
人生には「愛」が必要だと、映画やドラマではよく言われます。
どんな仕事にもやりがいがあります。世の中には「そんなもん俺の仕事にはねえよ」という人もいるかもしれません。やりがいを見つけられている人は幸せなのかもしれません。
そこにやりがいを見つけられるかどうかは、いかにその仕事に「思い」を込めているかにもよるでしょう。「思い」とは「うまくやってやろう」という目標、目的意識です。目標や目的意識があると、それが達成できたときの充実感を味わうことができます。「やりがい」は、その充実感を重ねていくことですから。
この仕事への「思い」は「愛」でもあるのです。
1. 荷
トラックドライバーの仕事にもいろいろありますが、ほとんどの仕事での共通点は「荷を運ぶこと」と言っていいでしょう。
どんなトラックドライバーも荷を安全に運ばなければいけません。中には、全神経を集中してていねいに運ばなければいけない荷もあります。1つ1つの荷を「幼い我が子」くらいに考え、万難を排して安全に運ぶことがトラックドライバーの責務です。荷に対し、我が子に注ぐのと同じくらいの「愛」があれば、その責務を果たせるはずです。

2. 取り引き先
トラックドライバーは基本的に1人で仕事をするので、人間関係によるストレスの少ない仕事だと言われています。
だからと言って、人と接することがないわけじゃありません。
荷を積む場所の担当者や、荷を下ろす先の担当者とやり取りします。宅配便のドライバーなら、荷を届けた先の個人とやり取りすることもあります。
営業職も兼任するセールスドライバーは別ですが、シンプルに配送だけを行うトラックドライバーは、そうした取り引き先や個人のお客さんと深い付き合いをすることはありませんが、それでも運送会社の顔として、会社の看板を背負って、明るくハキハキとしたあいさつなどをしなければいけません。
外部の人とのやり取りでも、相手に対する「愛」、つまり、相手を思いやる気持ちがあれば、きちんとしたあいさつができ、スムーズにやり取りできるでしょう。

3. 勤務先
トラックドライバーは、会社の外で取り引き先とやり取りするときだけではなく、トラックを走らせているときも自社の看板を背負っていると自覚しなければいけません。街を走るトラックは大勢に見られています。乱暴な運転やルールを守らない運転をしてはいけません。自社だけではなく、荷の持ち主、つまり取り引き先の社会的信用にも関わってきます。
自社の看板を背負うということは、トラックドライバー1人1人が自社の信用を守る行動をしなければいけないということです。取り引き先だけではなく、自分の勤務先に対する責任も、勤務先への「愛」があれば、すんなり持てるのではないでしょうか。

4. 同僚
勤務先への「愛」は、具体的にはともに働く同僚たちへの「愛」です。1人のトラックドライバーの信用が集まって会社の信用となります。逆に言うと、1人のトラックドライバーが信用を落とせば、会社の信用が落ち、他のドライバーたちの信用を落としてしまうことにもなりかねません。
同僚たちも守らなければという責任感があれば、ルールやマナーを守って仕事できるはずです。

5. 家族
トラックドライバーは荷を守ることで取り引き先の信用、自社の信用を守ります。そうやって自分の責務を果たします。
トラックドライバーは自分の責務を果たして無事に仕事をやり遂げることで収入を得ます。この収入で家族ともども生活することになります。「家族のために」と思えば、仕事でツライことがあっても乗り切ることができるかもしれません。

6. 地域
トラックドライバーは生活必需品や工業製品、部品などを運ぶことで人々の生活、経済を支え、社会に貢献しています。トラックドライバー自身に「社会に貢献している」「地域に貢献している」という意識は薄いとしても、実際には貢献しまくっています。
貢献しているという意識は薄くても、少しでも社会や地元に役立っていると思えば、それはやりがいになるでしょう。さらに地域に役立ちたいと強く思えば、やりがいは大きくなるはずです。

7. 仕事
仕事に対して大きなやりがいを持てるようになれば、仕事が楽しくなります。仕事への「愛」が生まれます。
逆に、仕事に対する「愛」があり、仕事を大切にやるようになれば、大きなやりがいを感じ、仕事が楽しくなります。
仕事を大切に思うと、荷を大切にし、取り引き先にもていねいに接し、同僚たちともうまく付き合えます。

8. トラック
トラックドライバーの仕事の相棒はトラックです。
トラックドライバーの中には、自分のトラックに名前を付けて、仕事中にも「今日も頼むぜ」と、トラックに呼び掛けたりする人もいるそうです。
トラックドライバーが運転するトラックは万全な状態でなければなりません。トラックに不備があれば、交通事故を起こすリスクが高まります。
トラックに「愛」を注ぎ、整備を怠らず、大切に乗ってこそ、トラックドライバーとしての仕事を全うできるのではないでしょうか。
