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大型トラックを上手に運転する方法

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慣れが大切な車の運転

トラックドライバーの人手不足が続いています。
理由はいろいろあるようですが、トラックの運転が専門技術を必要とする、難度の高いものということもあります。実際、大型トラックを運転できる大型自動車運転免許の取得は、決して簡単ではありません。
とは言え、東大に入るほどの難関でもありません。
トラックは普通自動車より車体が大きい分、運転する感覚が普通自動車とは違います。ですから、普通自動車から中型、大型と、トラックの運転に慣れながらレベルアップしていけば、大型トラックの運転もそれほど恐れる必要はないのです。
大型トラックを運転するには、コツがあります。
大型トラックも自動車には変わりないので、運転するときの注意点は基本的に普通自動車と同じです。ただ、普通自動車と違う点もあります。その「違う点」を押さえることが大切です。
大きく違うのは、やはり車体の大きさです。トラックは普通自動車より車体が大きいので、普通自動車と同じ感覚では運転しにくいわけです。すべてはこの大きさの違いによるのです。

そんな普通自動車との違いを押さえつつ、大型トラックを運転するコツをいくつか列挙してみます。
繰り返しますが、大型トラックの運転は弁護士資格の取得に比べれば難しいものではありません。
大型運転免許を取得した後も、練習して慣れることが肝心です。

1. 死角に注意

大型トラックは普通自動車より車体が長いです。車体が大きいです。形も違います。
普通自動車にも運転席から目の届かない死角はありますが、大型トラックのほうが死角も多くなっています。トラックを動かすとき、周囲に何があるかをしっかり確認しないと、それで交通事故を起こす危険もあります。
そのため、トラックには周囲を確認するためのミラーが多く付いています。トラックを発進させるとき、曲がるとき、停めるときなど、運転席から見えるところだけではなく、見えないところもミラーを使ってしっかり確認しなければいけません。

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トラックは死角が多い

2. 内輪差に注意

交差点でトラックが左折するとき、左側の前輪と後輪が通る軌道に差が出ます。後輪は前輪よりも内側を通るのです。これが内輪差です。
車体が大きくなればなるほど、内輪差も大きくなります。
運転席から見えにくいトラックの横の後方に自転車、バイク、歩行者などがいた場合、前輪はかすらなくても後輪及びトラックの後部がその自転車、バイク、歩行者などと接触してしまう危険があります。
トラックの後輪が歩道などの縁に乗り上げてしまう可能性もあります。
右折するときは、もちろん右側の車輪に内輪差が発生します。

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内輪差

3. オーバーハングにも注意

大型トラックは、大きくハンドルを切って右折すると、左側の後方部が大きく左に振られ、タイヤ部分からはみ出してしまうことがあります。これがオーバーハングです。いわゆる「おケツを振る」状態です。
車線からはみ出し、横を走っている車やバイクを巻き込むようにしてぶつかってしまう危険もあります。
トラックを右折や左折するときは、内輪差に注意しなければいけませんが、同時にオーバーハングにも注意しなければいけません。内輪差を確認しつつ、その反対側もミラーなどでしっかり確認しましょう。

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おしりをフリフリ

4. 高さに注意

大型トラックは普通自動車より車体が長くなっていますし、高くなっています。
一方、道路にはトンネル、高架など、高さが制限される場所があります。普通自動車より高さのあるトラックを運転していて「これくらいの高架なら大丈夫だろう」と思い、高架下をくぐると、トラックの上部をこすってしまった、なんて失敗談はよくあります。
こするくらいならまだしも、荷を破損させてしまっては大変です。トラックの高さをしっかり把握し、どれくらいまでなら大丈夫かを認識して運転しなければいけません。
慣れれば、トラックの車体を自分の体の一部のように感じることができるようになるはずです。

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高さを確認

5. 車体感覚を身に着ける

車体の高さ、長さ、幅の感覚をしっかり身に着けると、大型トラックを自在に運転できるようになります。
普通自動車は、運転席から車の前面まで、かなり離れていますが、今の日本のトラックはほとんど、運転席の前がすぐに車の前面になります。普通自動車は運転席の前にエンジンがありますが、トラックは運転席の後ろにエンジンがあるからです。
こうした、トラックならではの特性を理解し、体で覚えると、トラックの運転に「慣れた」と言えます。
ただ、運転に慣れたからと言って、自信過剰になってはいけません。

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エンジンが運転席の後ろになるタイプ

6. ブレーキは慎重に

大型トラックは普通自動車より重量が重いので、加速や停車にかかる時間も普通自動車とは違いがあります。
普通自動車ほどには早く加速できないので、周囲からは「ノロノロ運転」と見られがちです。しかし、安全運転に努め、他の車があおり運転などの危険行為を仕掛けてきても、その挑発に乗ってはいけません。
停車時も、ブレーキをかけてからトラックが完全に止まるまで、普通自動車よりかなり時間がかかり、その分、トラックは動き続けます。そのため、日ごろから車間距離もきちんと空けて走らなければいけません。
おまけに、トラックは荷を積むと、さらに重量が増えますので、加速も停車も同じくさらに時間がかかります。
特に停車は大事です。今の自分のトラックが、どれくらいでブレーキが完全に利くかを絶えず意識して運転しなければいけません。

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すぐには止まらない

7. 早めに状況判断しつつ足元注意

トラックの運転席は普通自動車の運転席より高い位置にあります。高さはおよそ2メートルくらいです。
そのため、普通自動車よりも遠くを見通すことができます。その分、道路状況を早めに知ることができるので、急ブレーキなどを避けるのに好都合です。
一方、トラックの前面の真下を、トラックドライバーはすぐ見ることができます。視線をちょっと落とせばいいだけですから。
「灯台下暗し」ということわざがあるくらいなので、自分のすぐ間近な足元にはなかなか注意が行き届きません。ですから、意識して前方真下も注意するようにしましょう。歩行者や自転車などが前を急に横切るかもしれません。

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灯台

8. ルールとマナーを守る

これはトラックの運転に限ったことではありませんが、やはり車を運転する上では一番大切なことです。
トラックドライバーも交通ルールと交通マナーを守って運転してこそ、交通事故を起こさずにトラックを運転し続けられます。そうやって長く運転してこそ、トラックの運転が身に着き、上達します。

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交通ルールをしっかり守る

9. 安全運転意識を持つ

これまたトラックの運転に限ったことではありません。交通ルールと交通マナーを守る、その根底にあるのが安全運転を意識することです。
法律的には、大型運転免許を持っていれば大型トラックを運転できますが、安全運転の意識がない人には、あらゆる車を運転する資格はないと言えるでしょう。

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今日も安全運転を