自分は子どものころ「将来は楽して遊んで暮らしたい」なんて考えていた多くの大人が、自分が大人になってつまらない仕事をコツコツしながら地味に暮らし始めると「子どもには夢を持ってほしいなぁ」なんて思ってしまいます。自分がもう一度子どものころに戻り、やりたいこと、憧れに向かって目をキラキラと輝かせたいと考えるのかもしれません。
憧れに向かっていると、自然と目が輝きます。
いえ、本当に目が光るわけではありません。目が光ったりしたら、未知の力が潜むSFホラーになってしまいます。
閑話休題。
中学生は、世の中にいろいろな職業があると分かってくるとともに、まだ子どもらしさも残っているお年頃。特に男子中学生は、その職業での現実的な暮らしはともかく「カッコよさ」が憧れの大きな要素になります。
そこで今回は、男子中学生がカッコいいと思って憧れているに違いない職業を紹介します。ただ、「カッコいい」とは思っていても「将来その職業に就きたい」と思うかどうかは別ですからね。
1. YouTuber
ここ近年、小学生からも絶大な人気を誇るYouTuber。つまり、動画を配信することで報酬を得る人です。この職業が人気なのは「楽そうだから」。
子どもは日ごろ見聞きするメディアの中で楽しそうにしている人に憧れるものです。ひと昔前なら、テレビで歌って踊るアイドルに憧れたのと同じことですね。
今の子どもはテレビはあまり見ずに、YouTubeばかり見るので、憧れる対象もテレビで活躍するテレビタレントではなく、YouTubeで活躍するYouTuberになるわけです。
とにかく、楽しそうだし、見ている自分も楽しいわけです。見ている自分も楽しいから、多くの人が見るのも納得でき、それだけに人気も集めます。男子中学生には、人気者はカッコよく映ります。
2. スポーツ選手
定番で男子の人気を集めるのがスポーツ選手です。理由は「カッコいいから」というストレートなもの。
昭和の昔は野球選手でしたが、平成はサッカー選手がもてはやされました。令和となった今はラグビーでしょうか。バスケットボール、テニス、ゴルフ、水泳、スノーボードなんかも人気がありそうです。
これらスポーツ選手は、それぞれの競技において有利になれるよう、身体を筋肉で補強します。そのため、多くのスポーツ選手は逆三角形のマッチョな体型になり、これがやはり「カッコいい」と見なされます。
さらに、スポーツ選手の中でも高等テクニックを持つ者は、その普通の人ではできないような高等テクニックを披露することでも「カッコいい」と見なされます。なおかつ、高等テクニックの披露によってますます人気を集めます。
多くの男子中学生が、自分もあんな高等テクニックをカッコよく披露しつつ人気を集めたいと思うのです。
3. ゲームクリエイター
現代の子どもたちがYouTubeとともに熱中するのがスマホで遊べるゲームです。
これがスマホ中毒の原因ともなっています。
熱中するあまり、学校を卒業してもゲームに関わっていたいと考えるのが人情というものではないでしょうか。それにクリエイターって、なんかカッコいいと考えるのも、男子中学生なら仕方ないかもしれません。
4. ミュージシャン
カッコよくなりたいとは思うものの、自分はスポーツには向いていないし、第一あの体育会系なノリが苦手だし、部活の先輩は怖いし、朝練とか大変そうだし、やはりスポーツ選手は無理、と考える男子中学生も多いです。
そんな男子中学生はもれなく非体育会系で「カッコいい」ミュージシャンを目指します。楽器とか弾けると女の子にもモテそうだし、バンドの動画を撮影するから出演してよ、なんて言って女の子を口説けるかもしれないし、といろいろ考えます。
楽器とか無理っぽいと考える男子中学生はダンサーに憧れます。
5. 刑事
昭和の昔からの定番の「カッコいい」職業であり、実は今なお子どもたちにとっての憧れの職業のようです。もっとも小学生くらいだと、交通安全教室などでおなじみであり、制服があって分かりやすい「警官」が人気職業のようですが。
ともかく、マンガやテレビ番組に登場する「正義の味方」を現実社会に分かりやすく投影すると、多分、刑事や警官になるのでしょう。泥棒など「わるいひとたち」を捕まえるのですから。
それに、警察の腐敗を訴えるような社会派は別として、多くの刑事ドラマで活躍する刑事たちには今も「正義の心」があるように描かれています。
いつの時代も「正義の味方」はカッコいいものです。
6. 医師
刑事ドラマと並んで昨今、量産されているのが医療ドラマです。
現実のお医者さんとはあまり関係なく、ドラマで活躍するお医者さんたちはむやみやたらとカッコいいです。お医者さんは人命を救うヒーローとして描かれるので、自然とカッコよくなります。
正義の味方やスポーツ選手同様、「誰でもなれるわけじゃない」スペシャル感も「カッコいい」です。
7. 電車運転士
幼い男の子の定番のおもちゃと言えば乗り物です。中でも生活に身近な乗り物として電車は人気があります。
鉄道好きがそのまま大人になって乗り鉄、撮り鉄など、細分化されていきます。中には、鉄道好きが高じて鉄道会社に就職する人もいます。
列車、電車の運転席は仕切られていて、一般人は入れないようになっています。あの「ここには特別な者しか入れない。電車の運転士は特別な室に入れる特別な者」というスペシャル感も、少年たちの憧れを増長するのかもしれません。
8. トラック運転手
幼い男の子の定番のおもちゃと言えば乗り物です。中でも生活に身近な乗り物として車は人気があります。
そして大型トラックは、その大きさからスペシャル感がもれなく増量し、人気も集まります。大型トラックの運転手が巨大ロボットの操縦者にも見えます。
さらに、長距離トラックの運転手は全国いろいろな地方に行っていそうで、男子中学生には自由な風来坊のように見えます。
バス運転手も同様です。
9. 消防士
現実社会で一番のヒーローと言えば、火災現場で命懸けの働きをする消防士やレスキュー隊員です。幼いころにスーパー戦隊シリーズをワクワクしながら見ていた少年たちが憧れるとしたら、コレです。
実際、救急戦隊なんてスーパー戦隊もありました。
10. エンジニア
カタカナ職業の中でも硬派な響きのエンジニアは、男子中学生たちが何となく「カッコいい」と思ってしまいます。
そんなエンジニアにはIT系エンジニアとものづくり系エンジニアがあります。同じエンジニアでもかなり違います。今の少年たちは生まれたときからITに慣れ親しんでいますからIT系エンジニアに憧れる子たちが多いのですが、ものづくり系エンジニアも人気があるようです。
プラモデルや模型を作ったり、ものづくりにつながるような趣味を好む男の子は多いので、その延長なのかもしれません。
最後に
「カッコいい」かどうかは別として、単に「なりたい」と思う職業としては公務員、漫画家なんかもあるようです。