タクシードライバーのなり手が激減しています。
多くの人が、たまに乗ってみたタクシーの運転手が、そこそこ高齢だった、なんてことを経験したことがあるはずです。むしろ、高齢のタクシードライバーは決して珍しくないというのが現状です。
一方、世間では高齢ドライバーの運転が問題視されたりもしています。高齢ドライバーによる交通事故のニュースが多く見られるようになったからです。
そんなわけで、運転免許を返納する高齢者も増えました。
運転免許を返納して、車に乗りたいものの自分では運転できない高齢者が増えたわけです。しかし、そんな高齢者が利用しようにも、タクシーを運転するドライバーが減っているという現実。
公共の交通機関が地域の隅々まで行き届いていない地方では「運転できない」は重大問題です。
タクシードライバー不足は社会的に大きな問題になっていますが、そこに現れた救世主が女性タクシードライバーです。女性はやはり「国の宝」です。
この際なので、多くの女性にタクシードライバーになってもらい、日本の危機を救っていただきたいものです。
1. 男性のタクシードライバーのなり手がいないから
男性が軟弱になり、タクシードライバーになって仕事を楽しみながらバリバリ稼ぎたいという、若くて威勢の良い男性が激減しました。情けない話です。情無用のジャンゴです。
まだまだ元気で運転にも自信がある高齢者にもタクシードライバーとして頑張ってはほしいのですが、ここはやはり女性陣の出番です。タクシードライバーの仕事は歩合制であることが多く、やればやっただけ稼げる仕事ですから、多くの女性たちにとことんやってもらって、とことん稼いでもらいましょう。
女性の中には「高収入の男性と結婚したい」なんて考えている人も多いと思いますが、男性を当てにするのはもうやめましょう。オトコなんて当てにはできません!
2. 女性客が安心して利用できるから
タクシーはドライバーと乗客だけの密室空間になります。乗客が女性の場合、ドライバー、すなわち見知らぬ男性と2人きりになるので、ほんの少しドキドキします。本来は「迅速に、安全に、快適に」目的地まで過ごしたいのに、ほんの少しですが緊張しながら過ごすのです。
これが、ドライバーも同性の女性だったりすると、それだけで安心感が違ってきます。リラックスできます。
3. 運転がていねいだから
女性のタクシードライバーはたいてい神経がこまやかで、ていねいな運転をします。そうじゃない女性もいますが、多くの女性ドライバーが安全運転ですし、環境にも優しいエコな運転です。そのため、タクシー会社も安心して運転を任せることができます。
一般的に女性ドライバーは「運転が危なっかしい」というイメージもありますが、特別に高度な運転技術が必要なカーレーサーにも女性がいるほど、車を運転する職業に就く女性が増えています。
もちろん、タクシードライバーにカーレーサー並みの高度な運転技術は必要ありません。必要なのは、安全運転に対する細かい注意力や気遣いです。
そして女性のタクシードライバーは業界でも「運転がていねい」という評価を得ています。
4. 優しい雰囲気を醸し出せるから
乗客が女性の場合、ドライバーと2人きりになるタクシーで、ドライバーが女性だったりすると乗客も安心して過ごせるものです。そして男性も、やはり女性タクシードライバーだと安心してしまいます。
女性タクシードライバーは、たいてい運転もおだやかですし、接客もおだやかだからです。
タクシードライバーの仕事は接客業でもあるので、やはり女性ならではの「優しい雰囲気」は誰にとってもありがたいものです。
そもそも接客力は本質的に男性より女性のほうが高い傾向があり、だからこそタクシードライバーの仕事には女性のほうが向いているとも言えます。きめ細やかな接客ができる女性タクシードライバーは、まさにタクシー業界から歓迎されているわけです。
5. 国土交通省も女性ドライバー増加に取り組んでいるから
国土交通省がタクシー業界での人材不足解消に向け、女性ドライバーの数を2013年度から2020年度にかけて倍増するために「女性ドライバー応援企業」認定制度を創設しました。ちなみに2013年度には約6,700人だったので、約14,000人にしたかったそうです。
この制度は、女性ドライバーの採用に向けた取り組みや、子育て中の女性が働き続けることのできる環境整備を行っている事業者を、国をあげて支援・PRしていくというものです。
国が税金を使って女性タクシードライバーを増やそうとしているのですから、そりゃ増えてくれないと、税金の無駄使いで終わってしまいます。何としてでも女性タクシードライバーに増えてほしいものです。
6. キッズタクシーなどの新サービスに向いているから
タクシー業界ではキッズタクシー、福祉タクシー、介護タクシーといった、幅広い接客サービスを取り入れた事業を始めています。
キッズタクシーは学校・塾・自宅間をドアtoドアで送迎する、固定の担当乗務員によるサービスです。キッズタクシーに乗車する子どもには、子育て経験のある女性タクシードライバーが好まれる傾向があるようです。
身体障がい者を送迎する福祉タクシー、介護の資格を持ち、身体障がい者を介助して送迎する介護タクシーでも、女性タクシードライバーの、ていねいできめ細かい対応が喜ばれています。
こうした、より接客業としての面が強調されるタクシー業務では、やはり接客力の高い女性タクシードライバーに活躍してほしいものです。
7. あらゆる業界で多様化が進むべきだから
遠い昔、はるか彼方の時代には、外で働くのは男性で、女性は主に家の中の仕事を任されていました。
しかし、時代は変わりました。いわゆる女性の社会進出が当たり前になりました。女性の選択肢が増えたわけです。
さらに、あらゆる業界で人材不足が深刻化し、多くの企業が高齢者、女性、外国人、障がい者に労働力を求めるようになりました。人材の多様化です。そういう時代になったのです。
8. ひいては少子化を食い止めることになるから
タクシードライバーの仕事は柔軟な労働時間の設定が可能で、子育て中でも子どもの登校時間、下校時間などの生活スケジュールに合わせて出勤を決めることができます。
そんなわけで、まだまだ子育てを理由に仕事から離れる女性が多い日本社会でも、タクシードライバーの仕事は女性が働きやすい職場の1つになっています。
タクシードライバーとなって仕事をしながら子育てして、充実した生活を送る女性が増えれば、「タクシー会社は女性が子育てしながら働きやすい職場」という認識が広がるでしょう。この認識がもっともっと広がれば、多くの女性が安心して子どもを産み、育てようという気持ちになるかもしれません。
そうすれば、もしかして、ひょっとして少子化も止められるかもしれないような気がしてきます。
9. 古い価値観を変えることになるから
遠い昔、はるか彼方の時代には、外で働くのは男性で、女性は主に家の中の仕事を任されていました。あらゆる仕事が「男社会」だったわけです。
女性の、いわゆる社会進出が一般的に話題になっていったのは1970年代でしょうか。それから50年近く立ちましたが、いまだに女性蔑視的な発言をするアナクロおやじ、それを受け継いでしまった若い勘違い男も後を絶ちません。どんな仕事だって、男性でも女性でも誰が就いたって良いはずです。
もうそろそろ、本当にもうそろそろ、古臭い価値観は根絶しましょう。