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トラックドライバーの数字

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数字


就職先を選ぶとき、一番気になるのはやはり給与です。
それから、もちろん勤務地の所在地、勤務時間、休日、福利厚生なども気になります。給与、勤務時間、休日の日数などはつまり、数字です。数字が気になるわけです。
数字データなので、他のことと比較しやすく、とても便利なのです。たとえば「スピード感をもって進める」と言われても「スピード感」「感覚」であり、「感覚」には個人差があるので、ボヤッとしか伝わりません。
これが数字だと、一目瞭然に伝わるのです。

1. 収入

トラックドライバーの仕事にもいろいろな種類があり、収入はその仕事の種類や勤務する会社などによって違ってきます。たとえば、トラックには大型トラック、中型トラック、小型トラックがありますが、それぞれ運ぶもの、運ぶ距離などが違うことが多く、トラックドライバーの給与は歩合制になっていることが多いので、それで収入にも違いができます。
ただ、ひっくるめたおおよその平均は年収にして400万円くらいです。大型で長距離の仕事だと、年収700万円台になったりするそうです。

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やればやっただけ稼げる

2. ドライバー人口

全日本トラック協会の2018年のデータによると、トラックドライバーの数は約83万人だそうです。
少子高齢化で新しく仕事に就く若い人が減っている一方、ネット通販などの需要の拡大でトラックドライバーの人手はますます必要になっているので、アメリカのコンサルティンググループが試算したところ、2027年には約96万人のトラックドライバーが必要になるところ、約24万人が不足するだろうということです。
つまり、今のところ約83万人で横ばい状態らしいのですが、2027年にはトラックドライバーの数も約72万人にまで減っていると予測しているわけです。こりゃ大変です。

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「トラックドライバーになりたい人は?」「ハーイ!」

3. 平均年齢

日本全体で少子高齢化が進んでいます。確か日本には少子化担当の大臣がいたはずと、うすぼんやりした記憶が大勢の日本人の中にあるはずですが、一体何をしているのでしょうかと、たくさん疑問符が浮かびます。
トラックドライバーも少子高齢化が進んでいて、2018年の資料によると、中型トラックのドライバーの平均年齢は45.9歳、大型トラックのドライバーの平均年齢は48.6歳だそうです。同じ資料では全産業の平均が42.9歳なので、どちらも全産業の中でも高齢化が進んでいると言えます。

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中高年

4. 女性の割合

少子高齢化になかなか歯止めがかからないトラックドライバーですが、人手不足を何とかしようと、女性の採用に力を入れています。もともとトラックドライバーは圧倒的に男性が多かったので、女性に「職業選択の1つとして考えてほしい」という呼びかけを始めたわけです。
2014年には国土交通省が、女性トラックドライバーを「トラガール」と呼び、「トラガール促進プロジェクト」をスタートさせました。そのサイトには「トラックドライバーに占める女性比率はわずか2.4%(約2万人)」とありました。
同サイトでは、全産業での女性比率は42.8%となっていたので、トラックドライバー業界は女性の進出がメチャクチャ遅れていると言えます。

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女性ドライバー

5. 定年

2019年の総務省による労働力調査では、道路貨物運送業の従事者は40代~50代前半の比率が44.2%だそうです。半数近くが中高年なわけです。分かりやすく高齢化が進んでいると言えます。
それでは、この高齢化はどこまでいくのでしょうか。
一般的な企業は現在、定年は60歳と設定されていることが多いです。ただ、やはり少子高齢化の時代なので、定年後再雇用制度なるものをつくり、60歳以上のシニア層が働き続けられるようにしている会社も増えています。
そんな中、トラックドライバーの業界もやはり、60歳以上で働き続けている人が多くなっています。とは言え、トラックドライバーはしっかり安全運転ができなければ続けられない仕事です。安全運転のためには健康状態も万全でなければいけません。

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高齢ドライバー

6. 労働時間

トラックドライバーの勤務時間は、仕事の種類によって違います。中には9時から5時までという、一般的な企業の就業時間と変わらない仕事もあります。
ただ、長距離のトラックドライバーは一度、荷を積んで出発すると2~3日、長いと1週間くらいは戻らず、走りっぱなしということもあります。
走りっぱなしと言っても、本当に24時間走り続けるわけではありません。
法律によって、トラックドライバーはトラックを運転して4時間ごとに30分以上休憩しなければいけないことになっています。そして運転などの労働時間と休憩時間を含む拘束時間は、1日に13時間までとなっていて、延長は16時間までです。じゃあ、その16時間までの延長は何度も使えるのかというとそんなことはなく、延長は1週間に2回までと決められています。

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決められた時間

7. 休日

トラックドライバーには、労働時間や休憩からなる拘束時間の他に休息期間というものが必要になります。拘束時間から次の拘束時間まで、最低8時間なければいけないことになっています。
そしてこの休息期間8時間に24時間を足したものが休日です。また、年間休日120日以上としているトラック会社が意外と多かったりします。
ただ、これも会社の規模などによって違いがあるようです。大企業はきちんと週休2日制だったりすることが多いですが、中小や零細企業になると、なかなか休めない会社もあります。

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楽しい休日

8. 荷待ち時間

トラックドライバーが荷を運んで行った先で、荷を下ろせずに待機することが多くなっています。この待機している時間のことを「荷待ち時間」と言います。
待機中は、トラックを走らせるわけでもなく、荷の積み下ろしもせず、基本的にボーッとしているだけなので無駄と言えば無駄な時間です。この荷待ち時間は、それでも拘束時間に入ります。つまり荷待ち時間が長ければ拘束時間も長くなり、それゆえ「トラックドライバーの仕事は拘束時間が長くて過酷」という評価が出てきてしまうわけです。
そんなわけで、トラックドライバーの労働環境改善の取り組みで、荷待ち時間を減らしていこうということが言われています。実際の荷待ち時間短縮が実現するよう願わずにいられません。
この荷待ち時間の平均は1時間45分だそうです。3時間以上という、なかなかキツイ体験をしたトラックドライバーもいます。

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松の木ばかりが「まつ」ではない

9. 離職率

データとして「トラックドライバーの離職率」という単体の数字は出ていないようですが、輸送業・郵便業の離職率は高卒者約35%、大卒者約27%という数字が出ています。2014年のデータらしいです。輸送業の従業員はトラックドライバーが多いので、トラックドライバーの離職率も大体そんなものだと言えます。
ちなみに離職率とは、入社後3年以内に離職する確率です。
これが高いかどうかということですが、全産業の平均離職率高卒約41%、大卒者が約32%なので、それより下回っていることになります。

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卒業だーっ!