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タクシードライバーの仕事が誰にでもできるわけではないという理由

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医者に向いている人

世の中には、タクシードライバーを「他の仕事ができなかったヤツが就く底辺職」などと言ってはばからない輩がいますが、職業差別はとても見苦しく、はしたないものです。
しかも、タクシードライバーが「他の仕事ができなかったヤツが就く底辺職」などというのは事実無根です。タクシードライバーはここのところ人手不足が続いていて求人も多く、タクシードライバーの仕事に就くハードルがかなり下がっているとは言え、他の仕事ができない人にたやすく務まる仕事というわけではありません。
人には向き不向きがあります。つまり、弁護士やら医師になれる人だって、タクシードライバーという仕事に向いていなければ、タクシードライバーの仕事は無理なわけです。

1. 運転免許が必要

タクシードライバーの仕事のメインはタクシーを運転することなので、当然、自動車の運転免許が必要です。
しかも、タクシードライバーのように旅客自動車を旅客運送のため運転しようとする場合、第二種運転免許も必要になります。
第二種運転免許の取得は難しく、これを取得したタクシードライバーは「高度な技術を持った専門職」だと言えます。
とは言え、タクシー会社に就職するときに第二種運転免許を持っていなくても、入社後に取得を支援してくれる会社が多いそうです。
ただ、第二種運転免許を取得すればすぐにタクシードライバーになれるわけではありません。社内研修を受けて審査にパスしなければいけませんし、東京、神奈川、大阪の指定地域でタクシードライバーとして仕事をする場合、かなり難しいとされる地理試験に合格しなければいけません。
これだけでも「他の仕事をできないような人」に務まる仕事ではないことが分かります。やはり「向き不向き」なのです。

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免許証

2. 長時間の運転ができないといけない

タクシードライバーの仕事の大半はタクシーを運転することなので、他の職業ドライバー同様、「車の運転が好き」だという人に向いていると言えます。
逆に言うと、車の運転が苦痛だという人、「車を運転するくらいなら地獄の業火で焼かれるほうがマシ」という人には全く向いていないということです。
車の運転には好き嫌い、向き不向きがありますが、タクシードライバーとして仕事をするからには長時間車を運転しなければならず、それがどうしても無理と言う人には務まらないわけです。

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地獄の業火

3. 長時間、1人で仕事するのが苦になる人はできない

タクシードライバーは基本的に1人で仕事をします。
研修期間中は助手席に教官が座り、細かく指示や指導をしてくれたりもしますが、研修が終われば1人です。
ただ、乗客がいる場合は孤独ではありません。そして、乗客を乗せなければタクシードライバーとして収入を上げることはできません。
とは言え、乗客は決してお友達ではありませんし、同僚や上司ではないのです。タクシードライバーは、大企業で大きなプロジェクトを進めるように「チーム」で仕事をするわけではありません。
仕事を進めるときの細かい判断は、その場その場で自分1人で決めて行かなければいけません。そんな重圧には耐えられそうにないという人には、タクシードライバーの仕事は向いていないでしょう。

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1人きり

4. 人と接するのが苦になる人にはできない

タクシードライバーの仕事は基本的に1人で行うものですが、孤独ではありません。タクシードライバーの仕事は「お客さんを安全に迅速に快適に目的地へ運ぶこと」であり、より多くのお客さんを乗せなければ収入を上げることができないからです。
そしてタクシードライバーがお客さんを「快適に」運ぶために必要なのが「接客術」です。タクシードライバーは「接客術」によってお客さんに「快適」だと感じてもらわなくてはいけません。
接客が得意であることに越したことはありませんが、必ずしも得意でなければできないものではありません。苦手意識があっても、それを克服しようと努力すれば大丈夫です。
しかし、人と接するのがもはや「苦痛」であるなら、タクシードライバーの仕事は向いていないかもしれません。人と接することの少ないトラックドライバーになることをオススメします。

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接客業

5. 怒りの沸点が低い人にはできない

タクシードライバーの仕事はお客さんを快適に目的地まで運ぶことです。
お客さんに「快適さ」を感じてもらうには接客術が必要ですが、お客さんにもさまざまな人がいます。中には、タクシードライバーを見下し、横柄な態度を取ったり、乱暴な口を利くお客さんもいます。
もちろん、お客さんが暴力を振るうような場合は警察に通報したほうが良いですが、暴力まで行かない場合は耐えることも必要になります。
そもそも車の運転はストレスがたまるものでもあります。他の車の存在や信号、渋滞など、車の運転にはさまざまな制約があり、その上でドライバーは安全運転に集中しなければいけません。
そんなストレスの中、あくまでも安全運転を続けるためには、常に冷静でいることが必要です。横柄なお客さんや、自分の思うように走ってくれない周囲の車などにイチイチ腹を立てて冷静さを失ってしまうようでは、タクシードライバーの仕事は務まらないでしょう。

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怒りの沸点が低い人

6. 冷静に行動できない人には難しい

タクシードライバーは車を運転するということで冷静さを求められる上に、違うことでも冷静さを欠くことはできません。
車の運転では素早い状況判断と、それに基づいた迅速な行動をする必要があります。そこにはもちろん冷静さが欠かせないのです。
タクシードライバーは冷静にタクシーを運転しながら、プラスして他のいろいろな作業をこなさなければいけません。
タクシードライバーはタクシーを走らせながら歩行者がタクシーを停めるために手を挙げたりするのを素早く見つけ、安全にタクシーを歩道に寄せ、お客さんを迅速に乗せ、手早く目的地などを聞き、安全にタクシーを発進させます。
目的地に着いたら、また安全にタクシーを歩道に寄せて停め、素早く精算を行い、安全にお客さんを降ろしてタクシーを発進させます。
交通量の少ない道路であれば簡単にできることも、交通量が多ければ、モタモタしていると他の車の邪魔にもなります。他の車の邪魔になるかと思うと焦ってしまい、そんなときに限って精算に時間がかかってしまうと、パニクってしまうこともあり得ます。
多くの作業をどんなときでも冷静に、的確に行うことができないと、タクシードライバーの仕事がかなりしんどくなります。
とは言え、冷静にいろいろなことに対処できるようになるには「慣れること」が肝心かもしれません。

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素早さ

7. 創意工夫ができない人には難しい

タクシードライバーの仕事はお客さんを安全に、快適に、迅速に目的地まで運ぶことですが、そもそもお客さんを見つけなければいけません。
お客さんをできるだけ多く見つけ、乗せなければ収入を上げることができません。そしてお客さんをより多く見つけるには、人の流れをつかむ情報収集、収集した情報を分析する能力、分析結果からの仮説立て、仮説の実証、実証からの新たな分析といったマーケティング力が必要になります。ただ漫然とタクシーを走らせているだけでは、タクシードライバーとしての収入を増やすことは難しいでしょう。

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マーケティング

8. 地道な努力ができない人には無理

タクシードライバーとして収入を増やしていくにはマーケティング力が必要です。そしてこのマーケティングを収入増という結果に結びつけるには、マーケティングを続けていく、たゆまぬ地道な努力が必要なのです。
情報分析から得た想定に従ってタクシーを走らせたからと言って、売り上げが伸びない日もあります。人の流れやタクシー需要には不確定要素も影響するからです。
それでもあきらめず、くじけずに努力し続けなければ、タクシードライバーとして収入を増やしていくのは難しいです。

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くじけないこと

最後に

タクシードライバーの仕事は専門的な知識や専門的な技術を必要とする専門職で、専門的な知識や専門的な技術を得ることに向いている人のほうが、タクシードライバーになりやすいと言えます。
でも、どうしても「なりたい」という強い気持ちがあり、続けて行けば、不向きなことにも「慣れ」ていき、できるようになる可能性もあります。
大切なのは心の底から「やりたい」と思うかどうかかもしれません。

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思いはかなう、はず