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トラックドライバーのマナー

荒くれ者?

トラックは普通自動車より車体が大きく、存在そのものが目立ってしまう分、トラックのいろいろな行為も目立ってしまいます。中には単純に「大きくて邪魔だなあ」と思う人もいます。
いえ、もうシンプルに「俺以外の車はすべて邪魔だ」と思うような人もいて、そういう人は「あおり運転」をやらかしてしまいがちなんですが、それはまた別の話です。
トラックドライバーは世間から「荒くれ者」というイメージで見られていました。「いました」過去形で書きましたが、いまだに「荒くれ者」と思われているフシはあります。
それはトラックドライバーの運転マナーが、一般的な運転マナーと違うことに原因があります。
トラックドライバーの仕事は「安全に、時間通りに荷を運ぶこと」なのですが、そのためには「ていねいでおだやかな運転」をしなければいけません。「荒い運転」では荷を「安全に」は運べないからです。
そしてその「ていねいでおだやかな運転」が誤解され、KYな運転をしていると思われてしまっているのかもしれません。
と言っても「トラックドライバーのマナーが悪いのもこういう理由があるのだから大目に見てよ」と言いたいわけではありません。
もちろんそれもありますが。
どんな場合でも、それぞれにそれぞれの事情や理由があります。大切なのは、それぞれの事情や理由を想像し、それぞれに「お互い様」と思って譲り合う気持ちではないでしょうか。

急ブレーキや急発進

運転マナーで守らなければいけないのは「乱暴な運転はしない」ということです。
そして「乱暴な運転」の筆頭が急ブレーキや急発進です。もちろん「危険運転」も、もっともやってはいけない「乱暴な運転」です。
その点、トラックドライバーは「荷を安全に、時間通りに運ぶ」という仕事の性質上、「乱暴な運転」は最もやってはいけないことになっています。「乱暴な運転」のトラックドライバーはもはやトラックドライバー失格だと言えます。
そのため、「乱暴な運転」のトラックドライバーは現代日本には「いない」と言っていいでしょう。
もし「乱暴な運転」のトラックドライバーを見掛けたら、車体にある会社や警察に通報してください。トラックドライバーでなくてもやってはいけない運転です。

ブレーキ

車間距離

トラックの前を普通自動車で走っていて、後ろのトラックがやけに車間距離を詰めてくるなあと感じた人も多いかもしれません。思わず「あおられている」と思ってしまう人もいるのではないでしょうか。
それでグングンとスピードを上げてきて、危険だと感じたら「あおり運転」です。
ただ、トラックは知らず知らずのうちに車間距離を詰めがちだと理解してください。
日本のトラックのほとんどが、エンジンが運転席の後ろに置かれていて、運転席の前にボンネットがありません。運転席の目の前にすぐ道路が見え、しかも運転席は高い位置にあるので、車間距離を普通自動車より詰めがちになってしまうのです。
トラックドライバーにはトラックの前方がよく見えているので、安全な距離だということもトラックドライバーには分かっているのですが、前を走る自動車からはそれは分かりません。トラックの車体が大きければ、それだけ「圧」も感じてしまい、不安になってしまうわけです。
逆に、やけに車間距離を多めに取るトラックもいます。先を急ぐ普通自動車のドライバーからすると「もっと詰めろよ」と思えて、イライラするポイントかもしれません。
しかし、荷を安全に運ぶには急ブレーキを避けなければならないので、あらかじめ車間距離を十分に取って、前の車が急にブレーキを踏んだ場合も、スピードを落とすだけでトラックを停止させずに済まそうと思うのがトラックドライバーなのです。

車間距離

道をゆずる

トラックドライバーは「荷を安全に、時間通りに運ぶこと」が仕事なので、おのずとていねいでおだやかな運転をすることになります。また、ていねいでおだやかな運転ができないと、業界で長年仕事を続けることはできません
そのため、道をゆずるという紳士的な運転が身に着いてきます。
道をゆずらず、自分さえ良ければいいという乱暴な運転をしていたら、荷を傷めてしまったり、交通事故を起こしてしまう危険が高くなります。

道をゆずる

ノロノロ運転

くどいようですが、トラックドライバーは「荷を安全に、時間通りに運ぶこと」が仕事なので、あまりスピードを出せません。スピードを出すと、急に停まらなくてはいけないときなど、ブレーキを踏むと揺れも大きくなりますから。
第一、トラック自体にスピードリミッターが付いていて、一定以上のスピードを出せないこともあります。
また、スピードを出しすぎないかを会社が監視するために、トラックにデジタコという監視機器を付けていることがあります。制限速度以上のスピードを出すと警告音が鳴ったり、トラックのスピードを記録していたりして、ドライバーがスピードを出し過ぎると会社からペナルティを課せられたりします。
そのため、周囲の車のスピードに合わせ、同じように走ることができないので、周囲の車からは「なんだ、あのトラックは。車の流れを考えずにノロノロ走って迷惑だ」と思われてしまうのです。
しかし、トラックドライバーにしてみれば、分かっちゃいるけどスピードを出せないのです。

ゆっくり進む

路上駐車

トラックドライバーの仕事は指定された時間通りに荷を運ぶことを強く求められます。時間厳守と言ってもいいでしょう。遅いはもちろん、早く着いてもいけないとされています。
早く着いた場合、順番まで近くで待っていてと言われたりします。届け先の敷地内に駐車スペースがあれば良いのですが、そんな場所はないのが普通です。
それでトラックドライバーは仕方なく路上駐車することがあります。
コンビニに商品を届けるルート配送ドライバーや、一般家庭などに宅配便の荷物を届けるドライバーも、届け先に駐車スペースがないときは仕方なく路上駐車をせざるを得ません。
しかし、トラックは車体が大きいので、他の車からはどうしても邪魔に思えてしまいます。

トラックの駐車スペース

車線変更しない

道路の一番右の車線や高速の追い越し車線は、追い越し終わったらすぐに車線を変更しなければいけないことになっています。しかし、この右車線や追い越し車線をいつまでもノロノロと走っているトラックがいます。邪魔です。
トラックにはなかなか車線変更しない、またはできない理由があります。
道路によっては、トラックの通行が右側に指定されているところがあるのです。この場合、トラックはルールを守っているわけです。
また、道路の左側はビルなどが立ち並んでいて、トラックは右側を走ることで、少しでも沿道への騒音を減らそうとしていることもあります。
おまけに、道路の左側には路上駐車が多く、左車線を走ると車線変更を頻繁に繰り返さなければならず、荷の安全を考えて車線変更をなるべくしないよう、右側の車線を走るということもあります。

車線変更は難しい

タバコのポイ捨て

タバコの吸い殻に限らず、車の窓からゴミなどを捨てる行為は厳禁です。トラックドライバーとて、それは絶対に守らなければいけないマナーです。
今どき、そんな無法なドライバーは1人もいないことを願います。

これもダメ

アイドリング

トラックドライバーはやむなく路上駐車をすることがあります。荷の届け先で路上駐車をすることもありますし、それ以外でもあります。
トラックドライバーは4時間運転したら30分は休憩を取らなければいけないことになっています。そうでなくても、トラックドライバーはいかに「時間通りに」荷を届けるかということを最優先に考えなければならず、そのために休憩時間はなかなか自分の都合では取れません。
そのため、トラックを駐車できるスペースの確保が難しいのです。そもそもトラックを駐車できるスペースが少ないからです。
そんなわけで、やむなく路上駐車をすることがあります。
そして、それが暑い真夏だったりすると、熱中症を避けるためにどうしてもアイドリングしたままの駐車になってしまうわけです。

やむを得ずアイドリング

トラックドライバーはガラが悪いのか

昔は、トラックドライバーと言えばガラが悪い荒くれ者と思われていました。どちらかと言うと、そういうトラックドライバーが多かったのも事実です。
しかし、それは昭和の時代の話です。
昭和の時代にはトラックドライバー以外にも、ガラが悪い荒くれ者の多い職業はいろいろありました。
時は流れ、今は令和です。トラックドライバーにガラの悪い荒くれ者はほとんどいなくなりました。トラックドライバーはその仕事の性質上、真面目でおだやかな人ではないと通用しないからです。
とは言え、もしかしたらゼロではなく、ガラの悪いトラックドライバーもまだいるかもしれません。
しかしそれは「トラックドライバーだから」ではなく、その人個人の特性です。
実際、ガラが悪いと言えば、ガラが悪い政治家、ガラが悪い芸能人だっているわけですから、本当に人それぞれです。

ガラが悪い人