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新しいタクシー・ライフとは

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何度でも起き上がる

営業自粛やら外出自粛で、大きな打撃を受けたタクシー会社が続出した、この2020年
しかし、どの業界も、どの世界もそうですが、倒れてもそこから起き上がってくるのが人のサガです。長所の1つです。
困難があるなら、それに打ち勝つ工夫をするわけです。
タクシーは、運転できない高齢者や障がい者の足となり、終電を逃した人たちを自宅まで届け、重い荷物を持った人を目的地まで運んでくれる、社会貢献度の高い存在です。なくてはならないのです。
その一方、タクシー車内という密閉空間で人と人が密に接することから、万全の感染対策が必要という認識も生まれました。
さらに「対策が万全なら、むしろ不特定多数の見知らぬ人と同じ車内に詰め込まれる電車やバスより、よほど安全じゃね」と考える人も出てきて、今まで電車やバスを利用していた場所へ、タクシーで行く選択肢が重みを帯びてきています。
そんな、いろいろな事情や思惑が錯綜するタクシー業界ですが、世の中は諸行無常です。何でも変化していくものです。
もうすでに、こういう新しいやり方が始まっているタクシーについて、少しだけご紹介します。

1. 食事の配達もしてくれる

出前タクシー、配達タクシーといったタクシーによるサービスです。要するに、飲食店の料理をタクシーが運んでくれるのです。
営業自粛を要請された飲食店とタクシー会社が連携して始めたようです。タクシー業界にとっても、飲食業界にとっても、もちろん利用者にとってもありがたいサービスの登場です。誰が発案したのでしょうかねえ。
国土交通省が「特例」として期限付きで認めたようです。期限は最初は5月初旬くらいまででしたが、その後、秋までに延長されました。また今後はどうなるのでしょうか。

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出前と言えば

2. なるべく3人以上では利用しない

タクシー車内はどうしてもドライバーと利用者が密室で過ごす状況になってしまうので、東京ハイヤー・タクシー協会では利用者に向けて「タクシーからの7つのお願い」を出しています。
その1つが「できれば利用は2人までで」というものです。
タクシーは普通なら後部座席に3人、助手席に1人と、ドライバーを含むと5人は乗ることができます。となると密閉、密集、密接になってしまいます。これをぜひ避けたいというわけです。
乗るほうとしては、なるべく大人数で乗って乗車賃を割り勘にしたいところですが、やはりなるべく避けたほうが良いでしょう。
ちなみに、助手席利用も控えてほしいそうです。
「利用客にそんなに我慢を強いるなんて許せん! お客様は神様だぞ」なんて憤る人もいるかもしれませんね。仮に「お客様は神様だ」と言い張るなら、まず「神の力」で新型コロナウイルスを消し去ってください。そうしたら皆が神様の言うことを聞きます。
できないなら、ささいなことで無力な人間であるタクシードライバーに文句を言ってはいけません

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こんな乗り方はイケマセン

3. 換気をこまめに

これも「タクシーからの7つのお願い」の1つですが、換気のため走行中の窓開けに協力してほしいということです。
協力を拒む理由はありませんよね。
もちろん、体調がすぐれず「風に当たると気分が悪い」という人はその旨をドライバーに伝えましょう。
そうそう、感染症に類似の症状がある人の乗車も控えるようにと「お願い」に書かれています。

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窓の開閉

4. 車内では会話を少なめに

これも「タクシーからの7つのお願い」の1つです。飛沫感染を避けるために、車内ではなるべくしゃべらないことです。
もちろん、行き先のやり取りや精算など、どうしても話さなければならないことは別です。
そうそう、マスクの着用もしっかり「お願い」に入っていますし、ドライバーは当然マスクをしています。

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マスク

5. 荷物はできるだけ自分で運ぶ

これも「タクシーからの7つのお願い」の1つで、ドライバーによるドアサービスやトランクサービスを当面行わないそうです。接することをなるべく減らそうということですね。
ドアはタクシーでは自動開閉が基本なので、利用者にそれほど影響はないでしょう。
トランクサービスは、ドライバーがトランクを開け、荷物をその中に入れてくれるサービスですね。トランクは当面使えないわけです。
ただ、「必要な場合はドライバーに申し付けて」と添えられているので、ある程度の融通は利くようです。

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トランク

6. 料金はトレーでやりとり

これも「タクシーからの7つのお願い」の1つで、しかもスーパーなどでも実践されていることです。人と人との直接の接触を避けようということで、トレーを介したやり取りになります。
ただ、両者ともお金には触れるわけで、お金にウイルスが付着してたらどうするねんという疑惑は残ります。しかし、ドライバーはほとんど手袋をしていますから信用しましょう。
それに、そこまで細かく言い出したら、本当に家から1歩も出られません。スーパーで買い物もできません。

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トレーに乗ったクッキー

7. キャッシュレス決済

それでも、どうしても他人が触ったお金に触れたくないという人に普及しつつあるのが、キャッシュレス決済です。スマホにダウンロードしたアプリで料金の支払いができ、現金のやり取りより短時間でできるので、効率的でもあります。
スマホにあまり頼らない生活を送る人向きではありませんが。
そうそう、これは「タクシーからの7つのお願い」の中の「料金はトレーで」に含まれる「提案」です。

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アプリを活用

8. 透明ビニールなどで仕切りを設置

これもスーパーやコンビニなどでも見掛ける工夫です。
店員と利用客はどうしても近づいてやり取りしなければいけないので、なるべく飛沫がお互いにかからないように、両者の間に仕切りを設けたわけです。マスクをして、さらに仕切りがあるので、安全面はかなり向上したと言えます。

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ビニールシートで仕切り

9. 買い物代行

買い物難民という言葉があるように、高齢者など、自力でスーパーなどに行けない人が増えているのが現代の日本です。
それで買い物代行というサービスが始まりました。タクシー会社でも、以前からこの買い物代行サービスを行うところが出始めていたのですが、外出自粛の要請で、需要が一気に増えたと言われています。
もともとタクシー業界では、単にお客さんを乗せて運ぶだけではなく、観光タクシー、福祉タクシー、キッズタクシーなど、何かの専門的ノウハウや知識を身に着けた「専門職タクシー」とも言えるサービスが増えていました。タクシーも進化してきているのです。

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お買い物

10. さらなる進化

以前から取り組みが続けられているのが、ドローンによる「空飛ぶタクシー」の開発です。「5年後に実用化」といった、景気のイイ話も聞こえてきました。
何にせよ、楽しみにタクシーの進化を見守りましょう。物事は最悪を覚悟しつつ最善を尽くし、明るい未来を思い描くに越したことはありません。楽観視することで、事態は明るい方向に進みます。

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進化