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トラックドライバーの憎しみ

可愛さ余って憎さ百倍


映画やドラマではよく「人生には愛が必要だ」とかなんとか言われますが、人生において「愛」とワンセットになっているのが「憎しみ」です。「愛憎」なんて言います。
性質は真逆のようにも思えますが「愛」「憎しみ」は両方とも、強い感情であるところが共通です。「強い」ので、無意識のうちに抱えてしまうわけです。
日本には「可愛さ余って憎さ百倍」なんて言葉もあります。
仕事に対する「思い」が強いと「愛」と同時に「憎しみ」も湧くのかもしれません。

1. 無茶なスケジュール

トラックドライバーの仕事は「長時間勤務で過酷」と言われがちですが、その「過酷」と言われる理由の1つが、結構きついスケジュールだということは事実のようです。
と言っても、スピード違反をしないと実行が無理なスケジュールなんてのは映画やドラマの中だけの話で、長距離の仕事でも現実には、目的地への到着時間から逆算して出発するようになっています。計算通りなら問題はありません。
ただ、そこに想定外のトラブル、例えば荷積みに予想以上に時間がかかったり、渋滞に巻き込まれたり、何か忘れ物をして途中で引き返したりといったトラブルが起こり、焦りながらハンドルを握ることもあります。
もちろん、スピード違反はしません。それに荷の安全を考え、ていねいでおだやかな運転を心掛けます。
そうしているうちに疲労がたまると、いつの間にかスケジュールに対してメラメラと憎みが湧き上がってくるとか、こないとか。

時間は大事

2. 交通事故

トラックドライバーが何よりも忌み嫌うのが交通事故です。交通事故を起こしても、巻き込まれても、時間を取られ、もしかしたらお金も取られ、最悪人命にも関わります。人生を変えられてしまう可能性もあります。
トラックは普通自動車より大きい分、普通自動車とぶつかったときは、普通自動車のほうが被害が大きくなりがちです。何かを壊したりしたときも、被害額が大きくなりがちです。
こうした場合、賠償金をドライバーに自腹で負担させる会社も少なくありません。つまり、いろいろなケースがありますが、トラックドライバーに負担させる会社が多いのです。
また、相手に非があってもトラックドライバーが加害者扱いされてしまうことが多いです。

事故は避けたい

3. 交通違反

スピード違反、違反駐車、飲酒運転、危険運転、無免許運転など、道路交通法に違反すると、これまた時間やお金を取られることになります。
こうした違反によって運転免許の違反点数が基準を超えると、運転免許の取り消しなどにもなります。
トラックを運転することで収入を得ているトラックドライバーにとっては大問題です。もちろん、飲酒運転や危険運転は絶対にしてはいけませんが、ついスピードを上げ過ぎたり、注意不足で駐停車禁止の場所にトラックを停めたり、うっかりやってしまうこともあるかもしれません。
そんな「うっかり」な自分を憎むしかありません。

スピードの出し過ぎに注意

4. マナー違反

ほとんどのトラックドライバーが、荷を安全に運ぶためにていねいでおだやかな運転をしています。
しかし、荒っぽい運転をしてしまうトラックドライバーもいます。
そんな荒っぽいトラックドライバーが少数でもいるせいで、トラックドライバーは世間から「荒くれ者」と思われがちです。ですから、真面目なトラックドライバーであればこそ、トラックの荒っぽい運転や、ゴミのポイ捨てなどのマナー違反を見ると、メラメラと憎しみが湧き上がってきます。
トラックドライバーはプロのドライバーなのですから、他のドライバーの模範となるようなドライバーになりましょう。

ポイ捨て禁止

5. 渋滞

トラックドライバーの仕事の多くは、荷を届ける時間が決められています。多くのトラックドライバーは、決められた時間になるべくピッタリに着こうとして、工夫してトラックを運転しています。時間が大まかににしか指定されていない宅配便のドライバーも、きちんと指定時間内に仕事を終わらせようと、やはり工夫してトラックを運転しています。
そんな中、渋滞にハマってしまうと、渋滞を呪うしかできません。
トラックドライバーにもいろいろな仕事があり、ドライバー自身もいろいろなタイプの人がいますから、渋滞も想定してトラックを運転している人もいるでしょう。渋滞をうまく回避できている人もいるはずです。
それでも、想定外の渋滞にハマってしまい、イライラを募らせているトラックドライバーもいるはずです。

渋滞は避けたい

6. 偏見

人は弱いものです。「偏見や差別はダメ」と分かっていても、知らず知らずのうちに誰かを偏見の目で見てしまいます。
そしてトラックドライバーも、その偏見にさらされてしまうことがあります。
それは、確かに荒っぽいトラックドライバーが一部に実在するからですが、真面目にていねいな仕事を続けている多くのトラックドライバーにとっては「トラックドライバーなんて荒くれ者だ」と決めつけられるのは心外です。
しかし、そんなトラックドライバーも誰かを偏見で見ているかもしれません。自分が偏見だと感じたら、自分も他人に偏見の目を向けることをやめましょう。回り回って、いつか世の中から偏見が消えるかもしれません。

多様性

7. 差別

他人への偏見を表面に出すと差別になります。
トラックドライバーを荒くれ者と見ている人が、それを発信すると、それは差別になり、それを目にしたトラックドライバーはイヤ~な気持ちになります。心を傷つけられたのです。
コロナ禍では「コロナを運ぶな」と、心ない言葉をぶつけられたトラックドライバーもいます。「コロナなんか運んでねえよ」と、正論でも言い返さなかったのは、それだけトラックドライバーが大人だったからでしょう。

差別反対

8. 送料無料

コロナ禍による外出を控えようという風潮もあって、需要が伸びたのが通販です。
そして通販の謳い文句でたまに見かけるのが「送料無料」です。とにかく「無料」を喜ぶ庶民へのアピールだと思われます。
しかし、通販ショップの従業員が消費者のところまで自社のトラックで商品を運ぶなら「送料無料」も可能ですが、現実には運送会社に発注しているので「無料」はあり得ません。実態は「送料ショップ負担」「商品代金は送料込み」が正確です。
ただ「送料込み」は庶民が喜ばないので使わないでしょうから、やはり「送料ショップ負担」が良いかもしれません。
とにかく「送料無料」なんて言われると、トラックドライバーは自分たちの仕事が「無料」だと言われたみたいで、イヤ~な気持ちになります。

輸送にはお金がかかる