうだ。(30代 男性)

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思わず救助したくなる

6. 第六感がさえわたる

俺の先輩のトラック運転手は、なかなかすごい力を持っている。
トラックは車体が大きくて死角が多い。そのため、ミラーが多く付いていて、死角を確認できるようになっている。さらに最近はバックモニターなんかも装備され、ミラーで確認できないところまでカバーできるようになった。
けど、俺の先輩はそうした便利なツールに頼らず、危険を回避したりする。
俺が新人のころ、その先輩の横に座って仕事を覚えたんだが、まだそのころはバックモニターも付いていなかった。
それで、駐車場からバックで発進しようというとき、トラックに乗る前に直接後方を確認し、乗ってからもミラーで確認し、後ろに何もないと分かってから、何かに気付いてトラックから降りた。
俺が「何だろう?」と思って、トラックの後ろのほうに歩いていった先輩の姿を追うと、先輩がトラックの後ろからを抱えて出てきた。どうやら、いつの間にかトラックの後ろにがいたらしい。
だけじゃない。いつかは、ボールを追いかけてトラックの後ろ側に走ってきた男の子に気付いたりしていた。(40代 男性)

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救助したくなる その2

7. フォークリフトで荷物を突き刺す

トラック運転手にとって、結構よくある失敗がコレ。
トラック運転手としてフォークリフトの資格を持っていると仕事の幅が広がって有利なので、僕もその資格を持っています。
それで荷台に積んだ荷物をフォークリフトで降ろそうとしたとき、ついうっかりしてフォークリフトのツメ、つまり荷を乗せるところで荷物を突き刺してしまうのです。恥ずかしい話ですが、数回やっちゃたことがあります。
荷物の弁償を自腹でやらなければいけなかったりするので、かなりへこみます。(30代 男性)

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フォークリフトの操作は慎重に

8. 高架にはさまる

トラック運転手として結構恥ずかしい失敗ですが、結構多くのトラック運転手がやってしまいがちな失敗がコレです。
前を走っていたトラックがギリギリでも通り抜けて行ったので、つい油断してそのまま高架をくぐると、金属をこする嫌な音と、嫌な振動。降りて確認すると、トラックの上部がちょっとへこんでいました。「やっちまった」と思いました。(30代 男性)

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高架をくぐるときは要注意

9. 後ろの扉の閉め忘れ

その日、いつものように荷台に荷を積み、いつものように倉庫を出発しました。20~30分も走ったころでしょうか、気がつくと同業者であるトラックが後ろにいました。そしてそのトラックがパッシングしてきました。
「何だろう? 変な走り方はしていないはずだけど」と思ったのですが、気になってトラックを停めました。すると後続のトラックも停まり、運転手が降りてきました。「因縁でもつけられるのかな」と、少し怖くなりながらも僕もトラックを降り、緊張しながらその運転手に近づいて行きました。
すると、その運転手は心配そうな顔をしながら「観音が開いてますよ」と言ったのです。
観音とは、トラックの後ろの扉のことです。いわゆる観音開きで開くので、そう呼びます。
どうやら荷を積み込んだ後、しっかり施錠していなかったようです。後続のトラックの運転手がそれに気づいて、親切に教えてくれたのでした。
僕はすっかり恐縮して教えてくれたことにお礼を言い、今度こそしっかり扉を閉めて施錠し、再びトラックを走らせました。
荷台の扉を開けっぱなしでトラックを走らせるなんて、まさしく僕は「無頼の徒」でした。(20代 男性)

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荷の積み下ろしにも要注意です

10. 荷台に猫が

私の旦那は長距離のトラック運転手をしています。2~3日、長いと1週間くらい家を空けることがあります。
そんな旦那が長距離の仕事から数日ぶりに戻ったときのことです。玄関に旦那が戻った気配を感じたのですが、すぐに部屋に入って来ないので、何かと思って見に行きました。すると、旦那は猫を抱えて靴も脱がすにモジモジとしていました。
とにかく、と一緒に部屋に入ってもらって話を聞きました。
そのは、旦那が荷の届け先で荷台の扉を開けたとき、荷台にいたそうです。荷を積んだ後、倉庫の担当者に呼ばれ、ほんの少しの間ですが、扉を開けっ放しにしてトラックから離れたとか。どうやら、そのとき、荷台に乗ってしまったようでした。
見た目はいかついのですが、とても心優しい旦那です。そのを放っておけず、家に連れ帰ってしまったのでした。
実はそれ以来、我が家でそのを飼っています。(30代 女性)

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思わず飼いたくなる