トラックマン

トラック専門サイト

AIに取って替わられる職業について

f:id:truck_sa:20200220125400p:plain
ロボット

自動車の自動運転システムの開発が進んでいます。
SF映画ではずいぶん前から、人間が運転しない車はいろいろ登場しています。
開発者は、現実的なことをあまり考えず、とにかく思いついたことを試してみようと一所懸命になります。その中でチラリと「これができたら人間の生活がもっと便利になるんじゃね」なんて考えが頭をよぎると、それこそその開発に必死に取り組みます。何しろ「人々のためにやっている」という社会貢献の大義名分があるわけですから、そりゃもう止まりません。
これを極端に進めると、人間は「何もやらなくていい」になってしまいます。そんなSFアニメもありました。
人間は何もせず、ゆりかごみたいなパーソナルな乗り物で移動し、食べて飲んでテレビを見て、あとは寝るだけです。自らの筋肉を使って歩いたりしないので、肥満体が通常体型になります。
その世界では、生産活動とか、必要なことはすべてロボットや機械が行っていました。あくまでも風刺を効かせたSFアニメですが、確かに「便利」を追求するとああなります。

安全性の確保

ただ、今の自動車の自動運転システムの開発は、単に「便利」を追求してのことではありません。現実にトラック運転手やタクシー運転手の人手不足が続いていて、このままだと物流や交通に支障が出るから、必要に迫られてのことです。
確かにトラック運転手やタクシー運転手の数が激減しているので、これは仕方ないことなのかもしれません。
そしてこの開発で一番の課題は、恐らく「安全」でしょう。
車が事故を起こせば、最悪人命が脅かされます。それは人間が運転していても同じことです。

f:id:truck_sa:20191018124142j:plain
交通事故は避けたい

運転とは

実際、実は車の運転には、単純に筋力だけではなく、さまざまな神経を総動員します。複数の動作、作業、確認を同時に行うこともありますから。
こうした複雑怪奇な作業を、AIを駆使して再現することは、技術的には可能な時代になったようです。自動運転システムの実証実験も数多く行われ、成果を上げています。
ただ、実際に多くの車が走り、バイクや自転車も行き交い、歩道には歩行者がいるような公道で自動運転システムの車を走らせるには、まだまだ時間を要するようです。それまでは、せめて高速道路のどこそこからどこそこまで、といったような、限定区間のみ自動運転になるのではないでしょうか。
それも、最初はその区間も運転手が同乗することになるでしょう。そんな実験的な運転を何度も何度も繰り返し、もちろん、事故が起こったときにどう対処するのか、どこが責任を負うのかといった法整備などもきちんと行い、さあ、もうトラック運転手が少なくても安心ですよ、となるまではまだまだ時間もかかるのではないでしょうか。
ただ、介護業界や製造業などの人手不足を外国人で補おうと「特定技能」の施行を見切り発進的に急いだ政府ですから、法整備もいろいろ下準備を行う前に無理矢理施行させるかもしれませんけどね。

f:id:truck_sa:20200117121055j:plain
車の運転は複雑な作業

大量の失業者

それはともかく「トラック運転手は将来、AIに取って替わられて全員失業するぞ!」なんて言う人もいるようですが、法整備の問題だけではなく、いろいろな問題から、少なくとも当分は「ない」でしょう。中には「多くの失業者を出すような事態は政府としてもマズいから、発送から到着まで完全なAI化にはしないだろう」と言う人もいます。

f:id:truck_sa:20200220125656j:plain
法律上の問題

便利さの追求

人間の生活は、もうかなり「便利」になっていますが、もっともっと便利にしようと、いろいろな開発が行われているのは事実です。
何しろ、音声だけでいろいろな装置を動かせるようにもなりました。若いころほど体が動かくなった高齢者ならともかく、CMなんか見ていると、十分健康な若い人が使っているので、内心「ボタン操作くらい、てめえでやれよ」と思わなくもないのですが。これから生まれてくる世代は、指を動かすのも面倒に思うようになるのでしょうか。

f:id:truck_sa:20200220130837j:plain
音声で指示

すでに始まっているAI化

そんな時代ですから、AIに取って替わられると予想されている職業は運転手だけではありません。アナウンサー、介護士、料理人、販売員、工場作業員などもそうなると言われています。アナウンサーだって人間味ある声でしゃべってほしいし、料理も単にレシピ通りに正確に作るのではなく、味が分かる人に腕をふるってほしいと思うのは、昭和アナログ人間だけなのでしょうか。
確かにバイトがマニュアル通りに料理を用意するだけのレストランなら、AI制御のロボットが作っても同じかもしれませんが。それに、今はスーパーもセルフレジが広まっています。すでにAI化が始まっていると言えるでしょう。

f:id:truck_sa:20200220131352j:plain
厨房も無人に?

SFでのお話

SFの未来では、瞬間移動装置が発明されていたりします。
古典的なSFのテレビシリーズに「スタートレック」という作品があります。舞台は22世紀の未来です。
この作品では転送装置というものがあり、宇宙船から惑星に降り立つときは、船を着陸させる必要がありません。
同じようなものがあれば、人は会社に行くにも旅行に行くにも、もう車や飛行機、船が必要なくなります。もちろん、運転手も操縦士も必要ありません。人を転送できるのですから、荷物だってもちろん瞬間的に移動できます。

f:id:truck_sa:20190606123009j:plain
こんな場所にも簡単に降り立てます

目指すべき未来

ある人は、今ある職業の半分くらいはAIに切り替えることができると言っています。
すると、半数は失業するのでしょうか。それだけ失業者が出れば、間違いなく国家は破綻します。
その点、「スタートレック」は、ポジティブで明るい希望的観点から創作された作品なので、確か、少なくとも地球上では貨幣を使った経済活動を行う必要がなくなり、人間は自分の誇りや好みによって仕事をしているという設定でした。
お金のために働かなくても生きていける世界であれば、人間はどの仕事がAIに取って替わられようと困ることはありません。無理してお金のために働く必要はないのですから。
まさに理想の未来像だと言えます。現代の政治家の皆さんも、ぜひそんな世界の実現を目指していただきたいものです。

f:id:truck_sa:20191227141451j:plain
お金を使わなくなる?

とは言え

さて、人間がやることのほとんどをAIが替わりにやってくれるようになったとします。
それは本当に安全で安心な社会なのでしょうか。
今も、家電と言えば経年劣化、故障は付きものです。パソコンだって、ある日突然フリーズしたり、クラッシュすることがあります。
理想的な未来を描いた「スタートレック」でさえ、転送装置の故障で人が死んだり、異次元に閉じ込められたり、パラレルワールドに迷い込んだり、極寒の惑星に取り残されたり、さまざまなトラブルに見舞われます。
古い映画に詳しい人なら「ハエ男の恐怖」というSFホラーをご存じでしょう。物体を瞬時に別の場所に移動させる物質電送機を研究開発している科学者が、自ら装置を使ったところ、たまたま装置に紛れ込んだハエと自分の遺伝子が混ざってしまい、タイトル通りの恐怖のハエ男となってしまう悲劇的物語です。
世の中、完璧なものはないわけです。

f:id:truck_sa:20200220132903p:plain
恐怖‥