AIの発達、スマホやキャッシュレス化の普及など、生活はどんどん便利になってきています。効率化が進んでいます。自宅の明かりをつけたり消したりから、トイレットペーパーの買い足しまでも音声認識システムでできちゃう時代です。若くて健康なら明かりくらいてめえでつければよろしいのじゃございません?と思わなくもないのですが、とにかく何でもかんでも効率的に片付くようになってきました。
今まで手間ヒマかかっていた料理も、あっという間にできたりします。いわゆる時短料理です。冷凍食品を電子レンジで温めるだけならもっと簡単です。
物事が効率的に片付くと、それだけ時間に余裕ができるはずです。
はて、現代人はその余裕ができた時間をどうするのでしょう? 仕事です。
現代人は仕事で忙しく、家事などに時間を割いている余裕がないのです。それで争って効率化を求めます。決して怠けたいからではありません。
結局、生活での時間の余裕がないので、気持ちにも余裕がありません。それでSNSなどでやたらと有名人を攻撃したり、部下をパワハラしたり、異性をセクハラしたり、現代人は常にイライラしています。
そんな現代人が求めるのは効率化ではなく「癒し」です。ほっこりしたいのです。
トラック運転手も同じです。今回はそんなトラック運転手が、思わずほっこりしてしまう事柄を並べてみます。「そんなことでほっこりできるの?」ということもあろうかと思いますが、人は大げさなことではなく、些細なことにも心動かされるものなのです。
と言いますか、些細なことにも心動かしましょう。そのほうが世の中は平和です。
1. 危うく事故りそうだった事態を回避できた
交差点で信号待ちをしていたとしましょう。進行方向の信号が青に変わったので、トラックをゆっくり走らせ始めます。すると、赤信号のはずなのに、目の前の横断歩道に自転車が猛スピードで飛び込んできます。信号無視です。
「ぶつかる!」と誰もが思いました。しかし、トラック運転手が冷静にブレーキを踏み、まだスピードが出ていなかったため、自転車にかすることもなく、止まりました。幸い、トラックには後続車もなく、連鎖的に事故が起こることもありませんでした。
まさに、ほっこりと言うか、ほっとします。
2. 他の車が道をゆずってくれた
トラック運転手は世間から「荒くれ者」だの「運転が荒っぽい」だの思われています。
そりゃ、そんなトラック運転手が存在しないなんて言いません。悲しいことに、そんな不埒なトラック運転手もいます。しかし、不埒な人は教師にも警官にも営業職にも銀行員にもいるでしょ。
多くのトラック運転手はおだやかにトラックを運転しています。荷が破損したりするといけないからです。急ブレーキ、急発進、急加速、急なハンドル操作は避けたがります。積極的に他の車に道をゆずります。
そんなトラック運転手が、たまに他の車から道をゆずられたりすると、やはりほっこりします。
3. 20代の新入社員が入社した
このところいろいろな業界で人材不足が問題になっていますが、トラック運転手もまさにその渦中にあります。
若い人のトラック運転手のなり手が激減し、高齢化が進んでいます。
そんな人材不足状態なので、新しくトラック運転手として入社してくるのも40代だったり、50代だったり、中高年が全く珍しくありません。
そんな中に20代で「トラック運転手に俺はなる!」なんて人がいると、少しほっこりします。長く勤めてほしいと、心の中で祈ります。
4. 妻が作ってくれた弁当箱のふたを開けた
トラック運転手はずっとトラックを運転しています。トラックを走らせるルートや、仕事のスケジュールなどによって違ってきますが、どこでいつ食事を取るかはなかなか重大な問題です。
忙しいとなかなか食べている時間がありませんし、コンビニ弁当が連続するなんてこともあります。
本来、健康を維持して長く仕事を続けるために、偏った食事は避けたいのですが、そうも言ってられなかったりします。
中には、奥さんに弁当を作ってもらったりしているトラック運転手もいます。トラックを停めてひと息ついて、弁当箱を開けたとき、作ってくれた奥さんの愛情を感じると、味もまた格別です。
5. 1人焼肉食べた
トラック運転手にとって、どこでいつ食事を取るかは重大な問題です。
トラック運転手の仕事は体力仕事なので、なるべくガッツリ食べたいと思っています。勤務日は高級な懐石料理より、ボリューミーな唐揚げ定食を食べたいものです。
しかし、スケジュールがきつくて余裕がないと、コンビニ弁当やコンビニのおにぎりで済ませたりします。それが続くこともあります。
スケジュールにも財布具合にも余裕があり、飲食店で落ち着いて食事にありつければうれしいものです。焼肉屋のランチで1人焼肉でも食べれたら、香ばしさとともにスパイシーなタレの味までも心に染み入るかもしれません。
6. いつも立ち寄るコンビニに美人店員が入った
トラック運転手は「行きつけの店」や、行きつけとまでいかなくても「立ち寄りがちな店」があったりします。
トラックを走らせるルートが決まっているトラック運転手には、確実にそんな場所があります。
そんな店、たとえばコンビニでも喫茶店でも良いのですが、新人で美人の店員が入ったりするとテンションが上がります。たまにニッコリ微笑んでくれたりすると、それが単なる愛想笑いでも、気持ちがほぐれるものです。
7. 娘から手作りの交通安全お守りをもらった
トラック運転手が「もらって喜ぶプレゼント」はいろいろあります。
車内で使える車窓用カーテンなど仮眠グッズ、サングラス、腕時計のような「誰がもらってもうれしいもの」、あとはTシャツ、靴下と、いろいろあります。以上は仕事にも役立つものです。
もちろん、個人的に集めているマニアなグッズなら、職業に関係なくうれしいものです。ましてや、奥さんや子どもなど、家族からのプレゼントはまた格別です。値段は関係ありません。
幼い娘が一所懸命作ってくれたものなら、どんなものでも、たとえ気持ちがささくれ立っていようと、じんわりしてしまいます。
8. 取引先で土産のおすそ分けをもらった
トラック運転手はトラックを運転することが仕事の中心です。1人で仕事をするのが基本です。気が楽です。
ただ、人とのふれ合いが全くないわけではありません。勤務している会社には同僚も上司もいますし、何よりも荷を届ける先には必ず人がいます。留守の場合もありますが。
しょっちゅう顔を出す取引先があるというトラック運転手もいるわけです。そんな取引先に、いつものように顔を出したとき、「よければどうぞ」と、おまんじゅうをもらったりします。その会社を訪れた営業マンが置いていったものだったり、社員が出張したときに同僚に買ってきたお土産だったりします。社員旅行に行ったとき、会社を訪れる取引関係者に配るために買っておいたものかもしれません。
しかし、その1個のおまんじゅう、もしくは1枚のおせんべいが和ませてくれたりします。
トラック運転手にもコミュニケーション力は必要です。
9. 時間に余裕があって快眠できた
トラック運転手にとって睡眠は大切です。睡眠不足では、運転中に睡魔に襲われ、最悪事故でも起こしかねません。
また、睡眠不足が続けば、それで健康にも支障をきたすかもしれません。
睡魔に襲われたときは、眠気覚ましのタブレットを口にするなど、いろいろ対策がありますが、一番良いのは仮眠を取ることです。
休憩時に仮眠を取って、あらかじめ運転中に睡魔に襲われないようにすることもできます。
一番危険なのは、本当は仮眠を取りたいのに仕事がキツくて、なかなかゆっくりしていられないときです。つまり逆に言うと、仮眠を取れるということは、それだけ時間に余裕があるということです。余裕があれば、気持ちもささくれだったりしません。
10. キツいスケジュールの仕事を無事終えた
世の中に「永遠」はありません。どんなにキツいと感じるときでも、やがて終わります。
トラック運転手の仕事にも過酷なことは当然あります。
しかし、そんな仕事をやり終えたとき、夜通しトラックを走らせ、ゆっくりと日が昇るころに納品を済ませ、温かい缶コーヒーで体中に温もりを感じてひと息つくと、疲労感と安ど感がないまぜになって、心地良いひとときとなります。
ほんのひとときですが。