「昭和世代の言うことなんて理解できん」なんて言って古さをバカにしていた平成世代ですが、あっという間にその平成も終わり、時代は令和となりました。そのうち「平成なんて古臭い」と言われるようになるんでしょうね。
時代はどんどん進んでいくので、そんなことを言っていたらキリがありません。昭和世代には「未来のSFの話」だったスマホなんてものも今や「当たり前」なんですから。
生活の利器はどんどん進化していきます。必要がなくても進化します。開発者の「こうしたい」という欲求によって進化し、必要が高まると商品化されます。
そんなわけで、世の中のいろいろものが「省力化」しています。つまり、何でも「簡単にできる」ようになるわけです。「簡単に」ということは、簡単に悪用もできるわけですが。
とにかく、自動車も必然的に進化しますし、その自動車を使ったタクシーももちろん進化します。
タクシードライバーはここのところ人手不足が続いていますから、その対応策がタクシーの進化のポイントとなるでしょう。
1. 完全自動運転
自動車の自動運転システムの開発は以前から進められています。現在もすでに自動ブレーキシステムなどは実用されていますから、完全自動運転システムも技術的にはまもなく実現するでしょう。
タクシードライバーは人手不足に陥っていますから、ドライバーがいなくてもタクシーが走るようになれば、人手不足の問題は解決されます。
とは言え、もし事故が起きたときは誰が責任を取るのかなどの問題もあります。完全自動運転のシステムが完成しても、実際にドライバーがいないタクシーが街を走るのは、まだまだ当分先のことかもしれません。
2. ロボットが運転
しかし、いずれは責任問題的な法整備も完成し、タクシーと言わず、あらゆる自動車はAIが運転するようになるでしょう。
ただ、タクシーは接客業でもあるので、完全に無人では「おもてなし」の面で十分なサービスができないと、誰かが言い出すかもしれません。
そこで登場するのがロボットドライバーです。とは言え、タクシーの運転はAIが行うので、本当にロボットが運転するのではなく、とりあえず人の形をしたロボットが運転席にいて、接客のみを行うようになるのではないでしょうか。
この場合、あまりにもリアルに人間に似すぎているとかえって不気味です。そのさじ加減が難しいところです。
3. 空を飛ぶ
空飛ぶタクシーの開発も以前から進められています。近いうちに実現する可能性は高いでしょう。
今やドローンが普及している世の中ですから、滑走路も不要で空を飛ぶ物体の存在は珍しくありません。後はそこに人を乗せるだけです。さらにこれももちろん完全自動運転です。
ただ、これではあまり「タクシー感」がありません。
やはり、自動車の形をした乗り物が空を飛んでくれないと「空飛ぶタクシー」という感じがしません。
未来ではドローンではない、いろいろな自動車がそのまま空を飛ぶ社会になっていることでしょう。
4. 高齢者、障がい者、妊婦は無料
タクシーは今でも、公共交通機関が行き届いていない地域で自動車を持っていない人たちにとって、なくてはならない存在です。都市部でも自動車を運転しない、運転できない人にとってありがたい存在です。社会貢献度の高い仕事、それがタクシードライバーです。
そのタクシーが完全無人自動運転化され、人件費がかからなくなったので、高齢者、障がい者、妊婦は乗車賃も無料にしましょう。その分の料金は福祉予算として税金から出します。
今の政治は貧富の格差をどんどん広げる社会をつくっています。そして人口の比率では高齢者がどんどん増えます。つまり、政治家のせいで貧乏な高齢者が増えるわけですから、貧乏な高齢者を優遇する、それくらいの措置はしてもいいのではないでしょうか。
5. 元タクシードライバーも無料
タクシーが完全無人化したおかげで、タクシードライバーたちはその職を失います。もちろん、再就職先は行政が何とかしなければいけませんが、社会貢献度の高い仕事をしてきたわけですから、元タクシードライバーもタクシー利用料は無料にしてもいいでしょう。
6. エコな燃料を開発
少子高齢化やらウイルス問題やら政治家の汚職やらで忘れがちになってしまいますが、エネルギー問題は重要です。石油は間違いなく枯渇するので、今のうちにあらゆる自動車の電化は進めるべきでしょう。
さらに、電気でもない、新しい燃料も開発しておいたほうが良いに違いありません。安価で環境に負荷を与えず、安全な燃料です。
例えば、生活ゴミが燃料になる自動車です。確か映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のラストにそんな車が登場していました。
もちろん、タクシーもそうなるべきです。
7. 行き先は入力や読み取りもOK
今やタクシーもアプリで呼ぶ時代です。アプリで行き先も指定し、料金の支払いまでできます。
未来では、別にアプリがなくても、乗ってから備え付けの機器を操作するだけで行き先を運転AIに伝えることができます。もちろん、声で伝えることもできます。
しかし、入力や読み取りで伝えたほうが、より正確に伝わるに違いありません。
8. 現金とキャッシュレスは混在
今は何でもかんでもキャッシュレス化が進んでいます。いまだに現金にこだわるのは、昭和アナログ世代と平成の中でも初期に生まれた世代くらいかもしれません。
タクシーが完全無人化するころには昭和世代もいなくなっているかもしれませんが、平成初期世代で現金派という人も残っている可能性があります。そんな人たちにキャッシュレスを押し付けてはいけません。今までも、テレビのデジタル放送をはじめ「便利」の名の下に多くの「押し付け」が行われてきましたが、「押し付け」は要するに「画一化」で、それを言っては「多様性を認めるんじゃなかったっけ?」という面倒くさい議論に発展します。
少しくらいはアナログの言い分にも耳を傾け、キャッシュもキャッシュレスも「選べる」ようにしておきましょう。
9. 究極は「どこでもドア」
近い未来なのか、遠い未来なのか、とにかく未来ではタクシーもドライバーがおらず、空を飛んで利用者を運ぶものになります。しかし、「人が乗る物体」がそもそも「要らないんじゃね」ということになり、ドアを開ければ目的地に着いてしまうようなシステムができるかもしれません。
それは空間と、遠く離れた空間をつなぐ装置かもしれませんし、人や物体を電子に分解して遠方に一瞬にして送る装置かもしれません。
そのころには惑星間旅行もできるようになっているはずですが、宇宙船を惑星に着陸させる必要もなくなります。
最後に
タクシードライバーの人手不足が続いているのは、1つには「タクシードライバーという仕事が過酷」というイメージが広まってしまったためです。しかし、少子高齢化が進んでいることも、その原因の1つにはなっています。
行政でももちろん少子高齢化を止めるための政策を進めています。しかし、その一方で文明の利器はどんどん「人手を省く」方向に進んでいます。つまり、人が少なくっても大丈夫な社会をつくっているわけです。確かに生活が便利になるのは喜ばしいのですが、少子化を促しているようで、ちょっと納得しにくいところではあります。