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もしも、トラックドライバー不足が解消したら

光明が差す

このところトラックドライバーは人手不足が続いていて、個々の会社だけではなく、業界全体としてもその課題の解決に向けての取り組みを始めています。
ただ、人手不足の原因の1つである少子化が、行政の失策のせいもあってなかなか止まらないため、トラックドライバー不足もそう簡単には解消されません。
関係者一同、どうしたもんかと、頭を悩ませているに違いありません。

そのとき、ひと筋の光明がトラックドライバー業界に差し込み、トラックドライバー数は増加に転じ、そのうち誰も「トラックドライバーのなり手がいなくて大変」だなんて口にしなくなったのでした…?


1. 税金が安くなる

トラックドライバーの人手不足の原因の1つは「トラックドライバーの仕事が過酷だから、トラックドライバーになりたがる人が増えない」だと思われています。そこでトラックドライバーの労働環境を改善しようという取り組みが始まりました。
この取り組みは会社やトラック協会だけではなく、行政も推進しています。国土交通省の「ホワイト物流推進運動」です。
行政のやることなので、少なからず税金が使われています。
しかし、トラックドライバー不足が解消されれば、「ホワイト物流推進運動」も縮小、もしくは廃絶しても良いわけで、その分、予算も減ります。
「ホワイト物流推進運動」の予算が減った分、税金も減るかもしれません。

税金が減る?

まあ、実際は他に回されるだけなんですけど。


2. 置き配が廃れる

トラックドライバーが不足しているので、トラックドライバーの負担を減らそうとして「置き配」がスタートしました。荷を受け取る人が不在のとき、戸の前に荷を置いていく配達です。改めてまた配達に来なくて良いわけです。
ただ、戸の前に荷を放置していくので「盗まれるかも」というリスクもありました。
トラックドライバーが増えれば、消費者からも「盗まれるかも」なリスクのある「置き配」反対の声がSNS上で拡散するかもしれません。「たくさんいるんだから負担を減らす必要なくね」という理屈です。現代社会はSNSの言いなりなところもありますから、置き配も廃れる、かもしれません。

配達も大変

それはそれ、これはこれだから、やはり負担は減らすべきという声も出るでしょうけど。


3. 事故が減る

とにかくトラックドライバー不足は、1人1人のトラックドライバーの負担を増やしています。負担が増えると気持ちに余裕がなくなり、ミスうっかりも増えます。
トラックドライバーが増えると、1人1人の負担は減ります。気持ちにも余裕が出て、ミスうっかりも減ります。「置き配」で負担を減らす意味は、こういうところにもあるわけです。
トラックドライバーのミスうっかりが減れば、トラック事故も減るに違いありません。

事故は避けたい

ただ、トラックドライバーが増えれば、道路を走るトラックの数も増えるかもしれません。


4. 労働環境の改善が据え置きになる

トラックドライバー不足が続いている今は、「置き配」の導入をはじめとした、トラックドライバーの負担を減らす労働環境の改善が進められています。
となると、トラックドライバー不足が解消されれば、やはり「置き配」の廃絶同様、この改善の取り組みも据え置きになるかもしれません。
ただ、トラックドライバー不足の解消の原因が、労働環境の改善が功を奏した結果なのであれば、その改善が据え置きになった途端、またトラックドライバー不足に逆戻りする可能性もあります。
もしも、労働環境の改善とは関係なくトラックドライバー不足が解消したなら、間違いなく改善は据え置きになるわけでして。

大変な労働環境

「もしも」の話の中の「もしも」話は、何だかややこしいです。ですが、労働環境改善はどの業界でも取り組まれている課題なので、トラックドライバー業界もこの潮流を止めるのは時代に逆行することになります。やはり労働環境の改善は続けられるでしょう。



5. 女性ドライバーが増えなくなる

労働環境の改善以外の、トラックドライバー不足を解消しようという取り組みの1つが女性ドライバーの積極採用です。
トラックドライバー不足が解消されれば、女性ドライバーを積極採用しようという取り組みも停滞するかもしれません。業界として男性が圧倒的に多かったので、会社として女性を積極的に雇用しようとすると、設備や規定の改善などに手間お金がかかるので、トラックドライバーが足りていればやはり手間出費は省こうとするでしょう。
ただ、もともと女性ドライバーの積極的採用はそれほど進んではいないようです。

女性も男性も活躍する職場

とは言え、女性がいろいろな職業に幅広く就いていくのが今の世の中の流れなので、この流れを止めるのは難しいかもしれません。


6. 60歳で定年になる

トラックドライバー不足によって女性の積極採用とともに高齢者の積極雇用も進められています。会社では定年延長定年後再雇用で、60代のトラックドライバーを雇用するようになっています。
トラックドライバー不足が解消されれば、高齢者を積極的に雇用することもなくなるかもしれません。もともと高齢者の車の運転を危険視する世論もあるので、これに異を唱える声は少ないでしょう。

高齢ドライバー

とは言え、社会全体の高齢化が止まったわけではなく、高齢者の活躍推進が今の世の中の流れなので、この流れを止めるのは難しいかもしれません。



7. 他の職業ドライバーが増える

トラックドライバー不足が解消し、どの会社もトラックドライバーであふれると、遅れてトラックドライバーになりたいと思った人は、もはやトラックドライバーとして就職できる会社が見つからないという事態に直面します。トラックドライバーの求人もなくなります。
となると、世の中にあふれた「トラックドライバーになりたかった人」は、仕方なく「トラックドライバーに似て非なる」職業を探します。そんな人たちはバス運転手、タクシードライバーなど、トラックドライバー以外の職業ドライバーになるしかありません。

リムジンのドライバー

トラックドライバーだけではなく、タクシードライバーやバス運転士、その他の職業ドライバーが増えるということは交通量が増えるということで、渋滞も増えるかもしれません。


8. 給料が減る

給料アップも労働環境改善策の1つなので、トラックドライバー不足が解消されれば会社も労働環境改善の必要性を感じなくなり、給料アップも止まるかもしれません。
需要と供給の関係からも、トラックドライバーが少なければ希少な存在として価値が上がり、値段も高くなるわけですが、多ければ、仕事量も分散し、トラックドライバー1人1人の価値が下がり、値段も下がります。

給料が減ると困る

とは言え、今はトラックドライバーを含めたあらゆる労働者の給料はなかなか上がらず、日本の貧困化が止まりません。困ったことです。



最後に

トラックドライバー不足がもし解消されたとしても、労働環境が改善されず、給料が減らされれば、またトラックドライバーのなり手は減るでしょう。

数が減ってきているオカピ