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プロドライバーとしての心得

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プロフェッショナル

トラックドライバーは仕事としてトラックを運転している、いわゆる職業ドライバー、すなわちプロドライバーです。
プロフェッショナルなりゃこそ「仕事の流儀」があります。ただ漫然とトラックを走らせているわけではありません。
トラックドライバーは運転免許と「やる気」さえあれば、誰でもなれる職業ですが、プロフェッショナルとして仕事の流儀を身に着けないと、無事故無違反で長く仕事を続けることは難しいのです。

今はトラックドライバーに限らず、なりたいものには比較的簡単になれる時代ですが、なってからの努力を怠ってはいけません。
そんなわけで今回は、プロドライバーとしてトラックドライバーが心得ておかなければいけないアレヤコレヤを並べ立てます。

1. ドライバー道を追い求める

ドライバーにとって「道」は重要です。
実際にトラックを走らせる道路も重要ですが、茶道、剣道、書道、弓道のような、1つのことを通じて真理を追究し、精神の修練を行う姿勢における「道」もあるのです。
それはドライバーとしての哲学かもしれません。いえ、むしろ理念と言ったほうがいいかもしれません。
理念とは、たとえば右に行くか、左に行くか迷ったとき、どっちを選ぶかの根拠となるもののようなものです。
つまり、右に行けば自分に大金が入るが、それは悪事である。左に行くと、自分は苦労するが、お客さんにとって大きな利益になり、喜んでもらえる。このとき、自分の理念が「人に喜んでもらえることをする」であるなら、迷わずに左に進めるでしょう。
そうやって自分の理念に沿って行動していく姿勢を、ここでは「ドライバー道」と言います。

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どこまでも続く道

2. 道路状況を読む

仕事をする姿勢としての「道」も重要ですが、もちろんトラックを走らせる「道」もとても重要です。
トラックは車体が大きくなると運転席の位置も高くなり、普通自動車などよりも遠くを見通しやすくなります。その分、先の道路状況を読みやすくなるのです。
交差する道路や合流してくる道の車の動き、それに車だけではなく人の動きにも注意しましょう。ひとつ先の信号にも目を配ります。
先ばかりではなく、左右、ミラーなどを使っての後方も注意しなければいけません。
前後左右、広く注意しなければいけませんが、そこにとらわれてもいけません。
とにかく道路上には常に交通事故のリスクがあると心に留め、自分を過信せずに注意深くトラックを走らせることが大切です。

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複雑怪奇な道路状況

3. GS、休憩場所の確保

安全運転のためには、トラックとドライバーがともに健全な状態でなければいけません。
トラックは車両点検をきちんと行い、万全の状態にしておく必要があります。ドライバーも休憩をしっかり取り、疲労をためず、睡魔に襲われることを避けなければいけません。
そのためにもガソリンスタンド、大型トラックでも停めることができる駐車場を備えた休憩スポットの場所は、あらかじめ把握しておきたいものです。

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ガソリンスタンド

4. 安くておいしい飲食店の確保

仕事に求められるのは「厳しさ」だけではありません。「楽しみ」がないと続けられませんからね。
トラックドライバーは基本的に1人で仕事をします。横にはムッツリした昭和アナログ上司もいませんし、何考えているか分からない平成デジタル同僚もいません。昼食や休憩も1人で、いわば自由に取れます。
もちろん、仕事の進み具合との兼ね合いで、食事する場所もおのずと限られてくるかもしれませんが、時間に余裕があれば、いえ、余裕をつくってでも、どうせ食事するなら楽しく食事したほうが良いです。
トラックドライバーは体力仕事でもあるので、安くて、ガッツリボリュームがあって、しかもおいしけりゃ、他に言うことはありません。
そんな「とっておきの店」を、仕事で走るルート近くに見つけておきましょう。できれば、何軒か押さえておいたほうが、楽しみも増えて良いでしょう。

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飲食店

5. 入浴施設、車両整備店の確保

安全運転のためには、トラックとドライバーが健全な状態であることが必要です。
特に長距離の仕事の場合、生身のドライバーにとって、食事や睡眠とともに大切なのが入浴です。入浴でリラックス、リフレッシュすれば十分な休息もできますし、また、荷を届けるときも清潔でいられるので、届け先の担当者を不快にすることもありません。
同じようにトラックも、カー用品のそろうカーショップ、整備工場、作業道具の店などを押さえておけば、必要なときにトラックもリフレッシュできます。

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自動車整備工場

6. トイレの確保

トラックドライバーがトラックの運転中に恐怖を感じるのは、他の車の危険な行為や、そばを走るスクーター、自転車などの存在ですが、尿意・便意・睡魔も同じように怖いものです。
尿意・便意に対抗するには、ルート上のトイレの場所の把握が不可欠です。渋滞の場合、トラックを動かすことすらできなくなるかもしれないので、念のために簡易トイレなども用意しておきたいものです。
尿意・便意を侮ってはいけません。

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トイレは大事

7. 医療機関の確保

交通事故は、運転中のドライバーが急病を発症するという原因も少なくないそうです。
くどいようですが、安全運転にはトラックとドライバーがともに万全な状態であることが求められます。
トラックに不調が生じると、燃費が悪くなったりもしますが、最悪、ブレーキの利きが悪くなるなどが起こり、事故につながります。日ごろから、トラックの不調を早めに察知できるようにしておきましょう。
同じように、自分の体調の変化にも注意しましょう。何か不調を感じたときは、迅速に医師に診てもらえるよう、医療機関の場所を把握しておくことが肝心です。

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病院

8. 我慢しないこと

クドクドと書きますが、安全運転にはトラックとドライバーがともに万全な状態であることが求められます。
トラックやドライバー自身の体調に不具合、不調を感じたときは「仕事が遅れる」といったことより、万全な状態での仕事を優先させ、車の整備工場や医療機関に直行しましょう。
昭和のアナログな考え方では「我慢すること」が美徳と考えられました。第二次世界大戦中には「欲しがりません、勝つまでは」なんて標語が尊ばれたものです。
しかし、我慢した挙句に事故を起こしては何もなりません。我慢を責任感と勘違いしてはいけません。
不調を改善して仕事を全うするのが、本当の責任です。

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我慢はしな~い!