年収400万円~年収700万円とも言われる長距離のトラックドライバーという仕事ですが、収入の多くが食費で消えていくとも言われています。それはなぜか。長距離を走って遠方に荷を運ぶ仕事なので、3日間や4日間、長いと1週間くらいは家に帰れず、外食が続くからという説が有力です。
トラックドライバーは確かに外食が多いので、弁当を持っていったり、コンビニ弁当を買ったりすることもあります。ただ、自宅からの弁当はそれほど日持ちしませんから、やはり出費がかさみます。
ここは開き直りましょう。
どうせ出費になるなら、楽しむことです。
というわけで、長距離のトラックドライバーは時間に余裕があると、その土地の名物料理を楽しむようになりました。めでたし、めでたし…。
とはいえ、いろいろな地方に行くと言っても、最初からその料理が好みに合わないこともあります。行き先が決まっていて、飽きることもあります。
しかし、好物は飽きません。と言うか、飽きないから好物と言うのですが。また、安全運転第一のトラックドライバーは、交通安全のジンクスとして「あの地方に行ったらあの店のアレ」と決めていたりします。そのうち面倒になって、どの地方に行っても「アレ」と決めてしまう人もいます。
そんなわけで、トラックドライバーがよく食べる人気グルメを口コミによって紹介します。ただ、同一メニューばかり食べていると栄養が偏るので、そこは自戒したいものです。
ホルモン焼き
昭和アナログ世代の先輩から教えてもらったのがコレ。俺たちトラックドライバーは何と言ってもスタミナが大事だけど、ホルモンはそのスタミナ補給をガッツリできる上に安いんでとってもありがたい。ボリューミーだしね。たいていは「焼き肉店」って看板を掲げているけど、俺たちはロース、カルビには目もくれず、ホルモンばっか注文。ピリ辛だったり、甘辛だったり、濃厚だったり、さっぱりだったり、店それぞれの味付けも醍醐味だ。口にすると、ほどよい弾力を楽しみながら、そのタレが口中に広がり、ホルモン肉と一緒にのどを通り過ぎるのを実感し、旨みに酔いしれる。トラックが行き交う街道沿いには、昭和からやっている店が多いよ。 (30代 男性)
焼きそば
僕たちトラックドライバーは、あまり食事に時間をかけたくないんで、すぐにできて手早く食べれる焼きそばを注文することが多いですね。秋田県の横手焼きそば、静岡県の富士宮焼きそば、愛知県の瀬戸焼そば、鳥取県の鳥取ホルモン焼きそば、石川県の塩焼きそば、長野県のローメン、栃木県の焼きうどんなど、ご当地焼きそばもいろいろあって、そういうのを見つける楽しみもあります。中でも僕が最近トリコになっているのが、埼玉県の春日部焼きそば。焼きそばにアツアツのあんをかけた、あんかけ焼きそばで、その上にシソふりかけがトッピングされています。春日部市の居酒屋や中華料理店、鉄板焼き屋さんなんかでメニューになっています。中華なあんかけ焼きそばに、シソの風味がさわやかなアクセントになって絶品ですyo。 (30代 男性)
ラーメン
街道沿いの定番と言えば、やはりラーメン。店舗数も多いし、いろいろな地域にいろいろな味があって、楽しみが尽きない。それに丼1つの料理だし、大盛りも自在なので、タフでマッチョな大食い野郎も確実に満足できる。もちろん、チャーハンと一緒に味わうチャーラーもアリ。値段もピンキリなので、給料日前でなるべく食費を抑えたいとき、ちょっと贅沢したい気分のときなど、その日の財布の中身、気分に応じて店やメニューを選ぶなど、選択肢も幅広い。また、今はカップ麺も多彩なので、近くに飲食店がないときもコンビニでありつけるのがありがたい。 (20代 男性)
牛丼
牛丼はチェーン店が多く、それも街道沿いにはもれなくどこかの店舗があって「食べたい」と思うとすぐ見つかるので、いつしか定番になりがちです。大手チェーン店は24時間やっているので、本当に助かります。牛丼はとにかく早く、ガッツリ食べられるのが魅力。もちろん、各店それぞれの味もあって食べ比べるのも面白いですよ。たまに“有名チェーン店”じゃない牛丼屋さんを見つけることもあって、テンションが上がります。ちょっと余裕があるときは大盛り、漬物、卵付きで注文したりします。また、最近は牛丼屋さんもメニューにバリエーションが増えていて、季節のメニューなんかに出会えて楽しさ倍増です。 (40代 男性)
ハンバーガー
アメリカ映画が好きなせいか、トラックドライバーになってよく食べるようになりました。ヒゲ面でビール腹の大男がムシャムシャかぶりつくイメージです。私は小柄な女性ですが、これを食べているとマッチョな大男になった気分になれます。チェーン店が多いですし、注文してから食べ終わるまでも時間がかからないですし、まさにドライバー向けだと思います。小腹が空いたときにちょうどいいサイズや、がっつりいきたいときに満足できるボリューミーなサイズなど、種類も豊富ですし、もちろん店ごとにも多種多彩なのがうれしいですね。 (40代 女性)
トンテキ
俺がトンテキを初めて食べたのは三重県の四日市市ってところだった。「四日市とんてき」ってのがそこの名物料理とかで、食べてみたらこれが絶品で病みつきになった。むちゃくちゃ分厚い豚肉を濃いめのタレで焼いた料理なんだけど、そのタレにはにんにくも効いていて、食べれば食べるほど食欲が湧いてくるという、何とも恐ろしいほどのおいしさだ。これで俺は改めて豚肉の魅力に目覚めたと言ってもいい。トンテキってのは、豚のステーキとしてほかの地域にもあったりして、そこではポークソテーと言っていて、いわゆる四日市とんてきとは別物なんだけど、それはそれでおいしいんだよね。 (30代 男性)
カレーライス
トラックドライバーとしては手軽にスタミナ補給したい。そこで重宝するのが、ひと皿で食事が完結するカレーライスだ。大きなナンとカレーの小皿が並ぶインド料理じゃなくて、日本風のカレーライス。肉も野菜も入っているし、多種多様に投入されているスパイスが胃腸にも良くて、俺が毎日健康に働けるのもカレーライスのおかげじゃないかと思う。それに日本風のカレーライスといっても、店によっていろいろな味がある。本格インド料理店、タイ料理店、マレーシア料理店などで、ひとつの皿にライスとカレーを乗せた「カレーライス」をメニュー化しているところも多いしね。チェーン店なら、俺たちドライバーが行き交う国道、県道沿いにもたくさん見つかる。カレーうどん、カレーパンなど、アレンジメニューもおいしいよ。 (20代 男性)
焼き肉定食
いわゆる大衆食堂でリーズナブルに満足感を味わえるのが最大の魅力。時間があるときは鉄板、もしくは網でじっくり焼き肉を味わうのもいいけど、時間があまりないとき、その焼き肉を疑似体験できるのが焼き肉定食さ。店によってはスタミナ定食だなんて、まさに僕が求めるものを端的に言い表してくれて、見つけるとついつい注文してしまう、心憎い一品だ。さらに時間がないときに重宝する、焼き肉丼なんて裏技を駆使してくれる店もあるけど、やはりご飯を食べ、おかずとして焼き肉を味わい、ついでにタレに浸かったキャベツの千切りだのキュウリの千切りだのも満喫しつつ、味噌汁もいただくってのが極上の食事体験。 (30代 男性)
唐揚げ定食
がっつり食べて仕事のエネルギーになると言ったらやはり鶏の唐揚げ。いつでもどこでも食べたい、定食界のホームラン王! 塩コショウで食べるも良し、マヨネーズをつけるも良し、ソース、しょう油も合うというマルチプレーヤーだ。ちなみに、いつか妻がデパートの北海道展でザンギっていう唐揚げを買ってきてくれたことがあったけど、こいつがうめえのなんのって究極のメニューに載せたいくらい。というわけで、いつか北海道に渡って本場でザンギを食べたいと願いつつ、毎日ハンドルを握っている。 (50代 男性)
スパゲッティ
私が最も満腹感を覚える料理です。パスタっていうと、こじゃれた感じですが、私はやはりスパゲッティと言いたいですね。喫茶店でも専門店でも洋食店でもイタリア料理店でもファミレスでも食べれるし、食べ放題の店もあったりして、いろいろ選べます。味の種類も豊富ですが、私は昔ながらのナポリタンが一番好きです。子どものころは母親がよく作ってくれた味ですし、トマトケチャップのシンプルな味付け、ハムやソーセージといった素朴な具が、舌にも馴染みがあります。名古屋じゃ鉄板に卵を敷いて、その上にスパゲッティを乗せるのが一般的で、これを食べるのは名古屋に行く楽しみの1つにもなっています。 (50代 男性)