一時期、テレビ番組などでもいろいろ取り上げられて話題になった、あおり運転・危険運転。最近はあまりテレビ番組で取り上げられることがなくなったようですが、あおり運転・危険運転がなくなったわけではありません。
あおり運転・危険運転は他人を攻撃したい衝動が抑えられないときにやってしまう行動です。誰も冷静に考え、計画的にあおり運転・危険運転なんてしません。
そりゃそうです。冷静に考えれば、法律違反である、あおり運転・危険運転なんかをしても何の得もなく、むしろ犯罪者になってしまうというリスクしかないことはすぐに分かります。そんなあおり運転・危険運転をするからには、頭に血が上って冷静に考えられなくなっているわけです。
なぜ、頭に血が上るかというと、それはほとんど怒りの感情に身体が支配されてしまっているからと言えます。
怒りが抑えられなくなると、無謀な行動に出てしまい、多くの場合は後々後悔したりします。その1つがあおり運転・危険運転です。
どんなドライバーも、あおり運転・危険運転をしてしまわないまでも、冷静さを失うと無謀な運転してしまう可能性があります。
とは言え、人は感情を持つ生き物で、怒りもその感情の1つなので、「何があっても怒らないようにする」なんてことは相当難しいです。
しかし、あきらめてはいけません。難しいので、それだけ挑みがいがあるというものです。
特にトラックドライバーやタクシードライバーのような職業ドライバーは、一般のドライバーより運転している時間が長いので、うまく感情をコントルールして、無事故無違反を続けたいものです。
1. 忘れる
怒るということは、怒りの感情を呼び起こす「何かのできごと」があったわけです。例えば、前に急に割り込まれたとか、そういう「できごと」です。
怒ると、その「できごと」で頭が支配されてしまいます。「何しやがる!」とか「危ないじゃないか!」といった乱暴な言葉が頭の中を渦巻きます。
その「できごと」について考えるのをやめましょう。忘れるのです。
なぜって? 目の前にはその「できごと」の後にもいろいろなことが起こっているはずです。信号が変わったり、赤信号で止まったら目の前を幼稚園児の一団が横断歩道を渡ったり、目の前に夕焼けが広がったり、いろいろな光景が現れては通り過ぎていきます。過ぎ去った「できごと」にいつまでもとらわれている場合ではありません。運転しているときは、目の前で次々と起こる新しい「できごと」に常に注意を払わなければいけないのです。
2. 怒りの原因を考える
怒りの原因となった「できごと」を忘れても、怒りの感情だけは残るかもしれません。
何が怒りの原因となったのか、振り返って思い出してみましょう。怒りの原因を考えてみましょう。
もしかすると、そんなに怒るほどのことでもなかったことに、気付くかもしれません。少なくとも、他人の人生を狂わせることで自分の人生を狂わせるほどのことではなかったはずです。
怒りの原因をつくった相手の人生を狂わせずにいられない? こちらは悪くないのだから、どこでだって申し開きができるですって? 法律はそんなに甘くはないですよ。特に庶民には。
3. 深呼吸する
怒りの感情がなかなか消えない人は、深呼吸しましょう。気持ちが落ち着くはずです。
4. アロマテラピーする
ただ深呼吸するのではなく、アロマテラピーを用いると効果が倍増するはずです。
アロマテラピーはエッセンシャルオイルなどの香りによって心身を健康な状態にする手法です。ストレス解消に効果的なオイルなどを使うと良いでしょう。
5. 6秒我慢する
怒りの感情は、6秒間で収まるのだそうです。
ですから、カチン!と来ても、6秒間我慢すれば気持ちは収まるわけです。
6. 数を数える
怒りの感情が6秒間で収まるわけはない! そんな簡単にはいかないという人もいるかもしれません。
そんな人は念のために「1、2、3、4」と、実際に数えてみましょう。6秒で収まらなかったら、収まるまで数えてください。
7. 上を見る
人が怒っているときは、視線は下を向くそうです。怒っているときだけではなく、感情を脳で処理しているときは大体下を向くのだとか。
ですから、怒りを鎮めるときには上を向いてみましょう。すると、感情を司る脳へのアクセスを断ち切ることができ、怒りも収まるのだそうです。
8. 無理に喜ぶ
「人は悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなる」という言葉があります。んなわけない! 悲しいから泣くに決まっていると、真っ向から反論する人もいるかもしれません。
しかし、桂枝雀師匠も「おかしくなくても、ずっと笑い続けてごらんなさい。しまいに、おかしくておかしく仕方なくなる」と言っています。
つまり、喜ばしいことがなくても、意識的に口角を上げて笑い、「喜んでいる」という表情にすれば、その内、段々と喜びの感情があふれてくるわけです。
9. 紙に書いて破る
まず、怒りの感情を紙に書き出します。何枚でも良いので、とにかく書きまくります。書くという、身体を動かすことを繰り返し、感情を発散させるわけです。書くのは、例えば誰かをののしる言葉でも良いでしょう。
ある程度書いたら、それを破ります。
そのうち、怒っていることがバカらしくなってきます。
10. そもそもイライラしないようにする
普通、例えば急に割り込まれたくらいではカチンと来て怒ったり、怒った挙句、誰かにあおり運転・危険運転をしたりはしません。そんなことをする愚か者はごく一部のはずです。
しかし、実際には、人は突然怒りに感情を支配され、あおり運転・危険運転のようなことをしてしまいます。
それは、日ごろから気持ちの中にイライラの原因となるストレスをため込んでいるからです。割り込みは、単なる切っ掛けに過ぎません。
何度も言うようですが、怒ったあまりに無謀な行動に出ても、後で後悔するだけです。何にも良いことはありません。一瞬、気持ちがスッキリするかもしれませんが、それもほんの一瞬のことで、何だかモヤモヤした気持ちが残り、そのまま逮捕され、裁判で判決を言い渡される、なんてことになりかねません。
日ごろからイライラをためず、ストレスを発散させておくに越したことはありませんよ。
最後に
アロマテラピーしたり、紙に書いたりといった、運転しながらでは危険な行為は、運転中にはしてはいけません。一旦車を停めて、交通の流れの邪魔にならないようになったらやりましょう。また、紙に書いて破っても、それを窓からポイ捨てしてはいけません。