今回は「人々から尊敬されるべき職業」を紹介します。厳密には「尊敬されるべき職業」と言うより「社会貢献度が高い職業」です。
と言うのも、どの職業も現実的にはそれほど人々から尊敬されていない悲しい現実があるからです。
これを言うとミもフタもないのですが、もともと「尊敬される」かどうかはその職業によるのではなく、その個人によります。そして現実では、せっかく社会貢献度の高い職業に就いていても、どうしても「尊敬できない」人がいたりします。
だからあえて「尊敬されるべき」と「べき」をつけました。「社会貢献度が高い」ということは本来、人々の尊敬を一身に集めてもいいはずです。
「尊敬されるべき職業」に就いている人は聖人である必要はないので、蔑視されないように努めましょう。そして世間の人々は「尊敬されるべき職業」に就いている人も決して聖人ではないのですから、その仕事を正当に評価して尊敬と感謝の気持ちを持ちましょう。
1. 警察官
法律違反を取り締まり、違反者によって人々の生活がぶち壊されないようにしてくれるのが警察官です。ときには危険な犯罪者に立ち向かってくれます。それも皆、人々の生活を守るためです。
スピード違反の切符を切られたり、自転車の無灯運転を取り締まられると「ムッ」と感じたりもしますが、警察官も仕事としてやっているので、あまり逆らったりしないようにしましょう。
2. 消防士
危険な火災に立ち向かい、全力で消火活動に当たってくれるのが消防士です。火災現場はいつも危険と隣り合わせであり、また、消防士の活躍が人々の命、財産をも左右します。
消防士は人々の命や財産を火災から守るため、いつでもどこでも迅速に消火活動できるよう、日ごろから過酷な訓練にも身を投じます。そんな消防士には尊敬の念しか抱けないのではないでしょうか。
また、警察官や消防士と同じように危険な任務に挑んでいるのがレスキュー隊員です。
3. 保育士
少子高齢化が進み、同時に夫婦共稼ぎが一般化している現代では「安心して子育てできる社会」のために、保育士は欠かせない存在です。
それなのに、ああ、それなのに、保育士は給与が安く、なかなかなり手がいないそうじゃありませんか。
そりゃ保育士の仕事がスマホで音楽でも聞きながら、スマホ操作する利き手じゃないほうの手だけで、それこそ片手間でできるなら低賃金でもいいですけど、保育士の仕事は作業が多いうえに「子どもを預かる」という責任も重く、本来なら国会議員なみの高給であるべき職業のはずです。
保育士になったらすべての税金は免除、くらいのことをして国家レベルで保護すべきではないのでしょうか。
4. 介護職
少子高齢化が進む今、介護職も保育士同様、国家レベルで保護すべき職業です。
介護福祉士をはじめ、介護職に就く人材も不足していて、2025年には介護業界で34万人もの人材が不足されるという予想もあるそうです。34万人ですよ。34人じゃないんです。
介護職も保育士同様、仕事が過酷なのに給与が少ないそうです。仕事が過酷でも給与が良ければ人は集まります。政治家が良い例です。
しかし、介護職は給与が低くて人が集まらないので、ますます仕事が過酷になるわけです。困ったもんです。
5. トラック運転手
トラック運転手もいわば、現代の便利な生活を支える「縁の下の力持ち」的な仕事です。
日本全国、毎日多くのトラックが走り回っています。そのトラックには大型機械から機械部品、資材、食品、庶民が通販で注文した商品などが積まれています。スーパーやコンビニに商品が並ぶのも、今日ネットショップでポチった商品が明日には自宅に届くのも、すべてトラック運転手が運んでくれるからです。これでトラック運転手に感謝しなければ、そりゃもう血の通った人間とは言えません。
その上、今はトラック運転手も人手不足になっていると聞きます。仕事が過酷で、実際、トラック運転手は「やればやっただけ稼げる仕事」なのですが、それでもひと昔前ほどには稼げなくなり、「過酷なほどには稼げない」イメージが広まっているからです。
そんなイメージの良くない仕事を今日も黙々と続けるトラック運転手を、尊敬するしかありません。
6. 建設業
住宅やらビルやら橋やら、世の中の建造物を造る仕事を、便宜上、ここではひっくるめて建設業と言っておきます。
この職業の人がいないと人々は住む家もなく、買い物するショッピングセンターもなく、仕事するオフィスビルもなく、何にもないわけです。川を渡る橋も、電力をつくる発電所も、パソコンを組み立てる工場もありません。
まさに建設業者は現代の生活を根底から支えていると言ってもいいのです。
7. 学校教師
学校教師が「尊敬できる職業」かどうかは別にして教師たちは「尊敬されるべき」ではあります。
友達のように「気安く接することのできる」教師もいます。そういう教師とのコミュニケーションも必要かもしれません。しかし、教師を見下したり、軽んじるようでは、教育の現場は荒れ放題です。
昭和の前半くらいまで、教師は皆から尊敬されていました。そのころ、日本はまだ進学率が低く、中卒、高卒が当たり前だったので「学がある」教師は尊敬されたのです。
それが、日本人の進学率が上がり、大卒が珍しくなくなりました。それはもちろん悪いことではないのですが、大卒のお父さん、お母さんたちは自分の子どもの教師を軽んじるようになりました。これは憂うべくことです。
子どもたちが勉強だけじゃなく、社会性も学ぶ学校では、やはり教師は「尊敬される」存在であるべきなのではないでしょうか。子どもたちはその関係から「尊敬」、すなわち他人を尊ぶことを学びます。
8. エンターテイナー
音楽や演劇、芸能は何かを生産するものではないので、これを軽んじる人もいますが、人生を豊かにするものとしては欠かせません。
もちろん、ミュージシャンは共感を呼んだり、憧れの対象になったり、映画スターも憧れられたり、お笑い芸人は少々見下される中から、人々を楽しませます。人々は若者が抱きがちな悩みなんかを歌にして「そうそう」と思われ、カッコいいスターは「カッコいい」と思われ、お笑い芸人たちは「バカ言ってらあ」なんて思われるわけです。
しかし、たまには「いつも楽しませてくれてサンキュー」なんて、心の中でつぶやいてみましょう。
9. 食品関連
農作物を育てる農家、魚を獲る漁師から食品加工業者、食品の商品のパッケージを作る包装材メーカー、飲食店まで、あらゆる食品関連の仕事に従事する人たちがいてくれるおかげで、多くの人たちは日々、食事することができます。
10. 医療関係
医療関係者は、何しろ人々の健康な生活をサポートしてくれるのですから、誰もが尊敬したくなるというものです。
まさしく「人命を左右する」職業でもあるので、その仕事は大変な上、責任も重いものです。第一、その職業になるための勉強、訓練も過酷です。
それだけ重大な仕事なので、その分、給与が高いのが救いと言えば救いですが、勤務地、勤務形態によっては稼いだお金も使っている時間がないくくらいの激務だそうです。
最後に
政治家の皆さんは不祥事なんかがあると、一旦は辞職するものの「まだまだ国家のために働きたい」などと言って、次の選挙でまた立候補したりします。
しかし、国家や人々の生活に貢献できる仕事は他にもいっぱいあるんですよ。