トラックマン

トラック専門サイト

トラックドライバーに将来はあるか

若い人たち

トラックドライバーは他のいろいろな職業と同様、このところ人手不足が続いていて、特に若い人のなり手が激減しているようです。
政治家の失策で少子高齢化が進んでいるので、仕方ないことなのかもしれません。
いかにも物知り顔な大人たちは「トラックドライバーの仕事には将来性を感じられないから、若い人たちに人気がない」なんて言います。しかし、若い人も将来性を見据えて職業を選択する人ばかりではなく、いわゆる「若者らしく」刹那的に職業を選択する人はいるはずです。
小学生の人気職業がYouTuberだったりするところからも、年齢が低ければ低いほど刹那的に物事を見ているような気がしてなりません。
それより、そもそもトラックドライバーの仕事には本当に将来性がないのでしょうか。


1. 増加する物流の仕事

人間の居住地が広がるにつれて物流網というものも発展してきました。さらに人が便利さを求める欲に限度がないため、北海道の産物が九州でも手に入るようになりました。個人個人が九州から北海道へ行かなくても、北海道から九州にその産物を大量に運ぶわけです。これが物流です。
加えて近年はネットショッピングの増加で、物流が細分化し、さらに増加しています。
この傾向は今後も止まることはないでしょう。遠く離れたところのものを手に入れたい欲求が人からなくなることはありませんから。
そんなわけで、ものを運ぶトラックドライバーの仕事は、今後も増えることはあっても減ることはありません。
ひと言で言うと、それこそトラックドライバーの将来性です。

荷を運ぶ

2. 足りなくなる従業員数

止まらない少子高齢化によって多くの業界で人手不足が続いていて、物流・運送業界も同様です。
物流の仕事は増加しているのに、それに従事する従業員数が増えないので、従業員1人当たりの負担が増えているわけです。
加えて、物流・運送業界に属する会社は中小、零細企業が多く、そういったところではなかなか事業のIT化が進まず、非効率なアナログな方法で労務管理などを行っているところが多いようです。
そのため、どうしても従業員の勤務時間が長くなり、若い人のなり手をますます少なくしています。
従業員が足りないのであれば、増やす取り組みを積極的に進めつつ、同時に、少ない従業員で仕事を回せるようなシステム、技術の導入も進める必要があります。

1人の負担が増える

3. 進化する安全機能

50年も前には、一般市民がスマホを持ち歩き、いつでもどこでも誰かとつながったり、情報を入手できたり、買い物ができたりする世の中なんてのはSFの中のことで、現実になるなんて実感を持つことは難しかったです。
それだけ、科学技術は人の想像を超えて発達しています。
自動車もさまざまに進化しています。安全機能が向上し、レーダーやカメラなどで障害物を検知し、自動的にブレーキが作動する機能ができたりしています。
トラックドライバーには人間関係によるストレスが少ないと言われていますが、こうした安全機能がますます進化すれば、交通事故リスクによるストレスも大幅に減少するでしょう。
さらに実現が待望されているのが、自動運転システムです。つまり、ドライバーがいなくてもトラックを走らせることができれば、トラックドライバーが人手不足でも問題ないじゃん、ってことです。
完全な無人ではなく、例えば先頭を走るトラックだけにドライバーが乗り、そのトラックが数台の無人トラックを従えて走るという隊列走行の実験が行われています。

レーダー

4. 実現する法整備

技術的には、完全無人トラックが実現するのも、それほど遠い未来ではないかもしれません。簡単に言うと、近々実現しそう、ってことです。
それでも、しばらくは高速道路の一定区間だけに限定されるようなことになるでしょう。完全無人トラックが実現すればトラックドライバーは全員失職するという人もいますが、せいぜい「トラックドライバーが少なくても物流が止まらない」くらいの効果ではないかと思えます。
ただ、それも法律がきちんと整備され、完全無人トラックがどこでも走れるようになれば、話は別です。
そうなればトラックドライバーは失職ですが、そんな未来ではトラックドライバー以外にもいろいろな業界から人手が不要になるでしょう。

ロボットが活躍

5. 劣化する体力

トラックドライバーの高齢化がどんどん進んでいます。今やほとんどのトラックドライバーは40代、50代で、60代以上も決して珍しくはなくなっています。
人は歳を取ると、やはり体力も落ちてきます。しかし、トラックドライバーの仕事は基本的に体力仕事です。体力とともに気力も落ちてくるので、仕事の辛さが際立ってくる恐れがあります。
昔に比べてトラックも運転しやすくなったと言われていますが、劣化した体力、気力でも十分安全に運転できるよう、機能の進化を願わずにいられません。

疲れがたまる

6. 向上する専門技能

歳を取ると体力、気力は劣化していく傾向にありますが、逆に専門的な技能は向上していきます。技能は経験を重ねることで培われていきます。
トラックドライバーに限らず、多くの職業にはその職業ならではの専門性があり、その専門性に対応する能力はやはり経験を積み重ねることで向上していきます。
専門技能が向上した人をベテランと呼びます。

積み重ねる

7. 拡大する事業

物流の仕事は増加の傾向にありますから、物流・運送の事業はますます拡大していく可能性があります。
今は陸上ならトラックや鉄道、空なら航空機、水上なら船舶が主な輸送手段ですが、そのうち、それ以外の手段も登場するかもしれません。要は必要とされる荷が遠方に届けばいいのです。絶対にトラック、鉄道、航空機、船舶を使わなければいけないということはありません。
実際、ドローンを使った荷の配送も実験的に行われるようになってきました。

ドローン

8. 膨張するエゴ

人間のエゴというのは、少しでも膨張できるすき間があれば膨張していってしまうものです。困ったものです。
トラックドライバーのエゴが膨張すると「オレ様」状態になり、あおり運転、危険運転につながる恐れもあります。気をつけなければいけません。
トラックドライバーの人手不足が解消しない要因の1つに、トラックドライバーのイメージが悪いからというものがあります。実際のトラックドライバーは真面目で紳士的な人が多いのですが、どうも「荒くれ者」と思われがちなのです。
交通ルールや交通マナーを守らない、「荒くれ者」と思われても仕方ないトラックドライバーが実在するのも事実なので、トラックドライバーの将来のためにも、そんな悪質ドライバーがいなくなってくれることを願わずにはいられません。

膨張

9. 普及する多様性

人手不足が続くトラックドライバー業界では、これまで圧倒的に少なかった女性を積極的に採用しようという動きが始まっています。
女性が働きやすいよう、女性用更衣室、女性用トイレを増設するなど、積極的な女性採用を行う会社も出てきている一方、相変わらずな企業もまだあるようです。
性別、年齢、出自、趣味嗜好などによる区別なく、誰もが働きやすい職場になると、業界の将来もまた明るくなるのに残念です。
例えば、外国人の雇用も考えて良いのではないでしょうか。外国人が日本で働くときの在留資格である特定技能には、トラックドライバーは含まれていませんが、今後はどうなのでしょうねえ。
外国人と聞くと、安くて使い捨てできるとしか考えない日本人が多いようなので、「誰もが働きやすい職場の実現」なんてのは、2万年先の未来でも難しいのかもしれません。
日本人の労働者は他人事と思うかもしれませんが、外国人を安くて使い捨てできるとしか考えないような経営者は、日本人労働者に対しても同じ発想ですよ。

使い捨て

10. 成長する人類

少子高齢化が進む中、人は技術開発、システム開発、職場の環境改善などで少子高齢化がもたらす課題に立ち向かおうとしています。
今見えている物流・運送業界の将来には、明るい面もあれば暗い面もあります。
しかし、技術やシステムの進化とともに、人類も進化すれば、明るい面暗い面よりも広がるはずです。
人類の歴史を見ると、何千年かけてもほとんど成長していないようにも見えますが。

歴史

最後に

ミもフタもない言い方をすると、トラックドライバーに将来性があるかないかは、その人個人の問題かもしれません。
業界としては明るい将来が待っている企業に就職しても、その人に実力努力がなければ、将来は暗いものになります。
決して明るい未来が保証されているわけではない業界で働き始めても、その人の実力、努力、発想力、運などで明るい将来を実現するかもしれません。

明るい未来を見上げよう