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誤解されがちなトラックドライバー

平和な日本

ここのところトラックドライバーは人手不足が続いています。
トラックドライバーの仕事は過酷な割りに給料が少ないと思われているからです。ということは、たくさん給料を出せばこの問題は解消されるわけです。
そもそもトラックドライバーは物流を担うことで人々の生活、社会を支える、社会貢献度の高い仕事です。その重要性は国の命運を左右する政治家に匹敵するわけですから、給料も政治家並みにしてもいいのではないでしょうか。
給料が政治家並みになると、トラックドライバーには学歴も不要なので、トラックドライバーの求人には多くの人が殺到します。
こうして日本は平和になりました。めでたし、めでたし。

とはならないのが現実で、どうもトラックドライバーは間違ったイメージで見られがちです。誤解されがちです。
確かに、実際にルールやマナーを守らない悪質なドライバーもいます。しかし、そういう悪質な人はトラックドライバーに限らず、エリート商社マンにもエリート医師にもいます。
また、特に大型トラックは大型であるがゆえに圧迫感もあり、「邪魔」「偉そう」なんて思われているフシもあります。しかし、トラックは大型だからこそ、物流を担うことができるのだと理解しましょう。
トラックは大型だからこそ、普通自動車とは違うということも理解しましょう。
トラックドライバーは物流を担う必要から、どうしても労働時間が長くなりがちです。しかし、トラックドライバーの健康を考え、いろいろなルールが設定されています。このルールはトラックドライバーを守るものでありながら、トラックドライバー以外の人に理解されにくい行動をトラックドライバーに取らせてしまうこともあるのです。

1. コロナは運ばない

新型コロナウイルスの感染が広がり始め、外出自粛が要請され始めたころ、生活や経済を支えるために県を越えての移動をやめなかったトラックドライバーに、一部の心ない人たち「コロナを運ぶな」なんて心ない言葉を浴びせました。ホント、心がありません。
長距離のトラックドライバーの子どもが、登校せずに自宅待機せよとの要請を学校から受けたなんてこともありました。
目に見えないウイルスは怖いです。そして恐怖は人を攻撃的にします
しかし、冷静に考えればトラックドライバーが運ぶのは製品や商品、部品などであって、何もウイルスを運んでいるわけではないなんてこともすぐ分かりそうなものです。
もちろん、感染リスクはあります。しかし、それを言うなら感染リスクはトラックドライバーだけではなく、あらゆる人にあるのです。

恐怖にかられた人

2. 駐車スペースが少ない

大型トラックは大型であるがゆえ、普通自動車のための駐車スペースには停めることができません。
それなのに、ああ、それなのに、サービスエリアなどでも大型車の駐車スペースはそれほど多くないのが原状です。そんな少ない駐車スペースに普通自動車が停まっていてトラックを停められなかったりすると、トラックドライバーは愕然とします。
トラックドライバーは法律によって4時間に30分は休憩しないといけないように決められているので、これは本当に困ります。
くれぐれも普通自動車を大型車の駐車スペースに停めないようにしましょう。ちなみに、障がい者用駐車スペースに健常者が車を停めるのもダメです。

駐車スペース

3. 車間距離

大型トラックは大型なので車体重量も重いです。荷を積んでいるとさらに重くなります。
そのため、制動距離、つまりブレーキを踏んでから停まるまでの距離も普通自動車より長くなります
トラックは前方の車との車間距離をかなり長めに空けて走ります。それは、何かのときに急には停まれないからです。
くれぐれも、トラックの前に入れそうだと思ってもむやみに入ったりしないでください。危険ですし、その行為によってトラックが急ブレーキを踏むことになると、トラックは荷崩れなどを起こし、大きな損害を被ります。

車間距離は長め

4. ノロノロ運転

大型トラックにはリミッター(速度抑制装置)が付いていて時速90km以上出せないようになっています。
そのため、高速道路では制限時速100kmで走る普通自動車からはどうしても「ノロノロ運転」に見えてしまいます。

ゆったり動く

5. 急ブレーキができない

車の運転で疲労の原因になるのが、こまめなハンドル操作やブレーキ、アクセル操作です。
長時間トラックを運転するトラックドライバーは、なるべく同じ速度で走り、こまめな操作を回避しようとします。それは疲労をためない工夫であり、また、急ブレーキや急なハンドル操作による荷崩れの危険を避けるためです。
荷を安全に運びたいので、急な加速もしません。
一般道でも、こうした運転で周囲の車には「ノロノロ運転をしている」と見られがちです。しかし、理由があってのことなのです。

急ブレーキ

6. エンジンを切れない

住宅街などで、トラックがエンジンを切らずに路駐していることがあります。
トラックは荷の配達や集配、荷待ちなど、それぞれざまざまな理由で路駐します。
トラック運転手は4時間に30分は休憩しないといけません。法律で決められているのです。
その一方、大型トラックを停められる駐車スペースは少なく、仕方なく路駐することになります。
しかも、やむなく路駐する間も、エンジンと連動した冷凍スペースを搭載している場合や、夏などでエアコンをつけなければドライバーが参ってしまう場合など、どうしてもエンジンを切れない事情もあるのです。

アイドリング

7. 車中泊が普通

長距離トラックのドライバーは、一度勤務に就くと2~3日、長いと1週間くらいは家に帰れません。2~3日では往復できない遠方に荷を運ぶ仕事もあるわけです。
それで、仕事で地方の町に行けてご当地グルメも食べられるなんて思われがちですが、意外と行った先の土地柄を楽しめる時間もそんなにはなかったりします。ご当地グルメを楽しめる飲食店に大型自動車の駐車スペースがなくて断念することもあります。
そうは言っても、何とか工夫してご当地グルメを楽しんでいるトラックドライバーもいます。
ただ、それでもほとんどのトラックドライバーは、ホテルやモーテルで宿泊するのではなく、トラック車内で泊まることになります。大型トラックには、ドライバーが寝るための寝台スペースが付いているものも多くあります。
それでは入浴はどうしているかというと、サービスエリアやガソリンスタンドのシャワー室を使ったり、トラックドライバー専用の休憩施設トラックステーションのシャワー室や風呂を使います。その他の入浴施設を使うこともあります。

シャワー

8. 労働時間のルール

ここのところ、労働者は働き方改革のせいで困っている人が増えていると聞きます。働き方改革が、労働環境を改善して労働者を助けるのではなく、経営者に都合の良い制度だからだという批判もありますが、それはまた別の話。
トラックドライバーにも、トラックドライバーの働きやすい労働環境を実現するためにいろいろなルールが設けられています。
4時間に30分は休憩しなければいけないというのもその1つです。また、労働時間も法律によって上限が設定されています。トラックドライバーの1日の拘束時間は原則的に13時間までになっていて、例外として拘束延長を認める場合でも最大16時間までです。拘束時間とは、労働時間と休憩時間を合わせた時間、つまり始業から終業までの時間のことです。
労働時間、拘束時間、休憩時間は法律で決められていますが、それによって仕事のスケジュールを変えられるわけではありません。一方、トラックドライバーには律儀な人が多いので、この法律を必死に守ろうとして、かえって無理して仕事をしてしまうこともあるわけです。

休憩

9. マナーを守る

トラックドライバーは「マナーやルールを守らない荒くれ者」と思われがちですが、実は真面目で責任感が強く、仕事熱心な人が多いのです。真面目で責任感が強く、仕事熱心ではないと務まらないのがトラックドライバーの仕事だとも言えます。
その証拠に、今日も物流は滞ることなく、スーパーやコンビニに商品が並び、自動車工場は出荷を止めず、ネットショップでポチったアダルトDVDも手元に届きます。
トラックドライバーは「マナーやルールを守らない荒くれ者」ばかりだとしたら、今ごろスーパーやコンビニに商品は並ばず、ネットショップでポチったエロゲーが手元に届くこともないでしょう。

お行儀よく

10. 収入は低くない

トラックドライバーの仕事は過酷な割りに給料が少ないと思われているようですが、実際は平均年収350万円~400万円代とも言われています。
拘束時間が長かったりする割りには低いと感じる人もいますが、普通のサラリーマンに比べると大きな差はないようにも思えます。
そんなことを言うと「同じくらいの給料なら、楽なサラリーマンのほうが良い」という人もいるでしょう。そう思う人はサラリーマンで良いと思います。
しかし、中には人間関係がわずらわしく、窮屈な背広は好きになれないけど、車の運転が好きで、人間関係にわずらわされないほうが良いと思う人もいます。そんな人はトラックドライバーが向いている、かもしれません。

やればやっただけ稼げる

最後に

トラック、特に大型トラックは普通自動車と違います。また、多くの人はトラックドライバーの労働環境まで知りません。
大型トラックは車体が大きくて圧迫感があるだけに目立ちます。それで大型トラックは物流を担い、生活や経済を支えるためにいろいろなものを運んでいます。多少「邪魔だなあ」「厄介だなあ」と感じながら大目に見ても、決してバチは当たらないでしょう。
ただ、日本人は「同調圧力」が強く、自分が我慢しているのに他人が優遇されているのを「不平等」と感じてそれを許さない不寛容な国民性があります。トラックドライバーだけ大目に見るなんて「不平等でずるい」と思うのでしたら、自分もトラックドライバーになって、その恩恵を被りましょう。

大きいトラック