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激減していないのに不足気味なトラックドライバーとは

不足

トラックドライバーはこのところ人手不足気味状態が続いているそうです。
トラックドライバーはいろいろな荷を運びます。それによって人々の生活が成り立ち、企業の活動が回るので、トラックドライバーは社会に欠かせない、とても重要な仕事です。トラックドライバーは世間の尊敬のまなざしを一身に浴びるべき職業であり、「社会人の範」となる存在なわけです。まさに、「先生」呼ばわりされても良いくらいですな。
そんなトラックドライバーですが、人手不足だそうです。とは言え、どうやら減っているわけではないのだとか。トラックドライバーの数は横ばいか、微妙に増えているとも言われています。
それでも不足しているとは、一体どういうことなのでせう。
つまり、本来必要なだけのトラックドライバー不足しているということなのです。
例えば、あるラーメン店は、1軒営業するのに、スタッフが2人必要だとします。このラーメン店が10軒あれば、スタッフは20人必要になります。100軒なら200人です。
しかし、スタッフが200人しかいないのに、必要があってラーメン店を150軒にしなければいけないとしたらどうでしょう。本来300人必要なのに200人しかいないので、100人足りません
スタッフの数は減っていないのに、スタッフが不足していることになります。
同じことがトラックドライバーに起きているわけですね。




1. 若者はどこへ?

トラックドライバーがなぜ望むように増えないのかと言うと、若いなり手が減っていることが大きいそうです。
コンビニの店員は20年も前なら、大学生に人気のアルバイトでした。コンビニは町のいたるところにありますし、勤務時間も選べ、作業もそれほど難しくはないので、手軽にできたからです。
しかし、今コンビニ働いているのは外国人か中高年が中心です。若い人は一体、どこでアルバイトしているのだろう?と、不思議に思う昭和世代の何と多いことでしょう。
こうした、若いなり手の減少はトラックドライバーとコンビニだけに起きているのではありません。出産数の低下によって、今や多くの業界が若い人材の確保に難航しています。
恐らく、このまま出産数が低下していけば、敵国に攻撃される前に日本は滅びるでしょう。こんな日本で、子連れの電車利用などに文句を言ったり、職場での育児理由の早退や遅刻、欠勤は「不公平」と目くじらを立て、遠慮しながら育児しなければいけない環境にしている人たちは、きっと日本を滅ぼそうとしているに違いありません。
「何を大げさな」ですって? 出産数の低下はそこまで深刻だということです。

若者

2. 悪いイメージは今も昔も

トラックドライバーに若い人がなかなかなろうとしないのは「トラックドライバーは長時間勤務で仕事が過酷な割りに給料が低い」とか「トラックドライバーは荒くれ者」などの悪いイメージが広がっているからでもあるようです。
「仕事が過酷」でも給料がそれに見合っていれば、まだ若い人も「お金のため」と割り切ってトラックドライバーになるかもしれません。しかし、苦労ばかりが多くて給料が低いなら、そりゃ若い人じゃなくても避けたいです。
一方、昭和の昔は今より給料が高く、トラックドライバーは憧れの花形職業だったこともあるようです。
ただ「トラックドライバーは荒くれ者」というイメージは、昭和の大ヒット人気映画「トラック野郎」シリーズの影響が大きかったと言われています。
それでも昔は、たとえ「荒くれ者」の業界だろうと、日本全体でまだ貧乏が珍しくなかったので、「荒くれ者の世界」に自ら飛び込んでたくさん稼いでやろうという若者も多かったのでしょうね。
「昔」と言えば、日本では昔から真面目に勉学に勤しんだ子どもは「末は博士か大臣か」などともてはやされました。それだけ「学校で勉強して良い成績を取り、大学などに進学していくこと」がとても高い価値を持っていると、刷り込まれたわけです。
日本の経済状況も大きく変化したのに、高学歴こそ尊いという価値観だけが今の日本にも残ってしまいましたとさ。

荒くれ者たち

3. 過酷な環境は会社次第

トラックドライバーにも荒くれ者はいますが、しかし、ルールやマナーを守らないような人は面接で落とされてしまいますので、激減したと言っても良いでしょう。
ただ、学校教師にも図書館員にも飲食店店長にもエンジニアにも弁護士にも政治家にも荒くれ者はいますから、トラックドライバーに荒くれ者がいてもあまり不思議ではありません。
一方、過酷な仕事を余儀なくされているトラックドライバーも残念ながら実在します。給料は、今やトラックドライバーに限らず、飛び抜けて高給をもらっているのは政治家くらいで、多くの労働者は低いままとなっています。
それでも、仕事を過酷と思うかどうかは、当事者の価値観、感覚によるものなので、一概には言えないのですが、明らかに無理なスケジュールで仕事を請け負ったりする会社は恐らく、多くの人が「過酷」と思うはずです。
つまり、トラックドライバーの過酷な仕事も実在するものの、それは会社にもよるということになります。やはり過酷な仕事は避けたいので、会社選びはしっかり情報を集めてしたほうが良いでしょう。

過酷な環境

4. 職業に貴賤はあるのか

「職業に貴賤なし」という言葉があります。江戸時代からある言葉だそうですが、意味するところは昔と今とでは違ってきているようです。
今は主に「職業には尊い職業、卑しい職業という区別はない」という意味で使われることが多くなっています。だからか「職業に貴賤なし」と言うと必ず「それはきれいごとだ」と反論する人がいます。「きれいごとだ」は、理想に向かう努力をしない人の言い訳なので聞き流すとして、「職業に貴賤なし」は、対象となっている職業を「けなしてはいけない」という主旨で使われがちです。
ちなみにもともとは「職業内での地位の高低によって人間の価値は決まらない」という意味だったそうです。「職業内での地位の高低」、つまり部長、課長、係長という地位の高低は職業内で存在するわけですが、だからと言って部長のほうが課長より人間としての価値が高いわけではない、ということです。そりゃそうだ、としか言いようがありません。
さて、トラックドライバーという職業もイメージが悪いので、時折、「貴賤なし」の文脈で語られます。
冒頭にある通り、トラックドライバーはそもそも世間の尊敬のまなざしを一身に浴びるべき職業です。「職業の貴賤」という中では「尊い職業」になるわけです。
では、「卑しい職業」って何でしょう?
人をだます詐欺師? しかし、詐欺師は犯罪者であって、それを職業と呼ぶにはいささかどうもという気もします。
国民をだまし、国民にウソを言う政治家あたりがちょうど良いかもしれませんが、もちろん政治家全員がそうだということではないので、「職業が卑しい」と言ってしまうのも語弊があります。一部の、ごく少ない政治家たちは真面目に仕事をしているはずですから。
要するに、職業に貴賤はないが、「尊い人」「卑しい人」の区別はあるのかもしれません。

尊敬のまなざし

5. 増加する仕事量

トラックドライバーの仕事は荷を安全に運ぶことです。
そして、その運ぶ荷は近年、どんどん増えているそうです。
例えば、インターネット販売の拡大がその原因の1つです。これはコロナ禍によって一層の増加を促しました。
また、グローバル化が進んで国際的な荷のやり取りも増えたと言います。
仕事が増えているのに、トラックドライバーの数が横ばい、もしくは微増なので、トラックドライバーは不足状態というわけです。

増加する荷

6. 激減していないが増えてもいない

トラックドライバーは不足していると言われていますが、実際は、トラックドライバーの数は横ばい、もしくは微増状態だそうです。
つまり、激減しているわけではないが、物流需要に応えられるほどに増えてもいないというわけです。
特に若いなり手がほとんどいないのが問題視されています。その一方で、長引く不況やコロナ禍などによる失業者がトラックドライバーになるなど、中高年のドライバーは増えていると考えられます。
若いなり手が少なく、現在のドライバーがそのまま歳を取り、さらに中高年のドライバーが増えるので、トラックドライバーはどんどん高齢化していくのではないでしょうか。

横ばい

7. 労働環境が良くなったら増えるのか

そんなわけで、「トラックドライバーが不足気味」という状況を改善するには、若いなり手に増えてもらうことが最良の道だと言えます。
さて、どうしたらトラックドライバーになりたい若い人が増えるのでしょうか。
トラックドライバーは「長時間労働で仕事がキツイ」というイメージが広がっています。若い人は「長時間労働でキツイ仕事」を避けたがるので、若いなり手は増えないと言います。
ということは、労働環境をキツくなくすれば、若いなり手も増えるのでしょうか。「労働環境さえ良くなりゃ若い求職者が来てくれるなら、いくらでも良くするぞ」という会社は、試しにぜひ労働環境を良くしてください。

良い環境

8. 給料が上がったら増えるのか

トラックドライバーは「長時間労働で仕事がキツイ」というイメージが広がっていて、そのために若いなり手が減っているという説があります。
仕事なんてそもそもキツイものだと割り切って働くような人は、現代にはいないわけです。
その一方「いやいや、仕事はキツくても構わない。ただ、その分、給料も十分にもらわないとやっていられない」という人はいるようです。つまり、トラックドライバーの仕事は「キツイ割りに給料が安い」から人気がないわけです。
ということは、仕事はキツくてもその分、給料も上げれば、若いなり手も増えるのでしょうか。「給料さえ上げりゃ若い求職者が来てくれるなら、いくらでも上げるぞ」という会社は滅多にないでしょうから、この問いへの答えが出ることはないかもしれません。

給料